光明ノ神子
友美は、驚く。光が珍しく苦虫を噛み潰したよう顔を見て。
彼の視線の先には、売られている白菜が。「なんだと……」
「光??」
今二人は、デパートに来ていた。子供達は、友美の実家にいき、二人は、正月だしと初売りに来たのである。
友美は、心配そうに光を見ていると彼は、いった。
「年末前にに野菜買い込んだのに!! こんなに安いなんて!! 買い込まなくてよかったじゃないか!!」
友美は、思わず目が点になった。
「え??」
「白菜半玉が150円なら安い方!! 年末に108円で買ったけどこれなら無理して買わなくてもよかったんだ!!」
「確かに高いと199円とか250円とかするもんね!!」
「199円でも安い方だが、そう!! 冷蔵庫に無理矢理つめたのに……」
友美は、そういえば光が唸りながら、白菜を入れていたなと思い出していた。
あの苦労を考えると悔しがるのも分かる。
しかしここまで悔しがることだろうか。
「とりあえず買う!!」
「買うのね……」
「安いときに買い込むべし!!」
光は、そういうもかごに白菜を入れた。しかし友美は、思う。せっかくの百貨店の初売りに来て、福袋より生鮮食品を優先し、一番にその売場に来るのは、どうなのかと。
「まぁ家計的には、安くていい野菜は、大助かりよね」
デパートの野菜は、もしかするとスーパーの野菜よりもいいかもしれかい。
友美は、そう思いながらふとあるものが眼にはいった。
「ちぢみほうれん草だわ……」
ちぢみほうれん草を手に取ると、友美は、値段を確認し、驚く。
「安い」
これは、かごに入れなくては。
友美は、辺りを見渡し光を見つけると、彼のところへ行き、かごにほうれん草を入れた。
「ちぢみほうれん草」
「光!! 甘くて美味しいから美味しく料理してほしいなぁ……」
光は、友美のうるうるした瞳に思わず視線をそらした。
「分かったよ」
「ありがとう!!」
どことなく光の顔が赤いが気にしない。友美は、他に安い野菜は、ないかと探しだした。
「チンゲン菜安い!!」
そして見つけたのは、チンゲン菜だった。
「58円!!?? 安いこれは……」
光も見つけたようで驚く。
「光買う??」
「とりあえず買っとく」
チンゲン菜もかごにいれると、今度は、安いからと水菜やニラなどもかごに入れた。
「光私達……デパートに来たのよね!?」
「そうだよ」
「かごの中身……見事にスーパーかん漂ってるんだけど……」
光は、友美の言葉に確かにと思った。
デパートならでは、の高級な物や、珍しく物があったのならともかく、かごの中身は、スーパーでも買えるものばかりだ。
「そうだね」
「デパートの空気いれない!?」
「いれません!!」
高級な果物は、却下らしい。
友美は、少し悔しそうな顔をしたが、確かにわざわざ高いものを買う必要は、ないかと思った。
「光これほしい!!」
しかしなにか特別感は、出したいと、辺りを見渡し、これだというものを言った。
光は、友美の指差す方をみて、瞳を煌めかせた。
「チーズケーキ……」
「ここの美味しいし買おうよ!!」
ちょっと高級なスーパーのチーズケーキ。確かにここのは、美味しい。
光は、悩ましげな顔をするが、すぐに、友美の顔を見て彼のなかで何か折れた。
「珈琲と食べようか」
「うん!! ありがとう!!」
愛する姫のリクエストならば、答えなければ。光は、かごにチーズケーキをいれた。
「二つ!!」
「一つでいいよ!! このチーズケーキなかなかボリュームあって、俺は、一パック食べられないから!!」
友美ならいけるだろうが、ここは、自分の意見を通すと、光は、不満げな友美を横目に、スイーツコーナーから離れた。
「光もう終わり??」
「ここはね」
そして会計を済ませると、マイバックに、買った品を積め、持つ。
「私も持つわ」
「ありがとう。でも一人でいけるから」
光は、微笑むと歩き出した。
「次は、福袋ね!!」
「そうだね」
だが福袋を買うにしては、光は、のんびりしている。
争奪戦になるのだから、朝早くから並ぶのが定番ともいえる。
