光明ノ神子

 本日は、ポッキーの日だ。
 数日前から買いだめをしていた光。キッチンの戸棚に隠していたポッキーを、取り出すときがきた。
 光は、さっそく戸棚を開けたがその時彼は、驚いた顔をした。
「ポッキーが封印されてる!!??」
 しかもこの力の気配。犯人は、友美だろう。なにより光が驚いたのは。
「ポッキーに俺でも解けない封印術がされてるい……友美これ新たに術開発したな……」
 ポッキーごときにとんでもない封印がされていることであった。
 光は、肩を落とすと、戸棚をしめ、リビングに。
「友美酷い……」
 リビングで本を読んでいた友美に悲しそうに光は、言う。
 友美は、本から顔を上げ言った。
「毎年うるさいもの。でも光も光よ」 
「なんで!?」
「毎年怒られてるのに懲りずにポッキー買ってくるから。私は、しないわよ。ポッキーゲーム。キスなんて毎日してるのに」
 確かにそうだが、ポッキーゲームでしか得られないものもあるのでは、ないかと光は、思っている。
 友美のとなりに座ると、光は、彼女の肩に頭をおいた。
「それとこれは、別……楽しみにしてたのに……」
 友美は、溜め息をつくと光の口になにかを差し込んだ。
「ふえ!?」
「ポッキーの日なんだから、滅多に食べられないポッキーを食べないと!! という事で、ご当地ポッキー夕張メロン!!」
 光は、差し込まれたポッキーを食べながら思う。こうじゃないと。
「美味しいけど……特大すぎる……」
「それがご当地ポッキーのうりよ!!」
 ご当地ポッキーを友美は、食べながら言うと、なんと光に優しい口付けをした。
「!?」
「これでいいでしょう?? 私嫌なのよ。両方から食べてキスなんて。生理的に無理」
「これは、いいのに??」
「キスとあれは、別よ別」
 ポッキーを食べながら友美は、言うと再び本を読み出した。
 今年も違ったポッキーの日になったがこれは、これでいいかもしれない。
 なんやかんな付き合ってくれる優しい友美を光は、好きだなと思いながら、彼女の手を優しく握った。
 一瞬こちらを友美は、見たが、少しだけ微笑むとまた本を読み出す。
 こういう時間がいちばん幸せだなと光は、思いそして笑うのであった。
85/179ページ
スキ