光明ノ神子
ひゅるりと風が吹き抜け、友美は、外を歩きながら、身震いしていた。
「友美寒い……」
「白野威そりゃ冬だもの」
足早に白野威と走っていると目の前に見慣れた和服の青年が立っていた。
「友美」
「ソーマ!?」
何故ソーマがここにいるのか。友美は、そんなことを考えながら驚いていた。
「買い物か??」
「ちょっと神子の用事で出かけた帰りよ。ソーマは??」
ソーマは、しばらく考えたのち言った。真剣な顔をして。
「孫の手……」
「孫の手」
「その件で友美の所へ行こうとしていた。一応連絡は、いれてたが……」
友美は、スマホを確認すると確かにソーマからメールが着ていた。
「孫の手……」
「そうだ。孫の手」
友美は、怪訝そうにソーマを見る。
「え??」
「だから孫の手だ」
「孫の手ってあの背中をかくやつよね!?」
「そうだ」
白野威もポカーンと間抜けな顔をしてしまっている。
友美はこれは、詳しく話を聞かなくては、と、ソーマをつれ、急いで家に帰り、コーヒーを飲みながら、話を聞いた。
炬燵に入り、向かいに座るソーマを話を友美は、聞いていたが、ますます理解できないことになっていた。
「だから孫の手が、壊れたから丈夫な物がないか教えてほしいんだ」
「あのーどうやったら孫の手が壊れるの!? 背中かくだけなのに!!」
友美は、思わずきくと、ソーマは、淡々と答える。
「どうやってって……あやかしを倒すからだ」
「あやかしを孫の手で!!??」
思わずケーキを食べていた白野威すらも驚く。
友美は、困惑していた。何故そこに行き着いたのかと。
「ソーマ……」
「なんだ友美」
「大太刀は!!??」
ソーマは、以前は、大太刀を巧みに使い、戦闘をしていた。
友美の問いにソーマは、溜め息をこぼした。
「大太刀は、扱いにくいんだ。それに蓮がちょっかいを出しかねない」
「あーだから危ないと」
「あぁ」
納得しそうになったが、友美は、納得できなかった。
「待って!? ソーマ前世から……」
「大太刀使ってたね」
白野威が言うからには、間違いない。彼は、慣れている大太刀の扱いには。
「どこが扱いにいくよ!!」
「……確かに慣れてるが、小回りがな」
「小回りって……」
大きく勢いのある間合いと攻撃範囲が大太刀の売りではと友美は、思った。
「でも小回りにこだわってなんで孫の手なのさ」
白野威は、ケーキを食べながらきくと、ソーマは、真顔に。
「油断を誘えるからな」
「油断」
「友美、白野威だってそうだろ?? 孫の手は、懐に隠せる。なら相手は、俺が丸腰で武器などないと思うだろ??」
「確かに」
「そこをついて殺るんだ」
友美と白野威は、ますます分からなくなっていた。孫の手にそんな殺傷能力は、ないと思いながら。
「白野威孫の手ってあやかし殺せる??」
「使い方によっては、目潰しと撲殺は、いけるんじゃね??」
「あー確かに……」
物騒な話をしていることに自覚は、あるが、本当にいけるのかとも気になってきた。
「孫の手を武器に……」
リビングの入り口から聞きなれた声が聞こえ、見てみると、光が帰ってきていた。
「はや!?」
「ソーマから呼び出しがあったから早く帰ってきたんだ」
友美は、こいつ光にも連絡をしていたのかとソーマをみると、彼は、頷いていた。
「光ということだ。強い素材の孫の手は、ないか??」
「まず話より着替えさせてくれ!!」
「そうだな」
光は、和室へはいると、直ぐに着替え、そして出てした。
友美のとなりに座ると、変わるように今度は、友美がたつ。
「ケーキとお茶もってくるね」
「ありがとう」
友美がキッチンに行き、光は、話をしだした。
「ソーマ大太刀は??」
「倉庫に片付けてる」
光は、それだけでなにかを察する。
「そうか」
「孫の手は、すぐに折れるな……」
「なら黒檀で作ったらどうだ?? 強いぞ」
