地獄の傀儡師と悪魔の契約
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高遠遥一……彼は殺人鬼と言われている……彼の心の奥にはもう一人の自分がいて、そいつは常に彼を苦しめているのだ。(殺したい!)と。そんな時、彼は人を殺す事でその衝動を消す事ができる。それがたとえどんな悪人でもだ。彼が殺しに手を貸したいと願う人間は皆、自分と同じ苦しみを抱えているからなのだ。だから彼は殺す事に躊躇しない。地獄の傀儡師として……だが、それはあくまで表の顔でしかない。本当の彼はとても弱い存在なのだ。だから彼はいつも孤独を感じていて誰かに愛されたいと切実に思っている。しかし、彼には誰一人として愛する事ができない。なぜなら彼にとって他人は全て敵であり、自分に害をなす者だとしか考えられないからである。昔はそうではなく、彼でもたった一人愛していた者がいた、、それが母親の近宮玲子だった……母親のマジックに魅せられ、自分も母親のようなマジシャンになると思っていた。このマジックをしている時は母は笑ってくれたし、誉めてくれたりもした。その時だけは幸せを感じる事が出来た。しかしその夢はある日突然潰えてしまった。母の事故死によって。だがそれは事故死ではなく、母親の弟子たちが殺したのだ。それを高遠は知っている。母親は弟子達を止めて欲しかったのだろうけど、彼は誓ったのだ。必ず復讐してやる!!と。それからというもの彼は殺人術を学び始めた。やがて彼は殺人の才能があるという事を自覚するようになる。その頃から彼は殺人に対して何とも言えない快感を覚えるようになった。最初は小さな快楽だったが、次第に大きなものになっていった。そしてついに彼は一線を越えてしまう事になる。連続殺人事件を起こしてしまったのだ。それも一度や二度じゃない。何人も何十人も何百人も殺した。そしていつしか彼はこう呼ばれるようになっていた、『地獄の傀儡師』と
高遠はアジトの隠し部屋にいた。その部屋には高遠の母親、近宮玲子のポスターや写真が異常なまでにはってあった……まるで自分の恋人の写真を見つめるかのように。「私だって本当はこんな事はしたくなかったんだよ」高遠は自分の両手を見ながら言った、「だけどね、仕方ないじゃないか、あいつらがお母さんを……」「私はただ母さんのようにみんなの前でショーをしてみたかっただけなのになあ、、どうしてあんな事になってしまったんだろう?」高遠の目からは涙が流れ落ちていた。「ああ、そうだ、あなたが生きていたら、きっと今頃は違う人生を送っていたに違いないよ。こんな殺人鬼にならなかったかも……ねえ、母さん?そうなんでしょう?」返事はない。当たり前である。もう彼女はいないのだから。「ごめんなさい、母さん、僕はあなたとの約束を守る事ができなかった」高遠は泣きながら呟いていた。「僕を許してください。お願いですから許してください。母さん!!」「でももし許されるならもう一度だけでいいからあなたの笑顔を見たかったですよ」高遠はそういうと静かに涙を流した……すると急に目の前に何かが現れた。高遠が殺人を犯す時に着ている地獄の傀儡師の服を纏っていたが、なんと浮いてたのである。「何物だ!?あなたは一体誰なんだ!何故その服を着ているんだ!」高遠は叫んだ。「フッフッフッフッ、私が誰か知りたいか?」謎の人物は笑った。「教えてくれないか?あなたはいったい誰なんだ?なぜ僕の前に姿を現したのか?」「簡単な話だよ、君があまりにも可哀想だからさ」「私の為だとでも言うんですか?ふざけるのは止めてもらいましょう」「別にふざてはいないよ。本当なのだから」「嘘をつくんじゃありません!そんなはずがないでしょう」「まあいい、それより君に良いことをお知らせしたいんだ」「悪いがそんな気分ではありませんね」「あらそうか残念君の願いが叶うっていうのに」「私の願いがですか?」「そう、君の望みが叶えられるのに君は興味が無いと言うのかい?」「どういう意味なのかわかりませんが」「君は殺された母親を甦らせたいんだろう?だったら私に任せれば可能だというのに、それでも協力しないつもりかね?」「そんな事ができるわけがないだろう!死んだ人間を生き返らせるなんて出来る訳が、、」「じゃあ聞くが、君は母親の死を受け入れて前に進めるのかな?」(無理に決まっている)高遠はそう思った。だが口には出さなかった。「どうせハッタリに決まっています」「出来るさ、だって私は悪魔なのだから、、」「えっ、、悪魔だって?」「信じられないという顔つきをしているな、ならば証拠を見せてあげよう、ただし条件があるがね」「契約したら本当に甦らせてくれるのですね?」「もちろんだとも、但しそれなりの代償を払ってもらう」「どんなものでも構いません……お母さんにもう一度会えるのなら」高遠は覚悟を決めたように言った。「よろしい、では始めようか」「母親の何か物は持っているのだろう?」高遠は母親の近宮が愛用していたマジック用の道具一式を取り出して見せた。「これだけで足りますか?」悪魔は満足げな顔をしてうなずいた。「十分過ぎる程だ、だが生き返らせる体自体はないから霊体として甦らせる事になるが構わないな?」高遠はうなずくしかなかった。悪魔は高遠の胸元に手を当てて呪文のようなものを唱え始めた。すると高遠の周りに魔法陣が現れ光り輝いている。そして悪魔が高遠から手を離すと、そこには一人の女性がいた。それは紛れもない高遠の母親、近宮玲子だった。「母さん、、」高遠は涙を流しながら母親を見つめていた。玲子も高遠の姿を確認するなり駆け寄って抱きついたが、幽霊のようにすり抜けてしまった。「母さん、、ごめんなさい、、僕は母さんとの約束を守る事が出来なかった」高遠は泣いていた。玲子は何も言わずにただ黙っていた。「母さん、僕を許してください、お願いします、、」高遠は土下座をして謝り続けた。「僕はそれだけじゃなくて母さんを殺した奴らに復讐した以外にも何人も何十人も何百人も殺したんだ。僕は殺人鬼になってしまったんだよ。母さん、僕はもう母さんの息子じゃない。殺人鬼なんだ、、」高遠は泣きながら告白をした。「遥一、あなたは私の自慢の息子である事に変わりはありません。それに私は死んでしまったけれどこうしてまた会う事が出来たのだから」「でも僕のせいで母さんの魂がこんな所に縛られてしまっているじゃないか」「大丈夫ですよ」高遠の目からは涙が溢れていた。「母さん、、ありがとう、、」「いいんですよ、私はずっとあなたと一緒にいるわ、これからは私があなたを守ってあげるから」「うん、母さん、、」「よかったね。母親と再開出来て」悪魔は高遠を祝福するように微笑んでいた。「ところで君の名前は何というんだ?」高遠は悪魔に尋ねた。「名前?そんなものは必要無いよ」「でも名前がないと不便だろう」「そうだね、じゃあ君がつけてくれたまえよ」「私がですか?」「ああ、君がつけた名前でいいよ」高遠は少し考えてから答えた。「じゃあ、『地獄の傀儡子』というのはどうでしょうか?私が殺人鬼として名乗っている『地獄の傀儡師』の名前をもじってつけてみたのですが」「フッフッフッフッまぁ、いいよそれで」「気に入って頂けたようで良かったです」「じゃあ私はそろそろ行くよ、楽しかった」「こちらこそ、いろいろお世話になりました」「じゃあな、高遠遙一。」悪魔は姿を消した。
それから数日経ち母親の霊体と暮らしていたある日の事である。「お母さん?!なんか、、薄くなっているような気がするんだけど、、」「そうかしら、、気のせいだと思うわ」「でもなんか違うような気がするんだけどなあ」高遠は母親の霊体が薄れているのを感じていた。――ー(絶対変だ……まさか?!)高遠が一人で考えていると『それは代償だよ』突然どこからか声が聞こえてきた。「お前は!?地獄の傀儡子!?」「ご名答、よくわかったね」「一体どういう事なんだ!?代償ってまさか!?」「母親はもうすぐあの世に戻る事になるのさ」「そんな、待ってくれ!せっかく会えたというのに!」高遠は泣きそうな声で言った。すると玲子が高遠に近づいてきた。そして高遠を抱きしめるように手を回した「お母さん!!僕嫌だよ!!せっかく会えたのにもうお別れなんて!!」高遠は泣き叫んでいた。「泣かないで、遙一」玲子は優しく語りかけた。「そうか……そんなに母親にこの世にいて欲しいのか?」地獄の傀儡子は高遠に尋ねた。「当たり前だ!!」高遠は力強く答えた。「方法がないわけではないぞ」「本当か!?」高遠は目を輝かせた。「ああ、本当だとも、ただし条件がある」「なんだ?何でも言ってくれ!」「生贄を捧げるのだ、お前の母親の命の代わりになる程のな」「生贄って……」高遠はそれを聞いて青ざめた。「また、、私は……、人を、、殺さなければいけないということか、、」高遠は震えながら言った。「そういうこになってしまうな」「そんな事はできない、、」高遠は頭を抱え込んだ。「ならば母親はあの世に戻る事になるがそれでもいいのか?」地獄の傀儡子は高遠に尋ねた。「うっ!!」高遠は言葉に詰まってしまった。「まぁ、考えればいい」そう地獄の傀儡子言うと、紙を高遠に渡した。紙には魔法陣のようなものが描かれている。「これは?」高遠は尋ねた。「生贄を魔法陣を書いてその上に置いてココに書いてある呪文を唱えると、生贄があの世に逝く代わりに、母親がこの世にいる時間が伸びる。そして、母親の魂に相当する分がそろえば、母親は生き返る事ができるという訳だ」「なるほど、、つまり生贄を捧げれば……母さんは霊体じゃなくて人として生き返る事ができるのか、、」高遠は呟いた。「わかった、ありがとう地獄の傀儡子よ」高遠はお礼を言った。「あぁ」――ー高遠は地獄の傀儡子がいなくなった部屋でどうするか考えていた。「お母さん、、」高遠は悩んでいた。(どうすればいいんだ?母さんを生き返らせる為には生贄を捧げなければいけない、でもそれは人殺しをするという事だ。そんな事私にはできない、だって私はもう殺人鬼じゃないんだ)高遠は苦しんでいた。(でも、このままお母さんが消えたら?結局また一人ぼっちになってしまうじゃないか……それに私が殺人鬼を止めたいかもしれないって思ったのは……今、お母さんがいてくれるからだ……)高遠は決意した。(そうだ、やるしかないんだ、、お母さんは私の為に犠牲になってくれたんだ、、だから今度は私がお母さんの為に生贄を捧げるんだ!!そうだ、母さんが生き返る為なら仕方がないじゃないか!だって私は今幸せなんだから!!)「お母さん、待っててね」そう言って微笑んだ高遠の表情はどこか悲しげだった。
