後日談
春の日の下正雪は、主のおつかいで外にでていた。
「猫が昼寝を……なんと愛らしい……」
日向ぼっこをしている猫をみて思わず微笑んでいると、通りすがりの子供言いわれる。
「お母さんあの御侍さん笑ってるー」
「御侍さんなんて言っちゃダメ!!」
子供の母親にすみませんと言われたが、正雪は、子供に言われた発言にショックを受けた。
「御侍さん……」
けっして間違っていない。そう間違っていない。だが令和の世では、この姿は、珍しいということに少し衝撃を受けた。
「おかしいだろうか……」
しょぼんと少し落ち込みながら、目的の場所に向かう。たどり着いたのは、おしゃれな仕立てのお店だった。
「アトリエ……きりん……ここだな」
ドアを開け中にはいると、ベルの音が店に響いた。
「ごめん誰かいるだろうか!!」
店の奥から物音がし出てきたのは、白髪の青年だった。
「……店主は、今留守です」
どこか人間離れした雰囲気の青年は、正雪をじっとみる。
「貴女……姫の使いでしたか」
「姫ということは……」
家をでる前に主からおつかいさきには、刀剣がいるときいていた。たぶん彼がそうなのだろう。
「もしや……白山吉光殿??」
「はい。わたくしが白山吉光。姫から聞いてましたか」
「あぁ」
書物で読んだ、白山吉光は、狐をお供にしているらしいが、その白山吉光は、ククリ姫からじかに預かった刀剣白山吉光の本霊のため狐は、連れていないようだ。
「私は、由井正雪いごお見知りおき」
「えぇ」
白山は、短く答えると、正雪は、少し困った。もしかしてあまり歓迎されていないと思いながら。
「……わたくしは、顔の表情がとぼしいので、貴女の思っていることは、思っていません」
「そうか……」
「はい」
とりあえず友美から預かってきたものを白山に渡すと白山の目が煌めいた。
「おいなりさん」
「今朝出来たものだから、届けて欲しいと」
「そうでした」
白山は、おいなりさんをもって奥へ。
「え??」
店で一人にされ、正雪は、困った。どうしたものかと。
「……帰ってもいいのだろうか」
主からの任務は、無事に遂行した。しかし白山の反応があまりにもなくどうしたらいいのか、分からない。
「吉光殿ー!!」
「はい」
店の奥から白山は、顔を出すと、まだ、いたのかと言った感じで、正雪をみていた。
「ありがとうございます。店主には、伝えとにますから」
「わかった……では……」
とりあえず今日は、帰ろう。
正雪は、店をでたあと、空をみた。
「刀剣男士とは……みな明るいとおもったが……かような者もいるのだな……」
人がそれぞれ個性があるように、刀剣もまた個性がある。
歩きながら、そんなことを考えていると、ふと鏡に自分の姿が写る。
着なれた着物と袴そして羽織。髪だけは、肉体を手に入れ、切るわけにもいかずに、ポニーテールにし、青いリボンでくくり、生前とは、少し違う髪型になっている。
「ふむ……やはりおかしいのだろうか……」
じっとガラスを見ていると、視線を感じそちらをみた。
「貴女もしかして、由井ちゃん!?」
「む??」
突然自分よりも小さい女性に由井ちゃんと呼ばれ、近寄られてもこまる。
正雪は、こんな知り合い居たかと考える。
「私は、結羽よ!! ほら友美様から聞いてるとおもうけど!!」
「あっ!! 店主殿!!」
店主の名前は、聞いていたので、思わず言うと、結羽は、笑っていた。
「友美様が武士を見かけたら由井ちゃんって言ってたけど本当だった」
結羽に悪気がないのは、わかる。だが今の正雪にとっては、少し傷に塩を塗る発言だ。
「武士……」
しょぼんとする正雪に結羽は、首をかしげた。
「由井ちゃん??」
「その……この時代にこの服装は……おかしいのだろうか……」
結羽は、首を横にふった。
「まったく!! 由井ちゃんみたい着物姿の人は、一定数いるもの!!」
「ありがとう……」
「その高いところで髪を結ってるから武士って言った方が分かりやすいのかも」
「なるほど」
なら問題なさそうだと正雪は、ほっとし、少しだけ元気になった。
「おかしくないのならよかった」
