光明ノ神子

 クリスマスイブ。光は、にやりも笑いながら、カレンダーを見えていた。
「光が、悪人顔……」
 背後から聞こえた妻の声に光は、いった。
「今年こそ、邪魔されてたまるか!! クリスマスイブを!!」
 ここ数年なにかとクリスマスイブは、アクシデントが、起こり、ゆっくりと夫婦水入らずでは、過ごせてなかった。
 数日前からやたらと気合いを感じるなと友美は、思っていたがこれかと当日になりようやく分かった。
「まぁ色々あったものね……」
「だろ!? 今年は、もうないよな!? というか、あっても動かないから!!」 
 確かに夜も遅いし今年は、なにもなくクリスマスを迎えられそうだ。
「神子様~」
 窓の外かこんな声が聞こえてるが。
「光呼ばれて……」
「ない!! あんな狐知りません!!」
 見えているがあえて無視するようだ。 
 友美は、どうしたものかと思いながらも窓に張り付く狐をみる。
「とりあえず声をかけて……」
「なんで!?」
「邪魔だからよ」
 友美は、光にそういうと窓を開けた。
「どうしたの??」
 友美の登場に狐は、驚くが、すぐに話をし始める。
「こちらお礼です!! 先日助けてくださった!!」
 どうやら先日の御礼を持ってきてくれたようだ。
「ありがとう」
「高級な油揚げですよ!! 姫様もぜひ!!」
「油揚げ嬉しいわ」
 狐は、そういうと頭を下げ帰っていった。
 友美は、袋を開けると、なかを確認した。
「確かに油揚げね」
「これ銀狐と白夜の大好物だよね??」
「えぇそうよ光」
 狐が帰ったことにより、警戒心が解けた光は、油揚げをみて、言う。
「クリスマスプレゼントに油揚げいいかもね!!」
「油揚げ……」
 友美は、喜ぶが、光てきにさ、少しどうなのかと思うようだ。
 油揚げを光は、じっとみると手に取る。
「おいなりさん作るか」
「おっ!!」
「友美食べる??」
「食べる!!」
 光は、微笑むと早速キッチンに。まさかクリスマスイブにケーキだけでは、なく、おいなりさんを食べれるとは、幸せだ。しかし友美には、少し疑問が。
「光おいなりさんけっこう時間かかるわよね??」
「そこは、大丈夫!! 時短できるから!!」
 光は、そういうと早速おいなりさんを作り出し、しばらく待っていると美味しそうなおいなりさんと、日本茶が出てきた。
「友美お待たせ~」
「ありがとう!!」
 いただきますと、友美は、言うとさっそく食べる。
 甘く美味しいおいなりさんに友美は、瞳を煌めかせた。
「美味しい~」
 そういえばケーキも残っていたような。友美がそう思っていると、光は、ケーキも持ってきた。
「あれ?? 子供達に出したのと違う……」
「これは、洋酒を使ったフランボワーズのケーキだからね」
「美味しそう……」
 可愛らしいケーキのデコレーションに友美は、やはり光は、センスがいいと思った。
「光お菓子作りの天才か!!」
「秀才と言って欲しいな!! これも今まで作ってした物のお陰だから」
 おいなりさんを食べながら、友美は、お茶を飲むと、スマホでケーキの写真を撮る。
「可愛いし……」
「それは、よかった」
 光は、友美のとなりに座ると、自分のおいなりさんを食べる。
 美味しそうにおいなりさんを食べる友美をみながら、光は、本当に幸せだと思っていた。
 クリスマスイブなにもないことがこんなにもいい時間と感じるなんてと思いながら。
「また子供達の所にしかけにいかないと!!」
「そうだな」
 まだ少し余裕があるが、二人は、目を合わせるとそそくさとプレゼントを設置しに向かい、無事に帰還すると、またおいなりさんを食べた。
 おいなりさんを完食するの、時刻は、ちょうど深夜12時をまわった。
「クリスマスになってしまったわ」
「本当だ……」 
 友美は、ケーキを食べずに、和室へ。そしてラッピングされた袋を光に渡した。
「メリークリスマス!!」
「これは……」
「開けてみて!!」
 光は、袋を開けると、中から鞄が。
「光の使ってる鞄もうそろそろ買い換えするかな?? と思って!!」
 以前友美に鞄を買い換えるかと聞かれ、一先ず、これを買うか悩んでいると言った鞄が目の前にある。
 光は、目を細めた。
「ありがとう友美」
 これは、大切にしなくてはと、光は、思うと、彼もまた友美に小さな箱を渡した。
「これは??」
「まぁ見てくださいな」
 友美は、箱を開けると、中から美しい簪が。
「綺麗……」
「この雪の結晶が可愛くて、友美に似合うと思ってこれにしたんだ!!」
 友美は、微笑むと言う。
「ありがとう」
 二人は、笑い合うと、プレゼントを、大切に片付ける。
「また寝る??」
「私は、サンタさん用があるから起きとくわ」
 友美は、そういうとクッキーなどの準備をしに、キッチンに。
 光は、もうそろそろ来る時間かとと友美共に準備をしだした。
 しばらくしてこんこんとテラスの窓が叩かれるおとがし、友美がカーテンを開けると、サンタがいた。
「こんばんは」
「姫よ。久しぶりじゃな」
「お久しぶりです」
 他愛もない会話をし、友美は、サンタは、なにかに。クッキーとお茶を出すと、彼は、それを食べた。
「毎年ありがとう」
「いえ。今年も頑張って!!」
 いつのまにやら、サンタが休憩しに来るようになった我が家。
 光は、少しはなれたところから様子を見ていると、サンタが近くにやってきた。
「神子や」
「はい」
「何時もありがとう。これは、気持ちじゃ」
「ありがとうございます」
 サンタから小さな箱を渡され、光は、驚く。
「姫にも」
「ありがとう!!」
 サンタは、二人の反応をみて、嬉しそうに微笑むと、配達のために去っていった。
 サンタが帰ったのち、二人は、箱を開けると、中には、可愛らしい鳥のガラス細工が。
「可愛い!!」
 友美がそういうなか、光は、神妙なかおをしていた。
「サンタさんって俺のこの見知ってる!?」
「まぁサンタさんだからありえるかもね??」
 まさか大人になり、サンタからプレゼントを貰える日が来るとは。
 光は、その事に驚きつつも可愛らしい鳥のガラス細工に目を細める。
「せっかくだし飾って寝るか!!」
「そうね!! サンタさんも喜ぶわ!!」
 窓辺にさっそくガラス細工を飾るも、月明かりに照らされ、ガラスは、美しく輝いていた。
「じゃ寝よっか!!」
「そうだな」
 今年は、平和なクリスマスを過ごせた。二人はそう思いながら、寝るしたくをし、夢の中へと落ちていったのであった。
 幸せな気持ちと共に。
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