「ねえ、お母さん」高遠は母親に話しかけた。「なあに?遙一?」玲子が聞き返すと高遠は言った。「僕ね、お母さんの事が大好きなんだ!」その言葉に玲子は一瞬驚いた表情をしたが嬉しそうに微笑んだ。「ありがとう、私もあなたの事を愛しているわ」その言葉を聞いた瞬間、高遠の中で何かが吹っ切れたような気がした。「お母さん、私はお母さんを生き返らせる為に生贄を捧げるよ」「えっ?何を言っているの遙一?」玲子は動揺していた。「今まではね。お母さんがいなくなって、、寂しかったんだよ、、」高遠は目に涙を浮かべていた。「遙一、、」玲子は心配そうな目で見つめていた。「でも今は違うんだ!僕にはお母さんがいるから!」高遠はそう言って微笑んだ。「遙一、ダメよ!!そんな事したらあなたは人殺しになってしまうわ!!」玲子が叫んだが、高遠は首を横に振っていた。「大丈夫、僕は、、もう……沢山の人を殺しているから、、」高遠は悲しげな表情で言った。「遙一、あなた、、」「だから、、いいんだ、、今更一人ぼっちになるくらいなら、、」高遠は涙を流していた。「遙一、、」玲子も泣いていた。「お母さん、泣かないで……僕はあの時も、、お母さんが大事だった……だから、、アイツらを殺したんだ、、」「遙一、、」玲子は涙を流しながら高遠を見つめていた。「僕は、、殺人鬼に、、戻るよ……今度は自分の自己満足の為じゃなく、、お母さんの為に、、」「遙一、、ありがとう、、でも私はあなたにそんな事をして欲しくないの!!あなたはもう殺人鬼じゃないのよ!!」「お母さん、、でも僕はもう戻れないんだよ!!だって母さんが生き返る為なんだから!!」「遙一、お願いだからやめてちょうだい!!」玲子は必死に訴えかけた。「ごめんよ!お母さん!!僕にはこうする以外に方法がないんだ!だから……ごめんなさい!!」「ねぇ!待って!!遙一!!」玲子の制止を無視して高遠は部屋を出て行った。
「母さん、、」高遠は自分の部屋に入るとベッドに倒れ込んだ。「これで、、いいんだ、、母さんが生き返れば、僕は一人ぼっちじゃなくなるんだ」そう自分に言い聞かせるように呟いた。
「え?美雪が行方不明になった!?」金田一は明智警視からその言葉を聞いて驚いた。「ええ、そうなんです」「一体どういう事なんだよ!美雪は昨日俺と会ってたんだぞ!まぁ……帰りどっから出かけるって言ってたけなぁ、、そういえば」「そうですか、金田一君が美雪さんと最後に会ったのはいつですか?」「ええっと学校終わってからだから、、昨日の夕方くらいかなぁ」金田一は記憶を辿っていた。「なるほど、美雪さんは昨日学校が終わった後にどこかに出かけたんですね?」「ああ、そうだと思うよ」金田一は頷いた。「なるほど、わかりました」「大丈夫かな、美雪」金田一は心配そうな表情を浮かべた。「実は……最近、美雪さんの周りの地域の人が何人か行方不明になっているんです」「えっ!?そうなのか!?」金田一は驚いた表情をした。「ええ、なので、、もしかしたら……美雪さんも、、」明智警視は深刻そうな表情を浮かべていた。「そんな馬鹿な事があるかよ!だって美雪だぜ?あのしっかりした美雪がそんな事!!」金田一は声を荒げた。「ええ、私もそう思いますが、、しかし万が一という事もあるかもしれませんし」明智警視はそう言って俯いた。「美雪、、」金田一は拳を握り締めていた。「俺も美雪を探そうと思う」「わかりました。私も協力しましょう」明智警視は頷いた。「まずは他の人が行方不明になった場所に行ってみますか?何か手掛かりがあるかもしれません」「そうだな、行ってみようぜ」金田一は明智警視から場所を聞いてついていった。
「ここが、その行方不明になった人達が最後に目撃された場所です」明智警視は金田一に説明した。「美雪!どこにいるんだ!?」金田一は叫びながら探し回ったが見つからなかった。「美雪さん~」明智警視も叫んだが返事はなかった。「くそ!一体何処に行っちまったんだよ!」金田一は悔しそうに地面を蹴った。すると、向こうの方に誰かがいるのが見えた。「あれは、、美雪!?」金田一は走って行った、、明智警視も金田一に続いた。「美雪!大丈夫か!?」金田一が声をかけると、その人影は振り向いた。しかしそれは美雪ではなかった。「お前は!!?高遠遥一!!」「おや?君は確か金田一君ですね?」高遠は不敵な笑みを浮かべながら言った。「お前、美雪に何をした!?」金田一が問い詰めると高遠は答えた。「ああ、美雪さんですか?彼女はもう既に連れていってしまいましたよ」「何だって!?どういう事だ!美雪が何処にいるっていうんだよ!」金田一は怒鳴った。すると、その後ろから明智警視が現れた。「まさかあなたが犯人だったとはね」明智警視も怒りを露わにしていた。「おや、明智警視もご一緒でしたか」高遠は余裕の表情で言った。「幸雪を攫って何を企んでいるんだ!?」金田一は叫んだ。「私は最後の、、私の……舞台の、、幕を下ろすためにね」高遠は不敵な笑みを浮かべた。「最後の舞台だと?」金田一が聞き返すと高遠は答えた。「そうさ!私は今までずっと地獄の傀儡師の名を名乗り殺人劇を繰り広げてきたんだ!そしてこの度ようやく私の最後の舞台が整ったのさ!」高遠は興奮気味に叫んだ。「最後?どういう事なんだよ!」金田一が聞くと高遠は語り始めた。「私はね、長い間地獄の傀儡師として生きてきたんだ。だが、それも今日で終わりだよ!私はこの舞台を最後に引退するのさ」金田一はそれを聞いて驚いた表情をした。「引退だと?止めるなら今にしろよ!!」「そうですよ。止めようと思っているなら、なぜ美雪さんの命を奪おうとするのですか!!?」明智警視も高遠を問い詰めた。「ふっ、、君達にはわからないだろうさ!私が今までどれだけこの舞台の為に準備をしてきたのか!!私はようやくここに辿り着いたんだ!」高遠は叫んだ。「美雪は何処だ!?」金田一が聞くと、高遠は答えた。「ああ、彼女は私が用意した舞台で最高の役者として輝くんだ!」高遠はそう言って笑った。「美雪を返せ!!」金田一が叫んだ。「それはできない相談だな。これは……私の、、最後の願いなのだから」高遠は悲しげな表情で答えた。「最後の願いだと?」明智警視が聞くと高遠は頷いた。「ああ、そうだ!この舞台の幕引きを見届けてこそ、私の本当の引退だ!!」高遠は目を輝かせていた。「君も見ていればいいじゃないか?最後の舞台を、、」高遠は不敵に笑った。「ふざけるな!美雪を返せ!!」金田一が叫ぶと高遠は言った。「まぁ、いいさ、どうせ君達にはどうすることもできないんだから」高遠はそう言うと、「くそっ!!あいつめ、絶対に許さねぇ!!」金田一は悔しそうに地面を蹴った。「ええ、そうですね」明智警視も同意した。「高遠遥一!!お前だけは絶対許さないからな!!」金田一が叫ぶと、高遠は振り返って言った。「ああ!楽しみに待っているよ!」そう言うと高遠の姿は消えていった。
「待てよ!!」金田一と明智警視は高遠を追いかけたが、既に姿は無かった。「くそっ!!逃げ足の速い奴め!!」金田一が悔しそうに地面を蹴った。「明智警視」「何でしょう?金田一君」「剣持のおっさんにも協力してもらっちゃおうぜ」「ええ、そうですね。では連絡をしておきます」明智警視は携帯を取り出した。金田一と明智警視が剣持警部に連絡すると、剣持警部は快く協力を引き受けてくれた。「金田一君!明智警視!」剣持警部が走ってきた。「おっさん!!来てくれたのか!!」金田一が嬉しそうに言った。「ああ、もちろんだ」剣持警部も嬉しそうな表情を浮かべていた。「それにしても美雪ちゃんが誘拐される何て、、しかもこともあろうに高遠にな」金田一は悔しそうに拳を握り締めた。「ええ、許せない事です」明智警視も怒りを露わにしていた。「それで、犯人の居場所はわかっているんですか?」剣持警部が聞くと金田一は答えた。「ああ、さっき高遠がいたんだよ!でも見失っちまったけどな」剣持警部は驚いた表情を浮かべていた。「何!?高遠がいたのか!?」「ああ、でも逃げられちまったけどな」金田一は悔しそうな表情で言った。「そうですか、しかし美雪ちゃんが誘拐された以上早く助けないといけませんね」明智警視が言った。「ああ、そうだな!!」金田一も同意した。すると、『お願い致します。息子を!!』金田一達の前に誰かが現れた。「お前!!?」「信じられない……あなたは……浮いて」「幽霊か!!?」三人は驚いた表情をしていた。「私は、、高遠遥一の母親……近宮玲子です」「なんだって!?」金田一達は驚いた。「確かに……近宮さんだ……でも!死んだはずじゃ!?幽霊なんてことだ……なんてことだ……」明智警視は信じられないという表情だった。「ええ、私は確かに死にました」玲子は悲しげな表情で言った。「じゃあなんでここにいるんだよ!?」金田一が聞くと玲子は答えた。「遥一が、、悪魔と契約して私を霊体として蘇らせたのです」「悪魔!!?」更に金田一達は驚いた。「ええ、でも契約は代償が伴う、、生贄を捧げなければ私はあの世に戻ってしまうのです」玲子は涙を流していた。「だから、、遥一は……私を助けるために、、人を誘拐して生贄に捧げるようになったのです」「そんな、、まさか高遠がそんなことをしているなんて、、信じられないぜ!」金田一は驚きを隠せなかった。「でも、これは事実です」玲子は言った。玲子は高遠が生贄を捧げていた時のことを思い出した。
