光明ノ神子
金木犀の香りのハンドクリームなどを見かけると秋だなと思える。
友美は、ドラッグストアにて、買い物をしていた。
「ハンドクリームにボディークリームまで金木犀の香りだわ……」
金木犀の香りは、幼い頃から好きな香りだ。
ボディークリームもハンドクリームもまだあるが、買おうか悩んでしまう。
友美は、しばらく悩んだのちかごにハンドクリームとボディークリームをかごにいれ、他に必要な物も買い、会計をすませた。
ドラッグストアを出ると自転車に乗りきたく。
「ママ金木犀の精油欲しい!!」
帰ってきたとたんに柊麗に言われ、友美は首をかしげる。
「なにつかうの??」
「金木犀の香りを嗅ぎたいの!! ずっと!!」
友美は、微笑むと買ってきたハンドクリームを渡した。
「なら柊麗にプレゼント」
「ハンドクリーム??」
「よく見てみて」
ハンドクリームのパッケージには、金木犀の香りとかかれている。
柊麗は、嬉しそうに笑った。
「ありがとうママ!!」
「どういたしまして」
柊麗は、部屋に部屋に。
友美は、リビングに行くと、テラスに通じる大きな窓を開けた。
「あら翠!!」
河童の翠がちょこんと長椅子に座っている。友美は、テラスにでると隣に座り、クンクンと匂いを嗅いでみた。
「ちょっとだけ金木犀の香りがするわ……」
今年も散歩しながら、香りを楽しめる時期が来た。
友美は、そう思いながら、少しだけ爽やかな風を感じる。
「友美なにしてるのさ」
入り口から白野威が顔を出す。友美は、立ち上がると、リビングに。
「ちょっと金木犀の香りを楽しんでた」
白野威は、クンクンと鼻を動かす。
「確かにするね」
「でしょう??」
友美は、微笑む。
「本当に好きだね金木犀」
「なんか昔からね」
昔から秋になるとさく金木犀が友美は、好きだ。通学路などでこの香りを感じると、どこに咲いているのか探索し、よく見つけていたものだ。
「この甘い香りが好きなのかも」
「なるほどねぇー」
「ナカツクニでも楽しめるけど、もっと咲いてるところないかしら……」
友美は、そう呟くと、白野威は、しばらく考え言う。
「光に聞きな」
「なんで光」
「とっておきの場所を知ってるからさ」
「とっておき……」
「そう!! まぁ、夜に聞いてみな」
「分かったわ」
そしてその夜友美は、早速聞くと、光は、答えてくれた。
「高天ヶ原のオモヒカネ殿の屋敷だ」
夕飯のしたくをしながら、光は、言うと、友美は、固まった。
「えっ!?」
「そんなに驚くこと??」
友美は、頷く。
「何度も行ってるもの!! まったく知らなかったわ!!」
「特殊な場所にあるからな」
光は、肉を炒めながら、言う。
「高御産巣日神の血族しかはいれない場所だからな」
「だからオモヒカネ……」
「タクハタチヂヒメでもよかったかもしれないが、白野威は、あえてそれを言わなかったんだろう」
「そういえばなんで??」
「オモヒカネ殿のと仲がよくないみたいだ。彼女は、天照の義理の娘になるからオモヒカネの天照に対する態度が少し気に入らないらしい」
己のなかで煌が困ったように笑っているが、そもそも煌がきっちり仲をとりもたなかったのが原因といえる。
「白野威は、ニギギ嫌いだし……そういうことか!!」
「そういうこと」
友美は、色々複雑だなと思いながら、困った顔をしていた。
「実は、私は、タクハタチヂヒメとは、会ったことないのよね」
「まさかのまさかだな……」
「天照や皆が会わせてくれなくて……なおかつ白野威もあんなやつ知らんって言ってたし……まぁ私がオモヒカネの娘って時点でアウトのような気もするけど」
「ふと思ったけどなら友美は、あのウワハル·シタハルの妹になるのか……」
「たぶんね。でもオモヒカネさんなにも言わないし……私も会ったことないし!! そもそももう死んでるかもだし……」
ニギギと共に下った三十二柱の中の二柱にあたり、場合によっては、すでこの世を去っているもしくは、肉体は、なく魂だけでとどまっている可能もある。
「確かに……」
「それに、オモヒカネさんが口外してないのなら私とその神達は、関係ないわ」
友美は、そういうと困ったかおに。
「とりあえず文送ってみるわ」
友美は、そういうとさっそく文を送ってみた。するとすぐに返信が。
「もうに来たのか??」
光は、風呂上がり、髪をふきながら、リビングにいくと友美に聞いた。
「そうなの。とりあえずいいって、ただ、念の為に光を連れてきて欲しいって」
