光明ノ神子
梅雨の合間の晴れた日は、貴重なタイミングだったりする。
「洗濯物をそとに干せる!!」
室内干しだとどうしてもからっと乾かない洗濯物。
窓から太陽の日差しをみて、友美は、そう言うと、光が室内干ししていった、洗濯物をテラスにだした。
爽やかな夏の風にのり、甘い花の香りも感じられる。
友美は、この花は、なんだったかと考えていると、後ろから声が。
「くちなしだね」
「白野威」
テラスから入ってくる風を感じながら、白野威は、そういうとテラスに出てきた。
「くちなしか!!」
「そう。咲いてるからねぇー」
「街で見かけるようになってきたわよね」
この時期になると、アジサイよりすこし遅れさく、くちなし。
その花は、白く可憐な花だが、香りは、とても、強く甘い上品な香りだ。
「白野威お散歩いく??」
白野威は、微笑むと頷く。
「紫陽花も見れるしねぇ」
「そうね!! なら洗濯物を外に出して、行こう!!」
友美は、そう言うと、洗濯物を全てだし、戸締まりをすると、白野威をつれ、そとへ出かけた。
少し湿気の含んだ風が運ぶ雨上がりの香り。
日傘をさしながら、友美は、白野威をつれ、散歩へと出かけた。
「白野威リードと首輪いる??」
友美は、手にもつリードの先を見ながら困ったかおをして言う。
「こんな大型犬いや……超大型犬がリードなしにあるいてたらびびるやつがいるからね」
昔から、白野威は、何故かさんぽをするときだけ、リードと首輪をつけ散歩をする。
その姿は、まさにワンコだ。しかし彼女は、ワンコでは、ない。
「超大型犬……狼とは、言わないのねぇ……」
「犬も狼もほとんど一緒だから気にしない。気にしない」
「大切なことだと思うけど!?」
確かに普通のワンコがこんなに人の言葉を話すこともない。やはりカモフラージュの為にもこれが一番いいのかもしれない。
「よもぎ餅!!」
「えっ!? 白野威!?」
いきなり走り出す白野威に引っ張られ友美は、走り出す。
たどり着いたのは、昔ながらの和菓子やだった。
「友美!! よもぎ餅!!」
「本当に食欲旺盛なんだから……」
これは、よもぎ餅を買うまで動かないだろう。
友美は、白野威を外で待たせると中に。そしてよもぎ餅と、水まんじゅうを買って、外に出た。
「水まんじゅうも??」
「私が食べたいから。あと光も好きだし」
にっこり微笑む光の顔が浮かぶ。友美は、目を細めて言うと、白野威は、ニヤリと笑う。
「本当に熱々~」
「もちろん!! 私と光は、相思相愛だもの」
「光本人には、言わないのに」
じーと白野威にみられ、友美は、ため息をこぼした。
「だって光にいったら、それこそ、友美大好きー!!!! って凄いことになるもの……絶対に離れてくれないわよ……」
考えただけで頭がいたい。
「まぁ光ならそうだろうね。で友美に怒られてしょぼんとしながら、友美のあとを追いかける」
「ほんまにそれ困るんよ……私が高校の頃は、ほんまに頼りのある年上の彼氏やったのに……今や、嫁命の甘えん坊なんやから……」
友美が関西弁になっているが、白野威は、気にせずに話をする。
「……色々我慢しなくてよくなった結果じゃない?? それに友美も昔より色々成長したしー」
もしかすると、自分よりも年下の彼女ということもあり、光は、色々と考えていてくれたのだろう。友美が知らないことまで。
「……成長……それって中身?? それとも……体??」
友美は、真面目に考え出してしまい、白野威は、そんな友美をみて大笑い。
「なんでそうなるのさ!! あはは!!」
「だって……光も男性やし……体の方が優先かなって……」
時より友美は、斜め上の発言をする。やはり幼い頃から神が近いからか、少しずれているところがあるようだ。
「そんなことないつうの。どちらもだろうさあいつなら。なんなら中身の方が一番だろう」
