光明ノ神子
血に染まる視界。そして生ぬい物が刃をつたい流れてくる。
目の前には、荒い息をし、自分を見てくる青年が。
このままでは、死んでしまう。そんな想いが頭を過った。
何故ここまでするの。そう思い、何か叫んだとき、目を覚ました。
頬から流れる涙に友美は、はっとした。
「夢……」
何故あの記憶をみたのか。体を起こすと、じわりと嫌な寝汗をかいていた。
隣をみると、何か寝言を言っている光が。
「……よかった」
本当に夢で。安堵の息を友美は、吐くと、枕元に置いてあったペットボトルに入ったお茶をのむ。
もし夢では、なく現実だったのならそれこそ、取り返しのつかないことになる。昔ならともかく今彼を想う大切な人が多くいるのだから。
自分の手を見るとまだ生ぬるい血の感覚が残っていた。
「……嫌な感覚ね」
友美は、立ち上がると、和室を出た。
キッチンに行き、手を洗うと冷たい水のお陰で、生ぬるい感覚が消えていった。
手を洗い終えるとタオルで拭き、リビングに。
「……」
このまま寝ようか。それとも汗を流そうか。そう考えながら、何気なくテラスを眺める。
あの記憶は、友美が暴走したおり、光が身をていし一か八かのかけの行動の物だ。
一面に広がる彼岸花と、静寂の闇の世界。黄泉まで来ること事態命懸けなのに、さらに命をかけるなんて本当に馬鹿な行動だろう。
しかしその馬鹿な行動のお陰で、友美は、正気を取り戻したのも事実だった。
あの時のことは、忘れたくても忘れられない。いくら時がたとうと。
「シャワー浴びてこよう」
友美は、そう呟くと、和室へ行き、着替え。持ち、風呂場に。
汗を流すと、少し気分は、スッキリした。汗を流し終え、和室へ戻ると、光が眠そうな顔し起きていた。
「……ゆみきて」
「え??」
「いいから」
掠れた声で言われ、友美は、光の所に行くと、彼に優しく抱き締められた。
「大丈夫……」
優しい声色に友美の心に何が落ちた。
「光……」
優しく抱き締め返すと、光は、彼女の背中をさすった。まるで幼子を落ち着かせるように。
「俺は、生きてるから……それにあれは、過去の事……もう大丈夫……」
「うん」
「それに……あれは、俺のしたことだから……」
「でも刺したのは、私……」
「でも剣をはね除けず、刺されることを選んだのは、俺だから」
あの時剣を友美の手からはね除けることも出来た。しかし光は、あえてしなかった。それでは、友美を救えないと思ったからだ。
「だから友美は、悪くない」
何故刺された本人がこんなことを言えるのだろうか。それは、光の心が広いからだろうか。いや違う。なんとかく分かる。
友美は、困ったように笑う。
「光愛のためなら命なんて軽いものとか言わないわよね??」
「言うかな。だとしても生き残る算段があったらだが」
「……馬鹿」
友美は、そう言うと切なく笑った。
「お願いだから子供達を残して私のために死を選ばないで」
「友美……」
何故そう友美が言うのか光には、すぐに理解でした。
光は、困った顔をする。
「友美もそんなこと言わないでくれ」
「私は、だって……」
「世界を壊せるからって??」
「えぇ」
「だとしてもだ!! 友美もいなくなったら子供達は、悲しむよ。なんなら俺が何故守れなかったのか、神々から問い詰められ、その後蜂の巣にされる」
それこそ、体は、八つ裂きにされること間違いなしだ。
「……確かに」
「だから友美は、笑って」
光は、優しい声色で言うと、微笑む。つられて、友美も笑うと、光は、満足げだ。
「ねぇ光……」
「なに??」
「何であの記憶をみたのかしら……」
光は、しばらく考える。
「うーんまさか俺が怪我をしたからか……」
実は、昨日神子の役目で光は、怪我を負った。すぐに直せるものだったが、その事実を知り、友美は、顔を青ざめていた。恐怖から。
