金田一と高遠が入れ替わってしまったら
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放課後、一は家に帰っていた。
「そうだ!今日みたいテレビがあるんだっな。急いで帰らなねぇと」
一は急いで帰っていると誰かに当たってしまった。
「すみません…………って!」
「……お前…………高遠!?」
「ここで偶然会うとは奇遇ですね、金田一君」
そう言うと高遠は不気味に笑った。
「まさかこんなところで会うなんて思わなかったよ」
「私もですよ」
「それでは」
と言って立ち去ろうとしたときだった。
「ちょっと待てよ!逃すかよ」
一は高遠に近くと高遠は走って逃げ出した。
一は高遠を追いかけて歩道橋の階段の近くに来て追いつき、高遠の腕を掴み止めた。
高遠は振り払おうとしているとバランスを崩して二人は階段から落ちてしまった、、、
「いてぇ~」
「大丈夫ですか?」
「ああ、なんとかね」
二人が立ち上がると二人の体は入れ替わっていたのだ。
「え?何これ?」
「どうやら私たち入れ替わったようです」
「そんなことあるわけ、、、」
一は体を触り驚いた。それは自分の体ではなく高遠の体になっていたからだ。
「嘘だろー!!」
「これは面白いことになりましたね」
「なんで俺がおまえになってんだよ!!ふざけんなよ!」
「おや?私の身体に入って嬉しいんじゃないんですか?」
「全然嬉しくねぇよ!!!」
「まぁいいじゃないですか」
「よくねえよ!」
するとそこに警察が来た。
「おいそこの学生二人、そこで何をしている」
「いやなんでもありませんよ」
「って!そこにいるのは指名手配犯の高遠遼一じゃないか!」
「おっ、俺!?高遠はアイツだろ、、、そうか見た目が高遠だからか」
そして警官たちは一を捕まえようとしたが逃げられてしまい捕まえることができなかった。
「くそぉ~あいつめどこに逃げたんだ」
「あっちの方に逃げていきましたよ」
高遠が指を指したので警官はその方角に向かった。
一は必死で逃げて警察をなんとかまくことが出来た。
「ふぅ、危なかったぜ、しかし大変なことになったぞ」
一は店のショウウィンドウで高遠に入れ替わってしまった自分を見ながら言った。
「このままじゃ俺は捕まるし、アイツは俺の体で何するか分からないし、、、俺の体で殺人だってするかもしれねぇ」
「本当、大変なことになったなぁ」
その頃、高遠もどうするか考えていた。
「金田一君のふりでもしましょうか、いつか利用出来るかもしれませんからね」
高遠は一の家に帰った。
「おかえりなさい」
一の家に入ると一の母親が出迎えていた。
「ただいま母さん、父さんはまだ帰ってきていないのか?」
「そうなのよ、お父さんたらまた残業らしいわよ」
「そうか」
高遠は一の部屋に向かった。
一の部屋には家族の幸せな写真がかざっていた。
「家族ですか、、、」
高遠はそれを見て自分の家族は荒れていたことを思い出した。
そして何故自分が殺人鬼になってしまったかを、、、
父親は酒飲みで気に入らない事があると高遠に暴力を振るっていた。
そんな高遠は生きる気力を失いかけていた、、、
そんな時、テレビで見た近宮玲子というマジシャンに惹かれて、マジックショーを見に行った。
高遠は生まれて初めて感動したのだ。
その日から高遠の人生が変わった。
毎日のようにマジックの勉強をして、将来は世界一のマジシャンになる事を目標にして努力してきた。
そんな時に父親が死んだ。死因は不明だったが自殺だろうと言われている。
高遠はやっと父親の呪縛から逃れられたと思ったが、兄弟もおらず母親も小さい頃に病気になり死んだと聞かされている高遠には、天涯孤独の身となってしまった。
でも高遠は近宮玲子のようなマジシャンになるという夢を諦めなかった。
たが、目標にしていた大事な人が死んでしまった。マジックの練習中の事故だそうだ。
高遠は絶望してしまった。もう自分は生きていてもしょうがないと思い死のうかと考えたときに思い出したのが、幼い頃の記憶だった。
高遠は子供の頃のことを思いだしながら、自分の部屋にあるアルバムを見た。そこには幼い時の高遠の写真があった。高遠は昔の自分の姿を見ると懐かしくなった。
高遠はアルバムを見ているとある手帳を見つけた。
それは父親の日記だった。
高遠は興味本位で読んでみると、その内容は衝撃的なものだった。
高遠が憧れていたマジシャンの近宮玲子は、自分の母親だと知った。高遠はショックを受けた。
「そんな、、嘘ですよね、、」
高遠はショックで何も考えられなくなり、そのまま倒れてしまい病院へ運ばれた。
それから一週間後、高遠は目を覚ました。
「ここはどこだ?」
「あら、目がさめたようね」
「君は誰だ?それに僕はどうしてここにいるんだ?確か階段から落ちたはずなのに」
「あなたはね、階段から落ちて頭を打って意識不明の重体になっていたのよ」
「そうなんですか」
「それで私はあなたの担当医になったのよ」
「先生は僕のことをご存知なんですか?」
「えぇ知っているわよ、昔、私が担当した患者だからね」
「そうですか、、」
高遠は医者の話を聞いて、自分の体が無事なことを確認するために体を触った。
「あの、何か変わった所ありますか?」
「いいや、だいぶ回復はしてきたが、体に複数の傷があったのだが、、、、」
「あぁ、、、これですか」
高遠は入院着の胸の部分を開けるとそこには、、、酷い傷があった、、、
「それは、、、父に、、、やられたんですよ」
高遠が言うと医者は驚いた顔をしたが、すぐに冷静な顔に戻った。
「それは大変でしたね、それではゆっくり休んでください」
「はいありがとうございます」
高遠はベッドに戻ると天井を見ながら考えていた。
「まさか僕が、、あの近宮玲子さんの子供だったなんて、、、」
高遠はしばらく考え事をしていると眠くなってきたのか、寝てしまった。
そして高遠は自分と近宮玲子が仲良く一緒にマジックの練習をしている夢を見た、、、
朝起きた高遠は涙が出そうになった、、、
「いつもは悪夢しかみないのですが、久しぶりに楽しい夢をみれましたね、、、」
そう思うと高遠はついに涙を流して言った。
「一緒に、、生きていたかった、、」
高遠はそう呟きながら泣いた。
高遠はそう思えば思う程涙が止まらず、泣き続けた。
「なんでこんなことに、、」
高遠は悲しんだ。
「そう思っていてもしかないですよね、、、」
高遠はそう言い立ち上がると、昨日の医者が病室に来て退院してもいいといい、高遠は病院を後にした。
ある時、高遠は町を歩いていると、ある看板を見つけ、それは母親のマジックの弟子たちがやっているマジックショーだった。
だが、そのショーは母親のマジックと同じで、高遠は考えた。
「もしかしたら、、この人達がお母さんのマジック団を乗っ取ろうとお母さんを、、、、、、殺したんじゃないのか?」
そう思った高遠はマジック団のマネージャーになりすまし、確かめると弟子たちが話している所を聞いた。
やはり母親のマジック団を乗っ取ろうと弟子たちが、母親を事故に見せかけて殺したと言っていた、、、
高遠は怒りに震えた。
(許さない、絶対にあいつらを許さない)
