光明ノ神子
初夏新緑の緑が鮮やかな季節だが光にとっては、開戦の狼煙が上がる季節だ。
クロスバイスで街を走っているとき、彼は、見てしまった。ヒラヒラ飛ぶあいつを。
「なぁ!?」
分かっていたが認めたくなかった。そんな光をみて、水郷は、呆れた顔をした。
「光諦めなさい。自然の摂理よ」
「なら水郷その摂理壊していいか??」
ただの人間がいえばなにふざけたことを言っているで済ませられるが、光は、違う。やろうと思えば出きるのだ。
「とりあえず農薬!!」
「なんで農薬を!! おれは、嫌なんだが!?」
「なら戦いを繰り広げるのね!!」
「なら絶滅させれば……」
「受粉の手助けをする物を失くしてどうするの!!」
光は、不服そうな顔になる。そんか彼を嘲笑うかのようにあいつことアゲハチョウは、飛んでいた。
「そもそもなんでうちの檸檬に産むんだ!! 近所に大きな木があるのに!!」
「そっち毎年すごいじゃない」
光の家の近くには、大きな檸檬の木がある。
そこも確かに毎年アゲハチョウが大量に発生していた。
「そもそもなんで柑橘系の葉だけ食べるようになったんだ!! 桜でもいいだろ!!」
「それは、毛虫と競争になるし……桜って虫多いしね??」
「まぁそうなんだが……」
ぶつくさ言ってもしかたがない。あいつらが襲来するのは、もう決まったことだ。
光は、帰ったら夕飯を作るよりも先にすることがあると思い、クロスバイスをこいだ。
帰宅後河童の行商人が何かしているのも気にせず、光は、檸檬の木を調べていた。
「見た限り……卵は、産んでないな……」
これならいける。光は、帰りにホームセンターに行き、目の細かい網を買ってきた。
「どうした??」
網をかけようとしたとき、行商河童に足をつつかれた。
「なにをしてるのかって??」
河童は、頷く。
「アゲハチョウ対策だよ」
河童は、驚いた顔をしたが、光は、気にせずに、網を檸檬の木にかけた。
「見落としがないならこれで今年は、防げるかな……」
念入りに確認したとは、言え、見落としがある可能性が高い。
小さくあの黄色の卵は、見つけにくいのだ。
「今年も美味しい実を頼むよ」
光は、そう呟くと、テラスなか家のなかに。そして夕飯を作り、食べ終えたのち片付けを済ませた。
「光ちょっといい??」
友美に声をかけられ、光は、手をふくとキッチンからリビングに。
「友美どうしたの??」
「檸檬にネットかけたの光??」
「そうだけど……まずかったか??」
友美は、首を横にふる。
「ネットは、いいんだけど……卵まだあるよ??」
光は、顔を青ざめる。
「なに!?」
「とりあえず取ってからかぶせ直すか」
「だな……」
友美は、そういうとテラスに。灯りを術でつくり、檸檬のきのネットを剥がすと、迷いなく葉をちぎる。
ちぎられた葉は、確かによくみると卵が。
「こんなにあったなんて……」
「念のために力使ってみたの。こいつら……本当に生きるためなら凄いわ……」
次々とちぎられる葉を光は、ビニール袋にいれた。しばらくして友美は、ちぎるのよやめたのでどうやら取れたようだ。
ネットをかけ直し、友美は、よしと立ち上がる。
「とりあえずそれ近所の公園にポイしてくるか!!」
「そうだな」
「じゃ光行ってくるわ」
「ついていく」
「えっ!?」
「夜道は、危ない!!」
友美は、そんなにかと思いつつも色々面倒なので、もうついてきてもらうことにした。
留守は、白野威に任せ、二人は、公園に。茂みに葉を出すと、友美は、ある気配に気づいた。
「あやかし……」
「何でタイミングよく……」
友美と光は、顔を見合わすと気配のする方に。すると林のなかであやかしたちがなにやら集まっていた。
「会合かしら……」
「かもしれない」
しばらく様子を見ているとあやかしたちは、なにやら話をしていた。
「ここら辺りに神子がいるそうだ」
「なんだって!?」
「そいつらの首をもちかえれば、俺達は、また名をあげれるぞ!!」
彼らは、知らない。その神子がここにいることを。
友美と光は、呆れた顔をしていた。
「殺っちゃう??」
「殺ろう」
気配を消し、友美は、近寄るとあやかしの脳天に拳をいれた。
あやかし達が気づいた時には、遅し、首もとに鋼の糸が張り巡らされ、一歩間違えれば首が落ちることになってしまっていた。
脳天に拳をいれられたあやかしは、消え、皆が震え上がる。
「人の身でなを!!」
「人ねぇー」
友美は、にっこり微笑むが気配であやかしたちは、さらに震え上がった。
「お前達が首を取るといっていた神子だが??」
光の姿もみた彼らは、更に震えが上がった。
「やれ!!! いいか、やれ!!!」
