光明ノ神子

「友美~!!」
 忙しくないのだろうか。友美は、そう思っていた。
 インターフォンがなり、出ると立っていたオモヒカネが。にこやかな笑顔と共に。
「デラウェア持ってきたよ!!」
「ありがとうお父さん」  
「友美が好きだと聞いたから!!」
 確かにデラウェアは、好きだ。しかし友美は、苦笑いを浮かべていた。
「とりあえず中に入って」
 こくりとオモヒカネは、頷くと、中に。リビングにあげ、友美は、茶とクッキーを出すと、オモヒカネは、瞳を煌めかせいただきますといい食べた。
「お父さん忙しくないの??」
 天照の側近であるオモヒカネは、多忙なはずだ。
 友美は、聞くと彼は、キリッとした顔をした。
「天照なら問題ない。それに俺も休みが欲しいよ」
「確かに」 
 オモヒカネは、すぐに表情を柔らかくする。
「次は、桃を持ってくるよ」
「ありがとう」
 オモヒカネは、そういうと出されたものは、全て食べそして帰っていった。
「はや!!!」
 様子をうかがうのに友美の影の中にい白野威は、出てきていう。
「滞在時間30分だもんね……」
「友美どうしたのさ」
「オモヒカネさん無理してないかと……」
 高天ヶ原は、それでも忙しい。友美は、心配しいうと、白野威は、言った。
「オモヒカネが本気を出せばこれくらいの時間は、余裕だよ。なんたって煌様の息子だしねー」
 知恵の神の父親は、高天ヶ原では、権力者ともい、そのうえ頭もきれる。 
 その息子のオモヒカネが本気をだせばこのようなこと朝飯前のようだ。
「それに娘に会いたい、父と名乗りたいって31年間近く思ってたんだからさ。余計に頑張るよ」
 神にとっては、短いといえる時間。だがオモヒカネにとっては、とても長い時だったようだ。
 デラウェアを友美は、冷蔵庫にしまうと、微笑んだ。
「お父さんなりの慣れない娘への愛の暴走か」
「まぁそうだね」
 友美は、冷蔵庫を閉めたとき、ヤバっと顔をしひきつらす。
「どうしたのさ」
「光に言うの忘れてた……オモヒカネさんがお父さんって言ってきたよ……って……」
 白野威は、溜め息をつく。
「まさかのまさかだわ」
「光知ってそうだしね」
 でも話す必要は、ある。友美は、今晩にも話すかと、この時思った。

 夜になり、子供達が寝てようやくゆっくりできるじかんになった。
「光話があるんだけど」
「なに??」
 何故こうなっているのか。光の膝にのせられ、友美は、ふと思った。
 ご機嫌よく友美の手を握り、光は、優しい声色で言った。
「オモヒカネさんが……」
「うん」
「ようやく、父ですって言ってくれたわ……」
 光は、きょとんとする。
「今更だな」
「そう今更!! でも言ってくれないよりは、いいかなぁーとは、思ってるの」
「それは、そうかもね」
「で最近の果物の山は、お父さんが毎日セコセコ持ってきてるの!!」
 光は、笑顔のまま固まった。
「毎日!?」
「そう!! 次は、桃持ってくるっていってるから、明日来るかもねー」
「友美来る前に連絡来るんだよな!?」
「そりゃ朝イチで」
 やはりそこは、確りしていて安心だが、光もこの時友美と同じことが不安になった。
「オモヒカネさん……仕事大丈夫なのか??」
「問題ないらしいわ。なんなら休みが欲しいんだって言われた」
 もしかすると天照より休んでないかもしれない。オモヒカネ。
 少しでも息抜きになるのならいいが。
「爆発してないか?? 今まで堂々と可愛がれなかった分」
「してると思う」
 友美は、苦笑いを浮かべる。
「なんというか時々煌と同じに見えるのよねぇ……」
「そりゃ……親子だから……許してあげて……」
 己の中で呑気に笑う煌に光は、おまえが笑うなと言いたかった。
「光とりあえず果物どうする??」
「デザート作ろうか??」
「私は、それでもいいわ」
 光は、友美を降ろすと立ち上がる。
「とりあえず今日は、生で」
「だね!!」
 光は、キッチンにいき、冷蔵庫を開けると箱になにか貼られていた。
 見てみると目を細目そして必要なデラウェアをとり、水洗いするとざるにいれ、皿に乗せるとリビングに。
