光明ノ神子
ふとゲームをしている友美が目に入った。
「友美このパーティー人いる??」
光は、妻が今使っているパーティーをみて、ふと疑問に思う。
友美は、そんな光の疑問に真顔になり言った。
「見事に人外だけよ……」
「精霊に、天狐、魔神に、龍神か……」
光が知ってることに驚きながらも友美は、頷く。
「何故か人外にひかれるのよね……ゲームのなかくらい人で揃えてもいいのにねぇ」
友美の周りには、人よりも人外が多い。彼女の生い立ちのせいもあるが、生まれ持った友美の縁のお陰かもしれない。
「まぁいいと思うけど」
「ありがとう」
友美のとなりに座り、ひとしきり、彼女のゲームプレイをみていた光。
欠伸をし、伸びをした白野威が目に入る。
「そう言えば、いま神無月だよな……」
「そうね。だから水郷も蔦も昼間は、会議に行ってるし……」
普段なら光といる水郷も今は、出雲に会議に行っている。
神無月は、神々が出雲に集まり会議をする月であり、出雲以外の地域の神は、留守にすることが多い。
「白野威は、行かないのか……今年も……」
友美は、苦笑いを浮かべると言った。
「面倒だって。あとなんで今さら亡くなった天照が出ていくのさ!! って」
確かに言ってることは、理にかなかってるが、それでも神だろうと光は、言いたい。
「だといってもな……」
なにかいいたげな光をみた白野威は、のっそりと動き出した。
「天照の事もあるからね」
「白野威……」
「あの子は、私がいなくなっていた数千年へたしたら、数万年代理とは、言え天照として頑張ってきた。それが今更本来の天照が戻ってきたとかなったらあの子の立つ瀬がないじゃないのさ」
「確かに……」
「それに私は、ここでのんびりするのがしょうにあってるからいいのー」
白野威は、そういうとリビングを出ていった。
「でもその割に力天照より強いからな……」
「あはは確かに」
ふのこの時光は、あることに気づく。白野威に自分は、会議に行けと思う気持ちがあるが、それは、己にも言えるのでは、ないかと。
まさかのブーメランに光は、グサッと心に自分の言葉が刺さった。
「友美……造化三神は、会議にいると思う??」
友美は、ゲームをやり終えると片付けながら言う。
「造化三神でも天之御中主は、出てこないと思うけど。そもそも居るだけで重要って神だし……古事記だと始めに出てきて終わりだしねぇー」
「確かに……」
「まぁ高御産巣は、宰相みたいというか、太子というか、そんな相談役目だし参加してると思う!! 神産巣日は、治癒だったり生命の誕生やら生成、国作りで少しだけ出てくるだけだけど、……まぁ参加してそうではあると思うわ……」
光は、困った顔をすると言う。
「なら今からでも出雲に行くべきか……」
「神子が参加って言うのもなかなか物議をかますと思うけど……」
「だよね……」
光の悩んでいることなどすぐに分かる。友美は、そこまで悩まなくてもと思いながら片付けをし終えた。
「もう聞いてきたら??」
「そうする。友美しばらくお願いします」
「分かったわ」
悩むよりも行動をせよ。
光は、急いで和室に駆け込んだ。閉められた襖をみて、友美は、立ち上がると、光がやろうとしていた家事をやり始めた。
ここは、普段は、静かなものだ。
この高床式の座敷から水面をみ、ただ静かに過ごせる。
しかし今日は、そうも行かないようだ。
遠くから聞こえる慌ただし足音に彼は、きだるげに睫をあげた。
「煌!! 入るぞ!!」
襖の向こうから聞こえる声で誰か判別すると煌は、指を動かし襖を開けた。
「光どうした」
相変わらず賑やかな光に煌は、まるで孫を見るような優しい目をし問う。
「いきなりでその……ごめん……」
「それはいいが、この慌てよう何かあったのか??」
光は、部屋にはいると、腰を下ろし言った。
「たぶんたいしたことじゃないんだが……」
「それにしては、凄い勢いだが??」
「……行かなくていいのか?? 会議に」
「会議??」
煌は、首をかしげると、考えた。
「外は、いま神無月か……だから会議か……」
「そう!!」
煌は、のんきに笑うと言う。
「そんなもん行かんでもいい。高天原は、基本天照の統治だ。俺は、困ったことがあったら相談され、知恵を授ける。それだけしかししてこなかったからな」
光は、思わずいいたかった。それだけしかじゃなくて、そこ知恵を授けることが凄いことなんだろうと。
「だが……」
「それに多くの神は、高御産巣日の事など知らぬさ。知ってるとしても名くらいだからな」