「そうやんね……」
友美は、心のなかで色々ごめんと光に謝っていた。
「よし!! 切り替えて白野威行こう!!」
「ほいほい」
リードを持ち、友美は、歩き出す。その少し前を白野威も歩き、クンクンと鼻を動かしていた。
「友美あと少し!!」
「えっ!? 白野威!!??」
突然走り出した、白野威に引っ張られ、友美も走り出す。そしてやって来たのは、くちなしと紫陽花が咲く公園だった。
「ほら!!」
「本当ね!!」
紫陽花の鼻を花でつつき、白野威は、微笑む。
「紫陽花の下に何かあったりして……」
「ないわよそんなこと」
あるとそれは、それで面白いかもしれないが。
「あっちの紫陽花かわいい!!」
「白野威!?」
何時もよりも活発な白野威に友美は、驚く。ここ数日雨だったせいか、家でゴロゴロしていた白野威。久しぶりに外に出れ、嬉しいのかもしれない。
「友美ほら色グラデーションになってる!!」
「本当ね!!」
土壌の成分からこうなってるのかもそれない。
ツンツンと紫陽花をつつく白野威を友美は、スマホで撮ると、思わず光にその写真を送った。
「おっ!! 相変わらずはやい」
はやい返信に友美は、さっそくメッセージを読む。
「ふふふ」
光から送られてきた返信に思わず笑ってしまった。
「友美どうしたのさ??」
「光が白野威紫陽花好きだもんなぁーって!!」
友美は、スマホの画面をみせいうと、白野威は不服そうな顔をした。
「送るなかもっと可愛いやつにして!! これでも女の子なんですが~」
友美は、なにか言いたげな顔をしていた。
「なにさ!!」
「そこだけ女の子アピールするんだって……いつも腹だしてようが、すごい顔して寝てようが、写真とっても気にしないのに」
友美は、よくそうな白野威の写真を撮りSNSにアップしている。
白野威は、不満そうな顔をし言う。
「いいじゃないのさ!! 気にしたって!!」
「分かったわよ!! なら可愛く撮ろう!!」
白野威は、納得したようだ。
スマホを構えると、白野威の思う可愛いしぐさをしてくれるが。
「白野威これワンコ」
「だって狼なんだしワンコぽくなるでしょう??」
とった写真を見せながら友美は、言うが、白野威当たり前も言う感じだ。
「確かに……」
今度からウルフドッグとでも言っておこうかと思ったが、色々無理があるような気がする。
「次は、あっち!!」
「はいはい!!」
次にくちなしの花の所へ。
クンクンと花の香りを嗅ぐと、白野威は、尻尾を振った。
「いいかおりー」
「ワンコだわ……ワンコ……」
もうワンコにしか見えない。友美は、目の前の白野威の正体を忘れかけてしまった。あまりにもワンコなので、しぐさが。
「友美も嗅がないの??」
「私は、ここで感じるからいいわ。ありがとう」
白野威は、尻尾だけ揺らすとまた臭いをかぎはじめた。
「白野威人の姿にならないの??」
友美は、何気なくきくと、白野威は、めんどくさそうな顔に。
「縦に長いわ、ごろごろしてたら、光に掃除機でつつかれるわ、歯磨きやお風呂やら面倒!!」
日頃白野威の行動は、狼の姿で、面倒といったことを全て彼女は、している。
友美は、不思議そうに白野威を見ながらきく。
「面倒って狼の姿で全部やってるじゃない……」
「服着なくていいからね!? 狼は!!」
「……そこ!!??」
「なにさ」
「本来の姿に戻ったとき服着てるじゃない!!」
白野威が本来の姿に戻ったとき、けっして裸体では、ない。しっかり衣を身にまとっている。
「そこは、術でどうにでもなるのさ!! それに家のなかにもう一人人間いてみな!! 邪魔だつうの!! なら狼でいいのさ!! 困らないし!! むしろ便利!!」
白野威とは、すでに十年以上の付き合いになるが、友美は、思うときがある。
本当に女神天照なのかと。彼女は、この性格のお陰で、まったく女神感がない。親しみやすいともいえるが。