「遥一!!もうこんなことはやめなさい!!」玲子が叫ぶと高遠は少し悲しげな表情を浮かべた。「母さん、、」しかし次の瞬間には不敵な笑みを浮かべていた。「やめる?何を言っているんだい?」「だって、、あなたは人を殺してるのよ!?」玲子は叫んだ。「ふふっ!僕はお母さんの為にやっているんだよ!」高遠はそう言うと玲子に近づいて行った。「近づかないで!!」玲子は叫んだが、高遠はそのまま近づいていった。「僕はね、母さんの為ならどんな事だってできるんだ」高遠はそう言って笑った。「私はそんな事望んでいないわ!!」玲子は叫んだ。高遠は玲子の耳元で囁いた。「大丈夫だよ、母さんは何も心配しなくていいんだ……僕がお母さんを助けてみせるから」高遠はそう言うと玲子から離れていった。高遠は向こうに進んで行った。高遠の下には、眠っている人達がいた。高遠が生贄に誘拐した人達だ。「さぁ、始めようか」高遠は不敵に笑った。「遥一、、やめなさい!!」玲子は叫んだ。だが、高遠は聞く耳を持たなかった。高遠が呪文を唱えると生贄の人達はまるで魂を抜かれたように動かなくなった。「やめて!!お願いだからもうやめて!!」玲子は涙を流しながら懇願した。しかし高遠は全く聞く耳を持たなかった。「我が願いを聞き届けよ、地獄の傀儡師の名の元に!!」高遠が呪文を唱えると生贄の人達は黒い炎に包まれ消えた。すると、玲子の体少し元の状態に戻ったような気がした。「これは、、まさか!?」玲子は驚いた表情で自分の体を見た。「母さん!喜んでくれたかい?」高遠は嬉しそうな表情を浮かべていた。「僕、母さんの為に頑張ったんだよ!だから褒めてよ!」高遠は玲子に抱きついた。「遥一、、あなたはなんて事を」玲子は悲しそうな表情を浮かべていた。「母さん、、なんで喜んでくれないの?」高遠は悲しそうな表情を浮かべた。「お願い遥一、もうこんな事はやめて」玲子が言うと高遠は言った。「嫌だよ!母さんの為にやってるんだから!」
「私はずっと息子を説得し続けました。でも遥一は私の言うことを聞き入れてくれませんでした」玲子は悲しそうな表情を浮かべていた。「そんな、、じゃあ美雪は!?美雪はまだ生きてるんですか!?」金田一が聞くと玲子は答えた。「ええ、まだ生きています」「そ、そうか、、良かったぜ!」金田一は安堵の表情を浮かべた。「でも……遥一はやるでしょう、、私を……助けたい一心で、、」玲子は悲しそうに言った。「そうか……アイツが言ってたのはそういう事だったのか、、」金田一は納得したように頷いた。「蘇った貴方に、、悪魔、、信じられないような話ですね、、でも……死んだはずの貴方が目の前にいるということは本当なのでしょう」と明智警視も納得したように言った。「ええ、信じられないでしょうが、事実です」玲子は答えた。「じゃあ、美雪を早く助けないと!高遠は何をするかわからないぞ!!」金田一が言った。「ええ、そうですね」明智警視も同意した。「それで、、アイツの居場所を教えてください」金田一が聞くと玲子は答えた。「私が案内します」金田一達は玲子に付いて行った。
「ここです」玲子が指差した先には、高遠がいた。高遠は美雪を監禁していた。「母さん!なんで……何で!コイツらを連れてきたんだ!コイツらは敵じゃないか!」高遠は怒った表情で玲子に言った。「遥一、お願いだからもうやめて」玲子が言うと高遠は叫んだ。「うるさい!母さんは黙っててよ!!僕は、、お母さんの為にやってるんだよ!!」高遠は玲子に怒鳴った。「遥一、、」玲子は悲しそうな表情を浮かべた。(僕?高遠らしくないな、、)金田一は思った。「高遠!美雪を返せ!」金田一が叫ぶと高遠は笑った。「ふふっ!誰が貴方に返すとお思いですか?彼女は生贄として捧げるのですよ」金田一は拳を握り締めた。「ふざけんな!美雪を返せ!!」「うるさいですね、、」高遠は金田一を睨み付けた。「美雪を返せ!!」金田一が叫ぶと高遠は笑った。「ふふっ!金田一君?君は随分と彼女の事を心配しているようですね」「ああ、そうだよ!だから美雪を返せ!」金田一が叫ぶと高遠は笑った。「ふふっ!まぁ、美雪さんは君の恋人で、、大事な人ですからね、、守りいんでしょうねぇ、、でも……私だってね!!母さんの為なら何だってできるんですよ!!」高遠は狂気じみた表情を浮かべていた。「お前、、自分が何をしているのかわかっているのか!?」金田一が叫ぶと高遠は言った。「ええ、わかっていますよ!」高遠は不敵に笑った。「私はね、母さんの為なら何でもできるんですよ!例え、それがどんなに酷い事でもね!」高遠はまた狂気じみた表情で笑った。「お前、狂ってやがる」金田一が叫ぶと高遠は言った。「ふふっ!褒め言葉として受け取っておきますよ!!」高遠は不敵な笑みを浮かべた。「やめて!!遥一!!私はどうなってもいいから、、もうやめて!これ以上罪を重ねないで!!お願いだから、、」玲子が叫ぶと高遠は不敵に笑った。「ふふっ!母さんは優しいね!」「遥一、、」「母さん!愛してるよ!ふふっ!母さん、、僕はね、母さんの為なら何でもできるんだよ!母さんは僕が守るから!」高遠がそう言うと玲子は涙を流した。「遥一、、どうしてよ、、どうして、、」玲子は涙を流しながら呟いた。「母さん、泣かないで!僕は母さんの為なら何でもできるんだよ!」「遥一、、あなたはもう昔のあなたじゃないわ、、変わってしまったのね」「ふふっ!そうだね!僕は変わってしまったよ……、、でもね、母さんの為なら僕はどんな事だってできるんだ!それが僕の生き甲斐なんだよ!」高遠は恍惚とした表情を浮かべた。金田一は複雑だった。高遠を憎む気持ちもあったが、(高遠の気持ちは分かる、、でも、)と金田一は思った。「さぁ、母さん!そろそろ始めようか!」高遠は玲子に向かって手を伸ばした。すると、突然部屋の窓が開いた。「そこまでだ!!」明智警視と剣持警部が入ってきた。「おぉ、、君たちもやっときましたか……」高遠は不敵な笑みを浮かべた。明智警視は銃を高遠に突きつけた。だが、高遠は余裕の表情だった。「ふふっ!無駄ですよ。私が呪文を唱えれば彼女は消える」「くっ、、!」明智警視は悔しそうに唇を噛んだ。金田一が高遠に叫んだ。「おい!高遠!!もうやめろ!!」だが高遠は笑ったままだった。「ふふっ!金田一君?残念ですが母さんを助けるにはこれしかないんですよ!」
(どうすればいいのかしら……、)玲子は何か方法はないかと考えた。(あっ!)玲子は思い出した。「何かいい方法がありますか?」明智警視が尋ねると玲子は答えた。「えぇ、一つだけ方法があります」「え?」金田一達が驚いていると、玲子から光が溢れ出して美雪に向かって行って消えた。すると、美雪の顔つきが変ったような感じがした。「美雪?」金田一が声をかけると、「違うわ玲子よ。私は彼女の体に憑依したのよ」と玲子は言った。「憑依!?」金田一が驚いていると、「ふふっ!母さんの言った通りだ!」高遠は不敵に笑った。明智警視は驚いた表情で言った。「そんなことができるのですか?」「ええ」美雪の姿をした玲子が言った。(すごいな)金田一は思った。すると高遠が叫んだ。「させるか!!」しかし、美雪の姿をした玲子は高遠のポケットに入っている手錠の鍵を奪い手錠を外して、金田一達の方に走って来た。「金田一君!明智警視!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと、「あぁ!」金田一と明智警視は彼女を守るように立ち塞がった。「何でだよ!!何で!!お母さんまで……」高遠は絶望した表情で言った。「遥一、、もう終わりにしましょう」美雪の姿をした玲子が言うと高遠は叫んだ。「嫌だよ!!僕はお母さんの為にやってるんだ!だから邪魔しないでくれ!!」「いいえ、あなたは間違っているわ。私はこんな事望んでいないわ!!私は貴方にこんな事をして欲しくないのよ!!お願いだから私の言う事をきいて!!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと、高遠の目から光が消え高遠は涙を流した。「うっ、、母さん、、」そして高遠はその場に崩れ落ちた。「あぁ、、僕は、、」高遠は涙を流していた、、「遥一、、」美雪の姿をした玲子は高遠に駆け寄った。「ハハッ!もう終わりですね……そう、、終わり…………ハハッ!!」高遠はそう言いながら、自虐的に笑った。