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すると、私の遅刻と説教の時間で大幅に時間が経ってしまったことに痺れをきらしたのか私とマリツィさんの間に男性が割り込んできた。
「そんなことよりさー。揃ったんだから早く回らない?
ていうかお姉さん名前なんていうの。俺すっごいタイプなんだけど、僕の名前はオーゾ。よろしくね。ていうか、その服、黄泉ちゃんすんごいよく似合ってる可愛い」
彼が今回初対面である男性だが、名前はオーゾさんというらしい。
見た通りのまま。第一印象通りの気さくな男性というような人で、マリツィさんと同様外国人らしい風格の綺麗な男性だった。
彼のこの見た目とこの性格ならきっと、女性に人気なのは間違いないだろう。そんな感じだった。
「あ、えっと、、ありがとうございます。、、挨拶が遅くなりました。黄泉です。あの本当に遅刻しちゃってすみませんでした。オーゾさん」
「いいのいいの。僕は気にしてないし。それよりほら、早く回らないと皆に取られちゃうよ」
とアトラクションに指を刺した。確かに。開園してまだ1時間程しか経っていなかったが見渡す限り人集(だか)りで、ジュエットコースターやコーヒーカップなどアトラクションには行列ができていた
『ほんとほんと〜はやくまわないと。ねえ骸さん』
「えぇ。そうですね」
『一緒に回ろうよ〜骸さん』
オーゾさんが仲介(?)に入ったからかつまらないとでも思ったのか彼女は怒ることをやめ、すでに骸さんの近くにいた。
マリツィさんはそもそも4人で行動する気があったかどうかは分からない。
しかし、この場の空気を読んでのことなのか、マリツィさんの意見を汲み取ってなのか、オーゾさんがすかさず提案をしてきた。
「そういうことなら黄泉ちゃんは僕とね。良いでしょ。骸くん」
「構いませんよ」
『やった!』
骸さんと目が合ってしまったが、私は直ぐに視線を逸らしてしまった。近くにいたマリツィさんが彼の腕に抱きついていたからかもしれないし、そうではないかもしれない。
別に付き合っているわけでもないんだから、彼を”取られた“みたいな気持ちになるのは場違いにも程があるだろう。
理由はどうあれ、遅刻したことで彼は怒ってしまっただろうか。終始無表情のままで私に声をかけることはしなかった。
というわけで、私とオーゾさん、マリツィさんと骸さんで分かれて行動することになった。
ーーーーーーー
「さーて。次は何に乗りたい?黄泉ちゃん。絶叫系とか大丈夫だった?」
「初めてだったから怖かったけど、とても楽しかったです」
「そりゃあ良かった。次は何がいい?」
「そうですね、次は、、」
骸さん達との別行動が決まった途端、オーゾさんはやや強引に私の手を引っ張って人混みをかき分けていった。それからというもの短時間でいくつものアトラクションに乗ることができたのには驚いた。
しかし、オーゾさんの時間の使い方と選び方は上手いと思った。
人が空いてるタイミングがこの人には手に取るように分かるのだろう。
アトラクションによっては数時間並んでいるのがザラであるがほぼ数分単位で私達は乗り回っている。
もういい歳した大人ではあるが、心から楽しいと思ってしまった。
次は何に乗ろうか視線を巡らせると、ずっと子供の頃から憧れていたものが目に留まった。
オーゾさんが私の視線の先を追って見やると「あぁ」と声を漏らした。
「行こうよ。あれ。黄泉ちゃんスカートだから僕がお姫様抱っこしてあげるからさ」
正直乗りたい気持ちはあったが、このタイトのロングスカートでは馬に跨るようなことはできないだろう。
今まで乗ってきたアトラクションは、何とかスカートでも乗れたがこれは流石に。というより、お姫様抱っこで乗るのはあまりにも恥ずかし過ぎた。
「いえ、良いです乗らなくて」
「良いから良いから」
「あ、ちょっと!」
私の否定の言葉も軽くあしらい、ひょいと私を抱え上げた。
メリーゴーランドの入り口にいたスタッフさんも私達の姿をみても気にも求めず「2名さま行ってらっしゃい」と元気に声を張り上げた。
(嘘でしょ、、!)
