光明ノ神子
霞ノ神子。薬学の神である華澄の使いであり、これもた少し変わった物でもある。
清らかな朝の日差しが障子から差し込む。布団から出る足の冷たさと布団の温さに出たくないと彼女は、思っていた。
モゴモゴと布団の中でしようとも時刻は、過ぎていく。
枕元のスマホが時刻を告げしぶしぶ彼女は、起きた。
「朝の……したく……」
寝癖のついた藤色の髪を耳にかけると布団を畳、着物をき、髪を整える。
鏡にうつる気品に満ちた女性は、微笑むと言った。
「よし!! 今日も頑張る!!」
ゆるくパーマのかかったボブヘアにカチューシャをつけ、その姿な、柔らかな彼女の人柄を表すようである。
霞ノ神子こと、蜂須賀勇音の一日は、こうして始まる。
割烹着をき、朝の支度をするとニュースを観ながらご飯を食べる。その間に友美から連絡が来ていないかも確認し、一日のスケジュールを彼女は、組む。
「このお漬け物と出汁美味しい~」
光から先日もらった出汁と、ソーマから貰った漬け物。ならならどちらも絶品だ。
「今日は……友美から連絡来てない……神子の外回りの役目は、無さそうね……」
ご飯を食べ終えごちそうさまというと、勇音は、使った食器を台所に。そして水につけている間に、洗濯機をうごかし、掃除もする。そして食器を洗うと庭に洗濯物をほした。
気持ちのよい朝の日差しに勇音は、微笑む。
「今日もいい天気……」
さて本日も忙しくなりそうだ。朝の支度をすべて終わらすと勇音は、店の方に行った。
開店の支度をし、店先の看板をオープンに変える。
さて本日も営業開始だ。彼女は、少し変わった薬問屋を営んでいる。
人から人ならざるものまでが彼女の、顧客だ。珍しい原料を取り揃えているからこそ出来る商売とも言える。
この商売をはじめしばらくたつがようやく原料かくほも楽になってきた。
カウンターの中に勇音は、入ると、帳簿をとりだし確認をした。
「中間さんところの薬は、オッケーと……あとは、銀糸が買いに来るつちのこの脱皮のからもオッケー……」
なにやらとんでもない材料のなが聞こえてきた。
勇音は、立ち上がると背後にある棚の引き出しをあけ、帳簿にかかれているものを紙袋に詰める。
「勇音」
優しい上品な声が聞こえ勇音は、カウンターの隣を見ると座布団の上に白銀の羊が現れた。
「華澄様おはようございます」
「おはよう。今日も頑張ってるわね」
「はい!! 今日もがんばりますよ!!」
勇音は、そう言うと微笑む。さて華澄も出てきたので本日の開店準備は、完了だ。
帳簿をつけたり、品だしをしていると客が来た。
「いらっしゃいませ」
身なりがいい男性がやって来た。勇音は、微笑むと男性も目を細めた。
「蜂須賀さんおはようございます」
「中間さんご用意していますのでしばらくお待ちください」
勇音は、そういうと紙袋を持ってきた。そして領収書と共に男性に渡す。
「ありがとうございます」
男性は、領収書を確認し、微笑む。
「では、いつものよう」
「よろしくお願いいたしますね」
男性は、そういうと、店をあとにした。
「また口座振替かい??」
「はい。華澄様。中間さんは、経営者ですし会社の大口取引は、その方が楽で確かですからね!!」
確かに通帳ですべて管理ができ確定申告と今現金を受け取るよりは、楽とも言えよう。
「事業主とは、大変なのです!!」
「といいつつこの商売をして百数十年たつのは、何処のどなたかしら??」
華澄の突っ込みに勇音は、慌てて言う。
「百数十年やってても制度が変われば一からなんですよ!!」
「まぁ人ってコロコロ法律変えるものねぇ。インボイス制度とやらとかもあるらしいし」
「あれややこしいんですよねぇ。なんであんな馬鹿げたものを財務省は、考えたのやら」
勇音と、こうして何時も店にいるからこそ華澄も薬学以外の知識に悔しくなってしまった。何時も勇音がこうして経済学やら経営学やら法律の話をするから。
「勇音」
「なんですか??」
「友美から連絡が来てるわ」
勇音は、まさかと思ったとき電話がなり、慌てて出ると友美だった。
「はい」