高遠は弟子たちに復讐することを決意した、だが復讐を実行したがそれを止める邪魔が入った。
それは金田一一だった、、、その後、高遠は逮捕されて刑務所に入っていたのだが、脱獄して逃亡して、地獄の傀儡師となのり復讐したい犯人に近づいて自分の考えたトリックを実行させる、、、、、、、、、、
殺人鬼になったのだ、、、、
「私は本当に愚か者ですね」
高遠は写真を見ていた。
そこには幸せそうに笑う家族の姿があった、、、
「私にも、、、こんな未来もあったのかもしれないですね、、、」
高遠は悲しんでいると、すると部屋の扉が開いた。
「一、
ちょっといい?」
「ああ、いいよ」
そう言って高遠は部屋を出た。
「お父さんが仕事から帰って来たから、ご飯にするわよ」
「あぁ」
一に入れ替わった高遠はリビングに行き、一の父親に挨拶をした。
「父さん、お帰り」
高遠が言うと一の父親は驚いた顔をした。
「おお、一、、なのか?」
「そうだよ、どうかしたの?」
「いや、いつもと雰囲気が違うからさ、それに髪も下しているからさ」
すると高遠は髪を括り直し答えた。
「実は学校で友達と遊んで遅くなったからね、それで髪型を変えたんだよ」
「そうか、まぁ別にいいけどよ」
高遠がそう誤魔化すと一の父親は納得して食事を始めた。
「いただきます」
高遠はテーブルの上にある料理を食べ始めた。
「うん美味しいよ、母さんの作る料理は最高だね」
高遠が褒めると一の母親は喜んだ。
「ありがとうね」
「ごちそうさま」
食事を済ませた後、高遠は風呂に入った。
「ふぅ~」
「あれが普通の家族の会話ですか、、、」
高遠が風呂から上がると、一の父親が部屋に入ろうとしたところだった。
「一、
ちょっと待ってくれないか?」
「ん?どうしたの?」
「ちょっと話したいことがあってね、中に入ってもいいかい?」
「ああ、構わないよ」
二人は部屋に入り、一の父親はベッドの上に座り、高遠は机の椅子に座って向かい合った。
「なんだよ、大事な話って」
「いや、たいしたことじゃないんだけど、元気がないと思ってね」
「いや、そんなことないよ」
「何で元気が無いんだい?」
「いや、何でもない」
「何か悩み事でもあるんじゃないのか?」
「・・・」
「もしかして、俺に関係があるのか?もし俺のせいなら改善するからさ言ってくれ!」
「いや、大丈夫だ」
「そうか、ならいいけどよ。何かあったら今度から言えよ、一、、、、、、お前は俺たちの大事な息子だからな」
そう言って一の父親は笑みを浮かべた。
「分かったよ、ありがとう父さん」
(家族か、、私の父親もこんな子供を大切にする人であれば、、、)
高遠は自分の父親を思い出していた。
「じゃあそろそろ寝るよ」
高遠はそう言い部屋を出て行った。そして高遠は一の部屋に戻った。
高遠は父親の優しさに触れて悲しくなった、、、
「私の本当の親父は私を道具としてしか見ていなかったくせに、、」
高遠は涙を流した。
「私は一体何をしているんですかね、、私はただの殺人鬼なのに、、」
高遠は涙を拭きながら、あることを考えた。
「そうだ、私は殺人鬼なんだ、、私は犯罪者だ、私は地獄に落ちる人間だ、私は許されないことをした人間だ、私は許されない存在だ、私は許されるべきではない、、
私は報われてはならない、私が幸せになる権利なんて無い、だって私は殺人鬼なのだから、、、、」
高遠は自分にそう言い聞かせた、、、だがそれでも高遠は本当は、、、幸せになりたかったのだ。
その時、一の部屋をノックする者がいた。
「はい、誰ですか?」
高遠がドアを開けるとそこには一の母親がいた。
「一に会いたい人が来てるわよ」
高遠が玄関の扉を開けた。そこには高遠に入れ替わってた一がいた。
「高遠、久しぶりだな」
「えぇ、なんのようでしょうか?」
「お前に聞きたいことがあるんだ」
「何を聞きたいというのですか?」
高遠は警戒しながら聞いた。すると一は高遠に質問をした。
「お前のアジトの場所を教えてもらえないか?」
「え?」
「俺、お前に入れ替わっちまったから、泊まる場所がなくてさ」
「そうですか、いいですよ」
高遠はあっさりと答えた。
「えっ!?教えてくれるのかよ!」
一は驚いた表情を浮かべた。
「えぇ」
高遠が答えると、一は安心したような顔つきに変わった。
「良かったぜ」
高遠からアジトの場所を教えてもらい、一はアジトに向かった。
「ここか、、」
一は廃墟となった家を見上げた。
「よし、入るか」
そう言うと一は中に入っていった。一は奥へと進んで行った。
「お邪魔しまーす」
一は家の中に入ると地下室へと向かった。
「うぉ!暗!!」
一は懐中電灯をつけた。するとそこには、、、
色んな種類のナイフや高遠が犯行に使っていたものがあった。
「こんなにあるとは思ってなかったぜ」
「やっぱりアイツはここで、、殺しの作戦を考えてたんだな」
一は部屋の隅々まで調べた。すると隠し部屋を見つけた。
一は中に入った。部屋には、、、
高遠の母親、近宮玲子の写真が異常なまでに壁や天井に貼ってあった、、、、、、、、、、
「この写真、、全部、母さんの写真じゃねぇか、、」
そして一は思い出した、、、それは近宮玲子の弟子たちが殺された事件のことだった。
その事件の犯人が高遠だった、、、、、、、
母親のマジック団を乗っ取ろうと弟子たちが母親を殺し、マジックのトリックを奪った。
高遠は母親を殺した弟子たちを殺して復讐したと、一が事件を解いた時に高遠が殺人の動機で言っていた、、
その後、高遠は逮捕されて刑務所に入っていたのだが脱獄して逃亡して、地獄の傀儡師となのり復讐したい犯人に近づいて自分の考えたトリックを実行させる、、、、、、、、、、
ような殺人鬼になってしまったのだ、、、、、、、、、、、、、、
一はそのことを思い出していた。
一がその部屋を見るとテーブルの上に手帳が置いてあった。
「これは?高遠の日記か?」
一はそのノートを開いた。
『4月29日』今日は私の大切な人を殺したアイツらに復讐する日だ、、、
私はあのお母さんを殺したアイツらを絶対に許さない、、私が必ず殺してやる!!』
『私はアイツらを殺した、、、、、だけど私は後悔していない、、だって私は正しいことをしているのだから、、』
『私は間違っていない、私は正義だ!!私は悪を許さない、、たとえそれがお母さんが望んでないとしても私には関係ない、、私は私のやりたいようにやってるだけだ、、私は悪くない、、私は悪いことなんて何もしない、、ただ私はアイツらが憎かっただけなんだ、、私は悪くない、、私はただの殺人鬼だ、、私は殺人鬼だ、、私は殺人鬼なんだ、、、』
「高遠、、お前は、、」
一は自分の罪深さを知った。
「俺は、、どうすればいいんだよ、、」
一の目からは涙が流れた。
「俺がもっと早く気づいてれば、、高遠を止めることができたかもしれないのに、、」
一は涙を流しながら日記を読んだ。
「でももう遅いんだな、、アイツはもう、、、、、、復讐に手を染めてしまったんだよな、、、」
一はそう呟くと日記を最後のほうまでめくって読んだ
『今日も私は殺した、、これで何人目だろう、、私が今までに何人の人間を不幸にしてきたのだろうか、、?
