光明ノ神子
ある夏の日友美は、心配そうか顔をし、和室にいた。
目の前には、布団でこちらに背を向け寝ている光が。
「生成の力を使って倒れるなんて……」
夫婦円満の秘訣は、隠し事が、ないこととも言える。しかし互いに知らないことが多いのもまた夫婦関では、あることだ。
昨晩光は、神子の役目である神器を使用し、その反動で今こんなことになっている。
友美は、立ち上がると和室をで、書庫に。棚にある本を探し、見つけると席に着き読み始めた。
「……これかしら」
光の持つ神器の説明を見つけ、友美は、読み始めた。
「蒼穹ノ弓って……因果に関与するともいえるのね……」
蒼穹ノ弓とは、この世界にて、今光だけが扱える神器だ。
高御産巣日神に由来する神器であり、その力は、とても強い。
物理的に敵を射ることもできるがその本質は、因果を使い、敵を射ることができるというもの。距離をとろうとも、防ごうとしても、防ぐことのできない矢を放ち、悪しきものを経つのだ。
「うーん眼を酷使するのかしら」
照準を定める際に、もしかすると光は、眼を瞬時に強化し、狙いを定めるのだろうか。
なら眼の視力低下も納得がいく。しかしそうなると何故今あんなことになっているのか説明がつかない。他に要因があるのだろうか。
「器の問題と言ってたけど……」
煌の言葉を思い出し友美は、言う。自分の手を見ながら、そんなに自分は、変わってるのだろうかとふと思う。
「まぁかわってるわよね」
友美は、そう言うと書庫を出た。そしてリビングに戻ると、和室へ。
「友美」
寝ていた光が起きていた。
「光大丈夫??」
光は、頷くと、枕元に置いてあった薬を飲む。
「なんとか……まさかここまで酷いとは……」
光は、困ったように笑う。
「蒼穹ノ弓の代償??」
「神器の代償というよりも、力に耐えられなかったかな……」
光は、話していいだろうと友美に話すことにした。
「煌から、聞いてるだろ?? 俺の体に関して」
「うん。神の血筋でもなければ普通の人間の器。だから力を使うにも神子として強化されていたとしても、負荷が大きいって」
煌がやったことを友美は、知っている。
彼は、イザナギの企みを知り、その計画を破綻させるため、力を保持したまま、神格を残し、人として生まれる事を考えた。
その時世界への影響を考え、異界に生まれ、戻ってくるというかけに近いリスクを払わなければならないとなったが、煌は、計画を決行し、産まれたのが光だ。
「普通に使う分には、問題ないんだ」
「確かに。時々使ってても光けろってしてるものね」
「そう。蒼穹ノ弓を使うとどうしてもな……」
「代償じゃないのなら神器の張り切りよう!?」
光は、困った顔をすると頷く。
「それ……」
まさかの理由に友美は、ポカーンと間抜けな顔をしてしまった。
「えっー!!??」
「蒼穹ノ弓を持つだけならともかく生成の力を注ぎ込むと……おっ!? やります!?