「ねぇ。服を作らせてくれない??」
「えっ!?」
結羽は、じっと正雪をみていう。
「絶対に和服以外も似合うわ」
「と言われても……私は、金子を……」
「持ってなくても大丈夫よ。モデルになってくれたらいいから」
モデルと正雪は、驚いていると、結羽は、そんな正雪をアトリエに連れていき、白山が驚くのも無視して、困惑している正雪を無視して、採寸した。
「えっ!?」
「よし!! これでオッケーね!!」
正雪が困っている間に終わってしまった。
椅子に座りながら、正雪は、結羽をみていた。
スケッチブックになにかを描く結羽。彼女にとって被服は、生き甲斐なのかもしれない。
少し羨ましい夢中になれることがあるということが。
「こういうのどうかしら??」
結羽が見せてくれたページには、落ち着きながらも可愛らしいワンピースが。
「とても可愛いと思う」
「ならこれでと」
結羽は、そういうと、正雪に言う。
「まだ出来たら連絡するから来て」
ここまで来たら断るのは、少し心苦しい。正雪は、頷く。
「分かった……」
その後正雪は、アトリエを後にし、帰宅後友美にこの事を話すと、友美は、苦笑いをしていた。
「結羽らしい……ごめんね正雪」
結羽は、正雪を困らせてしまったらしい。確かにおとなしい正雪と積極的な結羽なら結羽に正雪がなにかを言うのは、難しい。
「姫その……結羽殿も悪気は、ないと思うのだが……勢いにおされ……」
「せっかくだし、そのワンピース貰ってあげて、あの子なりの歓迎の証だから」
白山もあの勢いにおされ、好きにさせているようだ。
友美は、仕事でも結羽が暴走してないといいがとふと不安になった。
「……それと少し羨ましいとも思ってしまった」
「羨ましい……」
正雪は、目を伏せる。
「私には、あのように夢中になれることは、今ない……」
夢を追いかけていたり、夢中になるものがあるあるものは、とてもキラキラしている。
その光は、素敵でそして美しくも羨ましいものだ。
「……そんなのこれから探せばいいわ」
友美は、そういうと、続けた。
「結羽は、人に捕まり殺されかけた」
「それは……」
「正雪に似ているところがあるかもね」
友美は、微笑む。
「そこから結羽は、色々見て、体験して、被服に出会って今のようになったの。だから正雪も色々見て、やるといいわ!! なんならその軍師としての才を使うのもあり!!
だからそう落ち込まないの!!」
正雪は、頷く。
「そうだな姫」
これから探せばいい。まだこの時代のことは、知らないことばかりなのだから。
数日後結羽から連絡があり、正雪は、約束どおりアトリエに向かった。
アトリエの中にはいると、結羽が出迎えてくれた。
「ありがとう来てくれて!!」
「結羽殿かたじけない」
アトリエの中には、何故か油揚げが積み上がっていた。
「油揚げ……??」
「これ狐さんがお代にって……これだけあると食べれないから、帰りに持って帰って!!」
「わかった」
にしても凄い量である。これだけの量はたして裁ききれるのだろうか。
そんなことを考えながら、結羽の指示に従い、着替えをした。
「変では、ないだろうか……」
可憐なワンピースに身を包んだ正雪だが、内心似合ってるか心配だった。
洋服といえばあの黒と赤を基調にした、和風ドレスくらいしか着たことがない。
結羽は、満足げに微笑む。
「やっぱり桃色も似合う!!」
結羽はそういうと、正雪が身に付けていた簪と耳飾りを羨ましそうに見ていた。
「結羽殿??」
「友美様からでしょう??」
「あぁ」
「羨ましい!! 私もジュエリーがよかったのに、友美様がくれたのは、はい玉!! 漢服ならともかく洋服なら身に付けるのもなかなか工夫が必要なのに!!」
結羽の妬みに正雪は、苦笑いを浮かべる。こればかりは、正雪がリクエストしたものでは、ない。
「姫に頼めば……」
「契約の証だから無理よそんなのこと」
「そうなのか??」
「そう!! 契約者ごとに決まるから私は、もう決まってしまってるってわけ」
色々友美との契約もあるのだなと正雪は、思いながら、結羽をみた。
