光明ノ神子
この森には、強い鬼が住んでいると噂がある。
「本当に進むの!?」
「当たり前じゃん!!」
そしてここにまたその噂を鵜呑みにし、やってきた祓い屋が。
突き進む連れに、要は、嫌気がさしていた。
昼間だというのにこの森は、とても空気が重く、正直帰りたかった。
「もう……」
帰ろうといいかけたとき、まの前で連れが引き裂かれ、赤い飛沫が上がっていた。
「愚カナ」
大きな鬼が目の前にいる。要は、顔を青ざめ、必死に逃げた。
噂は、本当だった。なんとかして逃げきたければと思った時、鬼の鋭い爪が生えた手が要にのびる。
これは、助からないと思った時、鬼の腕だ吹き飛んだ。
「ウワァー!!!!」
鬼が激しいく暴れ、声をあげる。
要は、腰が抜け、動けなかった。
「貴様!!」
鬼の手が再びのびてきたとき、鬼は、切り刻まれ、肉片になり、血飛沫と共に、地面に落ちた。
「なにが……」
要が怯えた声色でいった時、目の前に人影が。
その羽織と髪色を見て、要は、顔をひきつる。
「藤色の銀髪に……水色の羽織……」
間違いなく鬼を簡単にはやっつけたのは、アイツらだ。
「人がいたんですか!?」
「そりゃいるだろ。でたらめな術の気配がしてるのに」
驚く女と冷たい眼差しの男。間違いない、第七位霞ノ神子と第二位水郷ノ神子だ。
要は、腰が抜け、ただ怯えることしかできなかった。
そんな要をみて、光は、そういえばと思い出した。
「友美が言ってた祓い屋にしては、まともといってたやつか……」
「あの人がですか!?」
「そうだ勇音」
要は、少し驚いた。まさか祓い屋の敵ともいえる神子から、しかも第一位からまともなんて言われるなんてと。
光は、腰を抜かし、怯えた目でこちらを見る要に話しかける。
「この森でなにをしていた」
要は、答えなければ消されるの、思い、話す。しかし震えて声ができない。
「お……っ……おにを……」
光は、勇音を見ると、彼女は、なにか知っているのか、困った顔に。
「光先生。この辺りに強い鬼の一族が居ることは、知ってますか??」
「聞いたことは、あるが……とくに悪さは、してないだろ??」
光もその話は、あやかしたちから聞いていたが、悪いことは、してないのならと捨て置いていた。
「はい。ですが最近違うんです」
「なに!?」
「強い霊力や妖力を持つ人間を襲うようになったとか……」
「まさか一族内で争いが??」
「さすが光先生」
勇音は、頷く。
「反乱が起きたとかで、本来の長は、逃げたとか」
光は、頭を抱える。
「また面倒な!!」
「どうします?? 捨て置きます??」
「全て倒さなければならんだろうな」
「ですよね」
なにやら話をする神子たちに、要は、ただならぬ状況なのだとだけ判断ができていた。
「あの……」
「祓い屋は、帰れ」
「ですが連れの遺体が!!」
光は、頭をかいた。
「せめて連れ帰りたいと?? 真っ二つに引き裂かれてるのにか??」
「はい」
勇音は、言った。
「それ遺体残ってますか!?」
「他の鬼が食らってるかもな」
「なんだって!?」
光は、要にいう。真剣な顔をして。
「ここの鬼にとって、お前達は、いい餌だ。遺体は、残ってないと思った方がいい」
「でも……」
「でもくそもあるか!! 早く帰れ!!」
光は、冷たい声色でいい放つ。
「はやく何処かに。でなければ貴方も死んでしまいます」
光が、森の奥にいってしまい、残った勇音は、要にもう一度忠告した。
「ですが……」
「私達が本気をだけせば、貴方も巻き込む。祓い屋でも貴方は……」
勇音は、優しく微笑む。
「いい人ようですから」
要は、驚いた顔をする。
「仲間の遺体は、私が回収しましょう」
「霞ノ神子……」
「ただし、全て回収は、できないと思います。いいですか??」
「はい……」
そこまで望まない。せてめ少しだけでも家族の元へ。
そう、要は、思っていた。
勇音は、森の奥を見る。
先程か、凄いドンという音が聞こえている推測するに、光が暴れているのだろう。
「首領は、光先生に任せましょう」
勇音は、珍しく太刀を術で出し、紐で腰に結び付ける。
森の奥へ走り、まずは、人の血の匂いがする方に向かうと、引き裂かれた遺体の近くには、鬼が群がっていた。肉を貪るように。
太刀を抜くと、勇音は、構え、そして鬼に突っ込んだ。
女が一人で突っ込んできたので、鬼達は、餌が来たと思った時、すでに彼らは、首を切られ、そしてコロリと頭が地面に落ちる。