任せなさい!! おりゃー!!! 節約しつつ力強くするぜ!! ってなるんだ……で矢を射るから……その分バフがかかりすぎて、体にくる……」
「まさかの……でその張り切りに耐えれるのが……神の器」
「もしくは、神の血筋って事みたいだ」
友美は、そう考えると、天之御中主神の血筋であり、父がオモヒカネの自分は、そりゃ
神器を使っても平気なのだと簡単に納得できた。
「私最強??」
「最強だよ」
光は、優しく微笑むと友美を撫でる。
「友美は、ある意味半神半人なのかもな……」
「でもお父さんいわく、人として降りて、お母さんと出会ったって言ってたけど……」
「それでも神子として選定された時点で、普通の神子よりも覚醒したのかも」
「それ光もじゃない」
友美は、そう言うと続けた。
「でも光いちいち反動で倒れてるのばからしくない??」
「まぁな……でも俺の我が儘に煌が付き合ってくれてるから」
「そういえば煌が自分がおもてに出れば神の器になるって言ってたわね」
光は、頷く。
「瞬時に煌に出てきてもらえばこんなことにならないんだ。だけど……」
光は、眼を伏せいう。
「少しでもいい……自分の力で、意志でやりたいと……俺が思ってるから……煌は、意志を汲んでくれてる……」
「光……それ……痩せ我慢??」
「違う!!」
友美は、何故いつもこんなとき余計なことをいうのかと光は、モヤモヤしながら友美をみた。
「その……私には、分からないけれど、あまり無理は、しないでね」
「友美……」
切り替えというのも友美にとって、はコップをとるような感覚でやっているため、光のなかで何が起こっているのか分からない。
「私にとって人格が切り替わるのってそんなにないし、なにより夢珠は、私って感覚だから。光みたいなこだわりもない。だからこうとしか言えないけど……」
「こだわりがないか……」
「だってどちらにしろ私だもの」
友美は、そういうと微笑む。
もしかすると自分は、煌でもあると分かりながらも認めたくないところもあるのだろうか。
認めてしまうと自分が消えてしまうような気がするのかもしれない。最期には、もとに戻ると。
「……この人格も何時かは、消えると……思ってるのかな……」
「光……」
「ごめん友美」
「その……煌は、そんなことしないと思うわ……」
友美は、光のてを握る。
「私は、光ほど、高御産巣日神を知らない。でもそう思うの。だってイザナギの計画なんて放置しとけば、すぐに自分の大好きな神が戻ってきてくれるのよ??」
「確かに……」
「それなのに、それをせず、わざわざ代償を支払って賭けにでて、異界に渡って人になる方を選ぶなんてとんだ変な神様よ」
全てを放置しておけばお飾りの天照も死んで全て元の鞘におさまるのに、彼は、そうしなかった。
自分の愛する者の魂を持つ娘とお飾りの天照を救うことを選び、自由奔放な本来の天照を救いながらも彼女に選択の余地を与えたのだ。
オモヒカネの事もそう。そのままにしておけば彼は娘の事なんて切り替えて生きていけたかもしれない。
「本当に変な神。それでもとても優しい神」
「友美……煌は、たぶん誰か悲しむことが嫌なんだろう……それにイザナギには、思うことが昔からあったようだ……なにより……オモヒカネに手を出したのが許せなかったようだ」
イザナギの企みをしり、そこにオモヒカネが巻き込まれた事をしった時、煌は、酷く恐ろしい顔をしていた。
「ほう……いいだろう……」
普段の煌からは、想像も出来ないほど冷たい眼を彼は、していたのだ。そして決めた。全てを覆してやる。
自分の大切な者に手を出したあの神の企みを。そう決め彼は、動いたのだった。
「怖すぎるんですが……」
「そりゃ造化三柱の一柱だしな……」
そんな問題では、ない。
友美は、光も時々ずれてることを言うんだよなと思いつつ笑った。
「光も怒ると怖いもんね!!」
「失礼な……」
不服そうに光は、言うと友美は、ほったした顔をした。