「さて!! 由井ちゃん裏にある庭に出てくれる??」
正雪は、頷くと、裏庭に。そこは、とても綺麗に手入れされている美しい庭だった。
「綺麗……」
「ありがとう!! そう言ってもらえて嬉しい!!」
結羽は、その後立ち位置を指示し、正雪は、慣れないながら指示に従い写真撮影は、終わった。その後服と大量の油揚げがをもち、彼女は、帰路に着いた。
その夜大量の油揚げは、無事に処理され、正雪は、驚いていた。
「当世には、冷凍保存が普通にあるのか……」
キッチンで冷蔵庫を眺めながら、正雪は、いうので、洗い物をしていた、光が困った顔をしていた。
「冷蔵庫開けていいかな??」
「すまない!! 迷惑をかけた!!」
あわあわと正雪は、キッチンから出ると、リビングに。
リビングでは、狐が美味しそうに油揚げを食べていた。
「姫」
「どうしたの??」
銀狐と白夜を撫でながら、友美は、顔を上げた。
「その……」
「結羽からのワンピース凄く似合ってたわ」
「えっ!?」
「さっき写真が送られてきたから」
友美は、スマホを正雪に見せる。確かにそこには、今日は、とった写真が。
「私……このような顔も出来たのだな……」
「正雪の笑顔は、可愛いから!!」
写真の中の微笑む自分に少し恥ずかしさも感じるが。
「姫その……油揚げなのだが……」
「どうしたの??」
「また……いなり寿司を食べたいなと……」
友美は、ピコーンとなにかに反応した。
「光!! リクエスト!!」
「聞いてたよ!! 任せろ!!」
正雪は、困惑している間に話は、進んでしまった。
ここにも光忠殿がいるのかと彼女は、光の方をみる。
「光殿……もしや……料理が好き……なのか??」
そんなことを思いながら、彼女は、微笑むのであった。
「猫が昼寝を……なんと愛らしい……」
日向ぼっこをしている猫をみて思わず微笑んでいると、通りすがりの子供言いわれる。
「お母さんあの御侍さん笑ってるー」
「御侍さんなんて言っちゃダメ!!」
子供の母親にすみませんと言われたが、正雪は、子供に言われた発言にショックを受けた。
「御侍さん……」
けっして間違っていない。そう間違っていない。だが令和の世では、この姿は、珍しいということに少し衝撃を受けた。
「おかしいだろうか……」
しょぼんと少し落ち込みながら、目的の場所に向かう。たどり着いたのは、おしゃれな仕立てのお店だった。
「アトリエ……きりん……ここだな」
ドアを開け中にはいると、ベルの音が店に響いた。
「ごめん誰かいるだろうか!!」
店の奥から物音がし出てきたのは、白髪の青年だった。
「……店主は、今留守です」
どこか人間離れした雰囲気の青年は、正雪をじっとみる。
「貴女……姫の使いでしたか」
「姫ということは……」
家をでる前に主からおつかいさきには、刀剣がいるときいていた。たぶん彼がそうなのだろう。
「もしや……白山吉光殿??」
「はい。わたくしが白山吉光。姫から聞いてましたか」
「あぁ」
書物で読んだ、白山吉光は、狐をお供にしているらしいが、その白山吉光は、ククリ姫からじかに預かった刀剣白山吉光の本霊のため狐は、連れていないようだ。
「私は、由井正雪いごお見知りおき」
「えぇ」
白山は、短く答えると、正雪は、少し困った。もしかしてあまり歓迎されていないと思いながら。
「……わたくしは、顔の表情がとぼしいので、貴女の思っていることは、思っていません」
「そうか……」
「はい」
とりあえず友美から預かってきたものを白山に渡すと白山の目が煌めいた。
「おいなりさん」
「今朝出来たものだから、届けて欲しいと」
「そうでした」
白山は、おいなりさんをもって奥へ。
「え??」
店で一人にされ、正雪は、困った。どうしたものかと。
「……帰ってもいいのだろうか」
主からの任務は、無事に遂行した。しかし白山の反応があまりにもなくどうしたらいいのか、分からない。
「吉光殿ー!!」
「はい」
店の奥から白山は、顔を出すと、まだ、いたのかと言った感じで、正雪をみていた。
「ありがとうございます。店主には、伝えとにますから」
