光明ノ神子
友美は、悩んでいた。
「どれを着けようかしら……」
目の前には、文机の上におかれた、ジュエリーボックス。そして中には、美しいピアスが並んでいた。
数が多いので日替わりで友美は、色々つけているがこれが困った問題とも言える。
「光なにかとピアスくれるから……全部つけれないよねぇ……」
困った。どうしたものか。
せっかく光が贈ってくれたもの彼の前で着けたいとも思う。
友美は、自分の耳たぶに触るとあることを思い付いた。
立ち上がると友美は、和室からリビングにそして寝ている白野威を起こす。
「白野威!!」
「なにさ……」
眠そうな顔をし白野威は、いうと、友美が言った。
「ピアス穴増やしてええ??」
白野威は、しばらくぼーとしたが、次第に目を見開きそしていった。
「なにいってるのさ!!!!」
「なにって……」
「絶対にダメだから!!!」
体を起こし言うので友美も驚く。
「別にいいんじゃ……」
「駄目なものは、駄目ー!!!!」
白野威は、そう言うとどこかに行ってしまった。
友美は、妙案だったのにと思っていたが、これが実は、とんでもない事態を巻き起こすことに。
春の風が窓から吹き込む。
光は、年度末のしめにおわれていた。
「よし!! これで終わり!!」
書類も作り終え、提出も済ませた。これでようやく暇になると思ったとき、窓からなにか入ってきた。
光は、首をかしげ、窓のほうに向かったとき、なにかに飛び付かれ、こけかける。
「白野威!!??」
現れたのは、なんと、白野威。珍しく困った顔をしていた。
「光大変!!」
「何が??」
「友美が大変なのさ!!」
「友美が!?」
どんな緊急事態が起こったのだろうか。
光は、内心不安を募らせながら詳しい話を白野威に聞いた。
「え?? ピアス穴を増やしたい??」
光が思ってたより深刻では、なかった。思わず間抜けな声で言ってしまったが、白野威は、深刻な顔をしいう。
「そう……一つならともかく、耳に何個もあけるなんて言語道断!!」
「まぁ……傷つけるしな……耳を……」
「そう!! なんでこれ以上友美が傷つかないといけないのさ!!」
光は、白野威の反応に少し意外性を感じていた。
彼女ならピアスぐらい増やせばいいというと思ってたからだ。
「白野威もピアスしてるよね……??」
「それは、イヤリングよりピアスのほうが歴史が長いし神代なんて、ピアスしかなかったからさ」
白野威は、光の、向かいにのイスに器用に座り、尾っぽをふる。
「でも複数あける必要ある!!?? 一つでいいだろ!!??」
光は、悩ましげな顔をするという。
「いや……ファッションで色々なところにあけてるしねぇ?? 現代人は」
「だとしてもさ!!」
たぶん白野威は、友美がすごく心配だからこそこうもやっきになっているとも言える。
光は、さてどうしたものかと考える。
友美を諦めさせる方法とこの白野威を落ち着かせる方法を。
「光どうすればいいと思う?? あまり言い過ぎるの白野威嫌い!! って言われかねないし……」
耳を倒し、机の上に顎をおき、項垂れる白野威。
光は、ここまで落ち込む彼女を始めてみて驚いた。
「白野威そのまま伝えたらどうだろう??」
「というと??」
「友美の事が大切だし、痛い思いをしてほしくない。だからあけないで!! って」
白野威は、光の顔を見て目を伏せる。
「うん……」
「恥ずかしい??」
「かもしれない」
「そうか。でも頑張ろう!! 俺もこれには、反対だから」
「光……」
光も居るなら大丈夫。白野威がそう思ったとき、光のスマホが鳴った。
ディスプレイを確認し、光は、微笑むと出た。
「もしもし」
「光!! 白野威知らない!!??」
スマホを少し耳から話しても聞こえるほど友美は、大きな声でしかも焦っていた。
その様子を見て、白野威は、目を伏せる。
「診察室にいるけど……」
