光がはれ、白野威はのどかな農村にやってきた。
「まさか燕青のやつ異界に居るなんて」
　狼の姿で野をかけ、白野威は、地元民と仲良くはなす燕青を見つけた。　
　肩に乗った猿に白野威は、念を飛ばすと、猿は、燕青の肩から降り、やってきた。
「まさか白野威様が来るなんて」
「すこし聞きたいことがあるのさ」
　わざわざ異界にきて、なんなのかと桜花は、思った。
「燕青の何処がお気に入り」
　桜花は、自慢げに言う。
「明るいところだね！！」
「おっ。やっとまともな意見がでた」
「どういうこと？？」
「気にしないで」
　桜花が首をかしげるなか、白野威は、何故他の奴らは、変な言い方をするのかと思っていた。
「神子が変人やら神も似たようなものか」
「……まぁそれは、あり得るね」
　白野威と桜花互いに頷く。
「で燕青のやっぱり何時でも明るかったり、楽観的なところがいいわけ？？」
　白野威は、桜花に聞くと、桜花は、頷いた。
「そう。後は、一生懸命なところかな。燕青なんにでも全力だからさー」
　彼は、恋の道もそして神子としても全力だ。たとえ術が使えなくても。
「でも力任せなところがなぁー」
「あー」
「術使えたらねぇー」
「……不器用すぎて、繊細なコントロール出来ないもんなぁー」
「そうそう。あれで弓道をやってたなんて誰も信じないよねー」
　実は、燕青は、学生の頃弓道を長年やっており、なかなかいい成績を残している。
「信じないよ。光の方が上手いしね」
「水郷ノ神子と比べちゃダメ」
「そっか」
　燕青は、白野威を見つけ、驚いた顔をするが、桜花と楽しそうにはなしているのを見て、微笑むと、地元民と別れ、歩き出す。
「よっ！！　白野威！！」
　燕青の声が聞こえ、白野威は、彼のほうを見た。相変わらず太陽のような笑みに、あいつは、何処でも変わらないと思った。
「燕青」
「なんだ？？　友美に怒られたか？？」
「違うつうの。友美から燕青見張ってこいって言われたから来たんだ」
　燕青が顔を青ざめるのが面白く、ついついからかってしまう。
「白野威様いじめは、よくない！！」
「ごめんって桜花」
　白野威は、苦笑いをすると、立ち上がった。
「じゃ私帰るから」
「友美に宜しくな」
「分かったよ」
　燕青にそういい、桜花に白野威は、挨拶をすると、その場を離れた。
「燕青の明るさら、神すらも魅力するか」
　彼の明るさが、桜花を魅力し、そして皆も和ませる。そういうやつこそ、幸せになってほしい。
　白野威は、そう思いながら、帰路に着いたのであった。