光明ノ神子

 神子と祓い屋は、相容れない存在ともいえる。  
 暗い森の中、珊瑚は、走り抜けていた。
 おかしな気配を感じ、家から駆けつけてきたが、静けさに包まれた森は、みょうだ。
「珊瑚!!」
 上から声が聞こえ、珊瑚は、見上げると友美が落ちてきた。
 友美は、地面に着地するという。
「これ祓い屋が!?」
「分かるんだ」
「そりゃね」
 なら話が早い。
「一応調べたが、一帯の神域がすべて結界の中だ」
「まさか、相手は、土地神を殺るつもり!?」
「可能性としては、あるだろうね」
 友美と珊瑚は、溜め息をつく。
 何故こうと祓い屋とは、仕事を増やすことをしてくるのかと。
 そもそも一般の人には、神子よりも祓い屋の方がまた近しく認知されているといえよう。
 もしかするの一般の人が祓い屋に頼みこんなことを祓い屋は、したのかもしれない。
「友美どうする??」
「とりあえず結界を解いて、どこのやつか探るか……」
 友美は、考えながらいう。
「でも土地神の保護もいるよね……」
「珊瑚確かに」
 友美は、あることをひらめく。
「友美??」
「珊瑚狩をしましょう!!」
 友美は、ニヤリと笑う。その笑みは、まさに悪人だ。
 珊瑚は、これは、まずいと思ったが乗ることにした。
 話を聞き、森を駆け抜け、珊瑚は、いう。
「友美って本当に神子か疑いたくなる」
「私は、正義の味方では、ないもの。場合によっては、悪人よ」
 ひらけた場所を見つけ、珊瑚は、そこに結界を張った。
 友美は、なにか呟くと黒いきりが。
「姫ヨ分カッタ」
「お願いね」
 八つの頭が怪しく光、そして散り散りに。
「姫私もか??」
「お願い憑霖」
「御意」
 そして黒い塵もまた、森の中へと消えた。
「ヤマタノオロチだしてくるあたり、友美手加減なし」
「当たり前よ。私嫌いだから祓い屋が」
 しかし祓い屋すべてでないことを珊瑚は、知っている。
 きっちりと理を守り道理を守る祓い屋を友美は、普通に好きだったりするからだ。
「さて!! 珊瑚私達もやるよ!!」
「わかった」
 友美と珊瑚は、打ち合わせをすると、散った。目的の獲物を狩るために。

 この森には、土地神がいると聞く。しかし今回の依頼は、土地神をあやかしとして処理しろというものだった。
 名を上げられると一門の者達が集まりこうして任務に来たが、たぶん間違いなくヤバイことになると彼は、思っていた。
「要はやく探すぞ!!」
「やはりやめておいた方が!!」  
 と要がいった時、目の前でとんだ。先輩が。
「弱いのによく狩ろうとしてる」
 そんな女の声が聞こえ、要は、背筋が凍りついた。
 和服に大きめの扇子を持つ女。その瞳は、碧眼だ。間違いない。神子が来た。それも出会いたくない神子が。
「第六位……」
 珊瑚は、首をかしげる。
「なにそれ??」
「順位ですよ!? 貴殿方の!!」
 要は、思わず突っ込む。
「そんなのあるんだ……なら私七位くらいでしょう」
 六位は、勇音では、珊瑚は、おもいながら、襲ってきた式神を風の刃で切り伏せた。
「とりあえず貴方この騒動に反対してるんだったら、これ以上関わらない方がいい」
「それは……」
「貴方が恐れる一位が来てる」
 一位とは、一門のなかでも会ったら即刻逃げといわれるあの神子。
 そう光明ノ神子だ。
「なぁ!?」
「あんたらがしようとしてることは、それってこと。まぁ依頼主の方には、もう手をまわしてるし」
 珊瑚は、いう。
「仲間を皆殺しされたくなければ、退きな」
 そう神子にとって祓い屋は、こざかしい虫だ。虫ならば捻り潰した所で問題などない。
 要は、顔を青ざめた。
「うわぁー!!!!」
 仲間の悲鳴と何かの怒号が聞こえる。要は、走って逃げた。
「そっちの方か……」
 珊瑚は、つまらなそうに呟くと友美に連絡した。
「オッケー」
 友美の気楽な声に珊瑚は、こりゃ友美のやつ大変なことしてるなぁお思った。