「だから……失うと思ってあの記憶を夢で観たんだろう……」
「なにそれ」
友美は、呆れた顔をする。
「光なら大丈夫って知ってるはずなのに……」
「そういう悲しい感情は、ふとしたときに出てくるからな。その事情から時がたとうと」
光は、そういうと、お茶をのむ。
「確かに」
友美は、納得すると布団に潜る。
「光その……」
「なに??」
布団で顔をかくすると友美は、いう。手を差し出しながら。
「手……繋いでくれる……??」
可愛い。可愛すぎて、今すぐに抱き締めたくなった。しかしそうなるの、友美に背負い投げをされそうなので光は、やめた。
頷くと、優しく手を繋ぐ。
「うん……」
「光良からぬ事を考えてるな……」
そして友美は、鋭い。光は、ビクッとすると、苦笑いを浮かべた。
「……惚れた弱みかな」
「なにそれ」
まぁそれは、自分も言えることかと友美は、思いつつ、も怪しいと光をみる。
「そんなこと言いつつ抱き締めたい!! とか思ってるのが光よね」
隣でこちらを向きながらも視線が泳いでる光。どうやら当たりらしい。
友美は、布団から起き上がると、枕を持ち、光の布団に潜った。
「友美!?」
「これでいいでしょう!!」
光を抱き締め友美は、言うと、繋いでいた手をほどいた。
「いいのか……??」
「ぎゅーしてるのに、手まで繋いでたら動けないもの」
光は、友美を力強く抱き締め言う。
「ありがとうー!!!!」
「えっ!!?? 光あつい!!」
くっつきすぎと手で押し返すが、光は、まったく隙間をあけるきがない。
友美は、溜め息をつく。
「可愛い~」
「……光たら」
「ふふふ」
光の機嫌がいいのならそれでいいだろう。目をつぶると心地よい眠気がやってきた。友美は、そのまま眠ると、優しい声が聞こえた。
「おやすみ」
自分が何を言ったか分からない。だがその声に返答したことは、分かる。
寝言でおやすみという友美に光は、微笑む。優しい眼差しで彼女をみながら。
目の前には、荒い息をし、自分を見てくる青年が。
このままでは、死んでしまう。そんな想いが頭を過った。
何故ここまでするの。そう思い、何か叫んだとき、目を覚ました。
頬から流れる涙に友美は、はっとした。
「夢……」
何故あの記憶をみたのか。体を起こすと、じわりと嫌な寝汗をかいていた。
隣をみると、何か寝言を言っている光が。
「……よかった」
本当に夢で。安堵の息を友美は、吐くと、枕元に置いてあったペットボトルに入ったお茶をのむ。
もし夢では、なく現実だったのならそれこそ、取り返しのつかないことになる。昔ならともかく今彼を想う大切な人が多くいるのだから。
自分の手を見るとまだ生ぬるい血の感覚が残っていた。
「……嫌な感覚ね」
友美は、立ち上がると、和室を出た。
キッチンに行き、手を洗うと冷たい水のお陰で、生ぬるい感覚が消えていった。
手を洗い終えるとタオルで拭き、リビングに。
「……」
このまま寝ようか。それとも汗を流そうか。そう考えながら、何気なくテラスを眺める。
あの記憶は、友美が暴走したおり、光が身をていし一か八かのかけの行動の物だ。
一面に広がる彼岸花と、静寂の闇の世界。黄泉まで来ること事態命懸けなのに、さらに命をかけるなんて本当に馬鹿な行動だろう。
しかしその馬鹿な行動のお陰で、友美は、正気を取り戻したのも事実だった。
あの時のことは、忘れたくても忘れられない。いくら時がたとうと。
「シャワー浴びてこよう」
友美は、そう呟くと、和室へ行き、着替え。持ち、風呂場に。
汗を流すと、少し気分は、スッキリした。汗を流し終え、和室へ戻ると、光が眠そうな顔し起きていた。
「……ゆみきて」
「え??」
「いいから」
掠れた声で言われ、友美は、光の所に行くと、彼に優しく抱き締められた。
「大丈夫……」
優しい声色に友美の心に何が落ちた。