確かに造化三神のいっかくである高御産巣日には、簡単には会えないだろう。会えたとして、まさか自分が会うとは、思わないのが普通だ。
「そうか……」
どこか元気のない光に煌は、首をかしげた。
「まさか行きたかったか??」
「……面倒だから遠慮する」
「ならどうした」
「なんか……創造神がこれでいいのかと……」
目の前の青年は、真面目だ。煌は、そう思いながら言う。
「創造神は、少しばかり普段は、怠けてる方がいいのだ。気にするな」
「分かった」
光は、なんとなくふに落ち納得することができた。
造化三神の一柱が動くときは、それだけ火急の事態と言うことでもあるからだ。
「煌ありがとう」
「気にするな」
光は、頭を下げると部屋を出ていき、煌は、それを見送ると微笑む。
「ほんに若いな……だがそれもまたいいこと……」
自分は、今は、ここで過ごすのが一番。改めて煌は、そう思いながら、茶をいれ飲むのであった。
目を覚ますと、光は、体を起こし和室を出た。
リビングを見渡すと、友美は、いない。だが代わりに、テーブルに見慣れないものが増えていた。
「可愛いテーブルクロスだ……」
明るき気分になるミモザのテーブルクロス。間違いなく友美が用意したものだろう。
「光おはよう!!」
リビングに入ってきた友美は、そういうも微笑む。
「おはよう友美」
「昼間だけど、これ以外挨拶思い付かなくて……光聞けた??」
光は、頷くと友美は、微笑む。
「それは、よかったわ」
「友美このテーブルクロス」
友美は、明るい顔になる。
「気づいてくれたのね!!」
「うんとてもいいと思う。可愛い」
友美は、嬉しそうな顔をすると言った。
「よかった」
「友美」
「なに??」
光は、目を細めるとテーブルクロスをみた。
ミモザは、小さいが可愛らしい春を告げる黄色い花。その存在は、とても明るいものだ。
彼にとって愛する妻のように。
「ありがとう。今回は、アドバイスをくれて」
「それほどのことでは、ないわよ!?」
「俺にとっては、そうだったの!!」
光は、愛する妻に微笑むと友美を抱き締めた。
「友美可愛い~さすが俺の姫」
友美は、困惑しながら、も嬉しそうな光をみて、微笑む。
「まぁいっか……」
光が嬉しそうなら。友美は、そう思いながら、光を抱き締めた。
優しく微笑みながら。
「友美このパーティー人いる??」
光は、妻が今使っているパーティーをみて、ふと疑問に思う。
友美は、そんな光の疑問に真顔になり言った。
「見事に人外だけよ……」
「精霊に、天狐、魔神に、龍神か……」
光が知ってることに驚きながらも友美は、頷く。
「何故か人外にひかれるのよね……ゲームのなかくらい人で揃えてもいいのにねぇ」
友美の周りには、人よりも人外が多い。彼女の生い立ちのせいもあるが、生まれ持った友美の縁のお陰かもしれない。
「まぁいいと思うけど」
「ありがとう」
友美のとなりに座り、ひとしきり、彼女のゲームプレイをみていた光。
欠伸をし、伸びをした白野威が目に入る。
「そう言えば、いま神無月だよな……」
「そうね。だから水郷も蔦も昼間は、会議に行ってるし……」
普段なら光といる水郷も今は、出雲に会議に行っている。
神無月は、神々が出雲に集まり会議をする月であり、出雲以外の地域の神は、留守にすることが多い。
「白野威は、行かないのか……今年も……」
友美は、苦笑いを浮かべると言った。
「面倒だって。あとなんで今さら亡くなった天照が出ていくのさ!! って」
確かに言ってることは、理にかなかってるが、それでも神だろうと光は、言いたい。
「だといってもな……」
なにかいいたげな光をみた白野威は、のっそりと動き出した。
「天照の事もあるからね」
「白野威……」
「あの子は、私がいなくなっていた数千年へたしたら、数万年代理とは、言え天照として頑張ってきた。それが今更本来の天照が戻ってきたとかなったらあの子の立つ瀬がないじゃないのさ」
「確かに……」
「それに私は、ここでのんびりするのがしょうにあってるからいいのー」
白野威は、そういうとリビングを出ていった。
「でもその割に力天照より強いからな……」
「あはは確かに」
ふのこの時光は、あることに気づく。白野威に自分は、会議に行けと思う気持ちがあるが、それは、己にも言えるのでは、ないかと。
まさかのブーメランに光は、グサッと心に自分の言葉が刺さった。
「友美……造化三神は、会議にいると思う??」
友美は、ゲームをやり終えると片付けながら言う。