勇音は、太刀を払うと、血を払い、鞘に収めた。
「……さすがにここで毒の霧を使うわけには、いかないから……」
肉片のなった人の体を、勇音は、とりあえず持ってきていた壺につめる。
手がちまみれになることなど気にせずに。
たぶん成人の身体と考え、回収できたのは、二割ほどだろう。
「足の骨と肋骨しかないか」
それでもいいだろう。
勇音は、音のする方に走る。
しばらく走ると、そこには、血の海になっていた。
鬼達が次々と紙のように切られ、血の雨が降るなか、光は、汚れもせずに立っていた。
張り巡らした鋼の糸に、力を流すことで、触れた瞬間鬼は、肉片になるのだ。
勇音は、何時もながら、えげつない戦い方をするなと見ていると、最後の鬼も光は、鋼の糸で肉片にすると、糸からブワッと雫が落ち、光は、張り巡らせた糸を片付けた。
「勇音」
「相変わら地獄みたい」
「地獄は、これよりも酷い」
光は、勇音のところまで飛ぶと、着地した。
「その壺……」
「祓い屋の遺体です」
光は、壺を見て、顔をひきつる。
「ほとんど、残ってないな」
「足と肋骨は、あります!!」
「それだけだろ」
「そうともいいますが……」
光は、指を鳴らすと、血の海は、消え、そこは、普通の森へ。
「相変わらず凄いですね……」
「勇音も出来るだろ」
「まぁそうですけど」
光は、そのまま森のそとへ歩いていに、勇音もついていく。そして森の入り口にくると、要が待っていた。
「霞ノ神子……」
壺を見て、要の顔が曇る。
「この壺の対価は、要りません」
勇音は、壺を要に渡した。
「なかは、見ぬように」
蓋がされているので要は、少しほっとしたが、それでもこれだけしか残らなかったともいえる。
「足と肋骨だけです」
「ありがとうございます……」
「ご家族の所に帰れますように」
勇音は、悲しげに笑うと、要は、顔をうつむき、声を殺してなく。
感情のかい目で光は、それを見ながら、竜笛を取り出していた。
「光先生浄化ですか??」
「そうだ。それに……喰われた人も多そうだしな」
光は、笛を口元にあて、息を吹き込むと、美しい音が響く。しかしそのとたんにゾッとする感覚と冷たい空気が響いた。
「これは……」
「黄泉送りです」
水郷ノ神子の権能で、メインでは、ないが、水が流れるように、音で魂を黄泉に導くことが出来るのだ。
勇音も見たのは、久しぶりだ。
光の美しい竜笛の音が響くなか、魂が光の粒となり、次々と導かれるように上に登り、消えていく。
その光景は、ランタンのようで美しくしかし何処か怖さも感じた。
笛の音がやんでも要は、動けなかった。
「送りましょうか??」
「いえ……」
勇音は、何か言いたげだ。
「はぁ……」
光は、ため息をつくと、なんと要は、消え、次の瞬間祓い屋の本部に。
「神子は、なかなか不思議だ…‥」
どうやら光にとばされたようだ。
その後要は、本部にはいり、事情を説明し、後日葬儀が執り行われたようだ。
「光さん」
後日薬問屋にして、勇音は、光に言っていた。
「もう少し早ければ……」
「無理だろ。それに神子は、万能じゃない」
光は、そういう時は、勇音に渡した。
「頼まれてた鱗だ」
「ありがとうございます光さん」
光は、微笑む。
「そういえば何故あの時先生と??」
勇音は、言う。
「その方が相手にとって怖いかと!!」
まさかの理由に光は、唖然としていた。
「あの時の光さん威圧感凄かったですから!!」
「そんなに!?」
「はい!!」
光は、苦笑いを浮かべる。あの時仕事の途中で呼ばれ、イライラしていたの。だからかと光は、自嘲した。
「アハハ……」
「まぁ分かります。私もお昼寝しようとしてだったし」
「お昼寝……」
「はい……そのまぁ……色々と……」
頬を赤く染める勇音に光は、察する。
「体力バカだからな」
「はい……寝不足で……」
「分かる」
「友美もですもんね……」
「まぁね……」
なんとも言えない空気に水郷は、出てくると言った。
「惚気は、いいから!!」
光と勇音は、顔を真っ赤にすると咳払いした。
「では、また……」
「だな……」
勇音と光は、こうして互いにいうと、光は、店をで、勇音は、顔を真っ赤にしていた。
「水郷ありがとう」
「どういたしまして!!」
確かに少しあの話は、まずかったかかもしれない。互いにそう思いながら、光は、水郷にお礼をいい帰路に着き、勇音は、受け取った鱗を片付けるのであった。