地下二階の生鮮食品コーナーなら地下一階のスイーツやお総菜の売っている店のコーナーにやって来た。
「凄い人……」
「正月だからね」
光は、そう呟くと、友美のてを握った。
「迷わないように」
「光ありがとう」
友美の手をひき、光は、歩く。うまいこと、人混みを抜け、友美も普段よりも楽に人混みを抜けれた。
店につくと、そこは、スイーツのお店だ。
「すみません。予約してた……」
列に並び、光は、店員に話しかけると、奥から福袋が。
代金を支払い受け取ると、光は、また次の店に。そして次から次へと店をまわるとあっというまに福袋まみれに。
「全部注文してたの!?」
「そう。一応抽選だったんだけど……全部当たったんだ」
友美は、さすがと思いつつ光にいった。
「凄い……」
「あとは、珈琲だな」
「そうね!!」
そして珈琲の店に行き、福袋を買うと、二人は、デパートの駐車場へ。
「光もう帰る??」
「せっかくだし荷物置いて、お茶しよう!! うえの台湾茶のところで!!」
これは、ただ、光が行きたいだけなような気がする。
友美は、夫の思惑にのることにした。
「いいわよ」
「ありがとう!! ならさっそく新しいメニューを頼むぞー!!」
友美は、ニヤリと笑うと光は、その笑みを見て身震いしていた。
「友美怖い……」
「光が下心あるからでしょう??」
光は、顔がこわばる。
「下心って……」
「まぁいいけど。可愛い企みだしね」
友美は、微笑むと車のドアを閉めた。
「光の好きな茶葉も買わないとねー」
友美に怒られるかと思いきや違い、光は、ほっとした。しかし同時に恐怖も感じた。友美の前では、後ろめたいことは、絶対にするなと。
「もし……浮気でもしたもんなら八つ裂きだろうな……」
「相手は、そうねー 光は、軟禁して、廃人にしてから、神の供物にでもなってもらおうかしら」
平然と恐ろしいことをいう友美に光は、更に身震いした。
「聞こえてたのか!?」
「聞こえるわよ。あとそんな変なこと言わないでよね。突然」
友美は、呆れた顔をしいうと、光の所へ。そして彼の顔に手を添えると言う。
艶やかな声で。
「光にとっての一番は、誰かしら??」
怪しげな笑みを浮かべる友美だが、それがまた美しく魅力的だ。
光は、頬を赤くすると友美を抱き締めた。
「友美だよ……それよりここでそれは、やめてくれ……色々我慢できなくなる……」
切ない光の声色に友美は、微笑む。
「分かったわ。私も車の中は、趣味じゃないしねー でも野外だとなかなか燃えるとか……」
光は、ため息をつくといった。
「やらないからな!!??」
「分かってる!!」
友美は、楽しげに笑うと光のてを握った。
「光はやくいこう!! 人多いし待つかも!!」
「そうだね」
車のドアを閉め、鍵をかけると、二人は、手を繋ぎ歩き出した。
その後目的のかいにつくとお茶を頼み、真剣に台湾茶をいれる光をみて、友美は、笑った。
「凄い真剣」
「そりゃ時間で味が変わるから!! 本当なら温度もこだわりたいけど」
光は、そういうと、お茶をいれる。
本当に手慣れてるなと友美は、思いながらお茶菓子を食べた。
「光は……帰りたいと思わないの??」
光は驚いた顔をしたがすぐに真剣な顔をし言う。
「俺は、帰りたいと思わない。だって……ここが俺の居場所だから」
友美が何故こう言ったか、その意図を光は、知っていた。
友美は、目を伏せると言う。
「ならよかったわ」
「友美でも何故それを……」
「なんとなく」
本当に深い意味は、ない。でも何故か聞きたかった。
友美は、微笑むとお茶を飲む。
「東方美人美味しい……」
友美は、本心を偽っては、なさそうだ。
光は、美味しそうにお茶を飲む友美をみて、微笑む。
「でしょう?? 友美また付き合ってくれる??」
友美は、目を細め頷く。
「いいわよ」
「ありがとう!!」
二人は、微笑み合うと、また他愛もない話をした。
新年ならこうしてデート出来るのは、本当に幸せで、今年もこうした時を重ねていきたいと思いながら。
しばらくお茶を楽しむと、帰りに、光の好きな茶葉を買い、二人は、帰路に着いたのであった。