「体調戻ってきたみたいね」
「友美……」
「秘術を使わなくていいのか悩んだけど使わなくてよかったみたいでほっとしたわ」
「そこまででは、ないよ」
「私からしたらそこまでだったわ」
友美は、そういうとひらめく。
「光ならこれ着けてて!!」
友美が差し出したのは、青色の美しい光を宿した腕飾りだった。
「蒼天ノ腕飾りだけど、まぁ回復に使えるでしょう!!」
光は、真顔になると、顔をひきつる。
「特級神器をさらりと出すな!!」
「なにが特級よ。普段は、私の中にあるだけだしね!!」
友美は、光の手首に着けると立ち上がる。
「桃剥いてくるわね!!」
「友美!?」
そのまま友美は、リビングに。残された光は、腕飾りを見ながら、微笑む。
「本当に友美って凄いよ……」
この神器の力を維持できる時点で、相当だが、これを、顔色一つ変えずに使えるのだから。
「俺も頑張らないと……」
友美を守るためにも。
光は、優しく腕飾りを撫でると改めて自分が力を得たときの決意を思い出すのであった。こんなことで寝込んでられるかという想いと共に。
目の前には、布団でこちらに背を向け寝ている光が。
「生成の力を使って倒れるなんて……」
夫婦円満の秘訣は、隠し事が、ないこととも言える。しかし互いに知らないことが多いのもまた夫婦関では、あることだ。
昨晩光は、神子の役目である神器を使用し、その反動で今こんなことになっている。
友美は、立ち上がると和室をで、書庫に。棚にある本を探し、見つけると席に着き読み始めた。
「……これかしら」
光の持つ神器の説明を見つけ、友美は、読み始めた。
「蒼穹ノ弓って……因果に関与するともいえるのね……」
蒼穹ノ弓とは、この世界にて、今光だけが扱える神器だ。
高御産巣日神に由来する神器であり、その力は、とても強い。
物理的に敵を射ることもできるがその本質は、因果を使い、敵を射ることができるというもの。距離をとろうとも、防ごうとしても、防ぐことのできない矢を放ち、悪しきものを経つのだ。
「うーん眼を酷使するのかしら」
照準を定める際に、もしかすると光は、眼を瞬時に強化し、狙いを定めるのだろうか。
なら眼の視力低下も納得がいく。しかしそうなると何故今あんなことになっているのか説明がつかない。他に要因があるのだろうか。
「器の問題と言ってたけど……」
煌の言葉を思い出し友美は、言う。自分の手を見ながら、そんなに自分は、変わってるのだろうかとふと思う。
「まぁかわってるわよね」
友美は、そう言うと書庫を出た。そしてリビングに戻ると、和室へ。
「友美」
寝ていた光が起きていた。
「光大丈夫??」
光は、頷くと、枕元に置いてあった薬を飲む。
「なんとか……まさかここまで酷いとは……」
光は、困ったように笑う。
「蒼穹ノ弓の代償??」
「神器の代償というよりも、力に耐えられなかったかな……」
光は、話していいだろうと友美に話すことにした。
「煌から、聞いてるだろ?? 俺の体に関して」
「うん。神の血筋でもなければ普通の人間の器。だから力を使うにも神子として強化されていたとしても、負荷が大きいって」
煌がやったことを友美は、知っている。
彼は、イザナギの企みを知り、その計画を破綻させるため、力を保持したまま、神格を残し、人として生まれる事を考えた。
その時世界への影響を考え、異界に生まれ、戻ってくるというかけに近いリスクを払わなければならないとなったが、煌は、計画を決行し、産まれたのが光だ。
「普通に使う分には、問題ないんだ」
「確かに。時々使ってても光けろってしてるものね」
「そう。蒼穹ノ弓を使うとどうしてもな……」
「代償じゃないのなら神器の張り切りよう!?」
光は、困った顔をすると頷く。
「それ……」
まさかの理由に友美は、ポカーンと間抜けな顔をしてしまった。
「えっー!!??」
「蒼穹ノ弓を持つだけならともかく生成の力を注ぎ込むと……おっ!? やります!?