「本当に進むの!?」
「当たり前じゃん!!」
そしてここにまたその噂を鵜呑みにし、やってきた祓い屋が。
突き進む連れに、要は、嫌気がさしていた。
昼間だというのにこの森は、とても空気が重く、正直帰りたかった。
「もう……」
帰ろうといいかけたとき、まの前で連れが引き裂かれ、赤い飛沫が上がっていた。
「愚カナ」
大きな鬼が目の前にいる。要は、顔を青ざめ、必死に逃げた。
噂は、本当だった。なんとかして逃げきたければと思った時、鬼の鋭い爪が生えた手が要にのびる。
これは、助からないと思った時、鬼の腕だ吹き飛んだ。
「ウワァー!!!!」
鬼が激しいく暴れ、声をあげる。
要は、腰が抜け、動けなかった。
「貴様!!」
鬼の手が再びのびてきたとき、鬼は、切り刻まれ、肉片になり、血飛沫と共に、地面に落ちた。
「なにが……」
要が怯えた声色でいった時、目の前に人影が。
その羽織と髪色を見て、要は、顔をひきつる。
「藤色の銀髪に……水色の羽織……」
間違いなく鬼を簡単にはやっつけたのは、アイツらだ。
「人がいたんですか!?」
「そりゃいるだろ。でたらめな術の気配がしてるのに」
驚く女と冷たい眼差しの男。間違いない、第七位霞ノ神子と第二位水郷ノ神子だ。
要は、腰が抜け、ただ怯えることしかできなかった。
そんな要をみて、光は、そういえばと思い出した。
「友美が言ってた祓い屋にしては、まともといってたやつか……」
「あの人がですか!?」
「そうだ勇音」
要は、少し驚いた。まさか祓い屋の敵ともいえる神子から、しかも第一位からまともなんて言われるなんてと。
光は、腰を抜かし、怯えた目でこちらを見る要に話しかける。
「この森でなにをしていた」
要は、答えなければ消されるの、思い、話す。しかし震えて声ができない。
「お……っ……おにを……」
光は、勇音を見ると、彼女は、なにか知っているのか、困った顔に。
「光先生。この辺りに強い鬼の一族が居ることは、知ってますか??」
「聞いたことは、あるが……とくに悪さは、してないだろ??」
光もその話は、あやかしたちから聞いていたが、悪いことは、してないのならと捨て置いていた。
「はい。ですが最近違うんです」
「なに!?」
「強い霊力や妖力を持つ人間を襲うようになったとか……」
「まさか一族内で争いが??」
「さすが光先生」
勇音は、頷く。
「反乱が起きたとかで、本来の長は、逃げたとか」
光は、頭を抱える。
「また面倒な!!」
「どうします?? 捨て置きます??」
「全て倒さなければならんだろうな」
「ですよね」
なにやら話をする神子たちに、要は、ただならぬ状況なのだとだけ判断ができていた。
「あの……」
「祓い屋は、帰れ」
「ですが連れの遺体が!!」
光は、頭をかいた。
「せめて連れ帰りたいと?? 真っ二つに引き裂かれてるのにか??」
「はい」
勇音は、言った。
「それ遺体残ってますか!?」
「他の鬼が食らってるかもな」
「なんだって!?」
光は、要にいう。真剣な顔をして。
「ここの鬼にとって、お前達は、いい餌だ。遺体は、残ってないと思った方がいい」
「でも……」
「でもくそもあるか!! 早く帰れ!!」
光は、冷たい声色でいい放つ。
「はやく何処かに。でなければ貴方も死んでしまいます」
光が、森の奥にいってしまい、残った勇音は、要にもう一度忠告した。
「ですが……」
「私達が本気をだけせば、貴方も巻き込む。祓い屋でも貴方は……」
勇音は、優しく微笑む。
「いい人ようですから」
要は、驚いた顔をする。
「仲間の遺体は、私が回収しましょう」
「霞ノ神子……」
「ただし、全て回収は、できないと思います。いいですか??」
「はい……」
そこまで望まない。せてめ少しだけでも家族の元へ。
そう、要は、思っていた。
勇音は、森の奥を見る。
先程か、凄いドンという音が聞こえている推測するに、光が暴れているのだろう。
「首領は、光先生に任せましょう」
勇音は、珍しく太刀を術で出し、紐で腰に結び付ける。
森の奥へ走り、まずは、人の血の匂いがする方に向かうと、引き裂かれた遺体の近くには、鬼が群がっていた。肉を貪るように。
太刀を抜くと、勇音は、構え、そして鬼に突っ込んだ。
女が一人で突っ込んできたので、鬼達は、餌が来たと思った時、すでに彼らは、首を切られ、そしてコロリと頭が地面に落ちる。