友美は、文を光に見せると、光は、顔をひきつる。
「要るのは、高御産巣日神の魂……」
「血筋というわけでもないみたい」
友美は、こりゃ光が要るよなと思うなか、光は、溜め息をついた。
「なんでこんな仕掛けが多いんだ……」
「そりゃ高御産巣日神の屋敷だからね??」
オモヒカネは、高御産日神の屋敷に住んでいる。となると息子にも見せたくないものを隠す場合魂を鍵にするのも納得がいく。あの神なら。
「……覚えがありすぎる」
いったい煌は、なにを隠したかったのだろうか。たいてい予想は、つくが。
「分かった」
「ありがとう!! でこの日は、どう??」
「その日ならいけるよ」
「ならそう伝えるわね!!」
友美と光は、うちあわせし、その後オモヒカネに文を送ると、了解と返信が来た。
「相変わらず早いな……」
「そうね」
友美は、光にそういうと目を細めた。
「金木犀楽しみ!!」
こりゃ父の出る幕は、ないかもしれない。
光は、困ったように笑うと和室へと入っていった。
高御産巣日神の屋敷は、城下町でも高天ヶ原の中で、比較的静かなところにある。
何時もながら、大きいなと友美は、思いながら、門をくぐると、すぐにオモヒカネが出てきてくれた。
友美の後ろの光をじっと見て、そして言う。
「父上出てきてください」
光は、目を閉じると、次の瞬間渋々という顔になり、目を開けた。
「オモヒカネなんだ」
「なんだでは、ありませんよ。まったく」
煌は、息子を呆れながら、見ていたが、友美を見るときだけは、爽やかに笑った。
「……相変わらず母上には」
「よかろう。愛する姫なのだからな!!」
「厳密には、私の娘ですが!?」
「魂は、夢珠では、ないか!!」
「前世でですがね!?」
なんだろう。この親子の争いは。友美は、あきれ顔でみていた。
「お父さんやるなら、後で。煌は、置いていくから!!」
「置いていかれても困るよ友美」
「だとしてもよ。光は、無理だけど、煌は、いいから!!」
煌が悲しそうな顔をしているが友美は、無視。
「友美よ酷くないか!?」
「呆れてるだけよ」
そして天下の高産巣日神をこのように出来るのは、友美くらいだろう。
「とりあえず父上とっとと開けて、引っ込んでください」
煌は、溜め息をつく。
「オモヒカネよ。父に冷たくないか??」
「何時もこうです」
やはり親子とは、にてるらしい。友美とオモヒカネをみた煌は、渋々鍵を出した。
「友美行こうか」
「えぇお父さん」
オモヒカネについていくと屋敷の奥にある結界の張られたところに来た。
「すごい古い術……」
「父上の術だからね」
煌は、鍵を鍵穴にいれ回すと、扉が開いた。扉が開くと、そこには、一面の銀もくせいと金木犀が。
「凄い……」
友美は、思わず呟く。
「ここは、父上が母上の為に作ったんだ」
あの時突然作り出した父を見て、オモヒカネさ、唖然としてしまった。なんせ綺麗な池を潰そうとしていたので。
その後色々あり池は、残せたが。
「煌らしい」
友美は、そういうと煌を見るが、もう彼は、おらず光がぞっとつかれた顔をして立っていた。
「拗ねて引っ込んだ……」
「はぁあの馬鹿親父……」
オモヒカネが馬鹿等と言うことに友美は、驚く。
「馬鹿親父……」
「友美ごめんつい。光も見ていくといい」
「ありがとうオモヒカネ殿」
光には、優しいオモヒカネ。友美は、煌は、いったい息子になにをしたのか気になった。
「お父さん煌には、一応恩があるんじゃ」
「その恩より、父上の無茶の被害の方が勝ってる」
「無茶……」
「まったく」
こりゃ色々やったんだなと友美は、思うなか、光は、頭を抱えていた。色々探ったら出てくる出てくる。
「煌やりすぎだろ!?」
と光が言うほどに。煌は、色々やらかしてるようだ。
友美は、ひとまずなかに入ることに。なかに入ると金木犀と銀木犀のいい香りが広がり、とても美しい光景が広がっていた。
「すごく綺麗……」
こんな空間をことをエモいというのかもしれない。
「お父さんありがとう!!」
友美は、満面の笑みでオモヒカネに言うと、さらに奥に。
オモヒカネは、その笑みに心を撃ち抜かれた。
「光……今まさに死んでもいいと思ってる……」
「生きてくれ。死なれたらこまる」
光は、そういうと楽しそうな友美をみていた。
「そういうことか……」
何故煌がここを作ったのか理由が分かり、光は、目を細めた。
こうしてここへこれてよかった。
「光もきて!!」
「分かった!!」