彼の視線の先には、売られている白菜が。「なんだと……」
「光??」
今二人は、デパートに来ていた。子供達は、友美の実家にいき、二人は、正月だしと初売りに来たのである。
友美は、心配そうに光を見ていると彼は、いった。
「年末前にに野菜買い込んだのに!! こんなに安いなんて!! 買い込まなくてよかったじゃないか!!」
友美は、思わず目が点になった。
「え??」
「白菜半玉が150円なら安い方!! 年末に108円で買ったけどこれなら無理して買わなくてもよかったんだ!!」
「確かに高いと199円とか250円とかするもんね!!」
「199円でも安い方だが、そう!! 冷蔵庫に無理矢理つめたのに……」
友美は、そういえば光が唸りながら、白菜を入れていたなと思い出していた。
あの苦労を考えると悔しがるのも分かる。
しかしここまで悔しがることだろうか。
「とりあえず買う!!」
「買うのね……」
「安いときに買い込むべし!!」
光は、そういうもかごに白菜を入れた。しかし友美は、思う。せっかくの百貨店の初売りに来て、福袋より生鮮食品を優先し、一番にその売場に来るのは、どうなのかと。
「まぁ家計的には、安くていい野菜は、大助かりよね」
デパートの野菜は、もしかするとスーパーの野菜よりもいいかもしれかい。
友美は、そう思いながらふとあるものが眼にはいった。
「ちぢみほうれん草だわ……」
ちぢみほうれん草を手に取ると、友美は、値段を確認し、驚く。
「安い」
これは、かごに入れなくては。
友美は、辺りを見渡し光を見つけると、彼のところへ行き、かごにほうれん草を入れた。
「ちぢみほうれん草」
「光!! 甘くて美味しいから美味しく料理してほしいなぁ……」
光は、友美のうるうるした瞳に思わず視線をそらした。
「分かったよ」
「ありがとう!!」
どことなく光の顔が赤いが気にしない。友美は、他に安い野菜は、ないかと探しだした。
「チンゲン菜安い!!」
そして見つけたのは、チンゲン菜だった。
「58円!!?? 安いこれは……」
光も見つけたようで驚く。
「光買う??」
「とりあえず買っとく」
チンゲン菜もかごにいれると、今度は、安いからと水菜やニラなどもかごに入れた。
「光私達……デパートに来たのよね!?」
「そうだよ」
「かごの中身……見事にスーパーかん漂ってるんだけど……」
光は、友美の言葉に確かにと思った。
デパートならでは、の高級な物や、珍しく物があったのならともかく、かごの中身は、スーパーでも買えるものばかりだ。
「そうだね」
「デパートの空気いれない!?」
「いれません!!」
高級な果物は、却下らしい。
友美は、少し悔しそうな顔をしたが、確かにわざわざ高いものを買う必要は、ないかと思った。
「光これほしい!!」
しかしなにか特別感は、出したいと、辺りを見渡し、これだというものを言った。
光は、友美の指差す方をみて、瞳を煌めかせた。
「チーズケーキ……」
「ここの美味しいし買おうよ!!」
ちょっと高級なスーパーのチーズケーキ。確かにここのは、美味しい。
光は、悩ましげな顔をするが、すぐに、友美の顔を見て彼のなかで何か折れた。
「珈琲と食べようか」
「うん!! ありがとう!!」
愛する姫のリクエストならば、答えなければ。光は、かごにチーズケーキをいれた。
「二つ!!」
「一つでいいよ!! このチーズケーキなかなかボリュームあって、俺は、一パック食べられないから!!」
友美ならいけるだろうが、ここは、自分の意見を通すと、光は、不満げな友美を横目に、スイーツコーナーから離れた。
「光もう終わり??」
「ここはね」
そして会計を済ませると、マイバックに、買った品を積め、持つ。
「私も持つわ」
「ありがとう。でも一人でいけるから」
光は、微笑むと歩き出した。
「次は、福袋ね!!」
「そうだね」
だが福袋を買うにしては、光は、のんびりしている。
争奪戦になるのだから、朝早くから並ぶのが定番ともいえる。