「お母さんの為に生け贄を捧げてきたけど……最後の生け贄を、、捧げようとしたのに、、」高遠は悲しそうに言った。「遥一!しっかりして!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと高遠は言った。「ははっ!僕はもう終わりだね、、母さん、、」高遠は涙を流しながら笑った。「遥一、、」美雪の姿をした玲子は高遠を抱きしめた。「ははっ!お母さんは……、優しいよね。僕が殺人鬼に成り果てても……、『貴方は私の息子よ』って、言ってくれたもんね」「そうよ、、私は貴方の母親よ」「ありがとう、、母さん」高遠はそう言うと玲子に笑いかけた。「遥一?」美雪の姿をした玲子が呼びかけると高遠は言った。「ははっ!僕はもう疲れたよ、、母さん」高遠は悲しそうに笑った。「遥一、、」美雪の姿をした玲子は涙を流した。「ははっ……僕が……、代わりになったら、、良いのかな?」高遠は呟いた。「え?」美雪の姿をした玲子が言うと、「僕が代わりに死ねば良いのかな?そうすれば母さんは喜ぶのかな?」と高遠は言った。「そんな事言わないで!」美雪の姿をした玲子は叫んだ。「ははっ!そうすれば……母さんは………生き返るのかな?ははっ!母さん」高遠は涙を流しながら笑っていた。「遥一!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと、「ねぇ、、母さん?」高遠は言った。「何?」美雪の姿をした玲子が聞くと高遠は言った。「僕を、、愛してくれるかい?」「ええ!もちろんよ!!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと高遠は笑った。「ありがう」そして彼は……自分を生贄にしようと決意しているようだった。「遥一、、やめて!!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと高遠は笑った。「ハハッ!母さん?僕はね、、母さんの為に生きてきたんだよ?だから最期くらいはさ、、母さんの為に死にたいんだ」高遠はゆっくりと立ち上がると、、魔法陣に向かって……歩き出した……。
「遥一!!やめて!!」美雪の姿をした玲子は高遠の腕を掴んだ。「母さん、、」高遠は悲しそうに言った。「遥一!貴方は間違ってる!!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと高遠は言った。「ははっ!そうだね!でもさ、母さん?僕はね、、もう戻れないんだよ」高遠がそう言うと美雪の姿をした玲子は涙を流した。「遥一、、貴方は私の事を忘れてもいいのよ?」美雪の姿をした玲子が言うと、「ははっ!母さん?僕はね、、母さんの事を忘れた事なんて一度もないよ」と高遠は言った。「え?」美雪の姿をした玲子は驚いた表情を浮かべた。「僕はね、ずっと母さんを想っていたんだよ?ずっと愛してたんだよ?」「遥一、、」「だから、、最期くらいはさ、、母さんの為に死にたいんだ」高遠はそう言うと、魔法陣に足を踏み入れようとした。「遥一!!やめて!!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと、高遠は悲しそうな表情で言った。「さよなら母さん、、」高遠が言うと……魔法陣の前に誰か現れた。「高遠遥一、、お前は本当にそれで良いのか?」「え!?高遠が二人!」金田一は驚いた。「お前は誰だ?」剣持警部も驚いている。「私はそこの高遠と契約した悪魔だ」「悪魔、、だと!?」剣持警部が言った。「お前が高遠の母ちゃんを蘇らせたのか!?」金田一が叫ぶと、地獄の傀儡子は不敵に笑った。「ふっ、、そうだ」地獄の傀儡子は不敵に笑った。「何故現れたんだ!」高遠が言うと、地獄の傀儡子は不敵に笑った。「それはな、高遠遥一!君があまりにも哀れだからだよ」地獄の傀儡子の言葉に高遠は驚いた表情を浮かべた。「私が哀れだと?」地獄の傀儡子の言葉に高遠は怒りの表情を見せた。「そうだ!お前の母親を生き返らせる為にお前は多くの人間を殺したではないか!!」地獄傀儡子が叫ぶと高遠は言った。「黙れ!!お前に何がわかるというのだ!!」すると地獄の傀儡子は「分るさ、だって私も恋人を蘇らせる為に多くの人間を殺したからな!」と言った。「何?」高遠達が驚くと地獄の傀儡子は言った。「恋人を蘇らせる為に人を殺し続けた……だが、結局彼女は生き返らなかった!! だから私は自らの悪魔になり彼女を蘇らせたんだ、、それで私はこんな姿になっちまったが、後悔はしていない……」「そうか、、あなたも恋人を蘇らせる為に悪魔と契約したのか」金田一は納得したように言った。「そうだ!だから私はお前の気持ちがよくわかるんだ!だから、私は君を助けてやろうと思って君の前に現れたんだ!」地獄の傀儡子の言葉に高遠は驚いた。「そうだったのか、、」高遠は納得したように言った。「高遠遥一、、この方法以外は母親を蘇らせる方法は無いが、君は本当にこの方法で良いのか?自分を犠牲にしてまで母親を蘇らせるのか?」地獄の傀儡子の言葉に高遠は、「私は母さんの為に生きてきたんだ!だからこの方法しかないんだよ!!」と叫んだ。すると地獄の傀儡子は笑った。「ふっ、、君は本当に馬鹿だな」「何だと!?」高遠が言うと地獄の傀儡子は言った。「自分を犠牲にしてまで母親を生き返らせたいなんて、そんな馬鹿げた話は無いだろう?君の母親はそんな事を望んでいるのか?」悪魔の問い掛けに高遠は答えた。「母さんは、、きっとそんな事望んでいないだろう」地獄の傀儡子は高遠の言葉を聞いて不敵に笑った。「そうだ!君の母親はそんな事を望んではいない!」地獄の傀儡子の言葉に高遠は涙を流した。「でも、私にはもうこの方法しかないんだ!!」すると地獄の傀儡子は「そうか……君がそうというなら……だがな高遠遥一……私は君に、、自分と同じような目にあって欲しくないとも思ってしまったんだ」地獄の傀儡子の言葉に高遠は驚いた。「お前と同じ目?」地獄の傀儡子は不敵に笑った。「そうだ!」地獄の傀儡子の言葉に高遠は驚いた。「そうね……私も……遥一、、貴方に犠牲になっで欲しいとは思わないわ」地獄の傀儡子の言葉に美雪の姿をした玲子も言った。「貴方はもう、充分苦しんだわ」「でも、母さんは!」「ごめんなさい。私は貴方に辛い思いをさせてしまったわね」「母さん、、」高遠は涙を流した。「遥一、、貴方はもう十分苦しんだわ。だからもう終わりにしましょう」美雪の姿をした玲子は地獄の傀儡子に向くと「あの……私を天国に戻したらあの魂も戻るのよね?」と玲子が聞くと、「あぁ、、安心しろ」と地獄の傀儡子が答えた。「分ったわ!」「母さん!駄目だ!行っちゃ駄目!!」高遠が叫んだ。「遥一、、私はもう十分よ。だから貴方ももう終わりにしましょう」美雪の姿をした玲子はそう言うと魔法陣に向かって歩き出した。「やめろ!母さん!!!私は!僕は!!母さんを生き返らせる為に今まで生きてきた!だから頼む!行かないでくれ!!」高遠は泣きながら叫んだ。「遥一、、」美雪の姿をした玲子が呟いた。「私は貴方にもう一度会えただけでも十分幸せだったわ」「母さん、、」高遠は涙を流した。「遥一、、私は貴方に会えて本当に良かったわ。だからもう終わりにしましょう」「嫌だ!母さん!」すると美雪の姿をした玲子が魔法陣の中に入っていった。そして、玲子の姿は消えていき、美雪の姿に戻った。「母さん!!」高遠は泣き崩れた。
「あぁぁ、、ああぁぁ!!」金田一はそんな高遠を見て言った。「なぁ、高遠、お前本当にこの方法で良いと思っているのか?」「うるさい!!あなたに何がわかる!あぁぁ……母さん………なんでそんなことを……」高遠が泣いていると、地獄の傀儡子は笑った。「ふっ、ははは!どうだ?同じ目にあった気分は?」「貴様!!」地獄の傀儡子に殴りかかろうとする高遠を金田一が押さえた。「高遠!落ち着け!高遠!」「うるさい!離せ!!お前だけは許さない!!」地獄の傀儡子は高遠を見て言った。「ハハッ!私を恨むのは筋違いだぞ?だって……母親は自分で望んであの魔法陣に足を踏み入れたんだからな!あの母親もなかなかのエゴイストだな?自ら死を選ぶなんて……かつて人間の姿だった私が恋人ために、悪魔になったのを思い出したよ……」地獄の傀儡子はそう言うと高遠を見て言った。「私は同じ苦しみを味わう君を助けたつもりだったんだが……まさかあの人も私のように犠牲になるとはな……」地獄の傀儡子はそう言うと高遠に近付いた。「な、何だ!?」「高遠……母親の気持ちを踏みにじりたくはないだろ?」「どういうことだ!?」地獄の傀儡子は高遠に顔を寄せると囁いた。「悪魔との契約はこれで終わりだ、、だがな?君の母親が言っていた儀式で犠牲になった者達の魂は元に戻そう」「え?なんでそんなことしてくれるんだ?」高遠がそう言うと地獄の傀儡子は答えた。「勘違いするなよ?君のためではなく、私が気にいらないからだ!私も同じ苦しみを味わったからな!自分の為だよ!」地獄の傀儡子は高遠に近付いた。「さぁ、どうする?この契約はこれで終わりだ」地獄の傀儡子がそう言うと高遠は言った。「わかった、、お前の言う通りにする」すると地獄の傀儡子は言った。「そうか、、なら私の手を取れ」高遠が地獄の傀儡子の手を取ると魔法陣の中に入っていった。――ーしばらくするとたくさんの人間が魔法陣の中から出てきた。「これで、、終わったのか?」剣持警部が呟いた。「まぁ、誘拐された人達はこれで解放という事ですね」明智警視も言った。「悪魔、、まさか本当に存在していたとはな、、しかも人を蘇らせるなど……」剣持警部がそう呟くと、魔法陣から地獄の傀儡子と高遠が出て来た。「高遠……」「金田一君……私は……」高遠は金田一を見つめた。「私は……母さんを生き返らせる為に……でも、母さんは自らあの魔法陣に……私は………これからどうすれば良いんだ?私は……」高遠は呆然としていた。「まぁ、元気出せよ」金田一がそう言うと地獄の傀儡子が言った。「さてと、これで私の役目は終わったな?」そして地獄の傀儡子は消えていった。すると剣持警部は言った。「え?あ!ちょっと!!」地獄の傀儡子が消えていくのを見た剣持警部は慌てて追いかけようとしたが消えてしまっていた。「クソ!」剣持警部が叫ぶと明智警視も言った。「ああ、行ってしまったようですね」その後、高遠は警視庁で取り調べを受ける事となったのたが、高遠はいつも通り脱獄してしまった。
