光明ノ神子

 休日の朝光は、困った顔をしていたり
「つらら……退いてくれ……」
「やだ!!」
 光の膝の上には、つららが乗っている。降りるのが嫌で、光の膝の上で、体を丸め、断固拒否と空気が出ていた。
「おはよう光!!」
「友美おはよう……」
 困った顔をした光に友美は、首をかしげるが、すぐにそのよういんが分かると微笑む。
「つららちゃん可愛い~」
「可愛いが、用事ができなくて困るよ……」
 掃除と洗濯物を干さなければならないのに。
 光は、ため息をつく。
「よし!! 掃除機くん頼むよ!!」
 掃除は、自動掃除機に友美は、任せることにし、和室のみ掃除機をかけ始める。
 その様子を見ていた光は、そんな友美も愛おしいと思った。
「つららパパ用事しないと」
 つららは、友美をみて、重い腰をあげた。
「ありがとう」
 つららの頭をなで、光は、洗濯物を取りに、洗面所へ。そして洗濯物を篭に入れ、戻ってくると、テラスに出て、洗濯物を干す。
「光私も」
「ありがとう」
 友美と洗濯物を干していると、小さな足音が聞こえた。
「あらつららちゃん光の足元に」
「……今日は、くっつきたいモードみたいだな……」
 光の足に頭をすりおせるつらら。その姿は、とても可愛い。 
「つららちゃん可愛いワンピース着てるわ……」
「このワンピースを着せたとたんに友美のみた光景になったんだよ」
「つららちゃん可愛い」
 友美は、いつもつららに可愛いと言っている。  
 光は、少しモヤモヤしながら、洗濯物を干した。
「光??」
「友美俺には、カッコいいとか言わないのに……」
 これは、妬いている。つららに。
 友美は、楽しげに笑うと言った。
「光のすべてが、可愛いし、かっこいいもの!! いちいち言ってられないわ!!」
「……そう」
 かっこいいより可愛いが、始めに来るなんて。光は、複雑な顔をした。
「すでに可愛い……」
「……ありがとう」
 もう友美にとって光は、可愛い存在なのだ。もうカッコいいとか言われたいとあまり思わない方がいいのかもしれない。
 落ち込む光に友美は、どうしたものかと考える。そしてあることを思い付くと、光の耳元で囁いた。
「光は、家事をしてるときも、子供たちと遊んでるときも、仕事中も、趣味をしてるとき……あと夜……もかっこいいわよ」
 光は、顔を真っ赤にすると友美の方を見る。すると彼女も頬を赤く染めていた。
「友美……」
「もう!! 洗濯物を干し終わったし中へはいるわよ!! 子供たちからパパ貸して!! って言われてるんだから!!」
「え??」
 光は、間抜けな声を出したとき、リビングに賑やかな足音がひびいた。
「お母さんいい??」
「榎麟もちろん」
「ちょっと遊李!?」
 息子に手を引かれ、光は、困惑していた。
「パパはやく!!」
「暑いから日焼け止めと、お茶、帽子忘れないでね!!」
「はーい!!」
 光は、子供たちに拉致され、友美は、足元にいるつららを抱き上げた。
「パパどっか行っちゃった!!」
「そうね!! つららちゃん!! パパたぶん公園で鬼ごっこさせられると思うわ」
 友美のこの予想は、的中し、公園で光は、子供たちに鬼にされ、鬼ごっこをし、昼間で全力で走らされた。
 帰ってきて疲れきっている光を友美は、つららを抱っこしながら見ていた。
「もう……むり……」
「パパちーん」
「かもねつららちゃん!!」
 光は、のろりと起き上がるという。
「俺は、ちーんしてない!!!!」
 これだけ突っ込めるならまだまだ元気そうだ。
「なら光お茶する??」
「友美とのティータイムなんと贅沢な!! やる!! もちろんやる!!」
 そしてすぐに復活した。本当に面白くて可愛くかっこいい人。
 友美は、そう思いながらティータイムといいながらご機嫌よく揺れる夫をみて笑うのであった。
 愛おしそうな眼差しを彼を向けながら。
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