「光の所にいったのね……よかった……まさか保健所に連れていかれたり、愛想つかされて出ていったのかと思ったわ……」
友美は、安心した声色になるという。
「迎えにいくから!!」
「えっ!?」
ぶちっと切られた電話のあとで虚しくツーツーという音だけが部屋に響く。
白野威は、椅子から降りるとなんと光のデスクのしたにいき、座ってしまった。
「白野威!?」
「合わせる顔ない……」
光は、溜め息をつくと、言う。
「そんなこと言ってないで、出てこい!!」
白野威のお尻を持つと、光は、引っ張り出そうとするが、なかなか治からが強い。
そうこう格闘していると、電話がなった。
「はい診察室。はいどうぞ」
受話器を置くと、光は、いう。
「友美が来たぞ」
白野威は、相変わらずこちらにお尻を向けている。
光は、もうほっておけと、友美が来るのを待っていると、診療室の扉があいた。
「光!!」
「友美ここ」
中に入り、友美は、デスクのしたを見るとこちらに尻尾と尻が向いていた。
「白野威」
名を呼ぶと尻尾が揺れた。
「ごめんなさい。白野威私が大切だからいってくれたんだよねぇ……私もバカな考えであんなことを……」
白野威は、のっそりと、動き出すと、友美の方を見た。
「友美……私こそごめん!!!!」
白野威は、デスクから友美に飛び付く。
「白野威危ないよ!!」
「だって……やっぱり友美のそばにいたい!! だから捨てないで~!!!!」
泣きべそをかく白野威に、友美は、苦笑いを浮かべ、光は、溜め息をつく。
普通その台詞を言うのは、神子の方では、なかろうか。
「捨てないわよ!! というか太陽神捨てるってそんな罰当たりな!!」
「友美ー!!!!」
とうとう泣き出してしまった。
尻尾をすごいふり、なく白野威に友美は、思う。狼でもなく今は、犬だと。
「白野威狼じゃなくてワンコのほうが……」
「狼がいいのさ!! 私は!!」
普段の姿を犬には、変えないらしい。
「白野威のこんな姿なかなかレアだな……」
「ねぇ」
友美は、光に同意すると言う。
「ある意味いいかもね!! 白野威らしくて!! 天照ならこんな派手に泣かないもの」
確かに天照ならしょぼんとしてうるうるしてそうである。
そんな話をしていると、白野威は、とうとう本来の姿に戻り、診察室においてあったタオルまで持ち出し、なく。
「本当にごめんなさい!!」
「もういいから!!」
しばらくして、白野威は、泣き止んだ。
「……このタオル漂白剤臭い……」
「そりゃ消毒してるからだ!!」
光は、そこが気になるのかと思いながら、白野威にインスタント珈琲をいれると、彼女は、礼をいい、飲む。
「……インスタント」
「そりゃこんなところで手軽に焙煎できるか!!」
「珈琲の粉じゃなくて、焙煎からするのねぇ……」
白野威も光も突っ込みどころ満載である。こだわりが強いともいえるが。
「じゃ私帰るわね」
友美は、そう言うと席をたつが、白野威と光は、しょぼんとなる。
「なんで帰るのさ!!」
「そりゃ買い出しが……」
「あとで行けばいいよね!!??」
「まぁそうだけど……」
なぜ引き留められるのだろうか。友美は、そう思いながら言う。
「ジェラート買いに行かないと!!」
ジェラートという単語に光と白野威は、反応した。
「分かった」
「ならしかたがない」
諦めてくれようである。
友美は、立ち上がると言った。
「白野威。あまり光を困らせないでね!!」
「わかってるつうの!!」
「光よろしくね!!」
友美は、そう言うと診察室をあとにいた。
「白野威まだいるのか??」
「しばらくいる」
「分かったよ」
白野威は、狼の姿に戻ると、診察用のベットに登ると、そこで眠ってしまった。
「安心したのかな……」
春の風が吹き込むなか、光は、微笑むと仕事に戻った。
後ろで眠る狼は、とても安心した寝顔をし、幸せそうに光も微笑み、友美もまた春の風を感じながら微笑むのであった。
今回の騒動が、無事に終わったと思いながら。
