光明ノ神子

 本日は、愛妻の日だ。
「キター!!!! 愛妻の日!!」
 気合いをいれ、なにをするか光は、考えていたが、このとき、友美につめたい声色で言われた。
「五月蝿い。なにもしなくていい」 
 光は、雷に撃たれたような衝撃を受け、カレンダーの前に立ち尽くしてしまった。
「お父さん当たって砕けろだよ!!」
 螢にそんなことを言われ、光は、言った。
「お父さん……当たってないのに……砕かれたんだよ……」 
 毎年色々やりすぎた結果とも言える。
 光は、溜め息をつくと、友美の方をみた。
「今日も可愛いし……綺麗だな……」
 ダメだなにか、やりたくなってきた。
 光は、ここどへこたれるかと、鞄を持つと、どこかに出かけた。
「光のやつ仕事から凄い早く帰ってきたと思ったらまた出ていった」
「白野威あれは買い物に行ったのよ」
「買い物!?」
「私は、何時もどうりに過ごせたらそれでいいのに……光のバカ……」
 記念日やイベントは、盛大にやりたい光とそうでない友美。
 夫婦は、似た者同士というが、この夫婦は、ここは、すれ違いが起きているようだ。
「友美喧嘩しないでよ??」
「しないわよ。それに……私がなに言っても光は、やるもの。好きなようにさせるわよ。光楽しそうだしね」
 友美は、目を細める。その光景をみて、白野威は、思う。
 すれ違いというより、相手の幸せを願っていると。
「友美ってなんやかんや優しいよねー」
「そんなことないわよ!! それに駄目って凄くいったら、光開き直ってウェディングケーキなみのケーキ作り出しちゃうし……」
 笑顔で愛してると言いながら、ケーキを出してきそうである。
 よういに想像が出来、白野威は、苦笑いを浮かべた。
「光ならやる」
「でしょう!! なら私がのってあげる方がいいのよ。でも凄く楽しみにしてるのを、悟らしては、駄目なの」
「光が暴走するからか」
「そう!! それこそ、家中飾りだらけになるわ」
 だからこそ、友美は、何時も言う。余計なことは、しなくていいと。
「さてと」
 友美は、立ち上がると、和室へ。
「友美どっかいくの??」
「少しね」
 友美は、螢をつれ、出かけた。
 そして帰宅すると、光がなにやら、リビングでしていた。
「光??」
「友美!! 何時もありがとう!!」
 差し出されたのは、花束。
 友美は、受け取ると、微笑む。
「なるほど」
「どうした??」
「なにもないわ。ありがとう光!!」
 華やかでそれでいて、友美が喜ぶもの。それは、花束だったりする。
 友美は、さすが光と思いつつ、彼女も買ってきたものを渡した。
「私からも愛妻の日だけど、反対もありかなって」
 友美が差し出したのは、近くのパティスリーの焼き菓子の詰め合わせだった。
 光は、瞳を煌めかせる。
「ありがとう!! ならさっそくお茶にしよう!!」
「光晩御飯は!?」
「別腹だから問題なし!!」
 お茶の準備を始めた光に友美は、苦笑いを浮かべた。
「友美もどう??」
「なら一緒するわ」
「オッケー!!」
 少し夕飯までも時間は、ある。なんとかなるだろう。
 楽しげにお茶の準備をしだす光。友美は、こんな愛妻の日も言いかなと思いながら、彼からもらった花束をいけた。
「お母さん僕も食べていいかな??」
「言いと思うけど、お父さんに聞いてきてね」
「はーい!!」
 螢がキッチンにいき、光に一緒にお菓子を食べて言いか、聞くなか、友美は、微笑む。こういう日々が幸せで愛おしいと思いながら。
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