そう言うやつもいたが皆動かなかった。
「あれ?? さっきの威勢は!?」
「そわなもんあるか!!」
あやかしたちは、そういうとごめんなさいといい消えた。
「あら」
友美は、残念そうに言うが、光からすれば無用な争いがなくなってほっとした。
「私は、か弱い女の子なのにー」
「何処がか弱いだ……普通拳であやかしを倒さない!!」
「なら何で倒せと!?」
「剣とか色々あるだろ……」
「えーつまらん!! だって剣だと簡単に消えちゃうものー」
光は、呆れた顔をしていたが、事実だ。友美が剣を使わないのは、簡単には敵を倒してしまうから。なら素手で言った方が相手の隙もつけると思ったからだ。
「……愛する姫が強すぎるのも、困ったものかな……」
「なんで??」
「かっこよく守れないだろ?? 勇者みたいに」
「勇者って……光は、もう勇者よ!!」
「ありがとう」
友美がそう思ってくれてるのならいいか。
光は、そう思い微笑んだとき、彼の顔がひきつった。
「光??」
「友美ここで倒すぞ!!」
振りかえると特大のアゲハチョウがいた。
「あらあやかし」
友美は、しかたがないと、扇を取りだし、蝶に向かって扇ぐと、蝶は、凄い風と共に何処かに飛んでった。
「え??」
「よーし!! 終わり終わり!!」
「友美あれ疾風ノ神子の神器じゃ……」
「あーあれね。あれは、写しよ??」
「写し!!??」
なら珊瑚は、写しを使っていることになるのかと光は、驚く。
「風が私にくれたのよ。昔。で珊瑚が神子になったころ写しを作って珊瑚に渡したの」
「まさかのまさかだ……」
「だよねー」
友美は、扇をしまうと、歩き出す。
「さぁ光帰ろ!!」
「そうだな」
二人は、仲良く家に帰ると、光は、その後リビングに転がった。
「光お腹出してたら風邪引くわ」
光は、頷くとからだを起こす。
「友美甘えさせて」
友美は、しかたがないと、座ると手を広げる。すりと光が抱きついてきた。
「アゲハチョウむり……」
「さっきの結構効果抜群かだったのね」
「うん」
「光偉かったわね」
優しく彼の頭を撫でると光は、嬉しそうに笑い、友美にキスをした。
「元気出た!! ありがとう友美!!」
「ならよかったわ」
二人は、微笑みあうと他愛もない話をし始めた。
蝶との戦いは、まだ始まったばかりだが、今年は、もしかすると少しましかもしれない。
クロスバイスで街を走っているとき、彼は、見てしまった。ヒラヒラ飛ぶあいつを。
「なぁ!?」
分かっていたが認めたくなかった。そんな光をみて、水郷は、呆れた顔をした。
「光諦めなさい。自然の摂理よ」
「なら水郷その摂理壊していいか??」
ただの人間がいえばなにふざけたことを言っているで済ませられるが、光は、違う。やろうと思えば出きるのだ。
「とりあえず農薬!!」
「なんで農薬を!! おれは、嫌なんだが!?」
「なら戦いを繰り広げるのね!!」
「なら絶滅させれば……」
「受粉の手助けをする物を失くしてどうするの!!」
光は、不服そうな顔になる。そんか彼を嘲笑うかのようにあいつことアゲハチョウは、飛んでいた。
「そもそもなんでうちの檸檬に産むんだ!! 近所に大きな木があるのに!!」
「そっち毎年すごいじゃない」
光の家の近くには、大きな檸檬の木がある。
そこも確かに毎年アゲハチョウが大量に発生していた。
「そもそもなんで柑橘系の葉だけ食べるようになったんだ!! 桜でもいいだろ!!」
「それは、毛虫と競争になるし……桜って虫多いしね??」
「まぁそうなんだが……」
ぶつくさ言ってもしかたがない。あいつらが襲来するのは、もう決まったことだ。
光は、帰ったら夕飯を作るよりも先にすることがあると思い、クロスバイスをこいだ。
帰宅後河童の行商人が何かしているのも気にせず、光は、檸檬の木を調べていた。
「見た限り……卵は、産んでないな……」
これならいける。光は、帰りにホームセンターに行き、目の細かい網を買ってきた。
「どうした??」
網をかけようとしたとき、行商河童に足をつつかれた。
「なにをしてるのかって??」
河童は、頷く。
「アゲハチョウ対策だよ」
河童は、驚いた顔をしたが、光は、気にせずに、網を檸檬の木にかけた。
「見落としがないならこれで今年は、防げるかな……」
念入りに確認したとは、言え、見落としがある可能性が高い。
小さくあの黄色の卵は、見つけにくいのだ。
「今年も美味しい実を頼むよ」
光は、そう呟くと、テラスなか家のなかに。そして夕飯を作り、食べ終えたのち片付けを済ませた。
「光ちょっといい??」
友美に声をかけられ、光は、手をふくとキッチンからリビングに。