「試したが折れた」
光は、目が点になり、黙って視線をそらすことしか出来なかった。
「ならアイアンウッドは?? あいつなかなか強いよ??」
固い木材ならなんでといいのかと思い、白野威は、言うと、ソーマは、メモを始めた。
「なるほど……それに強化の術をかければさらに強くなるな」
「リグナムバイタに比べたら軽いし、まぁいいんじゃね??」
どちらも固くそして重くて有名な高級木材だ。
「確かに」
「普通の孫の手でよくないか!? そこまで来ると使い捨てで100均で!!」
「エコにならんだろ光」
「エコを考えるのか!! そこだけ!!」
光は、エコってそういうもんじゃないと思っていると友美が戻ってきた。
「はいケーキとお茶」
「ありがとう友美」
友美は、光の前にお茶とケーキを出すと、ソーマの前木箱を出した。
「友美これはなんだ??」
「孫の手みたいだから使えるかなぁ~と!!」
ソーマは、木箱を開けると中から熊手が。
「確かに孫の手に似てるが……」
「長さが足りないかしら」
「あと頭がでかい」
熊手は、駄目だったようだ。
友美は、ならと次の木箱を出した。
「これは、どうだー!!!」
その木箱を見たとたん白野威が驚いた顔をしていた。
「それ糞親父からぶんどってきた鉄製の孫の手!!」
「そう!! 家にあっても使わないし、ソーマなら派手に壊してくれるかと!!」
派手に使うでは、なく派手に壊してくれることを期待する友美に光は、苦笑いを浮かべた。
「壊すってな……」
さすがのソーマも引いているが、ひとまず、箱をあけ、中を見た。するとなかなか丈夫そうな孫の手が。
「これは……」
「どう使えそう??」
「一度使ってみる」
ソーマは、木箱に蓋をし、言うと、友美は、嬉しそうに笑った。
「これで要らないもの減ったわ!!」
「とりあえず壊すよう努力する」
「そんな努力要らないぞソーマ」
思わず光は、あきれながらいった。
この日は、これで終わりとなり、後日、友美は、神子の役目でソーマと組むことになり、夜の森に来ていた。
「ソーマ身軽……」
何時も背中に携えていた大太刀が消え、身軽そうなソーマに思わず言うと、彼は、頷く。
「まぁな」
「友美来た!!」
白野威が頭上を見上げ、いい、友美は、白野威の背に乗り、空へ。
地上では、ソーマが孫の手を構えあやかしの中に突っ込んでいった。
「白野威任せたよ!!」
「あいよ」
弓をかまえると、友美は、矢の先に力を込め、射る。矢は、あやかしに当たると、付近にいた、あやかしも飲み込み、消滅した。
やることが早い。ソーマは、そうおもいながは、孫の手を強化し、あやかしをなんと切り捨ていった。
「孫の手が刃物に!?」
「あの使い方そりゃ折れる……」
「そうね白野威」
そして次の瞬間さらに驚くことが。
ソーマは、孫の手を片付け次に、なんと、取り出したのは、竹の子だった。
「白野威上がって!!」
「あれは、まじか!!」
白野威は、上昇した瞬間下から爆発音が。
「ウギャー!!!!」
そんなあやかしの声と共に、爆発音が何度も響いた。
「竹の子が爆弾に……」
「氷雪が嘆いていた理由分かった気がする……」
冬の神が大切に育てている竹の子がその神子により武器に改造され、とうとう爆弾にされてしまっている。
食べても美味しい、結界もはれ、敵に投げれば武器にもなる竹の子が、さらにとんでもないことになってしまった。
「白野威あれって……ソーマの九尾の力があるから爆弾になるの??」
「……たぶん狐火は、着火の為にしか使ってない……」
「そっか……」
「あと孫の手無傷かよちっ……」
「あはは……」
白野威の舌打ちと氷雪系の術すら使わずに、竹の子と孫の手だけで敵を殲滅していく友に、友美は、苦笑いを浮かべる。
なかなか神泣かせの神子なのかもしれない。友美は、どこか楽しげな友人を見ながらそう思った。これは、まだまだ爆発音と悲鳴が聞こえそうだと思いながら。
