短編
おなまえ
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あなたさんをつめたいフローリングに押し倒すと明らかに怯えた眼をしてたので、もうちょっと虐めてやろう、と、服の中をまさぐると、やっぱり、やっぱり。
「うう、う、じょうすけく、」
「あなたさん、泣かないで。」
案の定涙がぽろぽろ落ちてきたので、頬を伝うそれを舐めとると、びくり、とあなたさんの体がこわばる。やはり押し倒すだけじゃ足りなくて、馬乗りになってがっつくように頬をべろりと舐めると、俺が欲しているのを知ってか知らずか、また泣き始めたので、このひとは罪な人だなあ、と心の中だけで言った。
もっと俺を怖がってほしい。もっと俺を見てほしい。俺に服従してほしい。俺に逆らえないようにしたい。俺が泣かせるのはあなたさんだけだから、あなたさんだって俺の前以外で泣かないでほしい。ああもう俺こんなに欲まみれ。
「あなたさん、」
「いや、いやだ、仗助くん、」
いやいやばっかり、我儘。
俺が欲しいものはごまんとあるけど、今いちばん欲しいものはたった一つだけ。
「あんたの泣き顔だよ。」
いままで良い顔をして積み上げてきた、頼れる年下の男の子、なんていう立ち位置とはもうおさらばだ。俺はもう、きれいでは、無垢では、いられないからさ。
あなたさんの嗚咽は俺を怖がってるからだってわかって、もう、俺はあなたさんを恐がらせたくってしょうがなくなる。ポケットのカッターを喉に押し付けようか。服を無理やり脱がせて犯そうか。いっその事、きれいな涙を排出する眼ごとくり抜いてしまおうか。
全部全部ぜんぶが正当的な行為にみえる。俺のやっていることは何より正しい。
いまおまえに跨る、きたなくて狡い俺にぜんぶぶちまけてほしい。怖かったら泣いたら良い。痛かったら叫んだら良い。俺はおまえに、もう一刻の猶予も与えるつもりなんて無えよ。
涙の溜まる眼球をみていた。ひたすらにみていた。ずうっとみていたら我慢できなくなったので、舐めてやったらまた泣いた。
(涙の味がするキスをしたらたまらなく綺麗なものをよごすときみたいな絶頂に達するみたいな気持ちになったのでやっぱり死ぬほど愛してると思った)