「光……」
優しく抱き締め返すと、光は、彼女の背中をさすった。まるで幼子を落ち着かせるように。
「俺は、生きてるから……それにあれは、過去の事……もう大丈夫……」
「うん」
「それに……あれは、俺のしたことだから……」
「でも刺したのは、私……」
「でも剣をはね除けず、刺されることを選んだのは、俺だから」
あの時剣を友美の手からはね除けることも出来た。しかし光は、あえてしなかった。それでは、友美を救えないと思ったからだ。
「だから友美は、悪くない」
何故刺された本人がこんなことを言えるのだろうか。それは、光の心が広いからだろうか。いや違う。なんとかく分かる。
友美は、困ったように笑う。
「光愛のためなら命なんて軽いものとか言わないわよね??」
「言うかな。だとしても生き残る算段があったらだが」
「……馬鹿」
友美は、そう言うと切なく笑った。
「お願いだから子供達を残して私のために死を選ばないで」
「友美……」
何故そう友美が言うのか光には、すぐに理解でした。
光は、困った顔をする。
「友美もそんなこと言わないでくれ」
「私は、だって……」
「世界を壊せるからって??」
「えぇ」
「だとしてもだ!! 友美もいなくなったら子供達は、悲しむよ。なんなら俺が何故守れなかったのか、神々から問い詰められ、その後蜂の巣にされる」
それこそ、体は、八つ裂きにされること間違いなしだ。
「……確かに」
「だから友美は、笑って」
光は、優しい声色で言うと、微笑む。つられて、友美も笑うと、光は、満足げだ。
「ねぇ光……」
「なに??」
「何であの記憶をみたのかしら……」
光は、しばらく考える。
「うーんまさか俺が怪我をしたからか……」
実は、昨日神子の役目で光は、怪我を負った。すぐに直せるものだったが、その事実を知り、友美は、顔を青ざめていた。恐怖から。
「だから……失うと思ってあの記憶を夢で観たんだろう……」
「なにそれ」
友美は、呆れた顔をする。
「光なら大丈夫って知ってるはずなのに……」
「そういう悲しい感情は、ふとしたときに出てくるからな。その事情から時がたとうと」
光は、そういうと、お茶をのむ。
「確かに」
友美は、納得すると布団に潜る。
「光その……」
「なに??」
布団で顔をかくすると友美は、いう。手を差し出しながら。
「手……繋いでくれる……??」
可愛い。可愛すぎて、今すぐに抱き締めたくなった。しかしそうなるの、友美に背負い投げをされそうなので光は、やめた。
頷くと、優しく手を繋ぐ。
「うん……」
「光良からぬ事を考えてるな……」
そして友美は、鋭い。光は、ビクッとすると、苦笑いを浮かべた。
「……惚れた弱みかな」
「なにそれ」
まぁそれは、自分も言えることかと友美は、思いつつ、も怪しいと光をみる。
「そんなこと言いつつ抱き締めたい!! とか思ってるのが光よね」
隣でこちらを向きながらも視線が泳いでる光。どうやら当たりらしい。
友美は、布団から起き上がると、枕を持ち、光の布団に潜った。
「友美!?」
「これでいいでしょう!!」
光を抱き締め友美は、言うと、繋いでいた手をほどいた。
「いいのか……??」
「ぎゅーしてるのに、手まで繋いでたら動けないもの」
光は、友美を力強く抱き締め言う。
「ありがとうー!!!!」
「えっ!!?? 光あつい!!」
くっつきすぎと手で押し返すが、光は、まったく隙間をあけるきがない。
友美は、溜め息をつく。
「可愛い~」
「……光たら」
「ふふふ」
光の機嫌がいいのならそれでいいだろう。目をつぶると心地よい眠気がやってきた。友美は、そのまま眠ると、優しい声が聞こえた。
「おやすみ」
自分が何を言ったか分からない。だがその声に返答したことは、分かる。
寝言でおやすみという友美に光は、微笑む。優しい眼差しで彼女をみながら。