「どれを着けようかしら……」
目の前には、文机の上におかれた、ジュエリーボックス。そして中には、美しいピアスが並んでいた。
数が多いので日替わりで友美は、色々つけているがこれが困った問題とも言える。
「光なにかとピアスくれるから……全部つけれないよねぇ……」
困った。どうしたものか。
せっかく光が贈ってくれたもの彼の前で着けたいとも思う。
友美は、自分の耳たぶに触るとあることを思い付いた。
立ち上がると友美は、和室からリビングにそして寝ている白野威を起こす。
「白野威!!」
「なにさ……」
眠そうな顔をし白野威は、いうと、友美が言った。
「ピアス穴増やしてええ??」
白野威は、しばらくぼーとしたが、次第に目を見開きそしていった。
「なにいってるのさ!!!!」
「なにって……」
「絶対にダメだから!!!」
体を起こし言うので友美も驚く。
「別にいいんじゃ……」
「駄目なものは、駄目ー!!!!」
白野威は、そう言うとどこかに行ってしまった。
友美は、妙案だったのにと思っていたが、これが実は、とんでもない事態を巻き起こすことに。
春の風が窓から吹き込む。
光は、年度末のしめにおわれていた。
「よし!! これで終わり!!」
書類も作り終え、提出も済ませた。これでようやく暇になると思ったとき、窓からなにか入ってきた。
光は、首をかしげ、窓のほうに向かったとき、なにかに飛び付かれ、こけかける。
「白野威!!??」
現れたのは、なんと、白野威。珍しく困った顔をしていた。
「光大変!!」
「何が??」
「友美が大変なのさ!!」
「友美が!?」
どんな緊急事態が起こったのだろうか。
光は、内心不安を募らせながら詳しい話を白野威に聞いた。
「え?? ピアス穴を増やしたい??」
光が思ってたより深刻では、なかった。思わず間抜けな声で言ってしまったが、白野威は、深刻な顔をしいう。
「そう……一つならともかく、耳に何個もあけるなんて言語道断!!」
「まぁ……傷つけるしな……耳を……」
「そう!! なんでこれ以上友美が傷つかないといけないのさ!!」
光は、白野威の反応に少し意外性を感じていた。
彼女ならピアスぐらい増やせばいいというと思ってたからだ。
「白野威もピアスしてるよね……??」
「それは、イヤリングよりピアスのほうが歴史が長いし神代なんて、ピアスしかなかったからさ」
白野威は、光の、向かいにのイスに器用に座り、尾っぽをふる。
「でも複数あける必要ある!!?? 一つでいいだろ!!??」
光は、悩ましげな顔をするという。
「いや……ファッションで色々なところにあけてるしねぇ?? 現代人は」
「だとしてもさ!!」
たぶん白野威は、友美がすごく心配だからこそこうもやっきになっているとも言える。
光は、さてどうしたものかと考える。
友美を諦めさせる方法とこの白野威を落ち着かせる方法を。
「光どうすればいいと思う?? あまり言い過ぎるの白野威嫌い!! って言われかねないし……」
耳を倒し、机の上に顎をおき、項垂れる白野威。
光は、ここまで落ち込む彼女を始めてみて驚いた。
「白野威そのまま伝えたらどうだろう??」
「というと??」
「友美の事が大切だし、痛い思いをしてほしくない。だからあけないで!! って」
白野威は、光の顔を見て目を伏せる。
「うん……」
「恥ずかしい??」
「かもしれない」
「そうか。でも頑張ろう!! 俺もこれには、反対だから」
「光……」
光も居るなら大丈夫。白野威がそう思ったとき、光のスマホが鳴った。
ディスプレイを確認し、光は、微笑むと出た。
「もしもし」
「光!! 白野威知らない!!??」
スマホを少し耳から話しても聞こえるほど友美は、大きな声でしかも焦っていた。
その様子を見て、白野威は、目を伏せる。
「診察室にいるけど……」