光は、微笑むとかけた。愛しい人のもとへ。金木犀の香りに包まれながら。
友美は、ドラッグストアにて、買い物をしていた。
「ハンドクリームにボディークリームまで金木犀の香りだわ……」
金木犀の香りは、幼い頃から好きな香りだ。
ボディークリームもハンドクリームもまだあるが、買おうか悩んでしまう。
友美は、しばらく悩んだのちかごにハンドクリームとボディークリームをかごにいれ、他に必要な物も買い、会計をすませた。
ドラッグストアを出ると自転車に乗りきたく。
「ママ金木犀の精油欲しい!!」
帰ってきたとたんに柊麗に言われ、友美は首をかしげる。
「なにつかうの??」
「金木犀の香りを嗅ぎたいの!! ずっと!!」
友美は、微笑むと買ってきたハンドクリームを渡した。
「なら柊麗にプレゼント」
「ハンドクリーム??」
「よく見てみて」
ハンドクリームのパッケージには、金木犀の香りとかかれている。
柊麗は、嬉しそうに笑った。
「ありがとうママ!!」
「どういたしまして」
柊麗は、部屋に部屋に。
友美は、リビングに行くと、テラスに通じる大きな窓を開けた。
「あら翠!!」
河童の翠がちょこんと長椅子に座っている。友美は、テラスにでると隣に座り、クンクンと匂いを嗅いでみた。
「ちょっとだけ金木犀の香りがするわ……」
今年も散歩しながら、香りを楽しめる時期が来た。
友美は、そう思いながら、少しだけ爽やかな風を感じる。
「友美なにしてるのさ」
入り口から白野威が顔を出す。友美は、立ち上がると、リビングに。
「ちょっと金木犀の香りを楽しんでた」
白野威は、クンクンと鼻を動かす。
「確かにするね」
「でしょう??」
友美は、微笑む。
「本当に好きだね金木犀」
「なんか昔からね」
昔から秋になるとさく金木犀が友美は、好きだ。通学路などでこの香りを感じると、どこに咲いているのか探索し、よく見つけていたものだ。
「この甘い香りが好きなのかも」
「なるほどねぇー」
「ナカツクニでも楽しめるけど、もっと咲いてるところないかしら……」
友美は、そう呟くと、白野威は、しばらく考え言う。
「光に聞きな」
「なんで光」
「とっておきの場所を知ってるからさ」
「とっておき……」
「そう!! まぁ、夜に聞いてみな」
「分かったわ」
そしてその夜友美は、早速聞くと、光は、答えてくれた。
「高天ヶ原のオモヒカネ殿の屋敷だ」
夕飯のしたくをしながら、光は、言うと、友美は、固まった。
「えっ!?」
「そんなに驚くこと??」
友美は、頷く。
「何度も行ってるもの!! まったく知らなかったわ!!」
「特殊な場所にあるからな」
光は、肉を炒めながら、言う。
「高御産巣日神の血族しかはいれない場所だからな」
「だからオモヒカネ……」
「タクハタチヂヒメでもよかったかもしれないが、白野威は、あえてそれを言わなかったんだろう」
「そういえばなんで??」
「オモヒカネ殿のと仲がよくないみたいだ。彼女は、天照の義理の娘になるからオモヒカネの天照に対する態度が少し気に入らないらしい」
己のなかで煌が困ったように笑っているが、そもそも煌がきっちり仲をとりもたなかったのが原因といえる。
「白野威は、ニギギ嫌いだし……そういうことか!!」
「そういうこと」
友美は、色々複雑だなと思いながら、困った顔をしていた。
「実は、私は、タクハタチヂヒメとは、会ったことないのよね」
「まさかのまさかだな……」
「天照や皆が会わせてくれなくて……なおかつ白野威もあんなやつ知らんって言ってたし……まぁ私がオモヒカネの娘って時点でアウトのような気もするけど」
「ふと思ったけどなら友美は、あのウワハル·シタハルの妹になるのか……」
「たぶんね。でもオモヒカネさんなにも言わないし……私も会ったことないし!! そもそももう死んでるかもだし……」
ニギギと共に下った三十二柱の中の二柱にあたり、場合によっては、すでこの世を去っているもしくは、肉体は、なく魂だけでとどまっている可能もある。
「確かに……」
「それに、オモヒカネさんが口外してないのなら私とその神達は、関係ないわ」
友美は、そういうと困ったかおに。
「とりあえず文送ってみるわ」
友美は、そういうとさっそく文を送ってみた。するとすぐに返信が。
「もうに来たのか??」
光は、風呂上がり、髪をふきながら、リビングにいくと友美に聞いた。
「そうなの。とりあえずいいって、ただ、念の為に光を連れてきて欲しいって」
友美は、文を光に見せると、光は、顔をひきつる。