高遠はアジトの隠し部屋にいた。その部屋には高遠の母親、近宮玲子のポスターや写真が異常なまでにはってあった……まるで自分の恋人の写真を見つめるかのように。「私だって本当はこんな事はしたくなかったんだよ」高遠は自分の両手を見ながら言った、「だけどね、仕方ないじゃないか、あいつらがお母さんを……」「私はただ母さんのようにみんなの前でショーをしてみたかっただけなのになあ、、どうしてあんな事になってしまったんだろう?」高遠の目からは涙が流れ落ちていた。「ああ、そうだ、あなたが生きていたら、きっと今頃は違う人生を送っていたに違いないよ。こんな殺人鬼にならなかったかも……ねえ、母さん?そうなんでしょう?」返事はない。当たり前である。もう彼女はいないのだから。「ごめんなさい、母さん、僕はあなたとの約束を守る事ができなかった」高遠は泣きながら呟いていた。「僕を許してください。お願いですから許してください。母さん!!」「でももし許されるならもう一度だけでいいからあなたの笑顔を見たかったですよ」高遠はそういうと静かに涙を流した……すると急に目の前に何かが現れた。高遠が殺人を犯す時に着ている地獄の傀儡師の服を纏っていたが、なんと浮いてたのである。「何物だ!?あなたは一体誰なんだ!何故その服を着ているんだ!」高遠は叫んだ。「フッフッフッフッ、私が誰か知りたいか?」謎の人物は笑った。「教えてくれないか?あなたはいったい誰なんだ?なぜ僕の前に姿を現したのか?」「簡単な話だよ、君があまりにも可哀想だからさ」「私の為だとでも言うんですか?ふざけるのは止めてもらいましょう」「別にふざてはいないよ。本当なのだから」「嘘をつくんじゃありません!そんなはずがないでしょう」「まあいい、それより君に良いことをお知らせしたいんだ」「悪いがそんな気分ではありませんね」「あらそうか残念君の願いが叶うっていうのに」「私の願いがですか?」「そう、君の望みが叶えられるのに君は興味が無いと言うのかい?」「どういう意味なのかわかりませんが」「君は殺された母親を甦らせたいんだろう?だったら私に任せれば可能だというのに、それでも協力しないつもりかね?」「そんな事ができるわけがないだろう!死んだ人間を生き返らせるなんて出来る訳が、、」「じゃあ聞くが、君は母親の死を受け入れて前に進めるのかな?」(無理に決まっている)高遠はそう思った。だが口には出さなかった。「どうせハッタリに決まっています」「出来るさ、だって私は悪魔なのだから、、」「えっ、、悪魔だって?」「信じられないという顔つきをしているな、ならば証拠を見せてあげよう、ただし条件があるがね」「契約したら本当に甦らせてくれるのですね?」「もちろんだとも、但しそれなりの代償を払ってもらう」「どんなものでも構いません……お母さんにもう一度会えるのなら」高遠は覚悟を決めたように言った。「よろしい、では始めようか」「母親の何か物は持っているのだろう?」高遠は母親の近宮が愛用していたマジック用の道具一式を取り出して見せた。「これだけで足りますか?」悪魔は満足げな顔をしてうなずいた。「十分過ぎる程だ、だが生き返らせる体自体はないから霊体として甦らせる事になるが構わないな?」高遠はうなずくしかなかった。悪魔は高遠の胸元に手を当てて呪文のようなものを唱え始めた。すると高遠の周りに魔法陣が現れ光り輝いている。そして悪魔が高遠から手を離すと、そこには一人の女性がいた。それは紛れもない高遠の母親、近宮玲子だった。「母さん、、」高遠は涙を流しながら母親を見つめていた。玲子も高遠の姿を確認するなり駆け寄って抱きついたが、幽霊のようにすり抜けてしまった。「母さん、、ごめんなさい、、僕は母さんとの約束を守る事が出来なかった」高遠は泣いていた。玲子は何も言わずにただ黙っていた。「母さん、僕を許してください、お願いします、、」高遠は土下座をして謝り続けた。「僕はそれだけじゃなくて母さんを殺した奴らに復讐した以外にも何人も何十人も何百人も殺したんだ。僕は殺人鬼になってしまったんだよ。母さん、僕はもう母さんの息子じゃない。殺人鬼なんだ、、」高遠は泣きながら告白をした。「遥一、あなたは私の自慢の息子である事に変わりはありません。それに私は死んでしまったけれどこうしてまた会う事が出来たのだから」「でも僕のせいで母さんの魂がこんな所に縛られてしまっているじゃないか」「大丈夫ですよ」高遠の目からは涙が溢れていた。「母さん、、ありがとう、、」「いいんですよ、私はずっとあなたと一緒にいるわ、これからは私があなたを守ってあげるから」「うん、母さん、、」「よかったね。母親と再開出来て」悪魔は高遠を祝福するように微笑んでいた。「ところで君の名前は何というんだ?」高遠は悪魔に尋ねた。「名前?そんなものは必要無いよ」「でも名前がないと不便だろう」「そうだね、じゃあ君がつけてくれたまえよ」「私がですか?」「ああ、君がつけた名前でいいよ」高遠は少し考えてから答えた。「じゃあ、『地獄の傀儡子』というのはどうでしょうか?私が殺人鬼として名乗っている『地獄の傀儡師』の名前をもじってつけてみたのですが」「フッフッフッフッまぁ、いいよそれで」「気に入って頂けたようで良かったです」「じゃあ私はそろそろ行くよ、楽しかった」「こちらこそ、いろいろお世話になりました」「じゃあな、高遠遙一。」悪魔は姿を消した。
それから数日経ち母親の霊体と暮らしていたある日の事である。「お母さん?!なんか、、薄くなっているような気がするんだけど、、」「そうかしら、、気のせいだと思うわ」「でもなんか違うような気がするんだけどなあ」高遠は母親の霊体が薄れているのを感じていた。――ー(絶対変だ……まさか?!)高遠が一人で考えていると『それは代償だよ』突然どこからか声が聞こえてきた。「お前は!?地獄の傀儡子!?」「ご名答、よくわかったね」「一体どういう事なんだ!?代償ってまさか!?」「母親はもうすぐあの世に戻る事になるのさ」「そんな、待ってくれ!せっかく会えたというのに!」高遠は泣きそうな声で言った。すると玲子が高遠に近づいてきた。そして高遠を抱きしめるように手を回した「お母さん!!僕嫌だよ!!せっかく会えたのにもうお別れなんて!!」高遠は泣き叫んでいた。「泣かないで、遙一」玲子は優しく語りかけた。「そうか……そんなに母親にこの世にいて欲しいのか?」地獄の傀儡子は高遠に尋ねた。「当たり前だ!!」高遠は力強く答えた。「方法がないわけではないぞ」「本当か!?」高遠は目を輝かせた。「ああ、本当だとも、ただし条件がある」「なんだ?何でも言ってくれ!」「生贄を捧げるのだ、お前の母親の命の代わりになる程のな」「生贄って……」高遠はそれを聞いて青ざめた。「また、、私は……、人を、、殺さなければいけないということか、、」高遠は震えながら言った。「そういうこになってしまうな」「そんな事はできない、、」高遠は頭を抱え込んだ。「ならば母親はあの世に戻る事になるがそれでもいいのか?」地獄の傀儡子は高遠に尋ねた。「うっ!!」高遠は言葉に詰まってしまった。「まぁ、考えればいい」そう地獄の傀儡子言うと、紙を高遠に渡した。紙には魔法陣のようなものが描かれている。「これは?」高遠は尋ねた。「生贄を魔法陣を書いてその上に置いてココに書いてある呪文を唱えると、生贄があの世に逝く代わりに、母親がこの世にいる時間が伸びる。そして、母親の魂に相当する分がそろえば、母親は生き返る事ができるという訳だ」「なるほど、、つまり生贄を捧げれば……母さんは霊体じゃなくて人として生き返る事ができるのか、、」高遠は呟いた。「わかった、ありがとう地獄の傀儡子よ」高遠はお礼を言った。「あぁ」――ー高遠は地獄の傀儡子がいなくなった部屋でどうするか考えていた。「お母さん、、」高遠は悩んでいた。(どうすればいいんだ?母さんを生き返らせる為には生贄を捧げなければいけない、でもそれは人殺しをするという事だ。そんな事私にはできない、だって私はもう殺人鬼じゃないんだ)高遠は苦しんでいた。(でも、このままお母さんが消えたら?結局また一人ぼっちになってしまうじゃないか……それに私が殺人鬼を止めたいかもしれないって思ったのは……今、お母さんがいてくれるからだ……)高遠は決意した。(そうだ、やるしかないんだ、、お母さんは私の為に犠牲になってくれたんだ、、だから今度は私がお母さんの為に生贄を捧げるんだ!!そうだ、母さんが生き返る為なら仕方がないじゃないか!だって私は今幸せなんだから!!)「お母さん、待っててね」そう言って微笑んだ高遠の表情はどこか悲しげだった。
