すごく短いもの
おなまえ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ねえ。
『ねえねえェ、キミの心臓にストローをさしてちゅーちゅー吸ったら、すっごくあま~くてさ。リゾートな気分になるね、きっと。』
ねえ?
人を殺すときにはあまりしゃべらない。断末魔の悪魔に耳を貸すこともしない。「あーあー」って意味のない命乞いにも答えてあげない。
だけど、ボクがしゃべったことには全部こたえてね。ボクがしてあげたことには全部感謝してね。ボクがしてほしいことだけをしてね。してよ
ね
どんなにかわいいぬいぐるみにも、平等に埃は積もる。墓みたいに。白い白い骨みたいに。ケーキは冷やしておかなきゃ溶けて馬鹿になる。死体みたいに。白い白い肌がとろけて中身をぶちまけるみたいに。生きもののみんなは、ものになることがどうして怖いのかな?21グラムぽっちがどうしてそんなに惜しいのかな?その分ちょっと痩せるからいいじゃん。ダメ?
ね
キミのことがひりひりと焼き付いている。
キミがまばたきのたびに宿す星の彩色を覚えている。キミが圧倒的に悲劇な事故かなんかで、不運にも死んでくれないかなと思っていた。もちろんボクの目の前で!そうじゃないと古くなっちゃうから。「カワイソウに」って、今まで使ったことのない言葉だけど、きちんと発音できるかな? そのときのために練習しておかないと。と思っていた。
ね
キミがひりひりと焼け焦げていく。
死んだヒトたちの汚れた爪を見ると、ボクたち生きてるねと言いたい気分になる。土が入ってても血で固まってても気にしないんだもん。気にならないわけ?ねえ、あなたもそうだったのかな?「あうあう」としか、ボクの言葉に答えられなくなってた?だったら、死ぬって少しヤなことかもね。
ねえねえ、キミの爪がボロボロに汚くなっても、ボクのつやめく爪でひっかいて目覚めさせてあげたのに。
ね
「ボクたちすっごく!!!いきてるね!!!生きてるねええ!!!!!ああははははあァ」
「とか」
「ね」
つまんない。
くるくる回ってもつまんない。ずっとつまんないよ。キミが死んで焼かれたから。
いらない
キミが入った壺を割ったよ。キミはつまんない白色になっていた。軽くなっていた。つまんない。死にたくない理由が減るからやめてよ。固くて乾いてて不味くてつまんない。キミの心臓は甘かったのかな?わからない。キミがいっぱい喉にはりついてボクは生きてる。腐敗臭に交わすキスをなんだか夢見てる。
ねえ、キミは?
ね
「死ね」
死ね
「こたえてよ」
つまんない。ボクがしてほしくないことだけをしてくれたキミがつまんなくて、好きだよ。まちがえた。好きだったよ。
「ね」