私のせいでどれだけの人間が不幸な目にあったのだろうか、、そんなことを考えると自分が怖くなる、、だがそれでも私は止まらない、、だってこれが私の生きる意味なのだから、、私が生きている理由はこれしかないのだから、、 』
「高遠、、」
一は高遠の気持ちを考えると胸が苦しくなった。
「高遠、、ごめんな、、」
「高遠のこと勘違いしてた、、、お前にも色々あったんだな、、」
一は高遠のことを少し理解できた気がした。
「高遠はきっと、ずっと辛くて苦しい思いをしてきたんだろうな、、」
一は高遠の苦しみに気づいた。
「高遠は本当は優しい奴だったのに、、そうなって、、、、、、」
一は日記を読んで高遠の本当の優しさに気づいてしまった、、、
「高遠は、、本当に優しかったんだな、、」
一は高遠がどんな思いで犯行を続けてきたのかを考えさせられた。
「高遠、、」
一は心の中で高遠に謝った。
その頃、一の部屋では高遠と美雪と佐木が、トランプをしていた。
「あがりです!」
「また、勝ってしまいました。」
「一ちゃんいっつも負けるのに今日は勝ってるね」
三人が楽しそうにしていた。
(あぁ、なんか幸せですね、、、、こんな私の人生と違って、、、
私は父親もあんな人でしたし、母親も殺されて一人、、、だけど、金田一君には幸せな家族がいる、、、友達と馴染めず高校時代も一人、、、
だけど、金田一君には友達もいる、、、家族だっている、、
それに比べて、、私は、、こんなにも違うなんて、、やっぱり神様は不公平ですよ、、このままずっと元に戻らなければ良いのに、、でもそんなことは無理なんでしょうね、、、、)
高遠は自分の手を見た。
「どうしたの?」
高遠の様子に気づいたのか、美雪が声をかけた。
「いえ、なんでもない」
高遠は誤魔化した。高遠は美雪と佐木と別れて一人部屋にいた。
「はぁ~」
高遠は大きくためすを吐くと、窓の外を眺めた。
「本当に戻ってしまうんですかね?私の体は、、」
高遠の目には涙が浮かんでいた、、、、、、
「戻りたくない」
高遠は泣き出してしまった。
「うっ、、ぐぅ、、」
高遠は涙を流しながら自分の手で顔を覆っていた。
「どうして私はこうなんだ、、私はいつも間違えてしまう、、私は悪くないのに、、私はただ、、私はただ、、」
高遠は泣いていた。高遠は母親のことを思い出した。
「お母さーん!!」
高遠は大声で叫んだ。
「私は悪くない!!私は悪くないんだ!!!」
高遠は叫んでいた。
「私は悪くないんだ、、私は悪くない、、私は、、」
高遠の目からは涙が流れ続けていた。
「高遠?」
突然、部屋の扉が開かれて高遠は驚いた。そこには一がいた、、、
「どうした!?高遠!?大丈夫か!?」
一は心配そうに声をかけた。
「えぇ、、ちょっと疲れているだけですから、、」
高遠は笑顔を作った。
「そっか、ならいいんだけどよ」
一はそう悲しそうに言った。
「あの、、金田一君はなぜここにいるのですか?」
高遠は一に聞いた。
「お前のことを心配して来たんだよ」
「え?」
「俺、お前の日記を読んだんだ」
「え?あれ読んだですか」
「あぁ、そうだ」
一は高遠をまっすぐ見つめた。
「ごめんな、俺はお前のことを勘違いしてた、、、、、、お前は、、、本当は、、優しい奴だったんだな」
一は高遠に向かって頭を下げた。
「やめて下さい!そんなことしないでください!」
高遠は一の行動に驚いてしまった。
「高遠は優しい奴だったのにな、、ごめんな」
一はもう一度高遠に謝った。
「もういいですから、、」
高遠はそう言うと一に背を向けた。
「高遠、お前の気持ちはよくわかる、、だからって、、人を殺してもいい理由にはならないけどな、、」
一は高遠に話しかけた。
「わかっているんですよ、そんなことは、、でも、、止まらないんです、、この衝動が、、」
高遠は震えていた、、、、
「そうだよな、辛いよな、、」
一も辛そうな表情をした。
「私だってこんな自分が嫌です、、だけど、、止められないんです、、」
高遠の目には涙が溢れていた。
「高遠、、」
一も目に涙を浮かべて高遠を見つめた。
「金田一君、だから、、、取り引きはどうですか」
高遠はそう言って涙を拭いて、振り返ると一を見た。
「なんだ?」
「もう少しだけ私をあなたの体のままでいさせてください、、、それが終わったら、その代わりに元の体に戻るのに協力します、、、」
「私はあなたの体に入れ替わって良かったと思っているんです、あなたのような幸せな家族がいるんですね、羨ましいですよ」高遠は自分の手を見た。
一は高遠の取り引きを受け入れるか考えた
(確かにこのままじゃいけないとは思ってる、元の体に戻りたいと思うしな。それに、、、高遠は俺の家族をうらやましがっていた、、高遠はきっと寂しい思いをしながら生きてきたに違いない)
「わかった、その条件を飲むよ」
一はそう答えた。
「ありがとうございます」
高遠は嬉しかったのか微笑んだ。
「それで、いつまで入れ替わればいいんだ?」
「あなたの親に旅行に誘われているんです、、、それまでお願いします」
高遠はそう言った。
「そっか、、」
一は少し残念そうな顔をした。
「どうかしましたか?金田一君」
高遠は不思議に思った。
「いや、なんでもないよ」
一は慌てて笑顔を作った。
「わかりました」
高遠は納得した。
「またな」
一は部屋を出ていった。
高遠は旅行に行ってみて、、、一の家族と一緒にいる幸せを感じていた、、
「ふぅ~」
高遠はため息をつくとベッドの上で横になった。
「私が欲しいものは手に入らない、、」
高遠の目には涙が浮かんでいた。
「どうしてなんだろう、、」
高遠は涙を流しながら目を閉じた。
「金田一君の体がほしいなんて、、バカだよね、、」
高遠はそのまま眠りについた。
翌日、高遠は一の家で朝食を食べていた。
(旅行も終わってしまった、、、、、もうこの幸せな日々ともお別れですね、、)
高遠は悲しくなった。
「どうしたの?元気がないみたいだけど?」
一の母親が心配して声をかけた。
「いえ、大丈夫です」
高遠は無理に笑った。
「ただいま」
一の父親の声が家に響いた。
「そういえばさぁ」
一の父親が話し始めた
「今日から学校が始まるんだけど、友達とかできたかい?」
一の父親はニコニコしながら聞いた。
「はい!できました!」
高遠は笑顔で答えた。
「それはよかったな」
一の両親は安心して食事を続けた。
(私は今幸せなんだ、、こんな私でも少しは幸せに過ごせたんだ、、、
これ以上望んだらいけませんよね、、)
高遠は自分に言い聞かせるように心の中で呟いた。
「行ってきまーす!」
高遠はそう言うと家を出た。
「おはようございます」
そこには一がいた。
「あ、ああ」
一は驚いた様子で返事をした。
「どうしたんですか?金田一君」
高遠は首を傾げた。
「旅行終わっただろ、たから元に戻る話し合いをしようと思ってな」
「そうですか、、」
高遠は俯くと黙ってしまった。
二人は高遠のアジトに向かった。
「それで、元に戻れると思うか?」
「はい、あの時と同じように階段から落ちれば元に戻るんじゃないですかね?」
「あぁ、やってみるか」
二人はあの入れ替わってしまった歩道橋の階段から落ちてみると、、、
元の体に戻っていた。
二人は一の部屋に向かった。
「やった!戻ったぞ!」
一は嬉しさのあまり大声で叫んだ。
