光明ノ神子
レトロなオレンジ色の灯りが部屋をてらす書物室。
友美は、何気なく、読む本を探していた。
「なにこれ……」
見慣れない本を見つけ、手に取ると、中をみた。
「これ……」
いったい誰がこの本をここへ持ってきたのだろうか。
友美は、本を手に持ったまた、書物室を後にし、リビングに。
「瑠花!!」
ある人物の名を呼ぶと、目の前に不機嫌な顔をし、友美と瓜二つの娘が現れる。
「掃除中にいきなりよぶとは、なにようか!!」
友美は、本を瑠花に見せると、瑠花は、顔色を変えた。
「これがうちにあったから、瑠花が持ってきたのかと思って」
瑠花は、つけていた頭巾をはずすと言った。
「忘れておった……」
「瑠花にしては、珍しい」
友美は、本を瑠花に渡すと、瑠花は、表紙を見て呟く。
「モアに貸さぬようにな」
友美は、瑠花の行動がふにおちた。
「……あの桃の枝」
「さよう」
瑠花は、溜め息をつくと、座布団の上に座る。
「友美少し休んでもよいか??」
「そりゃもちろん!!」
瑠花は、どこか疲れているように見える。友美は、お茶とクッキーを出すと、瑠花は、礼をいい食べ出した。
「何故あんなきてれつなものを……」
「モアいわく、黄泉に対する対抗策……だって……」
瑠花は、あきれた顔をすると、言った。
「その考えは、よいと思う。じゃが……あの人工知能は、要らぬであろう!!??」
友美も同じ考えたが、モアいわく、その場に適応するには、要るとのことだった。
「瑠花……諦めよう……」
遠い眼差しをしている友美に、瑠花は、なにかを察した。
「そうじゃな」
「その……虚空ノ宮で大暴れしたの?? あの枝」
「……そうじゃ。サンバのリズムと共にな」
友美は、想像してしまった。あの鮮やかな羽をつけ、サンバを踊る桃の枝を。
「瑠花それあかんやつ!!」
「友美笑いをこらえなくてよいぞ」
笑いをこらえている友美に、瑠花は、言うと、更に続けた。
「あれは、もう五月蝿くて燃やしが……今度は、リンボーダンスを火の中で踊っておった……それをみて諦めて、遠くに投げ飛ばしたわ……」
「桃の枝最強」
更にキテレツさに磨きがかかってしまっている。
「でこの書物をここに隠し、モアが来たときに無いと伝えたのじゃ」
ここまで桃の枝を改造するモアが次に狙うとすると、神子達の力を桃の枝に使わせようとすることだろう。
「確かに……あの桃の枝に神子の力なんて、合体したら大変なことになるわ……」
瑠花は、黙って頷くと書物を見た。
「この書物には、ここ神子の大まかな能力が記されておるからな。詳細が分からなくとも、モアなら仮説をたて、構築することは、容易いであろう」
「確かに」
友美は、書物を手に取ると、なかを見る。そしてふしんなページを見つけた。
「全部黒塗り!!??」
不自然に黒塗りにされたページ。友美は、もっと詳しく読むことにしたが、読み進めるうちに、更に眉間にシワを寄せた。
「これ……」
「光明ノ神子のページか」
瑠花は、落ち着いた声色で話した。
「光明ノ神子は、そもそも選定基準から他の神子とは、違う。その書物を見たものが、悪用せぬように、黒塗りにしたのじゃ」
この口ぶりからして、この書物を編成したのは、瑠花のようだ。
友美は、不思議そうにそのページを眺めて言う。
「選定の基準って……まさか血筋が関係してる??」
「いや」
瑠花は、クッキーを食べると言う。
「血筋というより、魂のあり方であろうな。いくら天照と仲良くなったとしてもその魂のあり方によっては、神子には、選定されぬ」
「魂のあり方……」
友美は、脳内に光を思い浮かべた。
「まさか……光がそれ!!??」
「何故光が出てくるのじゃ」
「だって前向き、純粋無垢!! 諦めない!! もうこれでしょう!?」
瑠花は、確かにと納得してしまった。
「あと執念深さかもしれぬな」
「それ諦めの悪さというか逆境に抗うって言った方が……」
「どちらにせよそうだとは、私は、思っておる」
しかしこれだと色々辻褄が合っていないところもある。
「うーんそれだけじゃない気もする……」
「あくまでもわたくしの仮説じゃ。天照に聞かねば分からぬ」
白野威に聞くにも今は、不在だ。
友美は、まぁいいかと思いながら、お茶を飲んだ。
「結局神との絆ってことでしょう??」
「そうなるな。結局は」
先代そして当代の神子達のことを思い浮かべながら、二人は、話をする。
「皆不思議な縁で神と出会い交流し、つかいとして神子に選定されておる。それも逆境に抗う力を求めたときにな」
「燕青と夏音は、違うけどね……」
「あやつらは、特例じゃ」
本当に何故神子になったのか不明な男。それが燕青だ。
以前に友美は、興味本位で何故神子になったのか、聞いたが、その時燕青は、桜花を助けたら、お礼にと誘われ引き受けたらしい。
