光明ノ神子

 薬草のツーンとした香りが店に広がる。白野威は、座敷に座っている婦人に白野威は、話しかけた。
「勇音の認めてるところねぇー」
 華澄は、楽しげに笑うといった。
「純粋で真面目なところよ。それに可愛い」 
 華澄らしい答えに白野威は、微笑む。
「やっぱりー」
「あら白野威様分かってました??」
「分かるよ。華澄大切にしてるの分かるもん」
 華澄は、普段から勇音の事を気にかけ、可愛がっている。
 華澄は、少し困った顔をするといった。
「こう誰かに騙されそうな気がしてねぇ……」
「騙されそう??」
「ほら。人の言うことすぐ信じちゃうから」
 そんなことあっただろうかと、白野威は、思ったがそういえばとあることを思い出していた。
「……珈琲が肥料になるとかいうやつ??」
「そうそう。確かに肥料には、なるけど、そのまま珈琲まいちゃって薬草が育たないと嘆いてたからねぇ」
 あれは、珈琲の粉の話であって、だした珈琲では、ない。しかし勇音は、律儀に珈琲を何時もだしたあと、液体の方をまいていた。肥料にと。
「それ出がらしの方……」
「そう。だから少し心配になるのさ。今は、とりあえず調べるって行程を挟むようになったから、ましだけど」
 あのときの顔を真っ赤にした勇音は、可愛かったが、それでもこれは、少しばかり問題だ。
「あはは……」
 店の置くから何か雪崩れる音が聞こえ、白野威と華澄は、慌てて様子を見に言った。
「勇音……夢中になるのは、いいが……周りを見ろ……」
 勇音を、庇うように燕青が彼女の上に覆い被さっていた。呆れたかおをし。
「ありがとう……だって探してたものがみつかったから……」
 勇音は、そういうと彼の下からどき、箱を近くの戸棚に置いた。
「せっかくの薬の材料が……」
「気にするところそこかよ……」
「大切だもの!! 全てレアもの!!」 
 白野威は、呆れた顔をし勇音と燕青をみていた。
「こりゃ……」
「心配になるでしょう?? まぁ勇音らしいんだけど」
 華澄は、優しく笑っていたが、白野威は、困った顔をしていた。
「華澄は、保護者だね。勇音の」
「そうだね」
 燕青に少しは、周りを見ろと言われながら、片付けをする勇音。神子としては、しっかりしていても私生活は、けっこう抜けていたり、天然な所があるのかもしれない。
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