「わかった……では……」
とりあえず今日は、帰ろう。
正雪は、店をでたあと、空をみた。
「刀剣男士とは……みな明るいとおもったが……かような者もいるのだな……」
人がそれぞれ個性があるように、刀剣もまた個性がある。
歩きながら、そんなことを考えていると、ふと鏡に自分の姿が写る。
着なれた着物と袴そして羽織。髪だけは、肉体を手に入れ、切るわけにもいかずに、ポニーテールにし、青いリボンでくくり、生前とは、少し違う髪型になっている。
「ふむ……やはりおかしいのだろうか……」
じっとガラスを見ていると、視線を感じそちらをみた。
「貴女もしかして、由井ちゃん!?」
「む??」
突然自分よりも小さい女性に由井ちゃんと呼ばれ、近寄られてもこまる。
正雪は、こんな知り合い居たかと考える。
「私は、結羽よ!! ほら友美様から聞いてるとおもうけど!!」
「あっ!! 店主殿!!」
店主の名前は、聞いていたので、思わず言うと、結羽は、笑っていた。
「友美様が武士を見かけたら由井ちゃんって言ってたけど本当だった」
結羽に悪気がないのは、わかる。だが今の正雪にとっては、少し傷に塩を塗る発言だ。
「武士……」
しょぼんとする正雪に結羽は、首をかしげた。
「由井ちゃん??」
「その……この時代にこの服装は……おかしいのだろうか……」
結羽は、首を横にふった。
「まったく!! 由井ちゃんみたい着物姿の人は、一定数いるもの!!」
「ありがとう……」
「その高いところで髪を結ってるから武士って言った方が分かりやすいのかも」
「なるほど」
なら問題なさそうだと正雪は、ほっとし、少しだけ元気になった。
「おかしくないのならよかった」
「ねぇ。服を作らせてくれない??」
「えっ!?」
結羽は、じっと正雪をみていう。
「絶対に和服以外も似合うわ」
「と言われても……私は、金子を……」
「持ってなくても大丈夫よ。モデルになってくれたらいいから」
モデルと正雪は、驚いていると、結羽は、そんな正雪をアトリエに連れていき、白山が驚くのも無視して、困惑している正雪を無視して、採寸した。
「えっ!?」
「よし!! これでオッケーね!!」
正雪が困っている間に終わってしまった。
椅子に座りながら、正雪は、結羽をみていた。
スケッチブックになにかを描く結羽。彼女にとって被服は、生き甲斐なのかもしれない。
少し羨ましい夢中になれることがあるということが。
「こういうのどうかしら??」
結羽が見せてくれたページには、落ち着きながらも可愛らしいワンピースが。
「とても可愛いと思う」
「ならこれでと」
結羽は、そういうと、正雪に言う。
「まだ出来たら連絡するから来て」
ここまで来たら断るのは、少し心苦しい。正雪は、頷く。
「分かった……」
その後正雪は、アトリエを後にし、帰宅後友美にこの事を話すと、友美は、苦笑いをしていた。
「結羽らしい……ごめんね正雪」
結羽は、正雪を困らせてしまったらしい。確かにおとなしい正雪と積極的な結羽なら結羽に正雪がなにかを言うのは、難しい。
「姫その……結羽殿も悪気は、ないと思うのだが……勢いにおされ……」
「せっかくだし、そのワンピース貰ってあげて、あの子なりの歓迎の証だから」
白山もあの勢いにおされ、好きにさせているようだ。
友美は、仕事でも結羽が暴走してないといいがとふと不安になった。
「……それと少し羨ましいとも思ってしまった」
「羨ましい……」
正雪は、目を伏せる。
「私には、あのように夢中になれることは、今ない……」
夢を追いかけていたり、夢中になるものがあるあるものは、とてもキラキラしている。
その光は、素敵でそして美しくも羨ましいものだ。
「……そんなのこれから探せばいいわ」
友美は、そういうと、続けた。
「結羽は、人に捕まり殺されかけた」
「それは……」
「正雪に似ているところがあるかもね」
友美は、微笑む。
「そこから結羽は、色々見て、体験して、被服に出会って今のようになったの。だから正雪も色々見て、やるといいわ!! なんならその軍師としての才を使うのもあり!!