「友美箱に可愛いメモが貼られてた」
「メモ??」
「柊麗が一つは、私に置いといてって!! 書いてメモを貼ってたんだ」
 そういえばおやつでデラウェアを食べたあと、柊麗がなにかやっていたがそれは、メモを書いて、貼っていたとは。
 友美は、微笑む。
「すごく気に入ったのね!!」
「まぁ美味しいしな」
「確かに」
 光は、座り皿をこたつの上に。
 友美は、デラウェアをとり、食べる。
「美味しいー」
「確かに」
「神様が持ってくるものは、もしかして全て美味しい??」
「羽月の野菜も美味しいし……もしかすると……」
 オモヒカネの場合娘のためにとすごく吟味してそうだが。
「神子か……」
「光??」
 光は、微笑むと言った。
「改めて神子ってなんでそう呼ばれてるのかと思ってな。遣い、代行者と呼ばれてもいいと思うのに」
 神子は、本来女性の神主を指す言葉で昔は、あった。それが今は、神子と巫女は、同じ意味をしめす言の葉になった。
 しかし神子達は、神の遣い、代行者という意味で男女関係なく、神子と呼ばれている。
 改めて考えると何故だろうか。
「うーん白野威に聞くにもヘソてんで寝てるし……」
 友美は、しばらく考えていう。
「まさか神の子供だから??」
「そういえるメンバーもいるが純粋な人もいるよ」
「よね……」
 友美は、考えるのをやめた。
「考えても埒が明かないわ……」
「かもね」
 もしかするとと、光は、ある考察をしたが、あえて言わなかった。その考察の根本的なところは、神々しか分からないことだから。
「……神に愛されし子。だから神子なのかしら」
 光は、一瞬驚いたかおをしたが、目を伏せた。
「あるかもね」
「ねぇ!!」
「でも友美何故そう思ったんだ??」
 友美は、微笑む。
「神子達って個性揃いだけど、共通して上司の神とは、仲良しでしょう??」
「確かに」
「それに加護も貰っている。なんなら、神が家にいたり、憑いてたりするから!!」
 ある意味そういうこと事態が珍しいことだ。
「確かにその考えは、一理あるね」
「でしょう!!」
 友美は、そういうと笑った。
 友美は、ある意味神子達が全て死のうとも一人でその役目を全てやってしまえるほどだ。  
 それは、力の強さがあるからでは、ない。白野威筆頭に皆が、彼女を信頼し愛しているているからこそだ。
「光??」
 優しく頭を撫でられ、友美は、首をかしげた。
「俺は、本当に困った女性を妻にしたなと思って」
「なにを今更」
「改めてそう思っただけだよ」
 本当に友美を泣かせたら光は、生き地獄を味わうことになるだろう。
「……オモヒカネが増えた……」
「お父さんがなに??」
「なにもないです」
 言えない友美に何かあったら鬼の形相で問い詰めてくる神が増えたなんて。
 以前は、名乗っていなかったので、来なかったが、今は、違う。間違いなく来る。
(俺にどうなかできるのか……知恵の神を……)
 自分のなかで煌がにっこり笑っていた。光は、まぁなんとかなるかと考えることにした。
「俺……高御産巣日神とも言えるし……なんとかなるか……」
「なにか分からないけど、なんとかなると思う!! なんせ高天ヶ原で二番目の権力者だから!!」
「一番は??」
「天之御中主神かなぁーと……」
「確かに」
 そもそも友美に何かあることなんてあるのだろうか。
「友美強いしな……」
「ほえ??」
「なにもない」
 とりあえずそういうことがおこらなければいいだけだ。
 光は、優しく友美に口付けると、友美は、微笑む。 
「幸せってこういうことよね」
「だな」
 どうでもいいと思っていたが、やはり少しは、気持ちに変化があった。
 さて明日オモヒカネは、来るのだろうか。来た場合デラウェアが美味しかったと伝えなければ。
 友美は、楽しそうに微笑むとそんなことを考えるのであった。
 光に微笑みかけながら。
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