光明ノ神子
確かに世の中には、すごくきれいなものが多くある。しかし何故こんな物に興味を示してしまったのか。
光は、リビングだ顔を青ざめ見ていた次女を。その次女の瞳は、とても輝いていた。
「パパお願い!!」
「柊麗キラキラ光るものなら宝石やガラスも……」
「それとこれは、違うわ!!」
「ならタマムシでも……」
「タマムシよりこれ」
柊麗が図鑑を開いていたがそこに載っていたのは、とても綺麗な虫。たしかにとても綺麗なだけならいいが、それだけでは、ない。
「オオセンチコガネ……」
確かに綺麗なのだが、この虫、野性動物の糞や死骸に群がるのだ。
何故これに娘は、興味を示したのか。光は、このとき忘れていた糞虫に柊麗は、興味を示し色々調べ、糞虫の楽園である奈良の公園そしてその近くにある博物館にまで行ったことを。
「パパ糞虫と同じよ!! 博物館にまで連れていってくれたんだから採りに連れていってよ!!」
しかも光が付き添いで。
柊麗は、以前もつれていってくれた父なら連れていってくれると思い言うが、光は、すべてを思い出しさらに顔を青ざめた。
「糞虫と類似してるが死骸が入るからね!? 今回は!!」
「パパ実物が見たいの!!」
かわいい娘のたのみは、父として聞いてあげたい。しかし光は、虫が苦手だ。何故これが娘からのお願いなのか。
光は、心のなかで泣いていた。
「そうだ!! 標本でもいいかな??」
「まぁ実物を見れるなら……でもパパ高いよ??」
柊麗は、そういうが、採りに行くよりましだ。早速光は、調べてみたが。
「3000円!?」
「だから言ったでしょう?? 高いって」
いがいにも標本は、高かった。
「とりあえずあーちゃんところなら三種類とも見れるかも知れないからパパ次のおやすみにいこう!!」
「えっ!?」
「パパお願い!!」
うるうるな瞳でお願いされては、ダメとは、言えない。
光は、頷くと柊麗は、嬉しそうに光に飛び付く。
「ありがとうパパ!! あーちゃんには、私から電話しとくわ!!」
「分かったよ……」
柊麗は、そういうと光から離れ、さっそく家の電話で祖母の所に電話をし、その間光は、大きなため息をつく。
「虫……」
ダメだ余計なことを考えるな。光は、そう言い聞かせていた。
「虫採り!?」
そんな友美の声が、翌日リビングに響く。
母から電話が来たと思ったらまさかの発言に友美は、驚いていた。
「でも、お母さんオオセンチコガネって地域によっていろ違うわよね……」
「そうそう。どうやら関西だと全部とれるから柊麗こっちに来たいと思ったみたい」
夫の元気のない理由がわかり友美は、苦笑いを浮かべる。
「なぜ虫嫌いの光に頼むのかな……」
そんな母の声が電話の向こうからするが理由は簡単。お父さんが優しいからと面白いからこの二つのみ。
「柊麗ぱぱっこだから……」
「友美その言葉の裏に別の意味もあるね??」
「うん……」
電話の向こうで笑う母。
友美は、一緒に笑いつつも内心心配していた本当に大丈夫かと。
「とりあえず友美そういうことだからよろしくね」
「ありがとうお母さん」
電話を切り友美は、少し残念そうな顔に。
「ダメダメ!! それがダメなのよ!! 私!!」
ダメだ、虫をみて泣いている光が見たい。友美の悪戯心いやサディストに火がつきかけている。
「友美ならみんなで押しかけたら??」
白野威は、そういうと友美は、うなづく。
「そうね!! それがいいわ!!」
さすが神様といいながら友美は、実家に電話をし話をした。
「あら……さすが光くんね……」
「なにが??」
腰の重い娘を動かすとは。すごいと薫は、思ったがあえて友美には、言わなかった。
なにせ色々地雷を踏みそうと感じたので。
「とりあえずわかったよ」
「お願いいたします!!」
電話を切り友美は、楽しげに笑った。
「白野威楽しみ!!」
「楽しむのは、いいがあまり光を泣かせないでよね」
「分かってるよ!!」
本当にわかっているのだろうか、そう思いがら白野威は、友美を見ていた。楽しげに微笑みながら。
休みなり家族総出で、友美の実家にやって来た。双子と螢は、友美の祖父の家に。そして柊麗と光は、さっそく山に向かったが。