「勇音実は、この薬草を仕入れてほしいの!!」
「これですか??」
また珍しいものを友美は、欲しがっているなと勇音は、思いながらもどこか楽しげに彼女は、微笑んでいた。
電話が終わり、受話器をもとの位置に戻すと、勇音は、店においてある薬草を確認する。
「そのないようだと神子ようの解毒剤ってところね??」
「はい。華澄様」
勇音は、友美から聞いた薬草を店のカウンターに並べ確認し言う。
「先日燕青があやかしの毒にやられたとき色々大変でしたしね……」
神子とは、皆力を巧みに使うことができるわけでは、ない。歴代の神子事態少ないが時々あまりつかえない者達がいる。
当代では、五穀豊穣を司る神の神子である桜花ノ神子があまり使えないのだ。
力の保有量は、あるのに。どうなら繊細な力のコントロールが苦手らしく、武器に力を込めおもっきり殴ると言う力業のみできるのである。
「燕青は、力業さ、できても繊細な力の使い方は、まったくだものね」
「はい。なので友美が保有している神力を燃料に解毒できる薬を作ることにしたみたいです」
「製薬なら勇音でもいいんじゃなかしら??」
「はい。私も別で治癒効果をあげる薬を作るので、分担ですね!!」
華澄は、大変なこともあるものだと思いながら勇音を見ていた。
「よし!! これでオッケーと!!」
後で出掛けるときにでも届けよう。勇音は、カウンターの隅に風呂敷を置くと、店のドアが開いた。
「お届け物でーす!!」
「はーい!!」
勇音は、宅配業者から荷物を受けてると梱包をとき、そして、整理をし、倉庫に薬草を片付けた。
時計を確認すると気づけば、昼過ぎ、いがいに午前中は、店の片付けやら準備やらで忙しい。
「お昼のしたくをしよう……」
勇音が倉庫から店に戻ったときなにやき賑やかな声が。
「よっ!! 勇音!! ただいま!!」
勇音は、真顔になるとそのまま家の方に。
「なんで無視するんだよ!!!!」
「なんでいるの!! 燕青!!」
術をとき、本来の姿の燕青を見るのは、いつぶりだろうか。にしても何故彼がここにいるのか。
「役目が終わったからだよ!! 居候を忘れたとは、言わせないぞ!?」
「居候って……アパート取り壊しになって住むところないからって転がり込んだだけでしょう……なんで夏音や珊瑚のところにいかないの!!」
本当に騒がしい。そういえばこいつは、こんな男だと勇音は、思い出していた。
「いや……普通の女性のところに転がり込むのは、よくないからね??」
「私は、普通と違うと??」
「勇音神だし」
なにも言えない。事実なので。
「で珍しく帰ってきてなに??」
「頼まれてた、もの揃ったぜ」
燕青が出した鞄のなかみ。勇音は、鞄をあけすべてを確認すると驚く。
「揃えられたの!?」
「当たり前だ。それに俺ならできるとお前も頼んだんだろ?? 勇音」
燕青は、「世界」を放浪し、様々な物を集めている。主に神子の役目で。
豪快でがさつな燕青だが、神子の役目にかしては、勇音も一目おいている彼に。
「とりあえずお風呂はいって。そのむさ苦しい格好でうろつかないで」
「勇音了解!!」
彼なら適当にやるだろう。勇音は、鞄の中身を棚に並べるとそのまま昼を作りに台所に。
風呂場から燕青の声が聞こえるが、本当に騒がしいやつだ。
しばらしていい出汁の香りが台所からし始めた頃燕青が姿を見せた。
「おっ!! うどん!!」
「どくせろくなものを食べてなかったでしょう??」
「当たり!!」
勇音は、やはりとあきれたかおをし、続けた。
「だからうどんにするわ。お昼」
「ありがとうございます!! さすが気のきく勇音さんだぜ!!」
そして静かだったこの家が一気に賑やかになる。
「しばらく居るの??」
「友美からも新しい依頼を頼まれてないしなぁ~ ついでに旅!! もしばらくできたいだろうし、一応な」
「分かったわ」
まさか寂しいのだろうかと燕青は、思ったが、実は、そのまさかと彼は、気づいてなかった。
「はい。持って!!」
うどんバチを渡され、燕青は、あちちといいながら、居間に。そして勇音も自分の分と華澄の分を作ると居間に。
「いただきます!!」