二代目であり、友美の育ての母ともいえる天照を比べると、そりゃ当代の天照が本来の太陽神天照と初見では、皆が思うのが普通だ。
「……天照って慈悲深いとみんな思うだろうけど……真実は、面倒くさがりのずぼらで、さばさばしてるというか……ぜんぜん女神様らしくなくて、むしろ人間臭いのよねぇ……」
「私は、天照じゃないからいいの~」
「また始まった。そうだとしても、その事実は、変わらないでしょう!! 代替わりして、天照が今は、そうだとしても!!」
「だとしてもさ!! もう!! この話し終わり!!」
白野威は、不機嫌な顔をすると、ツンツンとくちなしをつつきだす。
「友美これとっていい??」
「公園のものは、駄目よ」
「だよなぁー」
この反応からして、白野威は、くちなしの花が欲しいようだ。
友美は、しばらく考えるとあることを実行することにした。
「白野威少しより道しよう」
「いいけど」
公園をあとにし、友美は、白野威をつれやって来たのは、花屋だ。
ナチュラルさとモダンさを感じられる店構え友美は、おしゃれと思いつつ、中に。
店員に話しかけるとあるものを買った。
「白野威お待たせ」
店先で待っていた白野威に友美は、声をかけると、彼女は、立ち上がる。
「なに買ったのさ」
「はいこれ!!」
友美は、袋の中身を見せると、白野威は、驚いた。
「くちなしの苔玉と花束……」
「そう!! これならおうちでも楽しめるでしょう??」
白野威は、にっこり微笑む友美を見て優しく目を細めた。
「ありがとう。そうだね」
「さて帰ってお茶しよう!! 抹茶たてる??」
「いいねぇー」
仲良く白野威と友美は、帰路につき、その後家につくと抹茶をたて、それとよもぎ餅を食べる。
「美味しいー!!!」
「それは、よかった」
美味しそうによもぎ餅を食べる白野威を見て、友美は、微笑む。くちなしの甘い香りを感じながら。
「洗濯物をそとに干せる!!」
室内干しだとどうしてもからっと乾かない洗濯物。
窓から太陽の日差しをみて、友美は、そう言うと、光が室内干ししていった、洗濯物をテラスにだした。
爽やかな夏の風にのり、甘い花の香りも感じられる。
友美は、この花は、なんだったかと考えていると、後ろから声が。
「くちなしだね」
「白野威」
テラスから入ってくる風を感じながら、白野威は、そういうとテラスに出てきた。
「くちなしか!!」
「そう。咲いてるからねぇー」
「街で見かけるようになってきたわよね」
この時期になると、アジサイよりすこし遅れさく、くちなし。
その花は、白く可憐な花だが、香りは、とても、強く甘い上品な香りだ。
「白野威お散歩いく??」
白野威は、微笑むと頷く。
「紫陽花も見れるしねぇ」
「そうね!! なら洗濯物を外に出して、行こう!!」
友美は、そう言うと、洗濯物を全てだし、戸締まりをすると、白野威をつれ、そとへ出かけた。
少し湿気の含んだ風が運ぶ雨上がりの香り。
日傘をさしながら、友美は、白野威をつれ、散歩へと出かけた。
「白野威リードと首輪いる??」
友美は、手にもつリードの先を見ながら困ったかおをして言う。
「こんな大型犬いや……超大型犬がリードなしにあるいてたらびびるやつがいるからね」
昔から、白野威は、何故かさんぽをするときだけ、リードと首輪をつけ散歩をする。
その姿は、まさにワンコだ。しかし彼女は、ワンコでは、ない。
「超大型犬……狼とは、言わないのねぇ……」
「犬も狼もほとんど一緒だから気にしない。気にしない」
「大切なことだと思うけど!?」
確かに普通のワンコがこんなに人の言葉を話すこともない。やはりカモフラージュの為にもこれが一番いいのかもしれない。
「よもぎ餅!!」
「えっ!? 白野威!?」
いきなり走り出す白野威に引っ張られ友美は、走り出す。
