本日は、納豆の日だ。
｢友美｣
　嫌そうな顔をし朝から友美を見ている光。珍しい彼の表情の理由は、友美の持つ納豆だった。
｢納豆臭い……｣
　友美は、不服そうな顔をし言う。
｢これ臭いがすくない納豆よ！！　それに健康にいいんだから！！｣
　友美は、臭いの少ないものなら納豆の食べられるが、光は、まったく納豆が食べられない。
　その理由は、この香りが原因だ。
｢だからって……朝から食べなくても……｣
｢朝に食べるのがジャパニーズ文化！！｣
　いがみ合い両親に子供たちは、朝から少しワクワクしていた。
｢これの出番ね！！｣
　柊麗がてにもつのは、なんと離婚届。
　光は、ニコニコしながら、離婚届を持つ娘に顔を青めた。
｢榎麟は、ママにつくの？？｣
｢お母さんからお父さんお願いっていわれてるからお父さんかな｣
｢なら僕は、ママだね｣
　遊李と榎麟もとんでもない話をし始めた。
｢柊麗は、どうするの？？｣
｢私は、パパかなぁー面白いから！！｣
　遊李の問いへの柊麗の答えに光は、更に唖然とする。
｢僕は、お母さん！！｣
　螢まで話に入ってきてしまい、光は、眉間に珍しくシワを寄せると言った。
｢納豆ごとにき、離婚させられてたまるか！！！！｣
　友美は、あきれた顔をし、納豆を食べる。
｢光ほえるほどのことじゃないわよ｣
｢でも子供たちにこんなことを考えさせるなんて……親として……｣
｢いざってときのことを考えておくのは、とてもいいことだしいいと思うわ｣
　友美は、我が子を見て微笑むと、子供たちも母を見て笑った。
｢そうだよパパ｣
｢遊李……｣
｢といってもお父さんとお母さんが離婚なんて基本ないやろうけど｣
　榎麟は、そういうと、味噌汁を飲む。
｢光今日も美味しいわ｣
｢ありがとう。それは、よかった｣
　ひとまず平穏な朝の時間に戻ったが、光は、一人忌々しそうに納豆を見るのであった。