「なんでママもいるの!?」
「パパの雄姿を観るためよ!!」
友美もついてきたことにより柊麗は、驚く。しかし柊麗は、知っている。口では、そういってるが友美は、光が虫に驚いているところを見たいだけだと。
「雄姿ねぇ……」
光は、友美の微笑みからすべてを察し顔を青ざめていた。
「それよりオオセンチコガネは、どうやって見つけるの?? 確かこの辺りだと瑠璃色しかいないわよね??」
一応ついて行くからには、下調べは、した。友美は、気になりきくと光と柊麗は、困った顔に。
「糞もないし……ましてや亡骸なんてないしな……」
「そうそう。人糞でためそうかとも思ったけどパパに怒られたし」
「人糞」
柊麗さすがだ、予想の斜め上をいっていた。
「亡骸か糞……」
友美は、しばらく考えるとあることを思い付いたが。
「うわぁぁ……」
「パパこれ……」
「ゾンビだな……」
「ゾンビよ!! 死んでるし、野晒しの亡骸よりましかなぁーって!!」
何故かゾンビを捕獲し連れてきた。まずどこからと突っ込みたいがそれよりもさすが柊麗の母さらに斜め上をいく。
「なんでゾンビなんだ!? 確かに死んでるが!! ゾンビなんて思い付くか!!」
「死臭がすればいいんでしょう?? ならゾンビは、最適よ!!」
「ならキョンシーでもいけるわ!!」
「柊麗そこ気づかなくていいから!!」
キョンシーまで連れてこられたらそれこそ大変なことになる。
光は、ゾンビを見ながら人糞の方がよかったと思っていた。まだ。
「牛の糞でもよかったかもねぇー」
「なぜそれが今でてくる!?」
「ママ準備できないわ」
「いやいやゾンビの方が準備出来ないからな!!??」
森のなかで光の突っ込みが響くなかゾンビのこめかみになにやら瑠璃色に輝く虫が。
「柊麗あれ!!」
「オオセンチコガネ!!」
まさかゾンビで引き寄せられるなんて光は、驚きのあまり固まっていると、柊麗は、オオセンチコガネを虫網でつかまえその時に襲ってきたゾンビをなんて地面にのめり込ませた。
「よし!!」
「よかったわね!! 柊麗!!」
「うん!! ママ!!」
お二人さん。ゾンビは、放置か。
光は、ゾンビの様子を見ながら動けないようにゾンビに術を開けると友美がつれてきた場所に術で急いで返した。
「普通ゾンビスルーしないよね!!??」
「だってゾンビだもん」
二人にとってゾンビは、それほどのものでは、ない。光は、確かにと思った。
「パパきれいだわ!!」
「本当だな……」
虫かごの中のオオセンチコガネは、とても美しいメタリックは瑠璃色の光沢。
友美と光は、見とれていたが柊麗は、更なる恐ろしいことをいった。
「もっとほしい」
「もっと!?」
友美と光は、そう言うと柊麗は、頷く。
「パパもっと捕まえるわ!! あと京都の宇治も兵庫にも連れてって!!」
「あー他のオオセンチコガネを探しにね!!」
「他!?」
「コンプリートよ!! パパ!!」
柊麗の発言に光は、顔を青ざめ友美は、微笑む。
「ママ、パパ借りるね!!」
「分かったわ。でもあまりパパを泣かせちゃ駄目だからね??」
「はい!!」
「友美!? そこは、ダメと言わないのか!?」
「だって光は、柊麗のパパだもの。それに思春期になったらパパ嫌い!! 最悪死ね!! まで言われちゃうかもしれないんだから今の間に確り柊麗との時間を過ごさないとね!!」
「そうよ!! パパ!!」
光は、確かにと思いながらもそれとこれは、違うとも言いたかった。しかし言えなかった。友美の笑顔の前では。
「ママいってきます!!」
「いってらっしゃい!! 夕飯までには、帰ってきてね!!」
そして柊麗は、父を引っ張り山のなかに。光は、名残惜しそうに友美を見ながら山の中へと消えていった。
夕方になりもうそろそろ夕食の支度をしようと思った頃二人が帰ってきた。
「ただいまママ!!」
「おかえりなさい柊麗」
元気よくリビングに飛び込んできた柊麗の手には、三つの虫かご。そして中には、三色のオオセンチコガネが大量に入っていた。
「みてみて!! 個体によって色が少し違うの!!」
「本当ね!!」