たどり着いたのは、昔ながらの和菓子やだった。
「友美!! よもぎ餅!!」
「本当に食欲旺盛なんだから……」
これは、よもぎ餅を買うまで動かないだろう。
友美は、白野威を外で待たせると中に。そしてよもぎ餅と、水まんじゅうを買って、外に出た。
「水まんじゅうも??」
「私が食べたいから。あと光も好きだし」
にっこり微笑む光の顔が浮かぶ。友美は、目を細めて言うと、白野威は、ニヤリと笑う。
「本当に熱々~」
「もちろん!! 私と光は、相思相愛だもの」
「光本人には、言わないのに」
じーと白野威にみられ、友美は、ため息をこぼした。
「だって光にいったら、それこそ、友美大好きー!!!! って凄いことになるもの……絶対に離れてくれないわよ……」
考えただけで頭がいたい。
「まぁ光ならそうだろうね。で友美に怒られてしょぼんとしながら、友美のあとを追いかける」
「ほんまにそれ困るんよ……私が高校の頃は、ほんまに頼りのある年上の彼氏やったのに……今や、嫁命の甘えん坊なんやから……」
友美が関西弁になっているが、白野威は、気にせずに話をする。
「……色々我慢しなくてよくなった結果じゃない?? それに友美も昔より色々成長したしー」
もしかすると、自分よりも年下の彼女ということもあり、光は、色々と考えていてくれたのだろう。友美が知らないことまで。
「……成長……それって中身?? それとも……体??」
友美は、真面目に考え出してしまい、白野威は、そんな友美をみて大笑い。
「なんでそうなるのさ!! あはは!!」
「だって……光も男性やし……体の方が優先かなって……」
時より友美は、斜め上の発言をする。やはり幼い頃から神が近いからか、少しずれているところがあるようだ。
「そんなことないつうの。どちらもだろうさあいつなら。なんなら中身の方が一番だろう」
「そうやんね……」
友美は、心のなかで色々ごめんと光に謝っていた。
「よし!! 切り替えて白野威行こう!!」
「ほいほい」
リードを持ち、友美は、歩き出す。その少し前を白野威も歩き、クンクンと鼻を動かしていた。
「友美あと少し!!」
「えっ!? 白野威!!??」
突然走り出した、白野威に引っ張られ、友美も走り出す。そしてやって来たのは、くちなしと紫陽花が咲く公園だった。
「ほら!!」
「本当ね!!」
紫陽花の鼻を花でつつき、白野威は、微笑む。
「紫陽花の下に何かあったりして……」
「ないわよそんなこと」
あるとそれは、それで面白いかもしれないが。
「あっちの紫陽花かわいい!!」
「白野威!?」
何時もよりも活発な白野威に友美は、驚く。ここ数日雨だったせいか、家でゴロゴロしていた白野威。久しぶりに外に出れ、嬉しいのかもしれない。
「友美ほら色グラデーションになってる!!」
「本当ね!!」
土壌の成分からこうなってるのかもそれない。
ツンツンと紫陽花をつつく白野威を友美は、スマホで撮ると、思わず光にその写真を送った。
「おっ!! 相変わらずはやい」
はやい返信に友美は、さっそくメッセージを読む。
「ふふふ」
光から送られてきた返信に思わず笑ってしまった。
「友美どうしたのさ??」
「光が白野威紫陽花好きだもんなぁーって!!」
友美は、スマホの画面をみせいうと、白野威は不服そうな顔をした。
「送るなかもっと可愛いやつにして!! これでも女の子なんですが~」
友美は、なにか言いたげな顔をしていた。
「なにさ!!」
「そこだけ女の子アピールするんだって……いつも腹だしてようが、すごい顔して寝てようが、写真とっても気にしないのに」
友美は、よくそうな白野威の写真を撮りSNSにアップしている。
白野威は、不満そうな顔をし言う。
「いいじゃないのさ!! 気にしたって!!」
「分かったわよ!! なら可愛く撮ろう!!」
