光明ノ神子

 日頃の感謝を伝えるのは、とても大切なことだ。友美は、悩んだいた。どうしたら光に日頃の感謝が伝わるかと。
「うーん白野威どうしたらいいと思う??」
 何時もの座布団の上で寝ている白野威に友美は、聞くと、彼女は、顔を上げた。
「伝わってると思うけどー」
「それでも改めて伝えたいの!!」
 白野威は、めんどくさそうに言った。
「まぁ好きにすれば。光の反応で答えが分かるよ」
 こういうときは、経験すべしと白野威は、あえてこう言った。
 友美は、思い付いている案があるには、あったがはたしていいのかと思えていた。
「まぁやってみるか。検証がてらに……」
 友美は、そう呟くとさっそく行動にうつした。
 
その日の夕方光は、何時ものように帰宅し、玄関を開け、中には入ると友美が仁王立ちしていた。
 迫力ある佇まいに何事かと息を飲む。
「光!!」
「はい」
「お風呂にする?? ご飯にする?? それとも私にする??」
 凄い威勢ある声で聞かれ、光は、ポカーンとしてしまった。
 あれこの作戦は、失敗だっただろうか。友美は、不安になりながら、冷や汗をかいていると、光がいった。
「えーとーとりあえず診察させて??」
「診察!?」
「そう」
 友美は、予想外の光の反応に困っていると、光に背中を押され、リビングに。そして和室に連れ込まれると、軽い診察をされてしまった。
「熱なし、喉も腫れてないし……心音や脈、血圧も、血糖値も異常なしだな……」
 友美は、何故こうなったのかと考えながら、頬を膨らませていた。
「生理は、来た??」
「来てる」
「なら精神的に辛くて死にたいとか思ってない??」
「思ってない!!」
 更に友美は、不機嫌になる。
「ならあの行動は……」
「……ただ日頃の感謝を行動にして伝えたかっただけ!!!!!!」
 ぜはぜはと荒い息を破棄ながら友美は、いうと、光は、思わず笑ってしまった。
「あはは!!!!」
「笑わないでよ!! こっちは、本気なのに!!」
 そう本気だった。しかし見事に空回りし、光に診察されたが。
「本気ねぇー」
 光は、微笑むと、友美を優しく押し倒した。予想外の行動に友美は、驚く。
 気づけば、光の、顔が目の前にあるでは、ないか。
 手は、見事に畳に組伏せがられ、光を押し退けるのは、少し難しいことになっていた。
「ならもし俺が友美って答えたらどうするつもりだった??」
「……受け入れるつもりだったけど……これは、反則……」
 艶やかに微笑む光を見ていると胸が高鳴る。頬を赤く染め友美は、いうと、光は、優しい口付けだけをして、友美の上から退き、彼女を起こした。
「いきなり押し倒してごめん。痛いところは、ない??」
「それは、大丈夫」
「ならよかった」
「光さっきのキスは……」
「おかえりなさいのキス」 
 光は、そういうと着替え始めた。友美は、思わず視線をそらし、和室を出た。
「……友美ほら」
「そうね白野威」
 やはりこう言うのは、やらない方がいいかもしれない。己の精神のためにも。
 まだ胸が早鐘を打っている。深呼吸し落ち着かせると、襖があいた。
「友美??」
「なんでこのタイミング!!??」
 落ち着かなかった。友美は、頬を赤くしアワアワし始める。
 あんなことの後に光を直視できるわけもなく。困った。
「友美」
 そんな彼女を光は、優しく抱き締める。
「ただいま」
「おかえり……」
 愛しい人の香りに、少しだけ心が落ち着いた。
 友美は、光の胸に顔を押し当てる。
「光の香り」
「そりゃ本人だからな」
「確かに」
 二人は、微笑み合う。
「友美さっきの話だが」
「うん……」
「友美の笑顔で何時も伝わってるから」
 友美自身は、そう思ってなくてもご飯を食べるときや寝るとき、何気ない時に光の隣で笑っている友美を見ていると、光は、とても嬉しい。
 それだけ彼女が幸せだという証拠だからだ。
「だから笑ってて。何時も俺の側で」
 友美は、目を細目いった。
「うん!!」
「さてならご飯作ろう」
「光今日は、なに??」
「ハンバーグ」
「ありがとう!! やったー!!」
 ハンバーグで毎度のことここまで喜んでくれるのだから作りがいがある。
 光は、子供達と話すとキッチンにそしてしばらくして、友美がやってきた。
「光その……」
「どうした??」
 友美は、目を伏せると小声でいう。
「その……さっきの続き……光がやりたいなら……夜OKだから……」
 友美は、頬を染めていうと、光は、しばらく考えていう。
「その時にお互いにOKならな」
「光……」
 子供達の居るので聞こえないように光は、小声で囁いた。
「だからその時にまた誘って……俺の姫……」
「……光の意地悪」
「いじわるとは、失礼な。だってどちらから言うか分からないから……」
「確かに」
「俺からも誘うかもしれないけど、とりあえず」
 友美は、頷くと光に抱きついた。
「友美??」
「久しぶりかも……二人の時間が待ち遠しいの……」
 光は、困ったように笑う。
「そんな可愛いこと言わないでくれ……友美……」
「だって本当だもの……はやく光を感じたい……」
 ぎゅっとまわされた腕に力が入り、光は、愛おしさを感じながらも困ってしまっていた。己の欲に。
「……友美すこーし離れてくれる??」
「嫌よ。それかやる??」
「やりません。子供達がいるから」
「もうー」
 頬を膨らませ拗ねている友美も可愛いが、それは、それである。
 光は、ハンバーグを焼きながら、自嘲していた。少しくらい抑えろと己に思いながら。
「光ー」
「なに??」
「甘々でもいいからね??」
「珍しい」
 何時も甘すぎると怒る友美が珍しい。
 友美は、恥ずかしそうにいった。
「私も……その甘々がいい気分と言うか……答えたいと言うか……」
 なにが言いたいか光は、分かると言った。
「伝わってるから大丈夫」
「光……」
「とりあえず後で」
「そうね!!」
 今は、まだ耐えろ俺と光は、言い聞かせ、料理を作り終え、晩御飯を終えると、片付けをし、二人は、子供達が寝静まる頃から、甘い時間を過ごしたのであった。






 

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