「待ってたのは、驚き」
「そりゃ揃って食べた方が美味しそうからな~」
華澄ももくもくとうどんを食べるなか勇音と食べた。
うどんを食べ終え、後片付けを済ますと勇音は、店のことをし、午後三時になると、勇音は、店の看板をcloseに変えた。
「おっ!! 買い物か??」
住居の方から出てきた燕青は、少し驚いたかおをしていた。彼女は、いつも六時頃まで店を開けているからだ。
「友美のところにいく用があるの。あと買い出しと」
「なるほどな……よし!! 俺もついていこう!!」
勇音は、持っていた瓶をおとしかけた。
「えっ!?」
「なんだよーそんなに驚かなくていいだろ??」
「なんで来るの!! 疲れてるでしょう??」
「俺の体力馬鹿にするなよ!!」
これは、ダメと言っても来るだろう。勇音は、しかたがないと燕青も連れていくことにした。
学生の賑やかな声が聞こえるなか、勇音は、バスに揺られていた。隣に燕青が座っている形で。
「バスって……」
「他にいくところもあったの……」
だから留守番してほしかった。勇音は、そう思いながら窓の外を見る。
「おばあちゃんこっち座って!!」
そして停留所に止まったとき、いつのまにやら燕青が老人に席を譲っていた。
簡単にこんなことをできるのもすごい。勇音は、そう思いながら燕青を見る。
「俺になにかついてるか??」
「なにもついてない」
とりあえず空気は、よんでほしいが。勇音は、そう思いながらため息をつく。
目的の停留所につき、二人は、バスを降りる。そしてしばらくあるくとやって来たのは、ある会社だった。
「製薬会社だな」
「待っててすぐすむから」
勇音は、そういうと中に。そしてすぐに出てきた。
「さぁ友美のところいくよ」
「了解」
勇音は、辺りを見渡すと懐から短剣を取り出した。
「開け」
そういい空間を切るように短剣を動かすと、開いた。通路が。
「さすが……」
「初歩的な術なんだけど」
しかし彼には、違うのだ。勇音は、燕青を先にいかし、自分も中に。そしてしばらく歩くと抜け、友美の家の前に出た。
インターフォンを押すと友美がすぐに出てきた。
「勇音ありがとう!!」
「いえ!! こちらこそありがとうございます!!」
「よかったらお茶飲んでいく??」
燕青もいるので友美は、声をかけたが、勇音は、考え込んでしまった。
自分でもなぜ考え込んでいるのか分からない。勇音は、戸惑うなか友美は、なにかを察し言う。
「邪魔しちゃうわね」
「え??」
「勇音、燕青楽しい時を!!」
燕青は、友美の言葉に微笑むが、勇音は、顔を真っ赤に。
「なんでいきなり!!?? そんなことありませんから!!!!」
「勇音けっこううぶよねー」
友美は、そう言うと微笑みそして二人は、彼女と別れた。
「友美のやつさすが鋭いなぁー」
「なにが!!」
燕青は、隣を歩く困った神子に苦笑いを浮かべていた。たぶん本人がまったく気づいていない。己の想いに。
「もう!! 友美も友美です!!」
「でもあれが友美ともいえるからなぁー」
「そうなんですが……」
怒ってもしかたがない。勇音は、深呼吸をすると、次は、スーパーに。そして買い出しをすると、帰宅し、すぐに夕げを作り出した。
「鍋??」
「鍋」
手伝ってくれているがいちいち突っ込むなと燕青と勇音は、思っていた。そして美味しそうな鍋ができると華澄もまじえ鍋を二人は、食べる。
「春菊うめー!!」
「それは、よかった」
美味しそうに食べる燕青とそれをみて笑う勇音。華澄は、そんな二人を見て微笑む。
本当にこの子は、気づかない子なんだかな。いや気づいていても見て見ぬふりをする子か。
華澄は、少し寂しそうな顔をし勇音を見た。はやくこの子が本心に向き合えるようにと。
「燕青ねちゃったし……」
食事を終え、居間で寝てしまった燕青に勇音は、ため息をつく。タオルケットを彼にかけると微笑んだ。
「ある意味日常が戻ってきたのかな……」
明日からまた騒がしい日になりそうだ。 勇音は、そう思うと、風呂に入り、ゆったりとした時間を過ごすと眠りの中に。