わらわら動いているのは、少し気持ち悪いかもしれないが、それでも綺麗なオオセンチコガネに友美は、見とれていた。
「じぃちゃんにも見せたら驚かれちゃった!!」
「あら!! それは、よかったわね!!」
「うん!!」
柊麗と話していると光がリビングに、入ってきたがその顔は、とてもげっそり。予想するにそうとう悲鳴をあげたのかもしれない。
「おかえりなさい光」
「ただいま……夕飯作る……」
そして片言になっている。作るといいかけた頃には、キッチンに行ってしまっていた。
あとは、母がどうにかするだろう。
「ママオオセンチコガネどうしよう……」
「標本にするか逃がすかね……あとは飼うか」
「うーんしばらく考える!!」
柊麗は、そういうとリビングを出ていき虫かごを玄関におきにいった。そして夕飯も終わり子供たちが友美の母と遊び始めた頃、リビングで座布団に座りテレビを観ていた友美のとなりに光が座った。
「友美……今年は、もうむしとりしたくない……」
そしてそんな弱音をはいて友美の肩に頭をのせた。
「お疲れさま」
「ありがとう……」
結果オオセンチコガネは、三匹だけのこし柊麗は、観察をしおえると術をつかいもといた場所に逃がした。
それをみた光は、なんだが少し残念そうな顔をしていたことを友美は、思い出す。
「光頑張ったね!!」
「うん……なんか逃がされるのは、いいことなのに……苦労が水の泡のような気がして……」
「確かにそうかもね」
光の愚痴を聞きながら友美は、優しく微笑む。
「でも柊麗の喜んでる姿は、可愛かったよ。俺でもこんなことをしてあげれると分かったしな」
「光頑張ってるわ。本当にね!!」
「ありがとう……」
どこか眠そうな夫に友美は、言う。
「お風呂行ってきて寝たら??」
「うん……」
あくびをするとそのまま光は、友美の太ももに頭をおき寝てしまった。
「本当にお疲れさま」
しばらく寝かせておいてあげよう。友美は、そう思うと微笑み彼の頭を撫でる。
「本当にいいお父さんね光は……」
声をかけると光は、少しだけ嬉しそうに笑った。そして友美もまたそんな彼をみて幸せそうに微笑みのであった。
光は、リビングだ顔を青ざめ見ていた次女を。その次女の瞳は、とても輝いていた。
「パパお願い!!」
「柊麗キラキラ光るものなら宝石やガラスも……」
「それとこれは、違うわ!!」
「ならタマムシでも……」
「タマムシよりこれ」
柊麗が図鑑を開いていたがそこに載っていたのは、とても綺麗な虫。たしかにとても綺麗なだけならいいが、それだけでは、ない。
「オオセンチコガネ……」
確かに綺麗なのだが、この虫、野性動物の糞や死骸に群がるのだ。
何故これに娘は、興味を示したのか。光は、このとき忘れていた糞虫に柊麗は、興味を示し色々調べ、糞虫の楽園である奈良の公園そしてその近くにある博物館にまで行ったことを。
「パパ糞虫と同じよ!! 博物館にまで連れていってくれたんだから採りに連れていってよ!!」
しかも光が付き添いで。
柊麗は、以前もつれていってくれた父なら連れていってくれると思い言うが、光は、すべてを思い出しさらに顔を青ざめた。
「糞虫と類似してるが死骸が入るからね!? 今回は!!」
「パパ実物が見たいの!!」
かわいい娘のたのみは、父として聞いてあげたい。しかし光は、虫が苦手だ。何故これが娘からのお願いなのか。
光は、心のなかで泣いていた。
「そうだ!! 標本でもいいかな??」
「まぁ実物を見れるなら……でもパパ高いよ??」
柊麗は、そういうが、採りに行くよりましだ。早速光は、調べてみたが。
「3000円!?」
「だから言ったでしょう?? 高いって」
いがいにも標本は、高かった。
「とりあえずあーちゃんところなら三種類とも見れるかも知れないからパパ次のおやすみにいこう!!」
「えっ!?」
「パパお願い!!」
うるうるな瞳でお願いされては、ダメとは、言えない。
光は、頷くと柊麗は、嬉しそうに光に飛び付く。
「ありがとうパパ!! あーちゃんには、私から電話しとくわ!!」
「分かったよ……」
柊麗は、そういうと光から離れ、さっそく家の電話で祖母の所に電話をし、その間光は、大きなため息をつく。