「本当に不思議」
「光もそうとう不思議だがな」
「惚れた相手を助けるため、自分の命を守るために、全てを差し出すからだもんね……」
「ほんにあやつのようなものも滅多におらぬ」
瑠花と友美は、そんな話をしていたとき、リビングのドアが開いた。
「ただいま……」
恐る恐る何故か入ってくる光に友美は、なにかを感じた。
「光ーなに隠してるのかな??」
瑠花が首をかしげるなか、友美は、光こ前にたつ。
「……怒らない??」
「内容による」
光は、背後に隠していた物を友美に見せた。
「シロクマのぬいぐるみ……」
「可愛くて……買ってしまったんだ……」
友美は、思わず笑った。あんなにも挙動不審なら後ろめたいことをしたのだとおもったからだ。
「友美お願い!! 他のぬいぐるみを捨てるとかしないで!!」
「整理しろとは、言ってるけど、私捨てたことは、無いわよ」
「確かに……」
友美は、光の手からぬいぐるみを取ると、それをリビングの空いている棚に乗せた。
「瑠花可愛くない??」
「いいと思うぞ」
光は、ほっとした顔をすると、微笑む。
「ありがとう友美!!」
友美が優しく微笑むと、光は、和室へと入っていった。
「今日は、はやくないかえ??」
「はやく仕事終わったから帰ってきたんだと思うわ」
友美は、座るとまたお茶を飲んだ。
「さようか。では、わたくしは、失礼する」
「分かったわ。ありがとう瑠花」
瑠花は、笑うと、姿を消した。
「友美」
「光どうしたの??」
着替えて出てきた光に友美は、問うと、光は、微笑む。
「ただ呼んだだけだ」
そして友美の隣に座ると彼女の頭になにかをつけた。
「光悪戯??」
「悪戯というより贈り物」
友美は、近くにあった鏡で後頭部を確認すると、可愛らしいバレッタがつけられていた。
「桜のバレッタ」
「すごく似合うと思って。やっぱり似合ってる」
「ありがとう」
友美は、嬉しそうに笑うとふと思う。
そういえば人の幸せを喜べるって言うのも当てはまるのかもと。
「友美??」
「なにもないわ」
友美は、微笑むと光の頬に口付けをした。確かに彼なら選ばれる理由が分かる。本当に素敵だからだ。
光が嬉しそうに笑い、お返しに口付けをしてこようとしたのを、友美は、避けた。
「友美!?」
「さてと調べ物してくるわね」
「えっ!!??」
友美は、そういうとリビングを出ていった悪戯っ子の笑みを浮かべながら。
友美は、何気なく、読む本を探していた。
「なにこれ……」
見慣れない本を見つけ、手に取ると、中をみた。
「これ……」
いったい誰がこの本をここへ持ってきたのだろうか。
友美は、本を手に持ったまた、書物室を後にし、リビングに。
「瑠花!!」
ある人物の名を呼ぶと、目の前に不機嫌な顔をし、友美と瓜二つの娘が現れる。
「掃除中にいきなりよぶとは、なにようか!!」
友美は、本を瑠花に見せると、瑠花は、顔色を変えた。
「これがうちにあったから、瑠花が持ってきたのかと思って」
瑠花は、つけていた頭巾をはずすと言った。
「忘れておった……」
「瑠花にしては、珍しい」
友美は、本を瑠花に渡すと、瑠花は、表紙を見て呟く。
「モアに貸さぬようにな」
友美は、瑠花の行動がふにおちた。
「……あの桃の枝」
「さよう」
瑠花は、溜め息をつくと、座布団の上に座る。
「友美少し休んでもよいか??」
「そりゃもちろん!!」
瑠花は、どこか疲れているように見える。友美は、お茶とクッキーを出すと、瑠花は、礼をいい食べ出した。
「何故あんなきてれつなものを……」
「モアいわく、黄泉に対する対抗策……だって……」
瑠花は、あきれた顔をすると、言った。
「その考えは、よいと思う。じゃが……あの人工知能は、要らぬであろう!!??」
友美も同じ考えたが、モアいわく、その場に適応するには、要るとのことだった。
「瑠花……諦めよう……」
遠い眼差しをしている友美に、瑠花は、なにかを察した。
「そうじゃな」
「その……虚空ノ宮で大暴れしたの?? あの枝」
「……そうじゃ。サンバのリズムと共にな」
友美は、想像してしまった。あの鮮やかな羽をつけ、サンバを踊る桃の枝を。
「瑠花それあかんやつ!!」
「友美笑いをこらえなくてよいぞ」
笑いをこらえている友美に、瑠花は、言うと、更に続けた。
「あれは、もう五月蝿くて燃やしが……今度は、リンボーダンスを火の中で踊っておった……それをみて諦めて、遠くに投げ飛ばしたわ……」
「桃の枝最強」
更にキテレツさに磨きがかかってしまっている。
「でこの書物をここに隠し、モアが来たときに無いと伝えたのじゃ」
ここまで桃の枝を改造するモアが次に狙うとすると、神子達の力を桃の枝に使わせようとすることだろう。
「確かに……あの桃の枝に神子の力なんて、合体したら大変なことになるわ……」
