光明ノ神子

まさか友美に苦手なものがあったなんて。光は、驚いた。
 彼女とは、もう長い付き合いになるが光は、知らなかった友美の苦手なものが。
 
 秋の爽やかな空気が広がる午後。光は、目撃した。友美と顔色が露骨に変わるのを。
 すぐにもとに戻ったがそれでも彼女には、珍しくはっきり分かるものであった。
「ママありがとう」
「どういたしまして」
 遊李と話終え息子がリビングから出ていった瞬間友美は、不安をおさめるために光に抱き付いた。
「むっ……無理!!!!」
 こんな友美の反応も新鮮だ。
 光は、友美のことを考えると聞かない方がいいと思ったが事実確認の上聞いた。
「友美もしかしてシダが苦手??」
 友美は、顔を青ざめるとばつの悪い顔になる。
「……」
「シダは、大丈夫なのか……でもあれシダの写真だよな??」
 ならシダの部位になにかしらのヒントがある。
 光は、遊李の持っていた本を思い出しながら考えていると友美が言った。小さな声で。
「シダは、平気……でもシダの繁殖用の葉にはえる胞子のうが無理なの!!!! 気持ち悪すぎる!! 葉っぱの表からもぼこぼこして分かるし!! なによりびっしりはえる!! そのうえオレンジで目立つに枯れたら黒くなって更に気持ち悪い!! その上固いし!! 思い出しただけでゾクッとするの!!」
 途中から大声になっていた。
 光は、確かに気持ち悪いかもしれないと思い出しながら思ったがここまで友美が拒否反応をしめすのも珍しいのでそっちに意識がいっていた。
「もっと気持ち悪いものもあるのに……例えば腫瘍とか……その傷跡の元凶」
「確かにあれもすごいけどあとあと写真で見たら大丈夫だったの!! でもシダの胞子のうは、別!!」
 確かに始めてみたときぎょっとした。皮がえぐれクレーターのようになり、赤黒かったのだかな。しかし後日写真で見てみると平気だったのだ。
「とりあえずシダの胞子のうだけは、無理!! 光この、ゾクッとを治してー!!!!!」 
 友美は、光の、胸に顔を押し当てると彼を吸った。
「柔軟剤……シトラスの香り……」
 何時もどうり柔軟剤の香りがする。
「そりゃその柔軟剤をつかってるから……とりあえずよしよし。大丈夫だから」
 優しく友美の頭をなでると友美は、少しほっとした顔に。
「ありがとう光」
「にしても神すら恐れる神子姫がシダの胞子のうが苦手なんて、意外だったよ」
「そりゃ私も苦手なものは、あるわ」
 たぶん意外すぎて友美をよく知るものたちは、皆驚くだろう。
「光この事は、秘密ね??」
「分かったよ」
 光は、微笑む。
「そういえばこの事白野威は、知ってるのか??」
「知ってる」
「そうか」
 なら少しは、安心だ。
 光は、そう思いながらも、友美の反応を見て可愛いと思うのであった。
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