開戦
リング争奪戦初日。
ヴァリアー一行は並盛中学校へ向かう。
リーゼは正規の守護者ではないため、幹部たちの少し後ろを歩いている。
学校へ入ると、すでにツナたちが集まっていた。
リーゼはそこで、数日前に道案内をしてくれた少年が沢田綱吉だったことを知る。
「あ……。」
思わず声が漏れる。
ツナもリーゼに気付き、目を見開く。
「リーゼさん……!?」
周囲の空気が一瞬止まる。
獄寺がすぐにツナの前へ出る。
「十代目、この女を知ってるんですか?」
「え、えっと……この前、道を案内した人で……。」
ベルフェゴールが笑う。
「ししし。知り合いだったんだ。」
スクアーロはリーゼを一瞥する。
「ドブ女ぁ!知り合いだろうが関係ねぇ!」
「……はい。」
リーゼは静かに頭を下げる。
「……あの時は、ありがとうございました。」
決別。
これがリーゼ・ヴァイス・ドラゴンロードの人生。
彼は自分の人生では敵だ。
ツナは困惑する。
「えっと……どういうこと?」
リーゼは答えない。
答えられない。
自分はヴァリアー。
ツナは敵。
もう、あの日のように普通に話すことはできない。
その時、ザンザスが通り過ぎる。
「カス。」
低い一言だけ。
リーゼはすぐに表情を引き締める。
「失礼します。」
ヴァリアーの列へ戻っていく。
ツナはその背中を見つめたまま動けなかった。
(どうして……。)
(あんな優しい人が……。)
リーゼもまた心の中で呟く。
(お願いだから。)
(あなたは、この戦いで人を殺さないで。)