勇音は、太刀を払うと、血を払い、鞘に収めた。
「……さすがにここで毒の霧を使うわけには、いかないから……」
肉片のなった人の体を、勇音は、とりあえず持ってきていた壺につめる。
手がちまみれになることなど気にせずに。
たぶん成人の身体と考え、回収できたのは、二割ほどだろう。
「足の骨と肋骨しかないか」
それでもいいだろう。
勇音は、音のする方に走る。
しばらく走ると、そこには、血の海になっていた。
鬼達が次々と紙のように切られ、血の雨が降るなか、光は、汚れもせずに立っていた。
張り巡らした鋼の糸に、力を流すことで、触れた瞬間鬼は、肉片になるのだ。
勇音は、何時もながら、えげつない戦い方をするなと見ていると、最後の鬼も光は、鋼の糸で肉片にすると、糸からブワッと雫が落ち、光は、張り巡らせた糸を片付けた。
「勇音」
「相変わら地獄みたい」
「地獄は、これよりも酷い」
光は、勇音のところまで飛ぶと、着地した。
「その壺……」
「祓い屋の遺体です」
光は、壺を見て、顔をひきつる。
「ほとんど、残ってないな」
「足と肋骨は、あります!!」
「それだけだろ」
「そうともいいますが……」
光は、指を鳴らすと、血の海は、消え、そこは、普通の森へ。
「相変わらず凄いですね……」
「勇音も出来るだろ」
「まぁそうですけど」
光は、そのまま森のそとへ歩いていに、勇音もついていく。そして森の入り口にくると、要が待っていた。
「霞ノ神子……」
壺を見て、要の顔が曇る。
「この壺の対価は、要りません」
勇音は、壺を要に渡した。
「なかは、見ぬように」
蓋がされているので要は、少しほっとしたが、それでもこれだけしか残らなかったともいえる。
「足と肋骨だけです」
「ありがとうございます……」
「ご家族の所に帰れますように」
勇音は、悲しげに笑うと、要は、顔をうつむき、声を殺してなく。
感情のかい目で光は、それを見ながら、竜笛を取り出していた。
「光先生浄化ですか??」
「そうだ。それに……喰われた人も多そうだしな」
光は、笛を口元にあて、息を吹き込むと、美しい音が響く。しかしそのとたんにゾッとする感覚と冷たい空気が響いた。
「これは……」
「黄泉送りです」
水郷ノ神子の権能で、メインでは、ないが、水が流れるように、音で魂を黄泉に導くことが出来るのだ。
勇音も見たのは、久しぶりだ。
光の美しい竜笛の音が響くなか、魂が光の粒となり、次々と導かれるように上に登り、消えていく。
その光景は、ランタンのようで美しくしかし何処か怖さも感じた。
笛の音がやんでも要は、動けなかった。
「送りましょうか??」
「いえ……」
勇音は、何か言いたげだ。
「はぁ……」
光は、ため息をつくと、なんと要は、消え、次の瞬間祓い屋の本部に。
「神子は、なかなか不思議だ…‥」
どうやら光にとばされたようだ。
その後要は、本部にはいり、事情を説明し、後日葬儀が執り行われたようだ。
「光さん」
後日薬問屋にして、勇音は、光に言っていた。
「もう少し早ければ……」
「無理だろ。それに神子は、万能じゃない」
光は、そういう時は、勇音に渡した。
「頼まれてた鱗だ」
「ありがとうございます光さん」
光は、微笑む。
「そういえば何故あの時先生と??」
勇音は、言う。
「その方が相手にとって怖いかと!!」
まさかの理由に光は、唖然としていた。
「あの時の光さん威圧感凄かったですから!!」
「そんなに!?」
「はい!!」
光は、苦笑いを浮かべる。あの時仕事の途中で呼ばれ、イライラしていたの。だからかと光は、自嘲した。
「アハハ……」
「まぁ分かります。私もお昼寝しようとしてだったし」
「お昼寝……」
「はい……そのまぁ……色々と……」
頬を赤く染める勇音に光は、察する。
「体力バカだからな」
「はい……寝不足で……」
「分かる」
「友美もですもんね……」
「まぁね……」
なんとも言えない空気に水郷は、出てくると言った。
「惚気は、いいから!!」
光と勇音は、顔を真っ赤にすると咳払いした。
「では、また……」
「だな……」
勇音と光は、こうして互いにいうと、光は、店をで、勇音は、顔を真っ赤にしていた。
「水郷ありがとう」
「どういたしまして!!」
確かに少しあの話は、まずかったかかもしれない。互いにそう思いながら、光は、水郷にお礼をいい帰路に着き、勇音は、受け取った鱗を片付けるのであった。