こうして彼女のあわただしくも、楽しい一日が過ぎていったのであった。
清らかな朝の日差しが障子から差し込む。布団から出る足の冷たさと布団の温さに出たくないと彼女は、思っていた。
モゴモゴと布団の中でしようとも時刻は、過ぎていく。
枕元のスマホが時刻を告げしぶしぶ彼女は、起きた。
「朝の……したく……」
寝癖のついた藤色の髪を耳にかけると布団を畳、着物をき、髪を整える。
鏡にうつる気品に満ちた女性は、微笑むと言った。
「よし!! 今日も頑張る!!」
ゆるくパーマのかかったボブヘアにカチューシャをつけ、その姿な、柔らかな彼女の人柄を表すようである。
霞ノ神子こと、蜂須賀勇音の一日は、こうして始まる。
割烹着をき、朝の支度をするとニュースを観ながらご飯を食べる。その間に友美から連絡が来ていないかも確認し、一日のスケジュールを彼女は、組む。
「このお漬け物と出汁美味しい~」
光から先日もらった出汁と、ソーマから貰った漬け物。ならならどちらも絶品だ。
「今日は……友美から連絡来てない……神子の外回りの役目は、無さそうね……」
ご飯を食べ終えごちそうさまというと、勇音は、使った食器を台所に。そして水につけている間に、洗濯機をうごかし、掃除もする。そして食器を洗うと庭に洗濯物をほした。
気持ちのよい朝の日差しに勇音は、微笑む。
「今日もいい天気……」
さて本日も忙しくなりそうだ。朝の支度をすべて終わらすと勇音は、店の方に行った。
開店の支度をし、店先の看板をオープンに変える。
さて本日も営業開始だ。彼女は、少し変わった薬問屋を営んでいる。
人から人ならざるものまでが彼女の、顧客だ。珍しい原料を取り揃えているからこそ出来る商売とも言える。
この商売をはじめしばらくたつがようやく原料かくほも楽になってきた。
カウンターの中に勇音は、入ると、帳簿をとりだし確認をした。
「中間さんところの薬は、オッケーと……あとは、銀糸が買いに来るつちのこの脱皮のからもオッケー……」
なにやらとんでもない材料のなが聞こえてきた。
勇音は、立ち上がると背後にある棚の引き出しをあけ、帳簿にかかれているものを紙袋に詰める。
「勇音」
優しい上品な声が聞こえ勇音は、カウンターの隣を見ると座布団の上に白銀の羊が現れた。
「華澄様おはようございます」
「おはよう。今日も頑張ってるわね」
「はい!! 今日もがんばりますよ!!」
勇音は、そう言うと微笑む。さて華澄も出てきたので本日の開店準備は、完了だ。
帳簿をつけたり、品だしをしていると客が来た。
「いらっしゃいませ」
身なりがいい男性がやって来た。勇音は、微笑むと男性も目を細めた。
「蜂須賀さんおはようございます」
「中間さんご用意していますのでしばらくお待ちください」
勇音は、そういうと紙袋を持ってきた。そして領収書と共に男性に渡す。
「ありがとうございます」
男性は、領収書を確認し、微笑む。
「では、いつものよう」
「よろしくお願いいたしますね」
男性は、そういうと、店をあとにした。
「また口座振替かい??」
「はい。華澄様。中間さんは、経営者ですし会社の大口取引は、その方が楽で確かですからね!!」
確かに通帳ですべて管理ができ確定申告と今現金を受け取るよりは、楽とも言えよう。
「事業主とは、大変なのです!!」
「といいつつこの商売をして百数十年たつのは、何処のどなたかしら??」
華澄の突っ込みに勇音は、慌てて言う。
「百数十年やってても制度が変われば一からなんですよ!!」
「まぁ人ってコロコロ法律変えるものねぇ。インボイス制度とやらとかもあるらしいし」
「あれややこしいんですよねぇ。なんであんな馬鹿げたものを財務省は、考えたのやら」
勇音と、こうして何時も店にいるからこそ華澄も薬学以外の知識に悔しくなってしまった。何時も勇音がこうして経済学やら経営学やら法律の話をするから。
「勇音」
「なんですか??」
「友美から連絡が来てるわ」
勇音は、まさかと思ったとき電話がなり、慌てて出ると友美だった。
「はい」
「勇音実は、この薬草を仕入れてほしいの!!」
「これですか??」