任せなさい!! おりゃー!!! 節約しつつ力強くするぜ!! ってなるんだ……で矢を射るから……その分バフがかかりすぎて、体にくる……」
「まさかの……でその張り切りに耐えれるのが……神の器」
「もしくは、神の血筋って事みたいだ」
友美は、そう考えると、天之御中主神の血筋であり、父がオモヒカネの自分は、そりゃ
神器を使っても平気なのだと簡単に納得できた。
「私最強??」
「最強だよ」
光は、優しく微笑むと友美を撫でる。
「友美は、ある意味半神半人なのかもな……」
「でもお父さんいわく、人として降りて、お母さんと出会ったって言ってたけど……」
「それでも神子として選定された時点で、普通の神子よりも覚醒したのかも」
「それ光もじゃない」
友美は、そう言うと続けた。
「でも光いちいち反動で倒れてるのばからしくない??」
「まぁな……でも俺の我が儘に煌が付き合ってくれてるから」
「そういえば煌が自分がおもてに出れば神の器になるって言ってたわね」
光は、頷く。
「瞬時に煌に出てきてもらえばこんなことにならないんだ。だけど……」
光は、眼を伏せいう。
「少しでもいい……自分の力で、意志でやりたいと……俺が思ってるから……煌は、意志を汲んでくれてる……」
「光……それ……痩せ我慢??」
「違う!!」
友美は、何故いつもこんなとき余計なことをいうのかと光は、モヤモヤしながら友美をみた。
「その……私には、分からないけれど、あまり無理は、しないでね」
「友美……」
切り替えというのも友美にとって、はコップをとるような感覚でやっているため、光のなかで何が起こっているのか分からない。
「私にとって人格が切り替わるのってそんなにないし、なにより夢珠は、私って感覚だから。光みたいなこだわりもない。だからこうとしか言えないけど……」
「こだわりがないか……」
「だってどちらにしろ私だもの」
友美は、そういうと微笑む。
もしかすると自分は、煌でもあると分かりながらも認めたくないところもあるのだろうか。
認めてしまうと自分が消えてしまうような気がするのかもしれない。最期には、もとに戻ると。
「……この人格も何時かは、消えると……思ってるのかな……」
「光……」
「ごめん友美」
「その……煌は、そんなことしないと思うわ……」
友美は、光のてを握る。
「私は、光ほど、高御産巣日神を知らない。でもそう思うの。だってイザナギの計画なんて放置しとけば、すぐに自分の大好きな神が戻ってきてくれるのよ??」
「確かに……」
「それなのに、それをせず、わざわざ代償を支払って賭けにでて、異界に渡って人になる方を選ぶなんてとんだ変な神様よ」
全てを放置しておけばお飾りの天照も死んで全て元の鞘におさまるのに、彼は、そうしなかった。
自分の愛する者の魂を持つ娘とお飾りの天照を救うことを選び、自由奔放な本来の天照を救いながらも彼女に選択の余地を与えたのだ。
オモヒカネの事もそう。そのままにしておけば彼は娘の事なんて切り替えて生きていけたかもしれない。
「本当に変な神。それでもとても優しい神」
「友美……煌は、たぶん誰か悲しむことが嫌なんだろう……それにイザナギには、思うことが昔からあったようだ……なにより……オモヒカネに手を出したのが許せなかったようだ」
イザナギの企みをしり、そこにオモヒカネが巻き込まれた事をしった時、煌は、酷く恐ろしい顔をしていた。
「ほう……いいだろう……」
普段の煌からは、想像も出来ないほど冷たい眼を彼は、していたのだ。そして決めた。全てを覆してやる。
自分の大切な者に手を出したあの神の企みを。そう決め彼は、動いたのだった。
「怖すぎるんですが……」
「そりゃ造化三柱の一柱だしな……」
そんな問題では、ない。
友美は、光も時々ずれてることを言うんだよなと思いつつ笑った。
「光も怒ると怖いもんね!!」
「失礼な……」
不服そうに光は、言うと友美は、ほったした顔をした。
「体調戻ってきたみたいね」
「友美……」
「秘術を使わなくていいのか悩んだけど使わなくてよかったみたいでほっとしたわ」
「そこまででは、ないよ」
「私からしたらそこまでだったわ」
友美は、そういうとひらめく。
「光ならこれ着けてて!!」
友美が差し出したのは、青色の美しい光を宿した腕飾りだった。
「蒼天ノ腕飾りだけど、まぁ回復に使えるでしょう!!」
光は、真顔になると、顔をひきつる。
「特級神器をさらりと出すな!!」
「なにが特級よ。普段は、私の中にあるだけだしね!!」
友美は、光の手首に着けると立ち上がる。
「桃剥いてくるわね!!」
「友美!?」
そのまま友美は、リビングに。残された光は、腕飾りを見ながら、微笑む。
「本当に友美って凄いよ……」
この神器の力を維持できる時点で、相当だが、これを、顔色一つ変えずに使えるのだから。
「俺も頑張らないと……」
友美を守るためにも。
光は、優しく腕飾りを撫でると改めて自分が力を得たときの決意を思い出すのであった。こんなことで寝込んでられるかという想いと共に。