「良かったですね」
高遠も喜んでいるようだった。
「でも、、」
「ん?」
一は高遠の顔を見ると少し悲しそうな表情をしていた。
「どうしたんだ?高遠」
「私の体は戻らないんですよね、、」
「金田一君、私を君の体のままで少しの間過ごさせてくれてありがとうございます。最後に幸せを感じることが出来て良かったです、、、」
高遠は一に向かって頭を下げた。
「高遠、、」
「なぁ、最後って言っただろう?どういうことだ?」
「えっ!?」
高遠は驚いて顔を上げた。一は真剣な目つきで高遠を見つめていた。
「高遠、お前、、死ぬつもりなのか?」
「いや、そんなことはありませんよ、、」
高遠は慌てて否定した
「じゃあ、なんなんだ?俺の家族をうらやましそうに見たり、旅行が終わったらすぐに取り引きしようと言ったりして、、」
一は高遠に詰め寄った。
「金田一君、、」
高遠は何も言えなかった。
「俺はさ、、高遠のこと本当はいい奴だったと思ってたんだよ、だから、その、、」
一は言葉に詰まりながらも必死に伝えた。
「ありがとうございます、、」
高遠の目には涙が浮かんでいた。
「私はもう長くないんです、、」
高遠は自分の病気について語り始めた。
高遠は涙を流しながら話し続けた。
「どうしてだよ、、どうして高遠が死ななきゃいけないんだよ、、」
一は泣きながら言った。
「私はね、持病があるんです、、幼い頃からよく体調が悪かった、、私の父さんは酒飲みで気に入らない事があると私に、、、暴力を振るような人でした、、、」
高遠は目を瞑り昔を思い出した。
一はそう聞き服をめくってみるとそこには酷い傷があった、、、
「、、、、」
一はそれ以上何も言わず黙ってしまった。
「そんな人だったので病気の治療費なんて払ってくれるわけもなくてね、、それで私は病院に行くことができなかったんです、、」
高遠は拳を強く握り締めた。
「それで私は持病が悪化して、、危険な状態になったんです」
「でもね、私には一人だけ味方がいた、、それはお母さんだった、、
お母さんは私の治療費を出してくれていたんです、、、、、、、、
この時は誰が出してくれていたかは分からなかったですが、、、、、お母さんおかげで私は治療を受けることが出来て回復し始めた、、、、、、、、
でもアイツらにお母さんが殺されて、、、治療費を出してくれる人がいなくなって私は持病が酷くなってしまったんです、、、、、、、、、、、、」
高遠は悔しそうに唇を噛んだ。
「私の目指していた人がお母さんと知った時にお母さんが私の治療費を出してくれていたことを知ったんです、、、、、、、、、、、、」高遠はまた目に涙を浮かべた。
「そして、私はよりアイツが許せなくて復讐するために殺人鬼になった、、そして復讐に手を染めた後も私は、、
人殺しを続けてしまった、、何故なら、、」
高遠は一の方を向いた。
「私が生きている理由はこれしかないからです!私はこの手で人を殺せば殺すほど自分が不幸になるのを知っていても、、止められないんです!、、」
高遠は声を上げて泣いた。
「高遠、、」
「でも、、」
高遠は突然立ち上がり窓の外を見た。
「金田一君のおかげで私は少し幸せを感じることが出来た!ありがとうございます!」
高遠は笑顔を見せた。
「高遠、、」
「金田一君、私はあなたに出会えて本当に良かったです。金田一君がいなかったら私はきっと今頃、、」
高遠は一の顔を見ると涙を流した。
「高遠、、、、」
「さよなら」
「高遠!」
高遠はそのまま部屋を出て行こうとしたが、一は高遠を呼び止めた
「高遠、最後に聞かせてくれ、、お前は何のために生きているんだ?」
「、、、、、、」
高遠は一の方を振り向き答えた。
「私の生きる意味ですか?そんなものありませんよ」
「えっ?」
「だって、、もうすぐ死ぬんですよ?そんなこと聞いてどうするんです?」
高遠は悲しそうな表情をした。
「そっか、そうだよな、、」
「それでは、さようなら、金田一君」
高遠は部屋から出ていこうとしたが、一が高遠の腕を掴んで止めた。
「待ってくれよ、高遠」
「離して下さい、金田一君」
高遠は一の手を引き剥がそうとしたがなかなか離れない
「高遠、お前はまだ生きてるじゃないか!?まだやり残したことがあるんじゃないか?」
「何を言って、、?私は殺人鬼なんだ、、、
そんな私は病気でこのまま死んだ方がいい人間です、、、、、、」
高遠は一の言葉を否定した。
「違う!俺は知ってるぞ、お前が本当は優しい奴だったってことを、、」
一は必死に訴えた。
「もういいでしょう?これ以上私を苦しめないでください、、お願いだから、、」
高遠は涙を流しながら言った。
「じゃあ、なんで泣いているんだよ?高遠、、」
一がそう言うと高遠はハッとした顔になり、慌てて涙を拭った。
「もうやめようぜ高遠」
「金田一君、私は殺人鬼なんです、、」
高遠は首を横に振って否定した。
「違うよ、本当の殺人鬼ならそんなにも苦しまないはずだろ、、」
「それは、、」
高遠は何も言えなかった。
「それに、、俺には分かるんだよ、、」
一は高遠の顔を見つめた。
「高遠、、お前は自分の人生を終わらせたくないんだろう?、、」
高遠は黙ってうつむいていた。
「でも、私は人を殺しすぎた、、私は地獄に落ちるしかない」
高遠は震えていた。
「それにもうすぐ死ぬんだから関係ないだろ?それでも死にたくはないんじゃないのか?なぁ高遠?」
一がそう聞くと高遠の目からは大粒の涙を流し始めた、
「わっ私には、、生きていく資格なんて無いんだ、、
こんなに罪深い私が生きる価値なんかあるわけがない、、」
高遠は泣き崩れた。
「高遠、よく聞け、、」
一は真剣な眼差しで高遠を見た。
「高遠、お前のやったことは許されることじゃない、、でもな、、」
一は高遠に優しく語りかけた。
「俺はお前に生きて欲しいんだ、、」
一は高遠の肩に手を置いた。
「何でですか、、どうして私みたいな人殺しの味方をするんですか、、?あなたも私のことが憎いんでしょう?」
高遠は一の手を払いのけた。
「確かにお前のやってきた事は許されないことだ、でも俺はお前の気持ちが少しだけ分かってしまった、、」
一は高遠の目をじっと見つめた。
「あなたの言っている意味が分かりません、、」
「俺は今までいろんな事件を解決してきたけど、その度に犯人を追い詰めて、大体犯人は自殺してしまう、いつも後悔していた、、」
「えっ?」
「だってそうだろ?」
「だからな、お前まで死なないでくれよ!頼むよ」
一は頭を下げた。
「金田一君、、」
高遠は再び涙を浮かべながら一を見た。
「あなたは本当に優しい方ですね、、」
「えっ?」
「私のことを気遣ってくれているんですね、ありがとうございます」
高遠は一の手を握った。
「私はもうすぐ死ぬんですよ?なのに、なぜ私を助けようとするのです?」
「だってお前はまだ生きてるじゃないか?まだやり残したことがあるんじゃないか?」
「それは、、」
高遠は答えられなかった。
「高遠、お前はまだ生きてるじゃないか?まだやりたい事があるんじゃないか?」
「でも、、」
「それなら、俺がお前の病気を治すのに協力してやるよ!」
「えっ!?」
高遠は驚いた表情をした。
「安心しろ!絶対に治してみせるからさ」
「そんな、、無理ですよ、、」
高遠は首を横に振った。