また珍しいものを友美は、欲しがっているなと勇音は、思いながらもどこか楽しげに彼女は、微笑んでいた。
電話が終わり、受話器をもとの位置に戻すと、勇音は、店においてある薬草を確認する。
「そのないようだと神子ようの解毒剤ってところね??」
「はい。華澄様」
勇音は、友美から聞いた薬草を店のカウンターに並べ確認し言う。
「先日燕青があやかしの毒にやられたとき色々大変でしたしね……」
神子とは、皆力を巧みに使うことができるわけでは、ない。歴代の神子事態少ないが時々あまりつかえない者達がいる。
当代では、五穀豊穣を司る神の神子である桜花ノ神子があまり使えないのだ。
力の保有量は、あるのに。どうなら繊細な力のコントロールが苦手らしく、武器に力を込めおもっきり殴ると言う力業のみできるのである。
「燕青は、力業さ、できても繊細な力の使い方は、まったくだものね」
「はい。なので友美が保有している神力を燃料に解毒できる薬を作ることにしたみたいです」
「製薬なら勇音でもいいんじゃなかしら??」
「はい。私も別で治癒効果をあげる薬を作るので、分担ですね!!」
華澄は、大変なこともあるものだと思いながら勇音を見ていた。
「よし!! これでオッケーと!!」
後で出掛けるときにでも届けよう。勇音は、カウンターの隅に風呂敷を置くと、店のドアが開いた。
「お届け物でーす!!」
「はーい!!」
勇音は、宅配業者から荷物を受けてると梱包をとき、そして、整理をし、倉庫に薬草を片付けた。
時計を確認すると気づけば、昼過ぎ、いがいに午前中は、店の片付けやら準備やらで忙しい。
「お昼のしたくをしよう……」
勇音が倉庫から店に戻ったときなにやき賑やかな声が。
「よっ!! 勇音!! ただいま!!」
勇音は、真顔になるとそのまま家の方に。
「なんで無視するんだよ!!!!」
「なんでいるの!! 燕青!!」
術をとき、本来の姿の燕青を見るのは、いつぶりだろうか。にしても何故彼がここにいるのか。
「役目が終わったからだよ!! 居候を忘れたとは、言わせないぞ!?」
「居候って……アパート取り壊しになって住むところないからって転がり込んだだけでしょう……なんで夏音や珊瑚のところにいかないの!!」
本当に騒がしい。そういえばこいつは、こんな男だと勇音は、思い出していた。
「いや……普通の女性のところに転がり込むのは、よくないからね??」
「私は、普通と違うと??」
「勇音神だし」
なにも言えない。事実なので。
「で珍しく帰ってきてなに??」
「頼まれてた、もの揃ったぜ」
燕青が出した鞄のなかみ。勇音は、鞄をあけすべてを確認すると驚く。
「揃えられたの!?」
「当たり前だ。それに俺ならできるとお前も頼んだんだろ?? 勇音」
燕青は、「世界」を放浪し、様々な物を集めている。主に神子の役目で。
豪快でがさつな燕青だが、神子の役目にかしては、勇音も一目おいている彼に。
「とりあえずお風呂はいって。そのむさ苦しい格好でうろつかないで」
「勇音了解!!」
彼なら適当にやるだろう。勇音は、鞄の中身を棚に並べるとそのまま昼を作りに台所に。
風呂場から燕青の声が聞こえるが、本当に騒がしいやつだ。
しばらしていい出汁の香りが台所からし始めた頃燕青が姿を見せた。
「おっ!! うどん!!」
「どくせろくなものを食べてなかったでしょう??」
「当たり!!」
勇音は、やはりとあきれたかおをし、続けた。
「だからうどんにするわ。お昼」
「ありがとうございます!! さすが気のきく勇音さんだぜ!!」
そして静かだったこの家が一気に賑やかになる。
「しばらく居るの??」
「友美からも新しい依頼を頼まれてないしなぁ~ ついでに旅!! もしばらくできたいだろうし、一応な」
「分かったわ」
まさか寂しいのだろうかと燕青は、思ったが、実は、そのまさかと彼は、気づいてなかった。
「はい。持って!!」
うどんバチを渡され、燕青は、あちちといいながら、居間に。そして勇音も自分の分と華澄の分を作ると居間に。
「いただきます!!」
「待ってたのは、驚き」
