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テンプレートとは、機械的な定型文のことだ。使用する上でこんなにも便利なものはない。機械上だけにとどまらず、人間の会話もある程度テンプレート化していると言っても過言ではないだろう。
「ありがとう」と言われれば「どういたしまして」
「こんにちは」と言われれば「こんにちは」と決まって返す。
無意識にも僕達は、機械のプログラムのように「決まった型に収まった会話」をする。
勿論、僕だってそういうテンプレートみたいな会話もすることだってある。
しかし、それは故意的にそうしているだけであって、人間は機械のように「上限付きのプログラム」ではとどまらない。それが「思考」だ。人間の「思考」というものはプログラムよりはるかに上を行く。そもそも思考には上限という概念が存在しない。
機械は万能だが、あくまで「上限」が存在する故に、常に「アップデート」をしていく必要がある。
だから、人間は面白い。
機械のようにはいかない。
と否定したかった。
「そうだったかな」
「えぇ、そうですよ」
「あぁ、、ごめんね」
「いいえ、謝らないで下さい」
そんな適当に相槌をうったような上っ面なテンプレートな会話も、もう何度目か分からない。いつからだっただろうか。僕達の間にはプログラム以上の会話はない。
表面を撫でるような、生産性のない会話。必要以上にお互いを干渉しようとも思わない。
本当、いつからだっただろうか。僕達の気持ちが離れていったのは。いや、正確にいえば「彼女の気持ちが」
だろうか。
「7月からでしたね」
「うん、そう。あと少しだけ」
彼女の言う「あと少し」というのは、荷造りのことか、それとも僕と過ごす時間のことか
今となっては確認する義理もない。
ーーー突然雨音が聞こえてきた。
外に目を遣ると、窓の外から見える紫陽花の花が疎ましいほど青かった。
柄にもなく、僕はこの青が好きになっていたかもしれない。彼女が綺麗だねとよく笑っていたのもまた昔の記憶。
その花が枯れる頃、僕達はもう隣にはいないのだろう。
紫陽花の花言葉を君に。
「ありがとう」と言われれば「どういたしまして」
「こんにちは」と言われれば「こんにちは」と決まって返す。
無意識にも僕達は、機械のプログラムのように「決まった型に収まった会話」をする。
勿論、僕だってそういうテンプレートみたいな会話もすることだってある。
しかし、それは故意的にそうしているだけであって、人間は機械のように「上限付きのプログラム」ではとどまらない。それが「思考」だ。人間の「思考」というものはプログラムよりはるかに上を行く。そもそも思考には上限という概念が存在しない。
機械は万能だが、あくまで「上限」が存在する故に、常に「アップデート」をしていく必要がある。
だから、人間は面白い。
機械のようにはいかない。
と否定したかった。
「そうだったかな」
「えぇ、そうですよ」
「あぁ、、ごめんね」
「いいえ、謝らないで下さい」
そんな適当に相槌をうったような上っ面なテンプレートな会話も、もう何度目か分からない。いつからだっただろうか。僕達の間にはプログラム以上の会話はない。
表面を撫でるような、生産性のない会話。必要以上にお互いを干渉しようとも思わない。
本当、いつからだっただろうか。僕達の気持ちが離れていったのは。いや、正確にいえば「彼女の気持ちが」
だろうか。
「7月からでしたね」
「うん、そう。あと少しだけ」
彼女の言う「あと少し」というのは、荷造りのことか、それとも僕と過ごす時間のことか
今となっては確認する義理もない。
ーーー突然雨音が聞こえてきた。
外に目を遣ると、窓の外から見える紫陽花の花が疎ましいほど青かった。
柄にもなく、僕はこの青が好きになっていたかもしれない。彼女が綺麗だねとよく笑っていたのもまた昔の記憶。
その花が枯れる頃、僕達はもう隣にはいないのだろう。
紫陽花の花言葉を君に。
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