「いいやできる!必ず治せるはずだぜ?」
一がそう言うと高遠は涙を拭った。
「金田一君、、」
「なんだ?どうしたんだよ?」
「私は病気のせいで、もうすぐ死ぬはずだったんです、それが今こうして生きているだけでも奇跡です」
高遠は涙を流しながら笑った。
「でも私はこの先も生きていきたいんです、こんな私を生きていいと言うのなら、、、
どうか私を救ってください」
一は力強くうなずき笑顔を見せた。
「ああ、任せとけって!絶対助けてやっからな!!」
「そうだ!今日みたいテレビがあるんだっな。急いで帰らなねぇと」
一は急いで帰っていると誰かに当たってしまった。
「すみません…………って!」
「……お前…………高遠!?」
「ここで偶然会うとは奇遇ですね、金田一君」
そう言うと高遠は不気味に笑った。
「まさかこんなところで会うなんて思わなかったよ」
「私もですよ」
「それでは」
と言って立ち去ろうとしたときだった。
「ちょっと待てよ!逃すかよ」
一は高遠に近くと高遠は走って逃げ出した。
一は高遠を追いかけて歩道橋の階段の近くに来て追いつき、高遠の腕を掴み止めた。
高遠は振り払おうとしているとバランスを崩して二人は階段から落ちてしまった、、、
「いてぇ~」
「大丈夫ですか?」
「ああ、なんとかね」
二人が立ち上がると二人の体は入れ替わっていたのだ。
「え?何これ?」
「どうやら私たち入れ替わったようです」
「そんなことあるわけ、、、」
一は体を触り驚いた。それは自分の体ではなく高遠の体になっていたからだ。
「嘘だろー!!」
「これは面白いことになりましたね」
「なんで俺がおまえになってんだよ!!ふざけんなよ!」
「おや?私の身体に入って嬉しいんじゃないんですか?」
「全然嬉しくねぇよ!!!」
「まぁいいじゃないですか」
「よくねえよ!」
するとそこに警察が来た。
「おいそこの学生二人、そこで何をしている」
「いやなんでもありませんよ」
「って!そこにいるのは指名手配犯の高遠遼一じゃないか!」
「おっ、俺!?高遠はアイツだろ、、、そうか見た目が高遠だからか」
そして警官たちは一を捕まえようとしたが逃げられてしまい捕まえることができなかった。
「くそぉ~あいつめどこに逃げたんだ」
「あっちの方に逃げていきましたよ」
高遠が指を指したので警官はその方角に向かった。
一は必死で逃げて警察をなんとかまくことが出来た。
「ふぅ、危なかったぜ、しかし大変なことになったぞ」
一は店のショウウィンドウで高遠に入れ替わってしまった自分を見ながら言った。
「このままじゃ俺は捕まるし、アイツは俺の体で何するか分からないし、、、俺の体で殺人だってするかもしれねぇ」
「本当、大変なことになったなぁ」
その頃、高遠もどうするか考えていた。
「金田一君のふりでもしましょうか、いつか利用出来るかもしれませんからね」
高遠は一の家に帰った。
「おかえりなさい」
一の家に入ると一の母親が出迎えていた。
「ただいま母さん、父さんはまだ帰ってきていないのか?」
「そうなのよ、お父さんたらまた残業らしいわよ」
「そうか」
高遠は一の部屋に向かった。
一の部屋には家族の幸せな写真がかざっていた。
「家族ですか、、、」
高遠はそれを見て自分の家族は荒れていたことを思い出した。
そして何故自分が殺人鬼になってしまったかを、、、
父親は酒飲みで気に入らない事があると高遠に暴力を振るっていた。
そんな高遠は生きる気力を失いかけていた、、、
そんな時、テレビで見た近宮玲子というマジシャンに惹かれて、マジックショーを見に行った。
高遠は生まれて初めて感動したのだ。
その日から高遠の人生が変わった。
毎日のようにマジックの勉強をして、将来は世界一のマジシャンになる事を目標にして努力してきた。
そんな時に父親が死んだ。死因は不明だったが自殺だろうと言われている。
高遠はやっと父親の呪縛から逃れられたと思ったが、兄弟もおらず母親も小さい頃に病気になり死んだと聞かされている高遠には、天涯孤独の身となってしまった。
でも高遠は近宮玲子のようなマジシャンになるという夢を諦めなかった。
たが、目標にしていた大事な人が死んでしまった。マジックの練習中の事故だそうだ。
高遠は絶望してしまった。もう自分は生きていてもしょうがないと思い死のうかと考えたときに思い出したのが、幼い頃の記憶だった。
高遠は子供の頃のことを思いだしながら、自分の部屋にあるアルバムを見た。そこには幼い時の高遠の写真があった。高遠は昔の自分の姿を見ると懐かしくなった。
高遠はアルバムを見ているとある手帳を見つけた。
それは父親の日記だった。
高遠は興味本位で読んでみると、その内容は衝撃的なものだった。
高遠が憧れていたマジシャンの近宮玲子は、自分の母親だと知った。高遠はショックを受けた。
「そんな、、嘘ですよね、、」
高遠はショックで何も考えられなくなり、そのまま倒れてしまい病院へ運ばれた。
それから一週間後、高遠は目を覚ました。
「ここはどこだ?」
「あら、目がさめたようね」
「君は誰だ?それに僕はどうしてここにいるんだ?確か階段から落ちたはずなのに」
「あなたはね、階段から落ちて頭を打って意識不明の重体になっていたのよ」
「そうなんですか」
「それで私はあなたの担当医になったのよ」
「先生は僕のことをご存知なんですか?」
「えぇ知っているわよ、昔、私が担当した患者だからね」
「そうですか、、」
高遠は医者の話を聞いて、自分の体が無事なことを確認するために体を触った。
「あの、何か変わった所ありますか?」
「いいや、だいぶ回復はしてきたが、体に複数の傷があったのだが、、、、」
「あぁ、、、これですか」
高遠は入院着の胸の部分を開けるとそこには、、、酷い傷があった、、、
「それは、、、父に、、、やられたんですよ」
高遠が言うと医者は驚いた顔をしたが、すぐに冷静な顔に戻った。
「それは大変でしたね、それではゆっくり休んでください」
「はいありがとうございます」
高遠はベッドに戻ると天井を見ながら考えていた。
「まさか僕が、、あの近宮玲子さんの子供だったなんて、、、」
高遠はしばらく考え事をしていると眠くなってきたのか、寝てしまった。
そして高遠は自分と近宮玲子が仲良く一緒にマジックの練習をしている夢を見た、、、
朝起きた高遠は涙が出そうになった、、、
「いつもは悪夢しかみないのですが、久しぶりに楽しい夢をみれましたね、、、」
そう思うと高遠はついに涙を流して言った。
「一緒に、、生きていたかった、、」
高遠はそう呟きながら泣いた。
高遠はそう思えば思う程涙が止まらず、泣き続けた。
「なんでこんなことに、、」
高遠は悲しんだ。
「そう思っていてもしかないですよね、、、」
高遠はそう言い立ち上がると、昨日の医者が病室に来て退院してもいいといい、高遠は病院を後にした。
ある時、高遠は町を歩いていると、ある看板を見つけ、それは母親のマジックの弟子たちがやっているマジックショーだった。
だが、そのショーは母親のマジックと同じで、高遠は考えた。
「もしかしたら、、この人達がお母さんのマジック団を乗っ取ろうとお母さんを、、、、、、殺したんじゃないのか?」
そう思った高遠はマジック団のマネージャーになりすまし、確かめると弟子たちが話している所を聞いた。