「ねえ、お母さん」高遠は母親に話しかけた。「なあに?遙一?」玲子が聞き返すと高遠は言った。「僕ね、お母さんの事が大好きなんだ!」その言葉に玲子は一瞬驚いた表情をしたが嬉しそうに微笑んだ。「ありがとう、私もあなたの事を愛しているわ」その言葉を聞いた瞬間、高遠の中で何かが吹っ切れたような気がした。「お母さん、私はお母さんを生き返らせる為に生贄を捧げるよ」「えっ?何を言っているの遙一?」玲子は動揺していた。「今まではね。お母さんがいなくなって、、寂しかったんだよ、、」高遠は目に涙を浮かべていた。「遙一、、」玲子は心配そうな目で見つめていた。「でも今は違うんだ!僕にはお母さんがいるから!」高遠はそう言って微笑んだ。「遙一、ダメよ!!そんな事したらあなたは人殺しになってしまうわ!!」玲子が叫んだが、高遠は首を横に振っていた。「大丈夫、僕は、、もう……沢山の人を殺しているから、、」高遠は悲しげな表情で言った。「遙一、あなた、、」「だから、、いいんだ、、今更一人ぼっちになるくらいなら、、」高遠は涙を流していた。「遙一、、」玲子も泣いていた。「お母さん、泣かないで……僕はあの時も、、お母さんが大事だった……だから、、アイツらを殺したんだ、、」「遙一、、」玲子は涙を流しながら高遠を見つめていた。「僕は、、殺人鬼に、、戻るよ……今度は自分の自己満足の為じゃなく、、お母さんの為に、、」「遙一、、ありがとう、、でも私はあなたにそんな事をして欲しくないの!!あなたはもう殺人鬼じゃないのよ!!」「お母さん、、でも僕はもう戻れないんだよ!!だって母さんが生き返る為なんだから!!」「遙一、お願いだからやめてちょうだい!!」玲子は必死に訴えかけた。「ごめんよ!お母さん!!僕にはこうする以外に方法がないんだ!だから……ごめんなさい!!」「ねぇ!待って!!遙一!!」玲子の制止を無視して高遠は部屋を出て行った。
「母さん、、」高遠は自分の部屋に入るとベッドに倒れ込んだ。「これで、、いいんだ、、母さんが生き返れば、僕は一人ぼっちじゃなくなるんだ」そう自分に言い聞かせるように呟いた。
「え?美雪が行方不明になった!?」金田一は明智警視からその言葉を聞いて驚いた。「ええ、そうなんです」「一体どういう事なんだよ!美雪は昨日俺と会ってたんだぞ!まぁ……帰りどっから出かけるって言ってたけなぁ、、そういえば」「そうですか、金田一君が美雪さんと最後に会ったのはいつですか?」「ええっと学校終わってからだから、、昨日の夕方くらいかなぁ」金田一は記憶を辿っていた。「なるほど、美雪さんは昨日学校が終わった後にどこかに出かけたんですね?」「ああ、そうだと思うよ」金田一は頷いた。「なるほど、わかりました」「大丈夫かな、美雪」金田一は心配そうな表情を浮かべた。「実は……最近、美雪さんの周りの地域の人が何人か行方不明になっているんです」「えっ!?そうなのか!?」金田一は驚いた表情をした。「ええ、なので、、もしかしたら……美雪さんも、、」明智警視は深刻そうな表情を浮かべていた。「そんな馬鹿な事があるかよ!だって美雪だぜ?あのしっかりした美雪がそんな事!!」金田一は声を荒げた。「ええ、私もそう思いますが、、しかし万が一という事もあるかもしれませんし」明智警視はそう言って俯いた。「美雪、、」金田一は拳を握り締めていた。「俺も美雪を探そうと思う」「わかりました。私も協力しましょう」明智警視は頷いた。「まずは他の人が行方不明になった場所に行ってみますか?何か手掛かりがあるかもしれません」「そうだな、行ってみようぜ」金田一は明智警視から場所を聞いてついていった。
「ここが、その行方不明になった人達が最後に目撃された場所です」明智警視は金田一に説明した。「美雪!どこにいるんだ!?」金田一は叫びながら探し回ったが見つからなかった。「美雪さん~」明智警視も叫んだが返事はなかった。「くそ!一体何処に行っちまったんだよ!」金田一は悔しそうに地面を蹴った。すると、向こうの方に誰かがいるのが見えた。「あれは、、美雪!?」金田一は走って行った、、明智警視も金田一に続いた。「美雪!大丈夫か!?」金田一が声をかけると、その人影は振り向いた。しかしそれは美雪ではなかった。「お前は!!?高遠遥一!!」「おや?君は確か金田一君ですね?」高遠は不敵な笑みを浮かべながら言った。「お前、美雪に何をした!?」金田一が問い詰めると高遠は答えた。「ああ、美雪さんですか?彼女はもう既に連れていってしまいましたよ」「何だって!?どういう事だ!美雪が何処にいるっていうんだよ!」金田一は怒鳴った。すると、その後ろから明智警視が現れた。「まさかあなたが犯人だったとはね」明智警視も怒りを露わにしていた。「おや、明智警視もご一緒でしたか」高遠は余裕の表情で言った。「幸雪を攫って何を企んでいるんだ!?」金田一は叫んだ。「私は最後の、、私の……舞台の、、幕を下ろすためにね」高遠は不敵な笑みを浮かべた。「最後の舞台だと?」金田一が聞き返すと高遠は答えた。「そうさ!私は今までずっと地獄の傀儡師の名を名乗り殺人劇を繰り広げてきたんだ!そしてこの度ようやく私の最後の舞台が整ったのさ!」高遠は興奮気味に叫んだ。「最後?どういう事なんだよ!」金田一が聞くと高遠は語り始めた。「私はね、長い間地獄の傀儡師として生きてきたんだ。だが、それも今日で終わりだよ!私はこの舞台を最後に引退するのさ」金田一はそれを聞いて驚いた表情をした。「引退だと?止めるなら今にしろよ!!」「そうですよ。止めようと思っているなら、なぜ美雪さんの命を奪おうとするのですか!!?」明智警視も高遠を問い詰めた。「ふっ、、君達にはわからないだろうさ!私が今までどれだけこの舞台の為に準備をしてきたのか!!私はようやくここに辿り着いたんだ!」高遠は叫んだ。「美雪は何処だ!?」金田一が聞くと、高遠は答えた。「ああ、彼女は私が用意した舞台で最高の役者として輝くんだ!」高遠はそう言って笑った。「美雪を返せ!!」金田一が叫んだ。「それはできない相談だな。これは……私の、、最後の願いなのだから」高遠は悲しげな表情で答えた。「最後の願いだと?」明智警視が聞くと高遠は頷いた。「ああ、そうだ!この舞台の幕引きを見届けてこそ、私の本当の引退だ!!」高遠は目を輝かせていた。「君も見ていればいいじゃないか?最後の舞台を、、」高遠は不敵に笑った。「ふざけるな!美雪を返せ!!」金田一が叫ぶと高遠は言った。「まぁ、いいさ、どうせ君達にはどうすることもできないんだから」高遠はそう言うと、「くそっ!!あいつめ、絶対に許さねぇ!!」金田一は悔しそうに地面を蹴った。「ええ、そうですね」明智警視も同意した。「高遠遥一!!お前だけは絶対許さないからな!!」金田一が叫ぶと、高遠は振り返って言った。「ああ!楽しみに待っているよ!」そう言うと高遠の姿は消えていった。
「待てよ!!」金田一と明智警視は高遠を追いかけたが、既に姿は無かった。「くそっ!!逃げ足の速い奴め!!」金田一が悔しそうに地面を蹴った。「明智警視」「何でしょう?金田一君」「剣持のおっさんにも協力してもらっちゃおうぜ」「ええ、そうですね。では連絡をしておきます」明智警視は携帯を取り出した。金田一と明智警視が剣持警部に連絡すると、剣持警部は快く協力を引き受けてくれた。「金田一君!明智警視!」剣持警部が走ってきた。「おっさん!!来てくれたのか!!」金田一が嬉しそうに言った。「ああ、もちろんだ」剣持警部も嬉しそうな表情を浮かべていた。「それにしても美雪ちゃんが誘拐される何て、、しかもこともあろうに高遠にな」金田一は悔しそうに拳を握り締めた。「ええ、許せない事です」明智警視も怒りを露わにしていた。「それで、犯人の居場所はわかっているんですか?」剣持警部が聞くと金田一は答えた。「ああ、さっき高遠がいたんだよ!でも見失っちまったけどな」剣持警部は驚いた表情を浮かべていた。「何!?高遠がいたのか!?」「ああ、でも逃げられちまったけどな」金田一は悔しそうな表情で言った。「そうですか、しかし美雪ちゃんが誘拐された以上早く助けないといけませんね」明智警視が言った。「ああ、そうだな!!」金田一も同意した。すると、『お願い致します。息子を!!』金田一達の前に誰かが現れた。「お前!!?」「信じられない……あなたは……浮いて」「幽霊か!!?」三人は驚いた表情をしていた。「私は、、高遠遥一の母親……近宮玲子です」「なんだって!?」金田一達は驚いた。「確かに……近宮さんだ……でも!死んだはずじゃ!?幽霊なんてことだ……なんてことだ……」明智警視は信じられないという表情だった。「ええ、私は確かに死にました」玲子は悲しげな表情で言った。「じゃあなんでここにいるんだよ!?」金田一が聞くと玲子は答えた。「遥一が、、悪魔と契約して私を霊体として蘇らせたのです」「悪魔!!?」更に金田一達は驚いた。「ええ、でも契約は代償が伴う、、生贄を捧げなければ私はあの世に戻ってしまうのです」玲子は涙を流していた。「だから、、遥一は……私を助けるために、、人を誘拐して生贄に捧げるようになったのです」「そんな、、まさか高遠がそんなことをしているなんて、、信じられないぜ!」金田一は驚きを隠せなかった。「でも、これは事実です」玲子は言った。玲子は高遠が生贄を捧げていた時のことを思い出した。