だからそう落ち込まないの!!」
正雪は、頷く。
「そうだな姫」
これから探せばいい。まだこの時代のことは、知らないことばかりなのだから。
数日後結羽から連絡があり、正雪は、約束どおりアトリエに向かった。
アトリエの中にはいると、結羽が出迎えてくれた。
「ありがとう来てくれて!!」
「結羽殿かたじけない」
アトリエの中には、何故か油揚げが積み上がっていた。
「油揚げ……??」
「これ狐さんがお代にって……これだけあると食べれないから、帰りに持って帰って!!」
「わかった」
にしても凄い量である。これだけの量はたして裁ききれるのだろうか。
そんなことを考えながら、結羽の指示に従い、着替えをした。
「変では、ないだろうか……」
可憐なワンピースに身を包んだ正雪だが、内心似合ってるか心配だった。
洋服といえばあの黒と赤を基調にした、和風ドレスくらいしか着たことがない。
結羽は、満足げに微笑む。
「やっぱり桃色も似合う!!」
結羽はそういうと、正雪が身に付けていた簪と耳飾りを羨ましそうに見ていた。
「結羽殿??」
「友美様からでしょう??」
「あぁ」
「羨ましい!! 私もジュエリーがよかったのに、友美様がくれたのは、はい玉!! 漢服ならともかく洋服なら身に付けるのもなかなか工夫が必要なのに!!」
結羽の妬みに正雪は、苦笑いを浮かべる。こればかりは、正雪がリクエストしたものでは、ない。
「姫に頼めば……」
「契約の証だから無理よそんなのこと」
「そうなのか??」
「そう!! 契約者ごとに決まるから私は、もう決まってしまってるってわけ」
色々友美との契約もあるのだなと正雪は、思いながら、結羽をみた。
「さて!! 由井ちゃん裏にある庭に出てくれる??」
正雪は、頷くと、裏庭に。そこは、とても綺麗に手入れされている美しい庭だった。
「綺麗……」
「ありがとう!! そう言ってもらえて嬉しい!!」
結羽は、その後立ち位置を指示し、正雪は、慣れないながら指示に従い写真撮影は、終わった。その後服と大量の油揚げがをもち、彼女は、帰路に着いた。
その夜大量の油揚げは、無事に処理され、正雪は、驚いていた。
「当世には、冷凍保存が普通にあるのか……」
キッチンで冷蔵庫を眺めながら、正雪は、いうので、洗い物をしていた、光が困った顔をしていた。
「冷蔵庫開けていいかな??」
「すまない!! 迷惑をかけた!!」
あわあわと正雪は、キッチンから出ると、リビングに。
リビングでは、狐が美味しそうに油揚げを食べていた。
「姫」
「どうしたの??」
銀狐と白夜を撫でながら、友美は、顔を上げた。
「その……」
「結羽からのワンピース凄く似合ってたわ」
「えっ!?」
「さっき写真が送られてきたから」
友美は、スマホを正雪に見せる。確かにそこには、今日は、とった写真が。
「私……このような顔も出来たのだな……」
「正雪の笑顔は、可愛いから!!」
写真の中の微笑む自分に少し恥ずかしさも感じるが。
「姫その……油揚げなのだが……」
「どうしたの??」
「また……いなり寿司を食べたいなと……」
友美は、ピコーンとなにかに反応した。
「光!! リクエスト!!」
「聞いてたよ!! 任せろ!!」
正雪は、困惑している間に話は、進んでしまった。
ここにも光忠殿がいるのかと彼女は、光の方をみる。
「光殿……もしや……料理が好き……なのか??」
そんなことを思いながら、彼女は、微笑むのであった。