動き出してしまった途中降りるのも危ないし、オーゾさんに横抱きにされたままガッチリと落ちないよう支えられているため動くことはできなかった。
子供の時からずっと憧れてたとはいえもうメリーゴーランドに乗るような歳でもなかったし
一生乗ることもないと思っていたから嬉しいと思う反面
内情を知らない周りから見ればただのバカップルの様な光景に恥ずかしいさが勝った。
ていうか彼とは今日が初対面なのに。グイグイくる彼が本当に凄いと感心しているところ、ポツリと呟くような声が聞こえて来た。
「ずっと、乗ってみたかったんでしょ。これ」
「、、、え?」
オーゾさんの顔を見ると、思いの外間近にあったため視線を正面に戻してしまったが、一瞬見えた彼の表情はとても真剣であった。
そもそも私、オーゾさんに言ったっけ。そんなこと考えながらも微笑んだ。
「えぇ、ありがとうございます。」
「別にお礼とか良いって。黄泉ちゃんが楽しければね。ねえ。黄泉ちゃん。」
「?」
「僕のこと好きになった?」
「へ、、」
「僕は好きだよ黄泉ちゃんのこと。」
「、、、」
「あれ?照れてるの?」
「だ、だってそんな面と向かって言われたのは初めてっていうか。この状況でそんなこと言われると思ってなかったので、、、」
「可愛いね」
分かっていた。彼はこういう人間であることに。しかし、この状況と突然の口説き文句にときめかない女性はいないだろう。初対面でここまでできる彼は本当に凄い。
「オーゾさんは、、オーゾさんは凄いです。」
「?」
「相手を楽しませたり、そうやって自分の気持ちを素直に言えることができて。」
「どうして?僕は伝えたいって思ったから言っただけだよ」
「、、、私はできなかったから、羨ましいです。とっても」
「、、それってもしかしてあの男のこと?」
「、、え?」
「だって、黄泉ちゃん。僕が別行動にしようって言った時とか、あの子が彼に抱きついてた時、凄い寂しそうな顔してたし。僕妬いちゃったよ」
そう言われて更に顔が熱くなった気がした。そんなに分かりやすく表情にでてたっけ。
彼の言葉に不定も肯定もしないまま、私は呟いた。
「、、でも、嫌われちゃったかな」
彼が私を神妙な顔でじっと見つめていたことに気づかなかった。
「そんなことよりさー。揃ったんだから早く回らない?
ていうかお姉さん名前なんていうの。俺すっごいタイプなんだけど、僕の名前はオーゾ。よろしくね。ていうか、その服、黄泉ちゃんすんごいよく似合ってる可愛い」
彼が今回初対面である男性だが、名前はオーゾさんというらしい。
見た通りのまま。第一印象通りの気さくな男性というような人で、マリツィさんと同様外国人らしい風格の綺麗な男性だった。
彼のこの見た目とこの性格ならきっと、女性に人気なのは間違いないだろう。そんな感じだった。
「あ、えっと、、ありがとうございます。、、挨拶が遅くなりました。黄泉です。あの本当に遅刻しちゃってすみませんでした。オーゾさん」
「いいのいいの。僕は気にしてないし。それよりほら、早く回らないと皆に取られちゃうよ」
とアトラクションに指を刺した。確かに。開園してまだ1時間程しか経っていなかったが見渡す限り人集(だか)りで、ジュエットコースターやコーヒーカップなどアトラクションには行列ができていた
『ほんとほんと〜はやくまわないと。ねえ骸さん』
「えぇ。そうですね」
『一緒に回ろうよ〜骸さん』
オーゾさんが仲介(?)に入ったからかつまらないとでも思ったのか彼女は怒ることをやめ、すでに骸さんの近くにいた。
マリツィさんはそもそも4人で行動する気があったかどうかは分からない。
しかし、この場の空気を読んでのことなのか、マリツィさんの意見を汲み取ってなのか、オーゾさんがすかさず提案をしてきた。
「そういうことなら黄泉ちゃんは僕とね。良いでしょ。骸くん」
「構いませんよ」
『やった!』
骸さんと目が合ってしまったが、私は直ぐに視線を逸らしてしまった。近くにいたマリツィさんが彼の腕に抱きついていたからかもしれないし、そうではないかもしれない。
別に付き合っているわけでもないんだから、彼を”取られた“みたいな気持ちになるのは場違いにも程があるだろう。