「友美寒い……」
「白野威そりゃ冬だもの」
足早に白野威と走っていると目の前に見慣れた和服の青年が立っていた。
「友美」
「ソーマ!?」
何故ソーマがここにいるのか。友美は、そんなことを考えながら驚いていた。
「買い物か??」
「ちょっと神子の用事で出かけた帰りよ。ソーマは??」
ソーマは、しばらく考えたのち言った。真剣な顔をして。
「孫の手……」
「孫の手」
「その件で友美の所へ行こうとしていた。一応連絡は、いれてたが……」
友美は、スマホを確認すると確かにソーマからメールが着ていた。
「孫の手……」
「そうだ。孫の手」
友美は、怪訝そうにソーマを見る。
「え??」
「だから孫の手だ」
「孫の手ってあの背中をかくやつよね!?」
「そうだ」
白野威もポカーンと間抜けな顔をしてしまっている。
友美はこれは、詳しく話を聞かなくては、と、ソーマをつれ、急いで家に帰り、コーヒーを飲みながら、話を聞いた。
炬燵に入り、向かいに座るソーマを話を友美は、聞いていたが、ますます理解できないことになっていた。
「だから孫の手が、壊れたから丈夫な物がないか教えてほしいんだ」
「あのーどうやったら孫の手が壊れるの!? 背中かくだけなのに!!」
友美は、思わずきくと、ソーマは、淡々と答える。
「どうやってって……あやかしを倒すからだ」
「あやかしを孫の手で!!??」
思わずケーキを食べていた白野威すらも驚く。
友美は、困惑していた。何故そこに行き着いたのかと。
「ソーマ……」
「なんだ友美」
「大太刀は!!??」
ソーマは、以前は、大太刀を巧みに使い、戦闘をしていた。
友美の問いにソーマは、溜め息をこぼした。
「大太刀は、扱いにくいんだ。それに蓮がちょっかいを出しかねない」
「あーだから危ないと」
「あぁ」
納得しそうになったが、友美は、納得できなかった。
「待って!? ソーマ前世から……」
「大太刀使ってたね」
白野威が言うからには、間違いない。彼は、慣れている大太刀の扱いには。
「どこが扱いにいくよ!!」
「……確かに慣れてるが、小回りがな」
「小回りって……」
大きく勢いのある間合いと攻撃範囲が大太刀の売りではと友美は、思った。
「でも小回りにこだわってなんで孫の手なのさ」
白野威は、ケーキを食べながらきくと、ソーマは、真顔に。
「油断を誘えるからな」
「油断」
「友美、白野威だってそうだろ?? 孫の手は、懐に隠せる。なら相手は、俺が丸腰で武器などないと思うだろ??」
「確かに」
「そこをついて殺るんだ」
友美と白野威は、ますます分からなくなっていた。孫の手にそんな殺傷能力は、ないと思いながら。
「白野威孫の手ってあやかし殺せる??」
「使い方によっては、目潰しと撲殺は、いけるんじゃね??」
「あー確かに……」
物騒な話をしていることに自覚は、あるが、本当にいけるのかとも気になってきた。
「孫の手を武器に……」
リビングの入り口から聞きなれた声が聞こえ、見てみると、光が帰ってきていた。
「はや!?」
「ソーマから呼び出しがあったから早く帰ってきたんだ」
友美は、こいつ光にも連絡をしていたのかとソーマをみると、彼は、頷いていた。
「光ということだ。強い素材の孫の手は、ないか??」
「まず話より着替えさせてくれ!!」
「そうだな」
光は、和室へはいると、直ぐに着替え、そして出てした。
友美のとなりに座ると、変わるように今度は、友美がたつ。
「ケーキとお茶もってくるね」
「ありがとう」
友美がキッチンに行き、光は、話をしだした。
「ソーマ大太刀は??」
「倉庫に片付けてる」
光は、それだけでなにかを察する。
「そうか」
「孫の手は、すぐに折れるな……」
「なら黒檀で作ったらどうだ?? 強いぞ」
「試したが折れた」