「友美どうしたの??」
「檸檬にネットかけたの光??」
「そうだけど……まずかったか??」
友美は、首を横にふる。
「ネットは、いいんだけど……卵まだあるよ??」
光は、顔を青ざめる。
「なに!?」
「とりあえず取ってからかぶせ直すか」
「だな……」
友美は、そういうとテラスに。灯りを術でつくり、檸檬のきのネットを剥がすと、迷いなく葉をちぎる。
ちぎられた葉は、確かによくみると卵が。
「こんなにあったなんて……」
「念のために力使ってみたの。こいつら……本当に生きるためなら凄いわ……」
次々とちぎられる葉を光は、ビニール袋にいれた。しばらくして友美は、ちぎるのよやめたのでどうやら取れたようだ。
ネットをかけ直し、友美は、よしと立ち上がる。
「とりあえずそれ近所の公園にポイしてくるか!!」
「そうだな」
「じゃ光行ってくるわ」
「ついていく」
「えっ!?」
「夜道は、危ない!!」
友美は、そんなにかと思いつつも色々面倒なので、もうついてきてもらうことにした。
留守は、白野威に任せ、二人は、公園に。茂みに葉を出すと、友美は、ある気配に気づいた。
「あやかし……」
「何でタイミングよく……」
友美と光は、顔を見合わすと気配のする方に。すると林のなかであやかしたちがなにやら集まっていた。
「会合かしら……」
「かもしれない」
しばらく様子を見ているとあやかしたちは、なにやら話をしていた。
「ここら辺りに神子がいるそうだ」
「なんだって!?」
「そいつらの首をもちかえれば、俺達は、また名をあげれるぞ!!」
彼らは、知らない。その神子がここにいることを。
友美と光は、呆れた顔をしていた。
「殺っちゃう??」
「殺ろう」
気配を消し、友美は、近寄るとあやかしの脳天に拳をいれた。
あやかし達が気づいた時には、遅し、首もとに鋼の糸が張り巡らされ、一歩間違えれば首が落ちることになってしまっていた。
脳天に拳をいれられたあやかしは、消え、皆が震え上がる。
「人の身でなを!!」
「人ねぇー」
友美は、にっこり微笑むが気配であやかしたちは、さらに震え上がった。
「お前達が首を取るといっていた神子だが??」
光の姿もみた彼らは、更に震えが上がった。
「やれ!!! いいか、やれ!!!」
そう言うやつもいたが皆動かなかった。
「あれ?? さっきの威勢は!?」
「そわなもんあるか!!」
あやかしたちは、そういうとごめんなさいといい消えた。
「あら」
友美は、残念そうに言うが、光からすれば無用な争いがなくなってほっとした。
「私は、か弱い女の子なのにー」
「何処がか弱いだ……普通拳であやかしを倒さない!!」
「なら何で倒せと!?」
「剣とか色々あるだろ……」
「えーつまらん!! だって剣だと簡単に消えちゃうものー」
光は、呆れた顔をしていたが、事実だ。友美が剣を使わないのは、簡単には敵を倒してしまうから。なら素手で言った方が相手の隙もつけると思ったからだ。
「……愛する姫が強すぎるのも、困ったものかな……」
「なんで??」
「かっこよく守れないだろ?? 勇者みたいに」
「勇者って……光は、もう勇者よ!!」
「ありがとう」
友美がそう思ってくれてるのならいいか。
光は、そう思い微笑んだとき、彼の顔がひきつった。
「光??」
「友美ここで倒すぞ!!」
振りかえると特大のアゲハチョウがいた。
「あらあやかし」
友美は、しかたがないと、扇を取りだし、蝶に向かって扇ぐと、蝶は、凄い風と共に何処かに飛んでった。
「え??」
「よーし!! 終わり終わり!!」
「友美あれ疾風ノ神子の神器じゃ……」
「あーあれね。あれは、写しよ??」
「写し!!??」
なら珊瑚は、写しを使っていることになるのかと光は、驚く。
「風が私にくれたのよ。昔。で珊瑚が神子になったころ写しを作って珊瑚に渡したの」
「まさかのまさかだ……」
「だよねー」
友美は、扇をしまうと、歩き出す。
「さぁ光帰ろ!!」
「そうだな」
二人は、仲良く家に帰ると、光は、その後リビングに転がった。
「光お腹出してたら風邪引くわ」
光は、頷くとからだを起こす。
「友美甘えさせて」
友美は、しかたがないと、座ると手を広げる。すりと光が抱きついてきた。
「アゲハチョウむり……」
「さっきの結構効果抜群かだったのね」
「うん」
「光偉かったわね」
優しく彼の頭を撫でると光は、嬉しそうに笑い、友美にキスをした。
「元気出た!! ありがとう友美!!」
「ならよかったわ」
二人は、微笑みあうと他愛もない話をし始めた。
蝶との戦いは、まだ始まったばかりだが、今年は、もしかすると少しましかもしれない。