「虫……」
ダメだ余計なことを考えるな。光は、そう言い聞かせていた。
「虫採り!?」
そんな友美の声が、翌日リビングに響く。
母から電話が来たと思ったらまさかの発言に友美は、驚いていた。
「でも、お母さんオオセンチコガネって地域によっていろ違うわよね……」
「そうそう。どうやら関西だと全部とれるから柊麗こっちに来たいと思ったみたい」
夫の元気のない理由がわかり友美は、苦笑いを浮かべる。
「なぜ虫嫌いの光に頼むのかな……」
そんな母の声が電話の向こうからするが理由は簡単。お父さんが優しいからと面白いからこの二つのみ。
「柊麗ぱぱっこだから……」
「友美その言葉の裏に別の意味もあるね??」
「うん……」
電話の向こうで笑う母。
友美は、一緒に笑いつつも内心心配していた本当に大丈夫かと。
「とりあえず友美そういうことだからよろしくね」
「ありがとうお母さん」
電話を切り友美は、少し残念そうな顔に。
「ダメダメ!! それがダメなのよ!! 私!!」
ダメだ、虫をみて泣いている光が見たい。友美の悪戯心いやサディストに火がつきかけている。
「友美ならみんなで押しかけたら??」
白野威は、そういうと友美は、うなづく。
「そうね!! それがいいわ!!」
さすが神様といいながら友美は、実家に電話をし話をした。
「あら……さすが光くんね……」
「なにが??」
腰の重い娘を動かすとは。すごいと薫は、思ったがあえて友美には、言わなかった。
なにせ色々地雷を踏みそうと感じたので。
「とりあえずわかったよ」
「お願いいたします!!」
電話を切り友美は、楽しげに笑った。
「白野威楽しみ!!」
「楽しむのは、いいがあまり光を泣かせないでよね」
「分かってるよ!!」
本当にわかっているのだろうか、そう思いがら白野威は、友美を見ていた。楽しげに微笑みながら。
休みなり家族総出で、友美の実家にやって来た。双子と螢は、友美の祖父の家に。そして柊麗と光は、さっそく山に向かったが。
「なんでママもいるの!?」
「パパの雄姿を観るためよ!!」
友美もついてきたことにより柊麗は、驚く。しかし柊麗は、知っている。口では、そういってるが友美は、光が虫に驚いているところを見たいだけだと。
「雄姿ねぇ……」
光は、友美の微笑みからすべてを察し顔を青ざめていた。
「それよりオオセンチコガネは、どうやって見つけるの?? 確かこの辺りだと瑠璃色しかいないわよね??」
一応ついて行くからには、下調べは、した。友美は、気になりきくと光と柊麗は、困った顔に。
「糞もないし……ましてや亡骸なんてないしな……」
「そうそう。人糞でためそうかとも思ったけどパパに怒られたし」
「人糞」
柊麗さすがだ、予想の斜め上をいっていた。
「亡骸か糞……」
友美は、しばらく考えるとあることを思い付いたが。
「うわぁぁ……」
「パパこれ……」
「ゾンビだな……」
「ゾンビよ!! 死んでるし、野晒しの亡骸よりましかなぁーって!!」
何故かゾンビを捕獲し連れてきた。まずどこからと突っ込みたいがそれよりもさすが柊麗の母さらに斜め上をいく。
「なんでゾンビなんだ!? 確かに死んでるが!! ゾンビなんて思い付くか!!」
「死臭がすればいいんでしょう?? ならゾンビは、最適よ!!」
「ならキョンシーでもいけるわ!!」
「柊麗そこ気づかなくていいから!!」
キョンシーまで連れてこられたらそれこそ大変なことになる。
光は、ゾンビを見ながら人糞の方がよかったと思っていた。まだ。
「牛の糞でもよかったかもねぇー」
「なぜそれが今でてくる!?」
「ママ準備できないわ」
「いやいやゾンビの方が準備出来ないからな!!??」
森のなかで光の突っ込みが響くなかゾンビのこめかみになにやら瑠璃色に輝く虫が。
「柊麗あれ!!」
「オオセンチコガネ!!」
まさかゾンビで引き寄せられるなんて光は、驚きのあまり固まっていると、柊麗は、オオセンチコガネを虫網でつかまえその時に襲ってきたゾンビをなんて地面にのめり込ませた。
「よし!!」
「よかったわね!! 柊麗!!」
「うん!! ママ!!」
