光明ノ神子

 白野威は、のんびりと日向ぼっこを和室でしていると、何かが隣に来た。
 目を開け、みてみると、紅蓮が隣にいた。
「話は、聞いた。いま神子の事について話を聞いてると」
 白野威は、あくびをすると言う。
「聞いてるよ。どこが気に入ってるか、認めてるかって」
 どうやら残り、三柱となり、皆から噂を聞きつけやってきたようだ。
「で紅蓮楸のどこを認めてるのさ」
 紅蓮は、燃える羽を一瞬広げると言った。
「諦めの悪さ」
「え!? 日頃からアホだの言ってるのに!?」
 紅蓮は、ばつが悪そうな顔をし言った。
「間違いなく楸は、アホだ。だが、他の神子に比べればひよっこ。認められところなどそれくらいしかない」
「なら神子解任すればいいじゃん」
 神子は、解任されたところで、人に戻るだけ。だが紅蓮は、そうしていないのである。
 すこしばかり天の邪鬼の荒神に、白野威は、他に理由があるなと思った。
「まさか律儀で、きっちり、約束は、守り、なおかつ親しみやすいからとかだったり」
 紅蓮は、体をビクッとさせた。どうやら図星らしい。
「相変わらずツンデレというか天の邪鬼」
 紅蓮は、なにかいいたげに白野威を見る。
「視線で語らず言葉で話せ!!」
「ふん……まったく天照の方が親しみやすい」
「天照は、おとなしいからねぇー。そんなに私が嫌なら高天ヶ原帰って、天照ささえてやれ」
「それは、嫌だ。あんなところ帰るか」
 本当に素直じゃない。だから楸にも色々勘違いされているのに。
「楸よく紅蓮を見捨てないねぇー」
「あいつは、分かるからな。言葉の真意が」
 分からずによく光に相談しているところを白野威は、よくみている。
 よく自信をもって言えるなと思いつつ呆れた顔をしていた。
「紅蓮様いた」
 楸が姿を見せ、和室にやってきた。
「楸どうしたのさ」
「白野威紅蓮に頼まれてたものが届いたから知らせに来たんだ」
 紅蓮は、楸の頭に飛び乗る。
「そうか」
「また頭に……分かりました。連れていきます」
 楸は、ため息をつくと、紅蓮を頭にのせ、去っていった。
「何時も重そうだよなぁー楸」
 もし光に同じことをやったらこてんぱんに怒られご飯抜きと言われるだろう。
「楸優しいよねぇ」
 白野威は、そういうと、紅蓮のわがままになんやかんや付き合っている楸が紅蓮の執事に見えてきた。
「優しいしたぶん恋愛としては、優良物件」
 白野威は、そう呟くと、また、昼寝を始めた。
 紅蓮と楸は、わがままな子供とその執事と思いながら。
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