白野威は、納得したようだ。
スマホを構えると、白野威の思う可愛いしぐさをしてくれるが。
「白野威これワンコ」
「だって狼なんだしワンコぽくなるでしょう??」
とった写真を見せながら友美は、言うが、白野威当たり前も言う感じだ。
「確かに……」
今度からウルフドッグとでも言っておこうかと思ったが、色々無理があるような気がする。
「次は、あっち!!」
「はいはい!!」
次にくちなしの花の所へ。
クンクンと花の香りを嗅ぐと、白野威は、尻尾を振った。
「いいかおりー」
「ワンコだわ……ワンコ……」
もうワンコにしか見えない。友美は、目の前の白野威の正体を忘れかけてしまった。あまりにもワンコなので、しぐさが。
「友美も嗅がないの??」
「私は、ここで感じるからいいわ。ありがとう」
白野威は、尻尾だけ揺らすとまた臭いをかぎはじめた。
「白野威人の姿にならないの??」
友美は、何気なくきくと、白野威は、めんどくさそうな顔に。
「縦に長いわ、ごろごろしてたら、光に掃除機でつつかれるわ、歯磨きやお風呂やら面倒!!」
日頃白野威の行動は、狼の姿で、面倒といったことを全て彼女は、している。
友美は、不思議そうに白野威を見ながらきく。
「面倒って狼の姿で全部やってるじゃない……」
「服着なくていいからね!? 狼は!!」
「……そこ!!??」
「なにさ」
「本来の姿に戻ったとき服着てるじゃない!!」
白野威が本来の姿に戻ったとき、けっして裸体では、ない。しっかり衣を身にまとっている。
「そこは、術でどうにでもなるのさ!! それに家のなかにもう一人人間いてみな!! 邪魔だつうの!! なら狼でいいのさ!! 困らないし!! むしろ便利!!」
白野威とは、すでに十年以上の付き合いになるが、友美は、思うときがある。
本当に女神天照なのかと。彼女は、この性格のお陰で、まったく女神感がない。親しみやすいともいえるが。
二代目であり、友美の育ての母ともいえる天照を比べると、そりゃ当代の天照が本来の太陽神天照と初見では、皆が思うのが普通だ。
「……天照って慈悲深いとみんな思うだろうけど……真実は、面倒くさがりのずぼらで、さばさばしてるというか……ぜんぜん女神様らしくなくて、むしろ人間臭いのよねぇ……」
「私は、天照じゃないからいいの~」
「また始まった。そうだとしても、その事実は、変わらないでしょう!! 代替わりして、天照が今は、そうだとしても!!」
「だとしてもさ!! もう!! この話し終わり!!」
白野威は、不機嫌な顔をすると、ツンツンとくちなしをつつきだす。
「友美これとっていい??」
「公園のものは、駄目よ」
「だよなぁー」
この反応からして、白野威は、くちなしの花が欲しいようだ。
友美は、しばらく考えるとあることを実行することにした。
「白野威少しより道しよう」
「いいけど」
公園をあとにし、友美は、白野威をつれやって来たのは、花屋だ。
ナチュラルさとモダンさを感じられる店構え友美は、おしゃれと思いつつ、中に。
店員に話しかけるとあるものを買った。
「白野威お待たせ」
店先で待っていた白野威に友美は、声をかけると、彼女は、立ち上がる。
「なに買ったのさ」
「はいこれ!!」
友美は、袋の中身を見せると、白野威は、驚いた。
「くちなしの苔玉と花束……」
「そう!! これならおうちでも楽しめるでしょう??」
白野威は、にっこり微笑む友美を見て優しく目を細めた。
「ありがとう。そうだね」
「さて帰ってお茶しよう!! 抹茶たてる??」
「いいねぇー」
仲良く白野威と友美は、帰路につき、その後家につくと抹茶をたて、それとよもぎ餅を食べる。
「美味しいー!!!」
「それは、よかった」
美味しそうによもぎ餅を食べる白野威を見て、友美は、微笑む。くちなしの甘い香りを感じながら。