お二人さん。ゾンビは、放置か。
光は、ゾンビの様子を見ながら動けないようにゾンビに術を開けると友美がつれてきた場所に術で急いで返した。
「普通ゾンビスルーしないよね!!??」
「だってゾンビだもん」
二人にとってゾンビは、それほどのものでは、ない。光は、確かにと思った。
「パパきれいだわ!!」
「本当だな……」
虫かごの中のオオセンチコガネは、とても美しいメタリックは瑠璃色の光沢。
友美と光は、見とれていたが柊麗は、更なる恐ろしいことをいった。
「もっとほしい」
「もっと!?」
友美と光は、そう言うと柊麗は、頷く。
「パパもっと捕まえるわ!! あと京都の宇治も兵庫にも連れてって!!」
「あー他のオオセンチコガネを探しにね!!」
「他!?」
「コンプリートよ!! パパ!!」
柊麗の発言に光は、顔を青ざめ友美は、微笑む。
「ママ、パパ借りるね!!」
「分かったわ。でもあまりパパを泣かせちゃ駄目だからね??」
「はい!!」
「友美!? そこは、ダメと言わないのか!?」
「だって光は、柊麗のパパだもの。それに思春期になったらパパ嫌い!! 最悪死ね!! まで言われちゃうかもしれないんだから今の間に確り柊麗との時間を過ごさないとね!!」
「そうよ!! パパ!!」
光は、確かにと思いながらもそれとこれは、違うとも言いたかった。しかし言えなかった。友美の笑顔の前では。
「ママいってきます!!」
「いってらっしゃい!! 夕飯までには、帰ってきてね!!」
そして柊麗は、父を引っ張り山のなかに。光は、名残惜しそうに友美を見ながら山の中へと消えていった。
夕方になりもうそろそろ夕食の支度をしようと思った頃二人が帰ってきた。
「ただいまママ!!」
「おかえりなさい柊麗」
元気よくリビングに飛び込んできた柊麗の手には、三つの虫かご。そして中には、三色のオオセンチコガネが大量に入っていた。
「みてみて!! 個体によって色が少し違うの!!」
「本当ね!!」
わらわら動いているのは、少し気持ち悪いかもしれないが、それでも綺麗なオオセンチコガネに友美は、見とれていた。
「じぃちゃんにも見せたら驚かれちゃった!!」
「あら!! それは、よかったわね!!」
「うん!!」
柊麗と話していると光がリビングに、入ってきたがその顔は、とてもげっそり。予想するにそうとう悲鳴をあげたのかもしれない。
「おかえりなさい光」
「ただいま……夕飯作る……」
そして片言になっている。作るといいかけた頃には、キッチンに行ってしまっていた。
あとは、母がどうにかするだろう。
「ママオオセンチコガネどうしよう……」
「標本にするか逃がすかね……あとは飼うか」
「うーんしばらく考える!!」
柊麗は、そういうとリビングを出ていき虫かごを玄関におきにいった。そして夕飯も終わり子供たちが友美の母と遊び始めた頃、リビングで座布団に座りテレビを観ていた友美のとなりに光が座った。
「友美……今年は、もうむしとりしたくない……」
そしてそんな弱音をはいて友美の肩に頭をのせた。
「お疲れさま」
「ありがとう……」
結果オオセンチコガネは、三匹だけのこし柊麗は、観察をしおえると術をつかいもといた場所に逃がした。
それをみた光は、なんだが少し残念そうな顔をしていたことを友美は、思い出す。
「光頑張ったね!!」
「うん……なんか逃がされるのは、いいことなのに……苦労が水の泡のような気がして……」
「確かにそうかもね」
光の愚痴を聞きながら友美は、優しく微笑む。
「でも柊麗の喜んでる姿は、可愛かったよ。俺でもこんなことをしてあげれると分かったしな」
「光頑張ってるわ。本当にね!!」
「ありがとう……」
どこか眠そうな夫に友美は、言う。
「お風呂行ってきて寝たら??」
「うん……」
あくびをするとそのまま光は、友美の太ももに頭をおき寝てしまった。
「本当にお疲れさま」
しばらく寝かせておいてあげよう。友美は、そう思うと微笑み彼の頭を撫でる。
「本当にいいお父さんね光は……」
声をかけると光は、少しだけ嬉しそうに笑った。そして友美もまたそんな彼をみて幸せそうに微笑みのであった。