「遥一!!もうこんなことはやめなさい!!」玲子が叫ぶと高遠は少し悲しげな表情を浮かべた。「母さん、、」しかし次の瞬間には不敵な笑みを浮かべていた。「やめる?何を言っているんだい?」「だって、、あなたは人を殺してるのよ!?」玲子は叫んだ。「ふふっ!僕はお母さんの為にやっているんだよ!」高遠はそう言うと玲子に近づいて行った。「近づかないで!!」玲子は叫んだが、高遠はそのまま近づいていった。「僕はね、母さんの為ならどんな事だってできるんだ」高遠はそう言って笑った。「私はそんな事望んでいないわ!!」玲子は叫んだ。高遠は玲子の耳元で囁いた。「大丈夫だよ、母さんは何も心配しなくていいんだ……僕がお母さんを助けてみせるから」高遠はそう言うと玲子から離れていった。高遠は向こうに進んで行った。高遠の下には、眠っている人達がいた。高遠が生贄に誘拐した人達だ。「さぁ、始めようか」高遠は不敵に笑った。「遥一、、やめなさい!!」玲子は叫んだ。だが、高遠は聞く耳を持たなかった。高遠が呪文を唱えると生贄の人達はまるで魂を抜かれたように動かなくなった。「やめて!!お願いだからもうやめて!!」玲子は涙を流しながら懇願した。しかし高遠は全く聞く耳を持たなかった。「我が願いを聞き届けよ、地獄の傀儡師の名の元に!!」高遠が呪文を唱えると生贄の人達は黒い炎に包まれ消えた。すると、玲子の体少し元の状態に戻ったような気がした。「これは、、まさか!?」玲子は驚いた表情で自分の体を見た。「母さん!喜んでくれたかい?」高遠は嬉しそうな表情を浮かべていた。「僕、母さんの為に頑張ったんだよ!だから褒めてよ!」高遠は玲子に抱きついた。「遥一、、あなたはなんて事を」玲子は悲しそうな表情を浮かべていた。「母さん、、なんで喜んでくれないの?」高遠は悲しそうな表情を浮かべた。「お願い遥一、もうこんな事はやめて」玲子が言うと高遠は言った。「嫌だよ!母さんの為にやってるんだから!」
「私はずっと息子を説得し続けました。でも遥一は私の言うことを聞き入れてくれませんでした」玲子は悲しそうな表情を浮かべていた。「そんな、、じゃあ美雪は!?美雪はまだ生きてるんですか!?」金田一が聞くと玲子は答えた。「ええ、まだ生きています」「そ、そうか、、良かったぜ!」金田一は安堵の表情を浮かべた。「でも……遥一はやるでしょう、、私を……助けたい一心で、、」玲子は悲しそうに言った。「そうか……アイツが言ってたのはそういう事だったのか、、」金田一は納得したように頷いた。「蘇った貴方に、、悪魔、、信じられないような話ですね、、でも……死んだはずの貴方が目の前にいるということは本当なのでしょう」と明智警視も納得したように言った。「ええ、信じられないでしょうが、事実です」玲子は答えた。「じゃあ、美雪を早く助けないと!高遠は何をするかわからないぞ!!」金田一が言った。「ええ、そうですね」明智警視も同意した。「それで、、アイツの居場所を教えてください」金田一が聞くと玲子は答えた。「私が案内します」金田一達は玲子に付いて行った。
「ここです」玲子が指差した先には、高遠がいた。高遠は美雪を監禁していた。「母さん!なんで……何で!コイツらを連れてきたんだ!コイツらは敵じゃないか!」高遠は怒った表情で玲子に言った。「遥一、お願いだからもうやめて」玲子が言うと高遠は叫んだ。「うるさい!母さんは黙っててよ!!僕は、、お母さんの為にやってるんだよ!!」高遠は玲子に怒鳴った。「遥一、、」玲子は悲しそうな表情を浮かべた。(僕?高遠らしくないな、、)金田一は思った。「高遠!美雪を返せ!」金田一が叫ぶと高遠は笑った。「ふふっ!誰が貴方に返すとお思いですか?彼女は生贄として捧げるのですよ」金田一は拳を握り締めた。「ふざけんな!美雪を返せ!!」「うるさいですね、、」高遠は金田一を睨み付けた。「美雪を返せ!!」金田一が叫ぶと高遠は笑った。「ふふっ!金田一君?君は随分と彼女の事を心配しているようですね」「ああ、そうだよ!だから美雪を返せ!」金田一が叫ぶと高遠は笑った。「ふふっ!まぁ、美雪さんは君の恋人で、、大事な人ですからね、、守りいんでしょうねぇ、、でも……私だってね!!母さんの為なら何だってできるんですよ!!」高遠は狂気じみた表情を浮かべていた。「お前、、自分が何をしているのかわかっているのか!?」金田一が叫ぶと高遠は言った。「ええ、わかっていますよ!」高遠は不敵に笑った。「私はね、母さんの為なら何でもできるんですよ!例え、それがどんなに酷い事でもね!」高遠はまた狂気じみた表情で笑った。「お前、狂ってやがる」金田一が叫ぶと高遠は言った。「ふふっ!褒め言葉として受け取っておきますよ!!」高遠は不敵な笑みを浮かべた。「やめて!!遥一!!私はどうなってもいいから、、もうやめて!これ以上罪を重ねないで!!お願いだから、、」玲子が叫ぶと高遠は不敵に笑った。「ふふっ!母さんは優しいね!」「遥一、、」「母さん!愛してるよ!ふふっ!母さん、、僕はね、母さんの為なら何でもできるんだよ!母さんは僕が守るから!」高遠がそう言うと玲子は涙を流した。「遥一、、どうしてよ、、どうして、、」玲子は涙を流しながら呟いた。「母さん、泣かないで!僕は母さんの為なら何でもできるんだよ!」「遥一、、あなたはもう昔のあなたじゃないわ、、変わってしまったのね」「ふふっ!そうだね!僕は変わってしまったよ……、、でもね、母さんの為なら僕はどんな事だってできるんだ!それが僕の生き甲斐なんだよ!」高遠は恍惚とした表情を浮かべた。金田一は複雑だった。高遠を憎む気持ちもあったが、(高遠の気持ちは分かる、、でも、)と金田一は思った。「さぁ、母さん!そろそろ始めようか!」高遠は玲子に向かって手を伸ばした。すると、突然部屋の窓が開いた。「そこまでだ!!」明智警視と剣持警部が入ってきた。「おぉ、、君たちもやっときましたか……」高遠は不敵な笑みを浮かべた。明智警視は銃を高遠に突きつけた。だが、高遠は余裕の表情だった。「ふふっ!無駄ですよ。私が呪文を唱えれば彼女は消える」「くっ、、!」明智警視は悔しそうに唇を噛んだ。金田一が高遠に叫んだ。「おい!高遠!!もうやめろ!!」だが高遠は笑ったままだった。「ふふっ!金田一君?残念ですが母さんを助けるにはこれしかないんですよ!」
(どうすればいいのかしら……、)玲子は何か方法はないかと考えた。(あっ!)玲子は思い出した。「何かいい方法がありますか?」明智警視が尋ねると玲子は答えた。「えぇ、一つだけ方法があります」「え?」金田一達が驚いていると、玲子から光が溢れ出して美雪に向かって行って消えた。すると、美雪の顔つきが変ったような感じがした。「美雪?」金田一が声をかけると、「違うわ玲子よ。私は彼女の体に憑依したのよ」と玲子は言った。「憑依!?」金田一が驚いていると、「ふふっ!母さんの言った通りだ!」高遠は不敵に笑った。明智警視は驚いた表情で言った。「そんなことができるのですか?」「ええ」美雪の姿をした玲子が言った。(すごいな)金田一は思った。すると高遠が叫んだ。「させるか!!」しかし、美雪の姿をした玲子は高遠のポケットに入っている手錠の鍵を奪い手錠を外して、金田一達の方に走って来た。「金田一君!明智警視!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと、「あぁ!」金田一と明智警視は彼女を守るように立ち塞がった。「何でだよ!!何で!!お母さんまで……」高遠は絶望した表情で言った。「遥一、、もう終わりにしましょう」美雪の姿をした玲子が言うと高遠は叫んだ。「嫌だよ!!僕はお母さんの為にやってるんだ!だから邪魔しないでくれ!!」「いいえ、あなたは間違っているわ。私はこんな事望んでいないわ!!私は貴方にこんな事をして欲しくないのよ!!お願いだから私の言う事をきいて!!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと、高遠の目から光が消え高遠は涙を流した。「うっ、、母さん、、」そして高遠はその場に崩れ落ちた。「あぁ、、僕は、、」高遠は涙を流していた、、「遥一、、」美雪の姿をした玲子は高遠に駆け寄った。「ハハッ!もう終わりですね……そう、、終わり…………ハハッ!!」高遠はそう言いながら、自虐的に笑った。「お母さんの為に生け贄を捧げてきたけど……最後の生け贄を、、捧げようとしたのに、、」高遠は悲しそうに言った。「遥一!しっかりして!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと高遠は言った。「ははっ!僕はもう終わりだね、、母さん、、」高遠は涙を流しながら笑った。「遥一、、」美雪の姿をした玲子は高遠を抱きしめた。「ははっ!お母さんは……、優しいよね。僕が殺人鬼に成り果てても……、『貴方は私の息子よ』って、言ってくれたもんね」「そうよ、、私は貴方の母親よ」「ありがとう、、母さん」高遠はそう言うと玲子に笑いかけた。「遥一?」美雪の姿をした玲子が呼びかけると高遠は言った。「ははっ!僕はもう疲れたよ、、母さん」高遠は悲しそうに笑った。「遥一、、」美雪の姿をした玲子は涙を流した。「ははっ……僕が……、代わりになったら、、良いのかな?」高遠は呟いた。「え?」美雪の姿をした玲子が言うと、「僕が代わりに死ねば良いのかな?そうすれば母さんは喜ぶのかな?」と高遠は言った。「そんな事言わないで!」美雪の姿をした玲子は叫んだ。「ははっ!そうすれば……母さんは………生き返るのかな?ははっ!母さん」高遠は涙を流しながら笑っていた。「遥一!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと、「ねぇ、、母さん?」高遠は言った。「何?」美雪の姿をした玲子が聞くと高遠は言った。「僕を、、愛してくれるかい?」「ええ!もちろんよ!!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと高遠は笑った。「ありがう」そして彼は……自分を生贄にしようと決意しているようだった。「遥一、、やめて!!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと高遠は笑った。「ハハッ!母さん?僕はね、、母さんの為に生きてきたんだよ?だから最期くらいはさ、、母さんの為に死にたいんだ」高遠はゆっくりと立ち上がると、、魔法陣に向かって……歩き出した……。