理由はどうあれ、遅刻したことで彼は怒ってしまっただろうか。終始無表情のままで私に声をかけることはしなかった。
というわけで、私とオーゾさん、マリツィさんと骸さんで分かれて行動することになった。
ーーーーーーー
「さーて。次は何に乗りたい?黄泉ちゃん。絶叫系とか大丈夫だった?」
「初めてだったから怖かったけど、とても楽しかったです」
「そりゃあ良かった。次は何がいい?」
「そうですね、次は、、」
骸さん達との別行動が決まった途端、オーゾさんはやや強引に私の手を引っ張って人混みをかき分けていった。それからというもの短時間でいくつものアトラクションに乗ることができたのには驚いた。
しかし、オーゾさんの時間の使い方と選び方は上手いと思った。
人が空いてるタイミングがこの人には手に取るように分かるのだろう。
アトラクションによっては数時間並んでいるのがザラであるがほぼ数分単位で私達は乗り回っている。
もういい歳した大人ではあるが、心から楽しいと思ってしまった。
次は何に乗ろうか視線を巡らせると、ずっと子供の頃から憧れていたものが目に留まった。
オーゾさんが私の視線の先を追って見やると「あぁ」と声を漏らした。
「行こうよ。あれ。黄泉ちゃんスカートだから僕がお姫様抱っこしてあげるからさ」
正直乗りたい気持ちはあったが、このタイトのロングスカートでは馬に跨るようなことはできないだろう。
今まで乗ってきたアトラクションは、何とかスカートでも乗れたがこれは流石に。というより、お姫様抱っこで乗るのはあまりにも恥ずかし過ぎた。
「いえ、良いです乗らなくて」
「良いから良いから」
「あ、ちょっと!」
私の否定の言葉も軽くあしらい、ひょいと私を抱え上げた。
メリーゴーランドの入り口にいたスタッフさんも私達の姿をみても気にも求めず「2名さま行ってらっしゃい」と元気に声を張り上げた。
(嘘でしょ、、!)
動き出してしまった途中降りるのも危ないし、オーゾさんに横抱きにされたままガッチリと落ちないよう支えられているため動くことはできなかった。
子供の時からずっと憧れてたとはいえもうメリーゴーランドに乗るような歳でもなかったし
一生乗ることもないと思っていたから嬉しいと思う反面
内情を知らない周りから見ればただのバカップルの様な光景に恥ずかしいさが勝った。
ていうか彼とは今日が初対面なのに。グイグイくる彼が本当に凄いと感心しているところ、ポツリと呟くような声が聞こえて来た。
「ずっと、乗ってみたかったんでしょ。これ」
「、、、え?」
オーゾさんの顔を見ると、思いの外間近にあったため視線を正面に戻してしまったが、一瞬見えた彼の表情はとても真剣であった。
そもそも私、オーゾさんに言ったっけ。そんなこと考えながらも微笑んだ。
「えぇ、ありがとうございます。」
「別にお礼とか良いって。黄泉ちゃんが楽しければね。ねえ。黄泉ちゃん。」
「?」
「僕のこと好きになった?」
「へ、、」
「僕は好きだよ黄泉ちゃんのこと。」
「、、、」
「あれ?照れてるの?」
「だ、だってそんな面と向かって言われたのは初めてっていうか。この状況でそんなこと言われると思ってなかったので、、、」
「可愛いね」
分かっていた。彼はこういう人間であることに。しかし、この状況と突然の口説き文句にときめかない女性はいないだろう。初対面でここまでできる彼は本当に凄い。
「オーゾさんは、、オーゾさんは凄いです。」
「?」
「相手を楽しませたり、そうやって自分の気持ちを素直に言えることができて。」
「どうして?僕は伝えたいって思ったから言っただけだよ」
「、、、私はできなかったから、羨ましいです。とっても」
「、、それってもしかしてあの男のこと?」
「、、え?」
「だって、黄泉ちゃん。僕が別行動にしようって言った時とか、あの子が彼に抱きついてた時、凄い寂しそうな顔してたし。僕妬いちゃったよ」
そう言われて更に顔が熱くなった気がした。そんなに分かりやすく表情にでてたっけ。
彼の言葉に不定も肯定もしないまま、私は呟いた。
「、、でも、嫌われちゃったかな」
彼が私を神妙な顔でじっと見つめていたことに気づかなかった。