 そしてその予想は、見事に的中し、結界の鳥かごの中に次々放り込まれる祓い屋をみて、友美は、けたけた笑っていた。
「ひぃ!!」
「俺達をどうするつもりだ!!」
「まさか私達を食べるの!?」
 友美は、木上に腰かけながら、吠える祓い屋をみて、微笑む。
「まぁ霊力が強いから、食べたいあやかしにあげるのもありねぇー」
 友美からすればコイツらなんて食うのにも値しないが。価値は、ある。
 さてさてどうしたものかと次次放り込まれる人間を見下ろしていた。
「皆さん!!」
 要は、みてしまった。閉じ込められる仲間と月夜の下怪しく微笑む第一位を。
「珊瑚の言ってた……」
 友美は、木から降りると要の前にたった。
「ねぇ」
「なんですか!?」
「コイツらを解放するといったら、この件から手を退いてくれる??」
 要は、息を飲む。間違いなく返答を間違えれば皆殺しだ。
「それは……」
「神の地を侵しておいておこがましいわね」
 友美は、そういうと、一人の祓い屋が苦しみだし、友美の手には、心臓が。
「貴方の返答が襲いとそれだけ仲間が死ぬわよ??」
「なんですかそれ!!」
「私としては、別にミンチになろうが犬のエサに活用してあげるくらいのことは、考えてるけど」
 友美は、微笑む。鮮やかな笑顔で。
 要は、即答した。
「退きます」
「あらつまらない。でも懸命ね」 
 友美の手から心臓が消え、男が苦しむのをやめた。
 結界も解かれ、要含め、祓い屋達は、一目散に逃げた。そして結界も解かれた。
「友美なかなか」
「珊瑚もお疲れー」
 珊瑚が表れるとオロチと憑霖も戻ってきた。
「姫コレデイイカ??」
「ありがとう!! はい!! お礼のお酒!!」
 友美は、ドンっとかめをオロチに渡すと、彼らは、帰っていった。
「憑霖もありがとう!!」
「主の命だからな」
 憑霖は、それだけいうと消えた。
「友美土地神の方は??」
「今回の件話したら、後は、こちらに任せよって。依頼主の一族これから大変でしょうね」
 友美は、そういうと、空を見上げる。
「そうか……」
「珊瑚どうしたの??」
 元気のない珊瑚に友美は、聞くと、珊瑚は、目を伏せる。
「私にもあやかしの血が流れている……仲良くできればと思ったんだ」
 祓い屋とあやかしに、神といざこざがなく過ごせればいいのにと珊瑚は、思った。
「珊瑚知らないの!?」
「なにが??」
「珊瑚の血筋は……」
「鎌鼬の……」
「違う!! 風神の血筋だけど!?」
 珊瑚は、しばらく固まる。そしてすうはくしたのち、驚いた顔をした。
「はぁ!?」
「風言ってなかったのね……」
「それは、どういう!?」
「風は、珊瑚の先祖ってこと!!」
 珊瑚は、しばらく固まる。
「ということは、里見の家は、風神の血筋だったということ……」
「そう!!」
「それを隠すのに、鎌鼬といい、そのうえ花野とあえて氏を変えていた……」 
 なんともまぁ困った先祖だなと珊瑚は、思ったがその時知れてよかったとも思えた。
「友美ありがとう」
「いえいえ。とりあえず風になにか言われたら、友美が言ってた!! と言って!!」
 これも彼女の気遣いなのだろう。
「分かった」
「とりあえず今日は、お疲れ様!!」
「お疲れ様」
「珊瑚せっかくだし飲まない??」
 珊瑚は、しばらく考えいった。
「いいよ」
「よし!! なら家にレッツゴー!!」
 友美は、光に連絡をいれ、帰宅した。そして、珊瑚と晩酌をすぐに始める。
「つまみ作ってたんだ」
「帰ったら飲むつもりでね!!」
「まさか珊瑚まで参加とは、思わなかったがな」
 光は、酒を飲みながらいう。
「そう」
 この夫婦と飲むこともあまりないので、これは、これでたのしい。
 その後珊瑚そして友美と光は、楽しく酒をのみ交わしたのであった。夜遅くまで。
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