「造化三神でも天之御中主は、出てこないと思うけど。そもそも居るだけで重要って神だし……古事記だと始めに出てきて終わりだしねぇー」
「確かに……」
「まぁ高御産巣は、宰相みたいというか、太子というか、そんな相談役目だし参加してると思う!! 神産巣日は、治癒だったり生命の誕生やら生成、国作りで少しだけ出てくるだけだけど、……まぁ参加してそうではあると思うわ……」
光は、困った顔をすると言う。
「なら今からでも出雲に行くべきか……」
「神子が参加って言うのもなかなか物議をかますと思うけど……」
「だよね……」
光の悩んでいることなどすぐに分かる。友美は、そこまで悩まなくてもと思いながら片付けをし終えた。
「もう聞いてきたら??」
「そうする。友美しばらくお願いします」
「分かったわ」
悩むよりも行動をせよ。
光は、急いで和室に駆け込んだ。閉められた襖をみて、友美は、立ち上がると、光がやろうとしていた家事をやり始めた。
ここは、普段は、静かなものだ。
この高床式の座敷から水面をみ、ただ静かに過ごせる。
しかし今日は、そうも行かないようだ。
遠くから聞こえる慌ただし足音に彼は、きだるげに睫をあげた。
「煌!! 入るぞ!!」
襖の向こうから聞こえる声で誰か判別すると煌は、指を動かし襖を開けた。
「光どうした」
相変わらず賑やかな光に煌は、まるで孫を見るような優しい目をし問う。
「いきなりでその……ごめん……」
「それはいいが、この慌てよう何かあったのか??」
光は、部屋にはいると、腰を下ろし言った。
「たぶんたいしたことじゃないんだが……」
「それにしては、凄い勢いだが??」
「……行かなくていいのか?? 会議に」
「会議??」
煌は、首をかしげると、考えた。
「外は、いま神無月か……だから会議か……」
「そう!!」
煌は、のんきに笑うと言う。
「そんなもん行かんでもいい。高天原は、基本天照の統治だ。俺は、困ったことがあったら相談され、知恵を授ける。それだけしかししてこなかったからな」
光は、思わずいいたかった。それだけしかじゃなくて、そこ知恵を授けることが凄いことなんだろうと。
「だが……」
「それに多くの神は、高御産巣日の事など知らぬさ。知ってるとしても名くらいだからな」
確かに造化三神のいっかくである高御産巣日には、簡単には会えないだろう。会えたとして、まさか自分が会うとは、思わないのが普通だ。
「そうか……」
どこか元気のない光に煌は、首をかしげた。
「まさか行きたかったか??」
「……面倒だから遠慮する」
「ならどうした」
「なんか……創造神がこれでいいのかと……」
目の前の青年は、真面目だ。煌は、そう思いながら言う。
「創造神は、少しばかり普段は、怠けてる方がいいのだ。気にするな」
「分かった」
光は、なんとなくふに落ち納得することができた。
造化三神の一柱が動くときは、それだけ火急の事態と言うことでもあるからだ。
「煌ありがとう」
「気にするな」
光は、頭を下げると部屋を出ていき、煌は、それを見送ると微笑む。
「ほんに若いな……だがそれもまたいいこと……」
自分は、今は、ここで過ごすのが一番。改めて煌は、そう思いながら、茶をいれ飲むのであった。
目を覚ますと、光は、体を起こし和室を出た。
リビングを見渡すと、友美は、いない。だが代わりに、テーブルに見慣れないものが増えていた。
「可愛いテーブルクロスだ……」
明るき気分になるミモザのテーブルクロス。間違いなく友美が用意したものだろう。
「光おはよう!!」
リビングに入ってきた友美は、そういうも微笑む。
「おはよう友美」
「昼間だけど、これ以外挨拶思い付かなくて……光聞けた??」
光は、頷くと友美は、微笑む。
「それは、よかったわ」
「友美このテーブルクロス」
友美は、明るい顔になる。
「気づいてくれたのね!!」
「うんとてもいいと思う。可愛い」
友美は、嬉しそうな顔をすると言った。
「よかった」
「友美」
「なに??」
光は、目を細めるとテーブルクロスをみた。
ミモザは、小さいが可愛らしい春を告げる黄色い花。その存在は、とても明るいものだ。
彼にとって愛する妻のように。
「ありがとう。今回は、アドバイスをくれて」
「それほどのことでは、ないわよ!?」
「俺にとっては、そうだったの!!」
光は、愛する妻に微笑むと友美を抱き締めた。
「友美可愛い~さすが俺の姫」
友美は、困惑しながら、も嬉しそうな光をみて、微笑む。
「まぁいっか……」
光が嬉しそうなら。友美は、そう思いながら、光を抱き締めた。
優しく微笑みながら。