光明ノ神子

 珍しく家にユニとモアがやって来た。なにもなく、友人同士で集まってのお茶会は、やはり胸が弾む。
「そういえば友美とモアは、どう思いますか??」
 ユニの問いかけに二人は、首をかしげた。
「と言いますと??」
「何が??」
「これに関してです」
 ユニは、ダイニングテーブルの上にスマホを置くと、二人は、画面を覗いた。
「恋がうまい女性と下手な女性の特徴??」
「はい。これって合ってますか??」
 友美とモアは、とりあえず想像してみた。
「恋が下手といえば、同級生のへたなりさんだよね……」
「確かにそうでしたよね……」
 へたなりさんとは、友美たちの同級生であり、色恋沙汰で苦労をしていた人だ。
「とりあえず顔で選んでたよね……」
「そうそう!! 後は、優しいとか言ってましたよね……」
 モアと友美がそう言うなか、ユニも頷いた。
「恋愛が下手な女性は、自分を女性として見て扱ってくれる人を好きになるとか……」
「うまい人は、相手が自分を女性としてなにより個人として扱ってくれる人ねぇ……」
 友美は、ふと夫の顔を思い浮かべた。
「そういう男性って一番に光先生しか思いつかないんですが……」
「光先生を出して比べては、いけません……モア」 
 ユニは、遠い目をして言う。
「そうでしょうかユニ……」
「モアだって光先生は、家事は、完璧にこなし、育児の得意!! そのうえインテリ、優しく気遣いができ、医師ときた、これを引き合いに出すのは、駄目でしょう??」
 モアは、ユニの発言に納得した。確かに光は、この話題に引き合いに出すのは、間違いだ。
「光そこまでじゃ……」
 友美がなにか言おうとしたとき、ユニの真顔の圧に負け発言をやめた。
 怖すぎると思いながら。
「確かにそうかもしれません……」
 ユニのモアが頷くなか、友美は、一人実は、寂しがりやの甘えん坊で、そのうえ、オトメンで、虫が苦手だけどと、一人心のかでつけ足していた。
「とりあえず光は、除くとして、ならソーマは、どう??」
 ソーマは、少しクールな所もあるが、優しいと思う。
 友美は、言うと、モアは、確かにと納得していた。
「ソーマは、確かに個人を見る人ですよね!! それにスマートだしさりげない不器用な優しさがいいと思います!!」
「でしょう!!」
 友美のモアが盛り上がるなかユニは、少しくすぐったくなっていた。
 愛する人を誉められるとやはり誇らしいと同時に恥ずかしくもあるがこの感覚も心地がよい。
「そりゃ私が認めた人ですから」
「ユニ上から目線……」
「少しくらいいいじゃないですか!! 少しくらい!!」
 友美は、ニヤリと笑うと今回は、そうしといてやるかと思った。
「外の男性陣の神子は、どうでしょうか?? 友美!!」
「モアそうねぇ……」
 他といっても残ってるのは、二人だけだ。
「楸さんは……」
 ユニは、楸の顔を思い浮かべる。彼もまた優しいといえる。
「家事スキルは、いまいち。でも優しくて気遣いも分かりやすいですよね……」
「そうですのね!! ユニ!! あと楸は、人によって対応が違います!! いい意味で!!」
 ユニとモアが話すなか、友美は、光にけちょんけちょんにされている楸を思い出していた。
「たぶん……いい男とは、思う……」
 歯切れの悪い返事にユニとモアは、首をかしげた。
「友美その返事は、なぜ??」
「ユニ……だって私の楸のイメージって光に突っ込みをいれまくってるのが強くて……」
 ユニは、困ったように笑うと確かにと納得してしまった。
「でも子守りは、お上手ですよね!! 楸は!!」
「モア確かに!!」
「燕青は、どうでしょうか……」
 ユニの問いに二人は、顔を見合わせ言った。
「放浪が苦手なら無理!!」
 そして口を合わせ言った。
「それに女性にとっては、つまらないと思うけどー」
「恋を楽しむ女性には、そうですよね……」
 友美とモアが呆れたように言った。
「ひとつの世界を放浪では、なく、異界を渡っての放浪ですしね……」
「ユニ燕青って普通の人と付き合えなくない??」
「確かに……」
「となるの残るのは……」
「異能者や神や異形だけ……」
 三人は、脳裏にある人物のかおが浮かんだ。
「だからなんとかなってるんですね!!」
「モア確かに」
「あそこは、そっとしておきましょう」
 三人は、そういうとたわいもない話をし、この日は、お開きとなった。

 その夜この話をし、友美は、光にしていると、何故か彼は、困ったかおになっていた。
「俺そんなに凄くないが……」
「私もそう思ったけど、ユニとモアから比べたら他の男性に勝ち目なし!! って言われちゃったわ……」
 光からすれば、十人十色なのだから、いい男には、それぞれ強みと弱みは、あると思っている。
「女性視点だと変わるのかもな……」
「それは、あるかもね」
 友美は、お茶をいれながら答えると、光に問う。
「友美か、みれば俺は、頼れる旦那様なんだよね??」
 友美は、ニヤリと笑う。
「虫で叫ばなければねぇー」
 ばつの悪い顔を光はした。
「それとこれは、別!!」
「まぁ完璧すぎるんじゃなくてそういうところが可愛いのよね」
 お茶をいれると、友美は、湯呑みをもってリビングに行き、湯呑みを光の前に置いた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
 普通の事だがこうしてお礼を言ってくれるところも光のいいところだ。
 友美は、光の向かいに座ると、お茶を飲む。
「光でよかったー」
「俺も友美でよかったよ」
 二人は、微笑み合うとお茶を飲む。たぶんユニいま同じことをしていそうだ。
 恋愛が下手だろうが上手かろうが、最終的には、いい相手を選べたらいいと思う。だがそれが問題とも言えるが。
 友美は、目の前の夫をみながら思った。もしかすると自分は、恋愛が上手いのかもしれないと。
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