「そりゃ揃って食べた方が美味しそうからな~」
華澄ももくもくとうどんを食べるなか勇音と食べた。
うどんを食べ終え、後片付けを済ますと勇音は、店のことをし、午後三時になると、勇音は、店の看板をcloseに変えた。
「おっ!! 買い物か??」
住居の方から出てきた燕青は、少し驚いたかおをしていた。彼女は、いつも六時頃まで店を開けているからだ。
「友美のところにいく用があるの。あと買い出しと」
「なるほどな……よし!! 俺もついていこう!!」
勇音は、持っていた瓶をおとしかけた。
「えっ!?」
「なんだよーそんなに驚かなくていいだろ??」
「なんで来るの!! 疲れてるでしょう??」
「俺の体力馬鹿にするなよ!!」
これは、ダメと言っても来るだろう。勇音は、しかたがないと燕青も連れていくことにした。
学生の賑やかな声が聞こえるなか、勇音は、バスに揺られていた。隣に燕青が座っている形で。
「バスって……」
「他にいくところもあったの……」
だから留守番してほしかった。勇音は、そう思いながら窓の外を見る。
「おばあちゃんこっち座って!!」
そして停留所に止まったとき、いつのまにやら燕青が老人に席を譲っていた。
簡単にこんなことをできるのもすごい。勇音は、そう思いながら燕青を見る。
「俺になにかついてるか??」
「なにもついてない」
とりあえず空気は、よんでほしいが。勇音は、そう思いながらため息をつく。
目的の停留所につき、二人は、バスを降りる。そしてしばらくあるくとやって来たのは、ある会社だった。
「製薬会社だな」
「待っててすぐすむから」
勇音は、そういうと中に。そしてすぐに出てきた。
「さぁ友美のところいくよ」
「了解」
勇音は、辺りを見渡すと懐から短剣を取り出した。
「開け」
そういい空間を切るように短剣を動かすと、開いた。通路が。
「さすが……」
「初歩的な術なんだけど」
しかし彼には、違うのだ。勇音は、燕青を先にいかし、自分も中に。そしてしばらく歩くと抜け、友美の家の前に出た。
インターフォンを押すと友美がすぐに出てきた。
「勇音ありがとう!!」
「いえ!! こちらこそありがとうございます!!」
「よかったらお茶飲んでいく??」
燕青もいるので友美は、声をかけたが、勇音は、考え込んでしまった。
自分でもなぜ考え込んでいるのか分からない。勇音は、戸惑うなか友美は、なにかを察し言う。
「邪魔しちゃうわね」
「え??」
「勇音、燕青楽しい時を!!」
燕青は、友美の言葉に微笑むが、勇音は、顔を真っ赤に。
「なんでいきなり!!?? そんなことありませんから!!!!」
「勇音けっこううぶよねー」
友美は、そう言うと微笑みそして二人は、彼女と別れた。
「友美のやつさすが鋭いなぁー」
「なにが!!」
燕青は、隣を歩く困った神子に苦笑いを浮かべていた。たぶん本人がまったく気づいていない。己の想いに。
「もう!! 友美も友美です!!」
「でもあれが友美ともいえるからなぁー」
「そうなんですが……」
怒ってもしかたがない。勇音は、深呼吸をすると、次は、スーパーに。そして買い出しをすると、帰宅し、すぐに夕げを作り出した。
「鍋??」
「鍋」
手伝ってくれているがいちいち突っ込むなと燕青と勇音は、思っていた。そして美味しそうな鍋ができると華澄もまじえ鍋を二人は、食べる。
「春菊うめー!!」
「それは、よかった」
美味しそうに食べる燕青とそれをみて笑う勇音。華澄は、そんな二人を見て微笑む。
本当にこの子は、気づかない子なんだかな。いや気づいていても見て見ぬふりをする子か。
華澄は、少し寂しそうな顔をし勇音を見た。はやくこの子が本心に向き合えるようにと。
「燕青ねちゃったし……」
食事を終え、居間で寝てしまった燕青に勇音は、ため息をつく。タオルケットを彼にかけると微笑んだ。
「ある意味日常が戻ってきたのかな……」
明日からまた騒がしい日になりそうだ。 勇音は、そう思うと、風呂に入り、ゆったりとした時間を過ごすと眠りの中に。
こうして彼女のあわただしくも、楽しい一日が過ぎていったのであった。