地下二階の生鮮食品コーナーなら地下一階のスイーツやお総菜の売っている店のコーナーにやって来た。
「凄い人……」
「正月だからね」
光は、そう呟くと、友美のてを握った。
「迷わないように」
「光ありがとう」
友美の手をひき、光は、歩く。うまいこと、人混みを抜け、友美も普段よりも楽に人混みを抜けれた。
店につくと、そこは、スイーツのお店だ。
「すみません。予約してた……」
列に並び、光は、店員に話しかけると、奥から福袋が。
代金を支払い受け取ると、光は、また次の店に。そして次から次へと店をまわるとあっというまに福袋まみれに。
「全部注文してたの!?」
「そう。一応抽選だったんだけど……全部当たったんだ」
友美は、さすがと思いつつ光にいった。
「凄い……」
「あとは、珈琲だな」
「そうね!!」
そして珈琲の店に行き、福袋を買うと、二人は、デパートの駐車場へ。
「光もう帰る??」
「せっかくだし荷物置いて、お茶しよう!! うえの台湾茶のところで!!」
これは、ただ、光が行きたいだけなような気がする。
友美は、夫の思惑にのることにした。
「いいわよ」
「ありがとう!! ならさっそく新しいメニューを頼むぞー!!」
友美は、ニヤリと笑うと光は、その笑みを見て身震いしていた。
「友美怖い……」
「光が下心あるからでしょう??」
光は、顔がこわばる。
「下心って……」
「まぁいいけど。可愛い企みだしね」
友美は、微笑むと車のドアを閉めた。
「光の好きな茶葉も買わないとねー」
友美に怒られるかと思いきや違い、光は、ほっとした。しかし同時に恐怖も感じた。友美の前では、後ろめたいことは、絶対にするなと。
「もし……浮気でもしたもんなら八つ裂きだろうな……」
「相手は、そうねー 光は、軟禁して、廃人にしてから、神の供物にでもなってもらおうかしら」
平然と恐ろしいことをいう友美に光は、更に身震いした。
「聞こえてたのか!?」
「聞こえるわよ。あとそんな変なこと言わないでよね。突然」
友美は、呆れた顔をしいうと、光の所へ。そして彼の顔に手を添えると言う。
艶やかな声で。
「光にとっての一番は、誰かしら??」
怪しげな笑みを浮かべる友美だが、それがまた美しく魅力的だ。
光は、頬を赤くすると友美を抱き締めた。
「友美だよ……それよりここでそれは、やめてくれ……色々我慢できなくなる……」
切ない光の声色に友美は、微笑む。
「分かったわ。私も車の中は、趣味じゃないしねー でも野外だとなかなか燃えるとか……」
光は、ため息をつくといった。
「やらないからな!!??」
「分かってる!!」
友美は、楽しげに笑うと光のてを握った。
「光はやくいこう!! 人多いし待つかも!!」
「そうだね」
車のドアを閉め、鍵をかけると、二人は、手を繋ぎ歩き出した。
その後目的のかいにつくとお茶を頼み、真剣に台湾茶をいれる光をみて、友美は、笑った。
「凄い真剣」
「そりゃ時間で味が変わるから!! 本当なら温度もこだわりたいけど」
光は、そういうと、お茶をいれる。
本当に手慣れてるなと友美は、思いながらお茶菓子を食べた。
「光は……帰りたいと思わないの??」
光は驚いた顔をしたがすぐに真剣な顔をし言う。
「俺は、帰りたいと思わない。だって……ここが俺の居場所だから」
友美が何故こう言ったか、その意図を光は、知っていた。
友美は、目を伏せると言う。
「ならよかったわ」
「友美でも何故それを……」
「なんとなく」
本当に深い意味は、ない。でも何故か聞きたかった。
友美は、微笑むとお茶を飲む。
「東方美人美味しい……」
友美は、本心を偽っては、なさそうだ。
光は、美味しそうにお茶を飲む友美をみて、微笑む。
「でしょう?? 友美また付き合ってくれる??」
友美は、目を細め頷く。
「いいわよ」
「ありがとう!!」
二人は、微笑み合うと、また他愛もない話をした。
新年ならこうしてデート出来るのは、本当に幸せで、今年もこうした時を重ねていきたいと思いながら。
しばらくお茶を楽しむと、帰りに、光の好きな茶葉を買い、二人は、帰路に着いたのであった。