やはり母親のマジック団を乗っ取ろうと弟子たちが、母親を事故に見せかけて殺したと言っていた、、、
高遠は怒りに震えた。
(許さない、絶対にあいつらを許さない)
高遠は弟子たちに復讐することを決意した、だが復讐を実行したがそれを止める邪魔が入った。
それは金田一一だった、、、その後、高遠は逮捕されて刑務所に入っていたのだが、脱獄して逃亡して、地獄の傀儡師となのり復讐したい犯人に近づいて自分の考えたトリックを実行させる、、、、、、、、、、
殺人鬼になったのだ、、、、
「私は本当に愚か者ですね」
高遠は写真を見ていた。
そこには幸せそうに笑う家族の姿があった、、、
「私にも、、、こんな未来もあったのかもしれないですね、、、」
高遠は悲しんでいると、すると部屋の扉が開いた。
「一、
ちょっといい?」
「ああ、いいよ」
そう言って高遠は部屋を出た。
「お父さんが仕事から帰って来たから、ご飯にするわよ」
「あぁ」
一に入れ替わった高遠はリビングに行き、一の父親に挨拶をした。
「父さん、お帰り」
高遠が言うと一の父親は驚いた顔をした。
「おお、一、、なのか?」
「そうだよ、どうかしたの?」
「いや、いつもと雰囲気が違うからさ、それに髪も下しているからさ」
すると高遠は髪を括り直し答えた。
「実は学校で友達と遊んで遅くなったからね、それで髪型を変えたんだよ」
「そうか、まぁ別にいいけどよ」
高遠がそう誤魔化すと一の父親は納得して食事を始めた。
「いただきます」
高遠はテーブルの上にある料理を食べ始めた。
「うん美味しいよ、母さんの作る料理は最高だね」
高遠が褒めると一の母親は喜んだ。
「ありがとうね」
「ごちそうさま」
食事を済ませた後、高遠は風呂に入った。
「ふぅ~」
「あれが普通の家族の会話ですか、、、」
高遠が風呂から上がると、一の父親が部屋に入ろうとしたところだった。
「一、
ちょっと待ってくれないか?」
「ん?どうしたの?」
「ちょっと話したいことがあってね、中に入ってもいいかい?」
「ああ、構わないよ」
二人は部屋に入り、一の父親はベッドの上に座り、高遠は机の椅子に座って向かい合った。
「なんだよ、大事な話って」
「いや、たいしたことじゃないんだけど、元気がないと思ってね」
「いや、そんなことないよ」
「何で元気が無いんだい?」
「いや、何でもない」
「何か悩み事でもあるんじゃないのか?」
「・・・」
「もしかして、俺に関係があるのか?もし俺のせいなら改善するからさ言ってくれ!」
「いや、大丈夫だ」
「そうか、ならいいけどよ。何かあったら今度から言えよ、一、、、、、、お前は俺たちの大事な息子だからな」
そう言って一の父親は笑みを浮かべた。
「分かったよ、ありがとう父さん」
(家族か、、私の父親もこんな子供を大切にする人であれば、、、)
高遠は自分の父親を思い出していた。
「じゃあそろそろ寝るよ」
高遠はそう言い部屋を出て行った。そして高遠は一の部屋に戻った。
高遠は父親の優しさに触れて悲しくなった、、、
「私の本当の親父は私を道具としてしか見ていなかったくせに、、」
高遠は涙を流した。
「私は一体何をしているんですかね、、私はただの殺人鬼なのに、、」
高遠は涙を拭きながら、あることを考えた。
「そうだ、私は殺人鬼なんだ、、私は犯罪者だ、私は地獄に落ちる人間だ、私は許されないことをした人間だ、私は許されない存在だ、私は許されるべきではない、、
私は報われてはならない、私が幸せになる権利なんて無い、だって私は殺人鬼なのだから、、、、」
高遠は自分にそう言い聞かせた、、、だがそれでも高遠は本当は、、、幸せになりたかったのだ。
その時、一の部屋をノックする者がいた。
「はい、誰ですか?」
高遠がドアを開けるとそこには一の母親がいた。
「一に会いたい人が来てるわよ」
高遠が玄関の扉を開けた。そこには高遠に入れ替わってた一がいた。
「高遠、久しぶりだな」
「えぇ、なんのようでしょうか?」
「お前に聞きたいことがあるんだ」
「何を聞きたいというのですか?」
高遠は警戒しながら聞いた。すると一は高遠に質問をした。
「お前のアジトの場所を教えてもらえないか?」
「え?」
「俺、お前に入れ替わっちまったから、泊まる場所がなくてさ」
「そうですか、いいですよ」
高遠はあっさりと答えた。
「えっ!?教えてくれるのかよ!」
一は驚いた表情を浮かべた。
「えぇ」
高遠が答えると、一は安心したような顔つきに変わった。
「良かったぜ」
高遠からアジトの場所を教えてもらい、一はアジトに向かった。
「ここか、、」
一は廃墟となった家を見上げた。
「よし、入るか」
そう言うと一は中に入っていった。一は奥へと進んで行った。
「お邪魔しまーす」
一は家の中に入ると地下室へと向かった。
「うぉ!暗!!」
一は懐中電灯をつけた。するとそこには、、、
色んな種類のナイフや高遠が犯行に使っていたものがあった。
「こんなにあるとは思ってなかったぜ」
「やっぱりアイツはここで、、殺しの作戦を考えてたんだな」
一は部屋の隅々まで調べた。すると隠し部屋を見つけた。
一は中に入った。部屋には、、、
高遠の母親、近宮玲子の写真が異常なまでに壁や天井に貼ってあった、、、、、、、、、、
「この写真、、全部、母さんの写真じゃねぇか、、」
そして一は思い出した、、、それは近宮玲子の弟子たちが殺された事件のことだった。
その事件の犯人が高遠だった、、、、、、、
母親のマジック団を乗っ取ろうと弟子たちが母親を殺し、マジックのトリックを奪った。
高遠は母親を殺した弟子たちを殺して復讐したと、一が事件を解いた時に高遠が殺人の動機で言っていた、、
その後、高遠は逮捕されて刑務所に入っていたのだが脱獄して逃亡して、地獄の傀儡師となのり復讐したい犯人に近づいて自分の考えたトリックを実行させる、、、、、、、、、、
ような殺人鬼になってしまったのだ、、、、、、、、、、、、、、
一はそのことを思い出していた。
一がその部屋を見るとテーブルの上に手帳が置いてあった。
「これは?高遠の日記か?」
一はそのノートを開いた。
『4月29日』今日は私の大切な人を殺したアイツらに復讐する日だ、、、
私はあのお母さんを殺したアイツらを絶対に許さない、、私が必ず殺してやる!!』
『私はアイツらを殺した、、、、、だけど私は後悔していない、、だって私は正しいことをしているのだから、、』
『私は間違っていない、私は正義だ!!私は悪を許さない、、たとえそれがお母さんが望んでないとしても私には関係ない、、私は私のやりたいようにやってるだけだ、、私は悪くない、、私は悪いことなんて何もしない、、ただ私はアイツらが憎かっただけなんだ、、私は悪くない、、私はただの殺人鬼だ、、私は殺人鬼だ、、私は殺人鬼なんだ、、、』
「高遠、、お前は、、」
一は自分の罪深さを知った。
「俺は、、どうすればいいんだよ、、」
一の目からは涙が流れた。
「俺がもっと早く気づいてれば、、高遠を止めることができたかもしれないのに、、」
一は涙を流しながら日記を読んだ。
「でももう遅いんだな、、アイツはもう、、、、、、復讐に手を染めてしまったんだよな、、、」
一はそう呟くと日記を最後のほうまでめくって読んだ
『今日も私は殺した、、これで何人目だろう、、私が今までに何人の人間を不幸にしてきたのだろうか、、?