「光の所にいったのね……よかった……まさか保健所に連れていかれたり、愛想つかされて出ていったのかと思ったわ……」
友美は、安心した声色になるという。
「迎えにいくから!!」
「えっ!?」
ぶちっと切られた電話のあとで虚しくツーツーという音だけが部屋に響く。
白野威は、椅子から降りるとなんと光のデスクのしたにいき、座ってしまった。
「白野威!?」
「合わせる顔ない……」
光は、溜め息をつくと、言う。
「そんなこと言ってないで、出てこい!!」
白野威のお尻を持つと、光は、引っ張り出そうとするが、なかなか治からが強い。
そうこう格闘していると、電話がなった。
「はい診察室。はいどうぞ」
受話器を置くと、光は、いう。
「友美が来たぞ」
白野威は、相変わらずこちらにお尻を向けている。
光は、もうほっておけと、友美が来るのを待っていると、診療室の扉があいた。
「光!!」
「友美ここ」
中に入り、友美は、デスクのしたを見るとこちらに尻尾と尻が向いていた。
「白野威」
名を呼ぶと尻尾が揺れた。
「ごめんなさい。白野威私が大切だからいってくれたんだよねぇ……私もバカな考えであんなことを……」
白野威は、のっそりと、動き出すと、友美の方を見た。
「友美……私こそごめん!!!!」
白野威は、デスクから友美に飛び付く。
「白野威危ないよ!!」
「だって……やっぱり友美のそばにいたい!! だから捨てないで~!!!!」
泣きべそをかく白野威に、友美は、苦笑いを浮かべ、光は、溜め息をつく。
普通その台詞を言うのは、神子の方では、なかろうか。
「捨てないわよ!! というか太陽神捨てるってそんな罰当たりな!!」
「友美ー!!!!」
とうとう泣き出してしまった。
尻尾をすごいふり、なく白野威に友美は、思う。狼でもなく今は、犬だと。
「白野威狼じゃなくてワンコのほうが……」
「狼がいいのさ!! 私は!!」
普段の姿を犬には、変えないらしい。
「白野威のこんな姿なかなかレアだな……」
「ねぇ」
友美は、光に同意すると言う。
「ある意味いいかもね!! 白野威らしくて!! 天照ならこんな派手に泣かないもの」
確かに天照ならしょぼんとしてうるうるしてそうである。
そんな話をしていると、白野威は、とうとう本来の姿に戻り、診察室においてあったタオルまで持ち出し、なく。
「本当にごめんなさい!!」
「もういいから!!」
しばらくして、白野威は、泣き止んだ。
「……このタオル漂白剤臭い……」
「そりゃ消毒してるからだ!!」
光は、そこが気になるのかと思いながら、白野威にインスタント珈琲をいれると、彼女は、礼をいい、飲む。
「……インスタント」
「そりゃこんなところで手軽に焙煎できるか!!」
「珈琲の粉じゃなくて、焙煎からするのねぇ……」
白野威も光も突っ込みどころ満載である。こだわりが強いともいえるが。
「じゃ私帰るわね」
友美は、そう言うと席をたつが、白野威と光は、しょぼんとなる。
「なんで帰るのさ!!」
「そりゃ買い出しが……」
「あとで行けばいいよね!!??」
「まぁそうだけど……」
なぜ引き留められるのだろうか。友美は、そう思いながら言う。
「ジェラート買いに行かないと!!」
ジェラートという単語に光と白野威は、反応した。
「分かった」
「ならしかたがない」
諦めてくれようである。
友美は、立ち上がると言った。
「白野威。あまり光を困らせないでね!!」
「わかってるつうの!!」
「光よろしくね!!」
友美は、そう言うと診察室をあとにいた。
「白野威まだいるのか??」
「しばらくいる」
「分かったよ」
白野威は、狼の姿に戻ると、診察用のベットに登ると、そこで眠ってしまった。
「安心したのかな……」
春の風が吹き込むなか、光は、微笑むと仕事に戻った。
後ろで眠る狼は、とても安心した寝顔をし、幸せそうに光も微笑み、友美もまた春の風を感じながら微笑むのであった。
今回の騒動が、無事に終わったと思いながら。