「遥一!!やめて!!」美雪の姿をした玲子は高遠の腕を掴んだ。「母さん、、」高遠は悲しそうに言った。「遥一!貴方は間違ってる!!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと高遠は言った。「ははっ!そうだね!でもさ、母さん?僕はね、、もう戻れないんだよ」高遠がそう言うと美雪の姿をした玲子は涙を流した。「遥一、、貴方は私の事を忘れてもいいのよ?」美雪の姿をした玲子が言うと、「ははっ!母さん?僕はね、、母さんの事を忘れた事なんて一度もないよ」と高遠は言った。「え?」美雪の姿をした玲子は驚いた表情を浮かべた。「僕はね、ずっと母さんを想っていたんだよ?ずっと愛してたんだよ?」「遥一、、」「だから、、最期くらいはさ、、母さんの為に死にたいんだ」高遠はそう言うと、魔法陣に足を踏み入れようとした。「遥一!!やめて!!」美雪の姿をした玲子が叫ぶと、高遠は悲しそうな表情で言った。「さよなら母さん、、」高遠が言うと……魔法陣の前に誰か現れた。「高遠遥一、、お前は本当にそれで良いのか?」「え!?高遠が二人!」金田一は驚いた。「お前は誰だ?」剣持警部も驚いている。「私はそこの高遠と契約した悪魔だ」「悪魔、、だと!?」剣持警部が言った。「お前が高遠の母ちゃんを蘇らせたのか!?」金田一が叫ぶと、地獄の傀儡子は不敵に笑った。「ふっ、、そうだ」地獄の傀儡子は不敵に笑った。「何故現れたんだ!」高遠が言うと、地獄の傀儡子は不敵に笑った。「それはな、高遠遥一!君があまりにも哀れだからだよ」地獄の傀儡子の言葉に高遠は驚いた表情を浮かべた。「私が哀れだと?」地獄の傀儡子の言葉に高遠は怒りの表情を見せた。「そうだ!お前の母親を生き返らせる為にお前は多くの人間を殺したではないか!!」地獄傀儡子が叫ぶと高遠は言った。「黙れ!!お前に何がわかるというのだ!!」すると地獄の傀儡子は「分るさ、だって私も恋人を蘇らせる為に多くの人間を殺したからな!」と言った。「何?」高遠達が驚くと地獄の傀儡子は言った。「恋人を蘇らせる為に人を殺し続けた……だが、結局彼女は生き返らなかった!! だから私は自らの悪魔になり彼女を蘇らせたんだ、、それで私はこんな姿になっちまったが、後悔はしていない……」「そうか、、あなたも恋人を蘇らせる為に悪魔と契約したのか」金田一は納得したように言った。「そうだ!だから私はお前の気持ちがよくわかるんだ!だから、私は君を助けてやろうと思って君の前に現れたんだ!」地獄の傀儡子の言葉に高遠は驚いた。「そうだったのか、、」高遠は納得したように言った。「高遠遥一、、この方法以外は母親を蘇らせる方法は無いが、君は本当にこの方法で良いのか?自分を犠牲にしてまで母親を蘇らせるのか?」地獄の傀儡子の言葉に高遠は、「私は母さんの為に生きてきたんだ!だからこの方法しかないんだよ!!」と叫んだ。すると地獄の傀儡子は笑った。「ふっ、、君は本当に馬鹿だな」「何だと!?」高遠が言うと地獄の傀儡子は言った。「自分を犠牲にしてまで母親を生き返らせたいなんて、そんな馬鹿げた話は無いだろう?君の母親はそんな事を望んでいるのか?」悪魔の問い掛けに高遠は答えた。「母さんは、、きっとそんな事望んでいないだろう」地獄の傀儡子は高遠の言葉を聞いて不敵に笑った。「そうだ!君の母親はそんな事を望んではいない!」地獄の傀儡子の言葉に高遠は涙を流した。「でも、私にはもうこの方法しかないんだ!!」すると地獄の傀儡子は「そうか……君がそうというなら……だがな高遠遥一……私は君に、、自分と同じような目にあって欲しくないとも思ってしまったんだ」地獄の傀儡子の言葉に高遠は驚いた。「お前と同じ目?」地獄の傀儡子は不敵に笑った。「そうだ!」地獄の傀儡子の言葉に高遠は驚いた。「そうね……私も……遥一、、貴方に犠牲になっで欲しいとは思わないわ」地獄の傀儡子の言葉に美雪の姿をした玲子も言った。「貴方はもう、充分苦しんだわ」「でも、母さんは!」「ごめんなさい。私は貴方に辛い思いをさせてしまったわね」「母さん、、」高遠は涙を流した。「遥一、、貴方はもう十分苦しんだわ。だからもう終わりにしましょう」美雪の姿をした玲子は地獄の傀儡子に向くと「あの……私を天国に戻したらあの魂も戻るのよね?」と玲子が聞くと、「あぁ、、安心しろ」と地獄の傀儡子が答えた。「分ったわ!」「母さん!駄目だ!行っちゃ駄目!!」高遠が叫んだ。「遥一、、私はもう十分よ。だから貴方ももう終わりにしましょう」美雪の姿をした玲子はそう言うと魔法陣に向かって歩き出した。「やめろ!母さん!!!私は!僕は!!母さんを生き返らせる為に今まで生きてきた!だから頼む!行かないでくれ!!」高遠は泣きながら叫んだ。「遥一、、」美雪の姿をした玲子が呟いた。「私は貴方にもう一度会えただけでも十分幸せだったわ」「母さん、、」高遠は涙を流した。「遥一、、私は貴方に会えて本当に良かったわ。だからもう終わりにしましょう」「嫌だ!母さん!」すると美雪の姿をした玲子が魔法陣の中に入っていった。そして、玲子の姿は消えていき、美雪の姿に戻った。「母さん!!」高遠は泣き崩れた。
「あぁぁ、、ああぁぁ!!」金田一はそんな高遠を見て言った。「なぁ、高遠、お前本当にこの方法で良いと思っているのか?」「うるさい!!あなたに何がわかる!あぁぁ……母さん………なんでそんなことを……」高遠が泣いていると、地獄の傀儡子は笑った。「ふっ、ははは!どうだ?同じ目にあった気分は?」「貴様!!」地獄の傀儡子に殴りかかろうとする高遠を金田一が押さえた。「高遠!落ち着け!高遠!」「うるさい!離せ!!お前だけは許さない!!」地獄の傀儡子は高遠を見て言った。「ハハッ!私を恨むのは筋違いだぞ?だって……母親は自分で望んであの魔法陣に足を踏み入れたんだからな!あの母親もなかなかのエゴイストだな?自ら死を選ぶなんて……かつて人間の姿だった私が恋人ために、悪魔になったのを思い出したよ……」地獄の傀儡子はそう言うと高遠を見て言った。「私は同じ苦しみを味わう君を助けたつもりだったんだが……まさかあの人も私のように犠牲になるとはな……」地獄の傀儡子はそう言うと高遠に近付いた。「な、何だ!?」「高遠……母親の気持ちを踏みにじりたくはないだろ?」「どういうことだ!?」地獄の傀儡子は高遠に顔を寄せると囁いた。「悪魔との契約はこれで終わりだ、、だがな?君の母親が言っていた儀式で犠牲になった者達の魂は元に戻そう」「え?なんでそんなことしてくれるんだ?」高遠がそう言うと地獄の傀儡子は答えた。「勘違いするなよ?君のためではなく、私が気にいらないからだ!私も同じ苦しみを味わったからな!自分の為だよ!」地獄の傀儡子は高遠に近付いた。「さぁ、どうする?この契約はこれで終わりだ」地獄の傀儡子がそう言うと高遠は言った。「わかった、、お前の言う通りにする」すると地獄の傀儡子は言った。「そうか、、なら私の手を取れ」高遠が地獄の傀儡子の手を取ると魔法陣の中に入っていった。――ーしばらくするとたくさんの人間が魔法陣の中から出てきた。「これで、、終わったのか?」剣持警部が呟いた。「まぁ、誘拐された人達はこれで解放という事ですね」明智警視も言った。「悪魔、、まさか本当に存在していたとはな、、しかも人を蘇らせるなど……」剣持警部がそう呟くと、魔法陣から地獄の傀儡子と高遠が出て来た。「高遠……」「金田一君……私は……」高遠は金田一を見つめた。「私は……母さんを生き返らせる為に……でも、母さんは自らあの魔法陣に……私は………これからどうすれば良いんだ?私は……」高遠は呆然としていた。「まぁ、元気出せよ」金田一がそう言うと地獄の傀儡子が言った。「さてと、これで私の役目は終わったな?」そして地獄の傀儡子は消えていった。すると剣持警部は言った。「え?あ!ちょっと!!」地獄の傀儡子が消えていくのを見た剣持警部は慌てて追いかけようとしたが消えてしまっていた。「クソ!」剣持警部が叫ぶと明智警視も言った。「ああ、行ってしまったようですね」その後、高遠は警視庁で取り調べを受ける事となったのたが、高遠はいつも通り脱獄してしまった。