「要るのは、高御産巣日神の魂……」
「血筋というわけでもないみたい」
友美は、こりゃ光が要るよなと思うなか、光は、溜め息をついた。
「なんでこんな仕掛けが多いんだ……」
「そりゃ高御産巣日神の屋敷だからね??」
オモヒカネは、高御産日神の屋敷に住んでいる。となると息子にも見せたくないものを隠す場合魂を鍵にするのも納得がいく。あの神なら。
「……覚えがありすぎる」
いったい煌は、なにを隠したかったのだろうか。たいてい予想は、つくが。
「分かった」
「ありがとう!! でこの日は、どう??」
「その日ならいけるよ」
「ならそう伝えるわね!!」
友美と光は、うちあわせし、その後オモヒカネに文を送ると、了解と返信が来た。
「相変わらず早いな……」
「そうね」
友美は、光にそういうと目を細めた。
「金木犀楽しみ!!」
こりゃ父の出る幕は、ないかもしれない。
光は、困ったように笑うと和室へと入っていった。
高御産巣日神の屋敷は、城下町でも高天ヶ原の中で、比較的静かなところにある。
何時もながら、大きいなと友美は、思いながら、門をくぐると、すぐにオモヒカネが出てきてくれた。
友美の後ろの光をじっと見て、そして言う。
「父上出てきてください」
光は、目を閉じると、次の瞬間渋々という顔になり、目を開けた。
「オモヒカネなんだ」
「なんだでは、ありませんよ。まったく」
煌は、息子を呆れながら、見ていたが、友美を見るときだけは、爽やかに笑った。
「……相変わらず母上には」
「よかろう。愛する姫なのだからな!!」
「厳密には、私の娘ですが!?」
「魂は、夢珠では、ないか!!」
「前世でですがね!?」
なんだろう。この親子の争いは。友美は、あきれ顔でみていた。
「お父さんやるなら、後で。煌は、置いていくから!!」
「置いていかれても困るよ友美」
「だとしてもよ。光は、無理だけど、煌は、いいから!!」
煌が悲しそうな顔をしているが友美は、無視。
「友美よ酷くないか!?」
「呆れてるだけよ」
そして天下の高産巣日神をこのように出来るのは、友美くらいだろう。
「とりあえず父上とっとと開けて、引っ込んでください」
煌は、溜め息をつく。
「オモヒカネよ。父に冷たくないか??」
「何時もこうです」
やはり親子とは、にてるらしい。友美とオモヒカネをみた煌は、渋々鍵を出した。
「友美行こうか」
「えぇお父さん」
オモヒカネについていくと屋敷の奥にある結界の張られたところに来た。
「すごい古い術……」
「父上の術だからね」
煌は、鍵を鍵穴にいれ回すと、扉が開いた。扉が開くと、そこには、一面の銀もくせいと金木犀が。
「凄い……」
友美は、思わず呟く。
「ここは、父上が母上の為に作ったんだ」
あの時突然作り出した父を見て、オモヒカネさ、唖然としてしまった。なんせ綺麗な池を潰そうとしていたので。
その後色々あり池は、残せたが。
「煌らしい」
友美は、そういうと煌を見るが、もう彼は、おらず光がぞっとつかれた顔をして立っていた。
「拗ねて引っ込んだ……」
「はぁあの馬鹿親父……」
オモヒカネが馬鹿等と言うことに友美は、驚く。
「馬鹿親父……」
「友美ごめんつい。光も見ていくといい」
「ありがとうオモヒカネ殿」
光には、優しいオモヒカネ。友美は、煌は、いったい息子になにをしたのか気になった。
「お父さん煌には、一応恩があるんじゃ」
「その恩より、父上の無茶の被害の方が勝ってる」
「無茶……」
「まったく」
こりゃ色々やったんだなと友美は、思うなか、光は、頭を抱えていた。色々探ったら出てくる出てくる。
「煌やりすぎだろ!?」
と光が言うほどに。煌は、色々やらかしてるようだ。
友美は、ひとまずなかに入ることに。なかに入ると金木犀と銀木犀のいい香りが広がり、とても美しい光景が広がっていた。
「すごく綺麗……」
こんな空間をことをエモいというのかもしれない。
「お父さんありがとう!!」
友美は、満面の笑みでオモヒカネに言うと、さらに奥に。
オモヒカネは、その笑みに心を撃ち抜かれた。
「光……今まさに死んでもいいと思ってる……」
「生きてくれ。死なれたらこまる」
光は、そういうと楽しそうな友美をみていた。
「そういうことか……」
何故煌がここを作ったのか理由が分かり、光は、目を細めた。
こうしてここへこれてよかった。
「光もきて!!」
「分かった!!」
光は、微笑むとかけた。愛しい人のもとへ。金木犀の香りに包まれながら。