光明ノ神子

 フクロアリクイ。世の中には、まだまだしらない事が多い。
 友美は、可愛いなと本を呼んでいると、目の前に光が。
「俺の方がかわいいぞ!!??」
 友美は、視線を上げると、溜め息をついた。
「フクロアリクイと比べて欲しいの??」
「それは、ちょっと……」
 友美は、微笑む。
「冗談よ。でも可愛いわよフクロアリクイ」
 光に友美は、本を見せると、彼は、瞳を煌めかせた。
「可愛い!!」
「でしょう!!」
「だが……」
「だが??」
 光は、足元を歩くつららを抱き上げた。
「つららの方が可愛い!!」
「可愛さの違いがあるわよ」
 手のひらサイズの有袋類。オーストラリアに、唯一すむアリクイらしく、森林の減少や犬、猫により数が減り、絶滅危惧種になっている。
「手のひらサイズのアリクイって可愛い」
「リスみたいだな」
「でしょう!!」
 つららが光の手を舐めているが、友美は、おもう、フクロアリクイよりつららの方が確かに可愛いと。
「光つららちゃん天使のはねはえてない!?」
「はえてないよ!! 可愛いけど!!」
 首をかしげるつららが可愛い。友美は、大人げないと思いながらも我慢ならんかった。
「うちの白夜も可愛いわよ!?」
「つららの方が可愛いよ」
 確かにそうだ。友美は、肩を落とす。
「つららは、歩いてるだけで可愛いもの!!」
 友美の足元に銀狐と白夜が表れる。
「姫様??」
「可愛い……もん……」
 二匹を抱っこすると友美は、言う。しかしつららの可愛さには、負ける。
「主が可愛いからつららちゃんも可愛いのか!!」
「なんでそうなるんだ!! つららは、もとから可愛いよ!!」
「光可愛いもん!!」
 銀狐と白夜も頷く。
「水郷ノ神子は、愛らしいです!!」
「可愛い!!」
 光は、おもう。やはり主と式神は、似ているのではと。
「銀狐、白夜服着る??」
「可愛くなるためにですか!?」
「いいです!! 姫様!!」
 全力で拒否られた。
「憑霖呼び出すぞ??」
「姫様脅しは、ダメです!!」
「着たくないものは、着たくない~!!!」
 全力で逃げられた
 友美は、しょぼんと落ち込むと、つららが光に降ろせと訴える。
 光は、床に降ろすと、つららは、友美のところに。
「ママ!!」
「つららちゃん!!」
 つららを抱き上げ友美は、もふる。
「いやしー」
「それは、よかったよ友美」
 つららが嬉しそうにしているが、友美は、思う。
「つららペットよね!?」
「……そうとも言えるけど、式だから」
「私もくまさん式が欲しいー!!!」
「つららみたいに可愛いかは、分からないぞ」
「確かに」
 やはりつららが可愛すぎるのだ。友美は、そう思ったとき、部屋の外から物音が。
「光音が」
「なんだろう」
 ドアを開けると白虎がいた。ヤバいという顔をし。
「白虎何を??」
「なにもない」
 白虎は、そういうとリビングに。
「もしかして白夜も可愛いっていって欲しかったのかしら」
「白虎が!?」
 気高く神々しく勇ましい白虎。可愛いには、縁遠いといえる。 
 光は、まさかと思ったが、友美は、絶対に可愛いといって欲しいんだと思っていた。
「よし!! ちょっといってくる!!」
 友美は、そういうとリビングに。そして白虎に近寄ると言った。
「白虎可愛い!!」
 耳ざ少しだけ倒れた。友美は、いまだと頭を撫でた。
「可愛いー」
「そのようなこと……」
「あるわ!! 本当に可愛い!!」
 光は、まさかとしばらくしてリビングにいくと、そこには、お腹をだしゴロゴロ喉をならす白虎が。
「白虎!!??」
「ほら!! 光!!」
 友美は、大きな猫だと思いながら、可愛いと白虎を撫でる。
「可愛い~もふもふだし!!」
「これは……大きな猫だな」
「そりゃ猫科だもの!!」
「神だけどね……」
 光に気づき、白虎は、顔を青ざめたが、すぐにまたゴロゴロ言い出した。
「威厳は!?」
「主の式である俺にそんなものあると思うか??」
 真顔になり、いうと、また友美に撫でられ、ゴロゴロ喉をならし始めた。
「無いよな……分かってた」
「ならいい」
 おかしい。出会った頃は、威厳に満ちた強い神という感じだったのに。
「白虎……」
「威厳ねぇー憑霖なら威厳は、あるわよ??」
 光と白虎は、何かを感じていう。
「呼ばなくていい!!」
「分かったわよ。そこまで危険じゃないのに」
「それは、友美の前だからだよ……」
「そうなの??」
「あいつは、姫だからこそつかえてる。他のものなら殺されてるぞ。すでに」
「そうなのね」
 もふもふと友美は、白虎に飛び付く。
「もふもふ」
 本当に毛並みがいい。友美は、やっぱり神様のもふもふは、たまらないと思っていた。
「友美ちなみに白野威と白虎どっちがもふもふ??」
 友美は、真剣な顔でいう。
「白野威よ!! あのもふもふ、至高のもふもふ!! 気持ちよすぎて、眠たくなるほど!! だもの!!」
 確かに毛並みがいいのは、確かである。
「ダブルコートだから余計にもふもふなの!! 狼ってあのそこまでもふもふとは、思わなかったわ!!」
「友美……白野威は、狼に化けてるだけだからね!?」
「だとしてもよ!! ホッキョクオオカミ恐るべし!!」
「それ白野威だからでは!?」
 そんな話をしてるもあくびをし、和室から白野威が出てきた。
「なんの話さ」
「白野威がもふもふって話!!」 
 白虎を撫でる友美を見て、白野威は、友美のところへいくと、友美の手の無理矢理自分の頭に。
「白野威??」
「もふもふがいいなら私を撫でとけ!!」
 友美は、瞳を煌めかせると、白野威に抱きついた。
「友美??」
 しかし動きを止めた。光は、どうしたのかと心配になるが、次の瞬間。
「もふもふが増してるだと!?」
「なに!?」
 光も白野威を撫でるもその毛並みは、さらによくなっていた。
「白野威抱き枕にならないか??」
「光の抱き枕なんていやさ!! 白虎でも抱き枕にしな!!」
「白虎は、大きすぎるよ」
 白虎は、頷くと、満足したのか部屋の真ん中で寝始める。
「やはりもふもふ選手権一位は、白野威ね!!」
「因みに友美可愛さ一位は??」
「光よ」
「間違いない」
「なんでそうなるんだ!?」 
 もふもふと友美は、白野威を堪能しながら、不服そうな光を見て微笑む。
「光可愛い~」
「ありがとう……」
 つららに負けず劣らず可愛い光。友美は、式にかんして羨ましいと光の事を思ったがよくよく考えたら自分は、更に可愛い光をゲットしていたと気づいた。
「私本当に幸せ!!」
 可愛いともふもふは、正義。そう思いながら、友美は、白野威をもふるのであった。
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