私のせいでどれだけの人間が不幸な目にあったのだろうか、、そんなことを考えると自分が怖くなる、、だがそれでも私は止まらない、、だってこれが私の生きる意味なのだから、、私が生きている理由はこれしかないのだから、、 』
「高遠、、」
一は高遠の気持ちを考えると胸が苦しくなった。
「高遠、、ごめんな、、」
「高遠のこと勘違いしてた、、、お前にも色々あったんだな、、」
一は高遠のことを少し理解できた気がした。
「高遠はきっと、ずっと辛くて苦しい思いをしてきたんだろうな、、」
一は高遠の苦しみに気づいた。
「高遠は本当は優しい奴だったのに、、そうなって、、、、、、」
一は日記を読んで高遠の本当の優しさに気づいてしまった、、、
「高遠は、、本当に優しかったんだな、、」
一は高遠がどんな思いで犯行を続けてきたのかを考えさせられた。
「高遠、、」
一は心の中で高遠に謝った。
その頃、一の部屋では高遠と美雪と佐木が、トランプをしていた。
「あがりです!」
「また、勝ってしまいました。」
「一ちゃんいっつも負けるのに今日は勝ってるね」
三人が楽しそうにしていた。
(あぁ、なんか幸せですね、、、、こんな私の人生と違って、、、
私は父親もあんな人でしたし、母親も殺されて一人、、、だけど、金田一君には幸せな家族がいる、、、友達と馴染めず高校時代も一人、、、
だけど、金田一君には友達もいる、、、家族だっている、、
それに比べて、、私は、、こんなにも違うなんて、、やっぱり神様は不公平ですよ、、このままずっと元に戻らなければ良いのに、、でもそんなことは無理なんでしょうね、、、、)
高遠は自分の手を見た。
「どうしたの?」
高遠の様子に気づいたのか、美雪が声をかけた。
「いえ、なんでもない」
高遠は誤魔化した。高遠は美雪と佐木と別れて一人部屋にいた。
「はぁ~」
高遠は大きくためすを吐くと、窓の外を眺めた。
「本当に戻ってしまうんですかね?私の体は、、」
高遠の目には涙が浮かんでいた、、、、、、
「戻りたくない」
高遠は泣き出してしまった。
「うっ、、ぐぅ、、」
高遠は涙を流しながら自分の手で顔を覆っていた。
「どうして私はこうなんだ、、私はいつも間違えてしまう、、私は悪くないのに、、私はただ、、私はただ、、」
高遠は泣いていた。高遠は母親のことを思い出した。
「お母さーん!!」
高遠は大声で叫んだ。
「私は悪くない!!私は悪くないんだ!!!」
高遠は叫んでいた。
「私は悪くないんだ、、私は悪くない、、私は、、」
高遠の目からは涙が流れ続けていた。
「高遠?」
突然、部屋の扉が開かれて高遠は驚いた。そこには一がいた、、、
「どうした!?高遠!?大丈夫か!?」
一は心配そうに声をかけた。
「えぇ、、ちょっと疲れているだけですから、、」
高遠は笑顔を作った。
「そっか、ならいいんだけどよ」
一はそう悲しそうに言った。
「あの、、金田一君はなぜここにいるのですか?」
高遠は一に聞いた。
「お前のことを心配して来たんだよ」
「え?」
「俺、お前の日記を読んだんだ」
「え?あれ読んだですか」
「あぁ、そうだ」
一は高遠をまっすぐ見つめた。
「ごめんな、俺はお前のことを勘違いしてた、、、、、、お前は、、、本当は、、優しい奴だったんだな」
一は高遠に向かって頭を下げた。
「やめて下さい!そんなことしないでください!」
高遠は一の行動に驚いてしまった。
「高遠は優しい奴だったのにな、、ごめんな」
一はもう一度高遠に謝った。
「もういいですから、、」
高遠はそう言うと一に背を向けた。
「高遠、お前の気持ちはよくわかる、、だからって、、人を殺してもいい理由にはならないけどな、、」
一は高遠に話しかけた。
「わかっているんですよ、そんなことは、、でも、、止まらないんです、、この衝動が、、」
高遠は震えていた、、、、
「そうだよな、辛いよな、、」
一も辛そうな表情をした。
「私だってこんな自分が嫌です、、だけど、、止められないんです、、」
高遠の目には涙が溢れていた。
「高遠、、」
一も目に涙を浮かべて高遠を見つめた。
「金田一君、だから、、、取り引きはどうですか」
高遠はそう言って涙を拭いて、振り返ると一を見た。
「なんだ?」
「もう少しだけ私をあなたの体のままでいさせてください、、、それが終わったら、その代わりに元の体に戻るのに協力します、、、」
「私はあなたの体に入れ替わって良かったと思っているんです、あなたのような幸せな家族がいるんですね、羨ましいですよ」高遠は自分の手を見た。
一は高遠の取り引きを受け入れるか考えた
(確かにこのままじゃいけないとは思ってる、元の体に戻りたいと思うしな。それに、、、高遠は俺の家族をうらやましがっていた、、高遠はきっと寂しい思いをしながら生きてきたに違いない)
「わかった、その条件を飲むよ」
一はそう答えた。
「ありがとうございます」
高遠は嬉しかったのか微笑んだ。
「それで、いつまで入れ替わればいいんだ?」
「あなたの親に旅行に誘われているんです、、、それまでお願いします」
高遠はそう言った。
「そっか、、」
一は少し残念そうな顔をした。
「どうかしましたか?金田一君」
高遠は不思議に思った。
「いや、なんでもないよ」
一は慌てて笑顔を作った。
「わかりました」
高遠は納得した。
「またな」
一は部屋を出ていった。
高遠は旅行に行ってみて、、、一の家族と一緒にいる幸せを感じていた、、
「ふぅ~」
高遠はため息をつくとベッドの上で横になった。
「私が欲しいものは手に入らない、、」
高遠の目には涙が浮かんでいた。
「どうしてなんだろう、、」
高遠は涙を流しながら目を閉じた。
「金田一君の体がほしいなんて、、バカだよね、、」
高遠はそのまま眠りについた。
翌日、高遠は一の家で朝食を食べていた。
(旅行も終わってしまった、、、、、もうこの幸せな日々ともお別れですね、、)
高遠は悲しくなった。
「どうしたの?元気がないみたいだけど?」
一の母親が心配して声をかけた。
「いえ、大丈夫です」
高遠は無理に笑った。
「ただいま」
一の父親の声が家に響いた。
「そういえばさぁ」
一の父親が話し始めた
「今日から学校が始まるんだけど、友達とかできたかい?」
一の父親はニコニコしながら聞いた。
「はい!できました!」
高遠は笑顔で答えた。
「それはよかったな」
一の両親は安心して食事を続けた。
(私は今幸せなんだ、、こんな私でも少しは幸せに過ごせたんだ、、、
これ以上望んだらいけませんよね、、)
高遠は自分に言い聞かせるように心の中で呟いた。
「行ってきまーす!」
高遠はそう言うと家を出た。
「おはようございます」
そこには一がいた。
「あ、ああ」
一は驚いた様子で返事をした。
「どうしたんですか?金田一君」
高遠は首を傾げた。
「旅行終わっただろ、たから元に戻る話し合いをしようと思ってな」
「そうですか、、」
高遠は俯くと黙ってしまった。
二人は高遠のアジトに向かった。
「それで、元に戻れると思うか?」
「はい、あの時と同じように階段から落ちれば元に戻るんじゃないですかね?」
「あぁ、やってみるか」
二人はあの入れ替わってしまった歩道橋の階段から落ちてみると、、、
元の体に戻っていた。
二人は一の部屋に向かった。
「やった!戻ったぞ!」
一は嬉しさのあまり大声で叫んだ。
「良かったですね」
高遠も喜んでいるようだった。
「でも、、」
「ん?」
一は高遠の顔を見ると少し悲しそうな表情をしていた。
「どうしたんだ?高遠」
「私の体は戻らないんですよね、、」
「金田一君、私を君の体のままで少しの間過ごさせてくれてありがとうございます。最後に幸せを感じることが出来て良かったです、、、」