瑠花は、黙って頷くと書物を見た。
「この書物には、ここ神子の大まかな能力が記されておるからな。詳細が分からなくとも、モアなら仮説をたて、構築することは、容易いであろう」
「確かに」
友美は、書物を手に取ると、なかを見る。そしてふしんなページを見つけた。
「全部黒塗り!!??」
不自然に黒塗りにされたページ。友美は、もっと詳しく読むことにしたが、読み進めるうちに、更に眉間にシワを寄せた。
「これ……」
「光明ノ神子のページか」
瑠花は、落ち着いた声色で話した。
「光明ノ神子は、そもそも選定基準から他の神子とは、違う。その書物を見たものが、悪用せぬように、黒塗りにしたのじゃ」
この口ぶりからして、この書物を編成したのは、瑠花のようだ。
友美は、不思議そうにそのページを眺めて言う。
「選定の基準って……まさか血筋が関係してる??」
「いや」
瑠花は、クッキーを食べると言う。
「血筋というより、魂のあり方であろうな。いくら天照と仲良くなったとしてもその魂のあり方によっては、神子には、選定されぬ」
「魂のあり方……」
友美は、脳内に光を思い浮かべた。
「まさか……光がそれ!!??」
「何故光が出てくるのじゃ」
「だって前向き、純粋無垢!! 諦めない!! もうこれでしょう!?」
瑠花は、確かにと納得してしまった。
「あと執念深さかもしれぬな」
「それ諦めの悪さというか逆境に抗うって言った方が……」
「どちらにせよそうだとは、私は、思っておる」
しかしこれだと色々辻褄が合っていないところもある。
「うーんそれだけじゃない気もする……」
「あくまでもわたくしの仮説じゃ。天照に聞かねば分からぬ」
白野威に聞くにも今は、不在だ。
友美は、まぁいいかと思いながら、お茶を飲んだ。
「結局神との絆ってことでしょう??」
「そうなるな。結局は」
先代そして当代の神子達のことを思い浮かべながら、二人は、話をする。
「皆不思議な縁で神と出会い交流し、つかいとして神子に選定されておる。それも逆境に抗う力を求めたときにな」
「燕青と夏音は、違うけどね……」
「あやつらは、特例じゃ」
本当に何故神子になったのか不明な男。それが燕青だ。
以前に友美は、興味本位で何故神子になったのか、聞いたが、その時燕青は、桜花を助けたら、お礼にと誘われ引き受けたらしい。
「本当に不思議」
「光もそうとう不思議だがな」
「惚れた相手を助けるため、自分の命を守るために、全てを差し出すからだもんね……」
「ほんにあやつのようなものも滅多におらぬ」
瑠花と友美は、そんな話をしていたとき、リビングのドアが開いた。
「ただいま……」
恐る恐る何故か入ってくる光に友美は、なにかを感じた。
「光ーなに隠してるのかな??」
瑠花が首をかしげるなか、友美は、光こ前にたつ。
「……怒らない??」
「内容による」
光は、背後に隠していた物を友美に見せた。
「シロクマのぬいぐるみ……」
「可愛くて……買ってしまったんだ……」
友美は、思わず笑った。あんなにも挙動不審なら後ろめたいことをしたのだとおもったからだ。
「友美お願い!! 他のぬいぐるみを捨てるとかしないで!!」
「整理しろとは、言ってるけど、私捨てたことは、無いわよ」
「確かに……」
友美は、光の手からぬいぐるみを取ると、それをリビングの空いている棚に乗せた。
「瑠花可愛くない??」
「いいと思うぞ」
光は、ほっとした顔をすると、微笑む。
「ありがとう友美!!」
友美が優しく微笑むと、光は、和室へと入っていった。
「今日は、はやくないかえ??」
「はやく仕事終わったから帰ってきたんだと思うわ」
友美は、座るとまたお茶を飲んだ。
「さようか。では、わたくしは、失礼する」
「分かったわ。ありがとう瑠花」
瑠花は、笑うと、姿を消した。
「友美」
「光どうしたの??」
着替えて出てきた光に友美は、問うと、光は、微笑む。
「ただ呼んだだけだ」
そして友美の隣に座ると彼女の頭になにかをつけた。
「光悪戯??」
「悪戯というより贈り物」
友美は、近くにあった鏡で後頭部を確認すると、可愛らしいバレッタがつけられていた。
「桜のバレッタ」
「すごく似合うと思って。やっぱり似合ってる」
「ありがとう」
友美は、嬉しそうに笑うとふと思う。
そういえば人の幸せを喜べるって言うのも当てはまるのかもと。
「友美??」
「なにもないわ」
友美は、微笑むと光の頬に口付けをした。確かに彼なら選ばれる理由が分かる。本当に素敵だからだ。
光が嬉しそうに笑い、お返しに口付けをしてこようとしたのを、友美は、避けた。
「友美!?」
「さてと調べ物してくるわね」
「えっ!!??」
友美は、そういうとリビングを出ていった悪戯っ子の笑みを浮かべながら。