光明ノ神子

 本日は、父の日だ。 
「お母さん!! お父さんまったく休む気ない!!」
 榎麟の嘆きに友美は、苦笑いしていた。
「なんで楽しそうに家事やってるんや!!」
「お父さんとしては、好きだから家事。それに榎麟達と出来るのが楽しいんだと思うわ」 
 たぶん光にとっては、子供たちと何かするというのが楽しいのだらう。
 目の前を洗濯かごをもち通りすぎる光を見ながら、友美は、笑った。
「うふふふ」
 後ろに遊李、柊麗、螢が鴨の子供のようにあとについていた。
「パパ休んでて!!」
「今日は、父の日よ!!」
 遊李と柊麗は、そういうが、光は、微笑みいった。
「ならなおさら、パパもやるよ!!」
「パパ~!!」
 光の顔が本当に嬉しそうだが、子供達は、不満そうである。
「お母さんあれは、諦めやなあかん??」
「諦めた方が早いやろうね」
 榎麟は、肩を落とすと、しかたがないと手伝いに。
「何時もと反対ね」
 何時もは、子供達にふりまわされている光だが、今は、光が子供達をふりまわしていた。
 洗濯物を干し終えリビングに入ってきた光に友美は、いった。
「私からの父の日は、これよ!!」
 光に友美が差し出したのは、お菓子の詰め合わせだった。
「友美!!!!」
 洗濯かごを光は、炬燵の上に置くと友美を抱き締めた。
「ありがとう~!!!! 嬉しい!!!」
「それは、よかったわ」
 光は、箱を受け取ると、小躍りした。
「ママ一番パパが喜ぶの……」
「お菓子!?」
 遊李と榎麟の問いに友美は、苦笑いしいった。
「うーんそんなことないかも??」
 げんに子供達とも楽しそうにしているし。
 光は、首をかしげるなか、友美と子供達は、光は、何処でも光だなと微笑むのであった。
「どうした??」
「なにもない!!」
「そうか」

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