すごく短いもの
おなまえ
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俺の持ちキャラがナーフされた日から曇天が続いている。俺の住んでいる場所でというよりは世界全体の規模の話だ。最近帰宅途中を狙ってときおり、馬鹿にするような弱い弱い雨が降って、そういうときは折り畳みを持っているのにささないで帰る。ムカつくから。
大学を出て数歩濡れたところで、あなたが勝手にでかい傘の中に入れてきた。いっそ風邪でもひいてこじらせてしまいたいとどこかで考えていた俺は、狭苦しい影の晴天にうんざりしながら、しぶしぶそいつの軽口に付き合ったり、歩幅を合わせたりしてやる。
「ashさん、これ以上こじらせたらやばいですよ。いろいろ」
「うるせえ」
家にまっすぐ帰るよりはあなたといたほうがマシだったからというだけの話でそれ以上でも以下でもない。
そのために駅のほうではない道にそれると、ゲーセンで幸運にもとれた景品のような浅はかさであなたが笑った。暗い晴れ間の渦中で笑った。そしたらなんもかもが馬鹿らしくなって、俺は、ああ、たぶん、死んだんだ。