光は、目が点になり、黙って視線をそらすことしか出来なかった。
「ならアイアンウッドは?? あいつなかなか強いよ??」
固い木材ならなんでといいのかと思い、白野威は、言うと、ソーマは、メモを始めた。
「なるほど……それに強化の術をかければさらに強くなるな」
「リグナムバイタに比べたら軽いし、まぁいいんじゃね??」
どちらも固くそして重くて有名な高級木材だ。
「確かに」
「普通の孫の手でよくないか!? そこまで来ると使い捨てで100均で!!」
「エコにならんだろ光」
「エコを考えるのか!! そこだけ!!」
光は、エコってそういうもんじゃないと思っていると友美が戻ってきた。
「はいケーキとお茶」
「ありがとう友美」
友美は、光の前にお茶とケーキを出すと、ソーマの前木箱を出した。
「友美これはなんだ??」
「孫の手みたいだから使えるかなぁ~と!!」
ソーマは、木箱を開けると中から熊手が。
「確かに孫の手に似てるが……」
「長さが足りないかしら」
「あと頭がでかい」
熊手は、駄目だったようだ。
友美は、ならと次の木箱を出した。
「これは、どうだー!!!」
その木箱を見たとたん白野威が驚いた顔をしていた。
「それ糞親父からぶんどってきた鉄製の孫の手!!」
「そう!! 家にあっても使わないし、ソーマなら派手に壊してくれるかと!!」
派手に使うでは、なく派手に壊してくれることを期待する友美に光は、苦笑いを浮かべた。
「壊すってな……」
さすがのソーマも引いているが、ひとまず、箱をあけ、中を見た。するとなかなか丈夫そうな孫の手が。
「これは……」
「どう使えそう??」
「一度使ってみる」
ソーマは、木箱に蓋をし、言うと、友美は、嬉しそうに笑った。
「これで要らないもの減ったわ!!」
「とりあえず壊すよう努力する」
「そんな努力要らないぞソーマ」
思わず光は、あきれながらいった。
この日は、これで終わりとなり、後日、友美は、神子の役目でソーマと組むことになり、夜の森に来ていた。
「ソーマ身軽……」
何時も背中に携えていた大太刀が消え、身軽そうなソーマに思わず言うと、彼は、頷く。
「まぁな」
「友美来た!!」
白野威が頭上を見上げ、いい、友美は、白野威の背に乗り、空へ。
地上では、ソーマが孫の手を構えあやかしの中に突っ込んでいった。
「白野威任せたよ!!」
「あいよ」
弓をかまえると、友美は、矢の先に力を込め、射る。矢は、あやかしに当たると、付近にいた、あやかしも飲み込み、消滅した。
やることが早い。ソーマは、そうおもいながは、孫の手を強化し、あやかしをなんと切り捨ていった。
「孫の手が刃物に!?」
「あの使い方そりゃ折れる……」
「そうね白野威」
そして次の瞬間さらに驚くことが。
ソーマは、孫の手を片付け次に、なんと、取り出したのは、竹の子だった。
「白野威上がって!!」
「あれは、まじか!!」
白野威は、上昇した瞬間下から爆発音が。
「ウギャー!!!!」
そんなあやかしの声と共に、爆発音が何度も響いた。
「竹の子が爆弾に……」
「氷雪が嘆いていた理由分かった気がする……」
冬の神が大切に育てている竹の子がその神子により武器に改造され、とうとう爆弾にされてしまっている。
食べても美味しい、結界もはれ、敵に投げれば武器にもなる竹の子が、さらにとんでもないことになってしまった。
「白野威あれって……ソーマの九尾の力があるから爆弾になるの??」
「……たぶん狐火は、着火の為にしか使ってない……」
「そっか……」
「あと孫の手無傷かよちっ……」
「あはは……」
白野威の舌打ちと氷雪系の術すら使わずに、竹の子と孫の手だけで敵を殲滅していく友に、友美は、苦笑いを浮かべる。
なかなか神泣かせの神子なのかもしれない。友美は、どこか楽しげな友人を見ながらそう思った。これは、まだまだ爆発音と悲鳴が聞こえそうだと思いながら。