高遠は一に向かって頭を下げた。
「高遠、、」
「なぁ、最後って言っただろう?どういうことだ?」
「えっ!?」
高遠は驚いて顔を上げた。一は真剣な目つきで高遠を見つめていた。
「高遠、お前、、死ぬつもりなのか?」
「いや、そんなことはありませんよ、、」
高遠は慌てて否定した
「じゃあ、なんなんだ?俺の家族をうらやましそうに見たり、旅行が終わったらすぐに取り引きしようと言ったりして、、」
一は高遠に詰め寄った。
「金田一君、、」
高遠は何も言えなかった。
「俺はさ、、高遠のこと本当はいい奴だったと思ってたんだよ、だから、その、、」
一は言葉に詰まりながらも必死に伝えた。
「ありがとうございます、、」
高遠の目には涙が浮かんでいた。
「私はもう長くないんです、、」
高遠は自分の病気について語り始めた。
高遠は涙を流しながら話し続けた。
「どうしてだよ、、どうして高遠が死ななきゃいけないんだよ、、」
一は泣きながら言った。
「私はね、持病があるんです、、幼い頃からよく体調が悪かった、、私の父さんは酒飲みで気に入らない事があると私に、、、暴力を振るような人でした、、、」
高遠は目を瞑り昔を思い出した。
一はそう聞き服をめくってみるとそこには酷い傷があった、、、
「、、、、」
一はそれ以上何も言わず黙ってしまった。
「そんな人だったので病気の治療費なんて払ってくれるわけもなくてね、、それで私は病院に行くことができなかったんです、、」
高遠は拳を強く握り締めた。
「それで私は持病が悪化して、、危険な状態になったんです」
「でもね、私には一人だけ味方がいた、、それはお母さんだった、、
お母さんは私の治療費を出してくれていたんです、、、、、、、、
この時は誰が出してくれていたかは分からなかったですが、、、、、お母さんおかげで私は治療を受けることが出来て回復し始めた、、、、、、、、
でもアイツらにお母さんが殺されて、、、治療費を出してくれる人がいなくなって私は持病が酷くなってしまったんです、、、、、、、、、、、、」
高遠は悔しそうに唇を噛んだ。
「私の目指していた人がお母さんと知った時にお母さんが私の治療費を出してくれていたことを知ったんです、、、、、、、、、、、、」高遠はまた目に涙を浮かべた。
「そして、私はよりアイツが許せなくて復讐するために殺人鬼になった、、そして復讐に手を染めた後も私は、、
人殺しを続けてしまった、、何故なら、、」
高遠は一の方を向いた。
「私が生きている理由はこれしかないからです!私はこの手で人を殺せば殺すほど自分が不幸になるのを知っていても、、止められないんです!、、」
高遠は声を上げて泣いた。
「高遠、、」
「でも、、」
高遠は突然立ち上がり窓の外を見た。
「金田一君のおかげで私は少し幸せを感じることが出来た!ありがとうございます!」
高遠は笑顔を見せた。
「高遠、、」
「金田一君、私はあなたに出会えて本当に良かったです。金田一君がいなかったら私はきっと今頃、、」
高遠は一の顔を見ると涙を流した。
「高遠、、、、」
「さよなら」
「高遠!」
高遠はそのまま部屋を出て行こうとしたが、一は高遠を呼び止めた
「高遠、最後に聞かせてくれ、、お前は何のために生きているんだ?」
「、、、、、、」
高遠は一の方を振り向き答えた。
「私の生きる意味ですか?そんなものありませんよ」
「えっ?」
「だって、、もうすぐ死ぬんですよ?そんなこと聞いてどうするんです?」
高遠は悲しそうな表情をした。
「そっか、そうだよな、、」
「それでは、さようなら、金田一君」
高遠は部屋から出ていこうとしたが、一が高遠の腕を掴んで止めた。
「待ってくれよ、高遠」
「離して下さい、金田一君」
高遠は一の手を引き剥がそうとしたがなかなか離れない
「高遠、お前はまだ生きてるじゃないか!?まだやり残したことがあるんじゃないか?」
「何を言って、、?私は殺人鬼なんだ、、、
そんな私は病気でこのまま死んだ方がいい人間です、、、、、、」
高遠は一の言葉を否定した。
「違う!俺は知ってるぞ、お前が本当は優しい奴だったってことを、、」
一は必死に訴えた。
「もういいでしょう?これ以上私を苦しめないでください、、お願いだから、、」
高遠は涙を流しながら言った。
「じゃあ、なんで泣いているんだよ?高遠、、」
一がそう言うと高遠はハッとした顔になり、慌てて涙を拭った。
「もうやめようぜ高遠」
「金田一君、私は殺人鬼なんです、、」
高遠は首を横に振って否定した。
「違うよ、本当の殺人鬼ならそんなにも苦しまないはずだろ、、」
「それは、、」
高遠は何も言えなかった。
「それに、、俺には分かるんだよ、、」
一は高遠の顔を見つめた。
「高遠、、お前は自分の人生を終わらせたくないんだろう?、、」
高遠は黙ってうつむいていた。
「でも、私は人を殺しすぎた、、私は地獄に落ちるしかない」
高遠は震えていた。
「それにもうすぐ死ぬんだから関係ないだろ?それでも死にたくはないんじゃないのか?なぁ高遠?」
一がそう聞くと高遠の目からは大粒の涙を流し始めた、
「わっ私には、、生きていく資格なんて無いんだ、、
こんなに罪深い私が生きる価値なんかあるわけがない、、」
高遠は泣き崩れた。
「高遠、よく聞け、、」
一は真剣な眼差しで高遠を見た。
「高遠、お前のやったことは許されることじゃない、、でもな、、」
一は高遠に優しく語りかけた。
「俺はお前に生きて欲しいんだ、、」
一は高遠の肩に手を置いた。
「何でですか、、どうして私みたいな人殺しの味方をするんですか、、?あなたも私のことが憎いんでしょう?」
高遠は一の手を払いのけた。
「確かにお前のやってきた事は許されないことだ、でも俺はお前の気持ちが少しだけ分かってしまった、、」
一は高遠の目をじっと見つめた。
「あなたの言っている意味が分かりません、、」
「俺は今までいろんな事件を解決してきたけど、その度に犯人を追い詰めて、大体犯人は自殺してしまう、いつも後悔していた、、」
「えっ?」
「だってそうだろ?」
「だからな、お前まで死なないでくれよ!頼むよ」
一は頭を下げた。
「金田一君、、」
高遠は再び涙を浮かべながら一を見た。
「あなたは本当に優しい方ですね、、」
「えっ?」
「私のことを気遣ってくれているんですね、ありがとうございます」
高遠は一の手を握った。
「私はもうすぐ死ぬんですよ?なのに、なぜ私を助けようとするのです?」
「だってお前はまだ生きてるじゃないか?まだやり残したことがあるんじゃないか?」
「それは、、」
高遠は答えられなかった。
「高遠、お前はまだ生きてるじゃないか?まだやりたい事があるんじゃないか?」
「でも、、」
「それなら、俺がお前の病気を治すのに協力してやるよ!」
「えっ!?」
高遠は驚いた表情をした。
「安心しろ!絶対に治してみせるからさ」
「そんな、、無理ですよ、、」
高遠は首を横に振った。
「いいやできる!必ず治せるはずだぜ?」
一がそう言うと高遠は涙を拭った。
「金田一君、、」
「なんだ?どうしたんだよ?」
「私は病気のせいで、もうすぐ死ぬはずだったんです、それが今こうして生きているだけでも奇跡です」
高遠は涙を流しながら笑った。
「でも私はこの先も生きていきたいんです、こんな私を生きていいと言うのなら、、、
どうか私を救ってください」
一は力強くうなずき笑顔を見せた。
「ああ、任せとけって!絶対助けてやっからな!!」
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