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表向きではボンゴレファミリーとしての「任務」であった。
その任務内容とは、違法薬物の所持・買収に関与しているマフィアと入手ルートの特定というものだった。
全くもって善人がするようなことをこの僕がしなくては行けないという点で不満があった。
あくまで「特定」が任務の目的であるが、忌み嫌うマフィアを排除しない理由なんて僕にはない。
「殺さなくて良いんだからな。目的は違法薬物に関与しているマフィアとその入手ルート特定だから、潜入してくれるだけでいいんだぞ。」
あの男ときたら。何年経とうと甘いことを言うのだ。
特定でき次第、殺してしまった方がいいに決まっている。法で裁いたところで彼ら(マフィア)は更生なんかするわけがない。
そもそも、僕はボンゴレのために動くのではなく「マフィアをこの世から殲滅する」という目的があり、
今回、この「任務」も都合がいいから聞き入れたというのに。
「殺すかそうしないか、それは僕が決めることですよ。」
そう言い捨てて僕は任務に向かったのだった。
ーーーー
その後、主犯1人を捉えマルヴァジョ(マフィア)は壊滅したのだった。マルヴァジョファミリーは小規模ではあったが100人くらいは居ただろうか。壊滅に追いやったのは気分がいいが、彼らのような下衆な人間達を見るだけで不愉快極まりなかった。まあ、自分自身もあまり良い人間ではないのだが。
沢田綱吉への報告は後回しにした。あの男のことだ。どうせ「そこまでしなくても」とかいろいろ言うに違いない。
こっちは数時間拘束されていたせいか、はたまたマフィアの相手をしたせいか、どっと疲れてしまったため自室へ戻った。
自室に戻ると、ソファに1人腰掛けている人物が目に入った。
ーーー黄泉だ。
彼女はソファの中央に姿勢良く座り込んでいた。一冊の本に釘付けになっているらしく、僕が来たことにも気づいていない様だ。見れば何をしているのかなんて一目瞭然であったが、あえて僕は彼女に「何をしているのですか」と無意味に問いかけた。やはり予想通りの返答しか返ってこず「本を読んでるんだよ。」と一言、僕の方を見ることもなく彼女は答えた。
「それは分かっています。」
そう答えると、やっと彼女の視線は活字から僕に向けられたが、怪訝そうにこちらを見つめてきた。
「やっとこっちを見ましたね」
「どうしたの」
「さあ、どうしてでしょうね」
「なにそれ。疲れているんでしょう。もう寝るの?それとも食事にする?」
「さあ、どうしましょうか」
「?」
詰まるところ大した要件はない。確かに苛立ちと疲れはあるが、ただ彼女に構って欲しかった。声が聞きたかった。だなんてこの僕が素直に言うわけもない。
彼女は、曖昧な返答をした僕を少し見つめた。特に要件がないと悟ったのか、ソファの中央から少し身体をずらすとそこを指でトントンと突き、僕に座るよう促した。
「じゃあ、ここに来て。これ今流行っているの。むくも一緒にしよう」
ーー心理テストだよと僕にその背表紙を向けたのだった。
彼女の隣に腰掛け、腰元に手を回すとそれに応えるように彼女も僕の肩に頭を預けてきた。密着した身体から彼女の香りが僕の中を満たしていくような気がした。
彼女と一緒に本の中を覗くと、いくつもの問題があった。
「あくまでこれは尺度であって、必ずそうとは限らないけど。時には分析される側でもいいんじゃない?楽しそうでしょう」
と楽しそうに彼女は言ったが、断然僕は傍観する側だ。戦闘に置いても、敵が術中にハマり手の中で動く様を見るのが好きだ。人間の行動パターンや思考を読み取るというのは得意ではあるが。数時間前までも実際にそうであったわけで。
「いいでしょう。面白そうです」
「じゃあこれからいくよ」
ーーー
「ふふふ。案外当たっているのかもね。
「クフフ、貴方が言うのならそうかもしれませんね」
「ふふふ。じゃあ次で最後にしようか。えっと。じゃあこれで。」
あれから数問し終わったあと、最後に彼女が指差した心理テストの内容はこうだった。
街中で果物屋さんを発見。新鮮で美味しそうな果物がたくさんある中であなたがまず目に入ったのは次のうちどれ?
1.ぶどう 2.いちご 3.めろん 4もも
もう何度この手の問題を見てきただろうか。そう考えているうちに彼女は答えた。
「私はいちごかしら」
「、、、そうですね。僕もいちごです」
お互いの意見が出揃ったあと、彼女は次のページをめくり答えを見た。
あなたが「いつも異性を魅了しているテクニック」が分かります。いちごはキスを連想させます。そんなあなたは、キスのテクニシャン。フレンチキスからディープキスまで相手に合わせたキステクニックを持っています。
キスをしたらもうメロメロになってしまい、あなたを忘れられなくなるでしょう。貴方が女性ならば男性は皆、我慢ができなくなるでしょう!!
と、記されていた。
なんとも馬鹿馬鹿しいが、気まずそうに顔を赤め黙り込んでしまった彼女をみて、もっと困らせたいだなんて考える僕もどうかしているのかもしれない。
「黄泉、」
そう呼ぶと彼女はおずおずと顔を上げた。
「、、、なに」
もともと至近距離にあったその顔に口づけるのは造作もなかった。
ボトッと彼女の手から落ちた本など気に求めず、夢中でその唇を味わった。
ーーーキスをしたらもうメロメロになってしまい、あなたを忘れられなくなるでしょう。
本当にそうであってくれると良いのですがね。なんて、いつのまにか苛立ちもすっかり消えてしまって、五感全てが貴方に癒されていた。
『五感』
補足:壊滅はしましたが殺しはしてません。また捕まっちゃうので
https://uratte.jp/posts/shinri-test-h-technic
参考に、心理テストお借りしました。
その任務内容とは、違法薬物の所持・買収に関与しているマフィアと入手ルートの特定というものだった。
全くもって善人がするようなことをこの僕がしなくては行けないという点で不満があった。
あくまで「特定」が任務の目的であるが、忌み嫌うマフィアを排除しない理由なんて僕にはない。
「殺さなくて良いんだからな。目的は違法薬物に関与しているマフィアとその入手ルート特定だから、潜入してくれるだけでいいんだぞ。」
あの男ときたら。何年経とうと甘いことを言うのだ。
特定でき次第、殺してしまった方がいいに決まっている。法で裁いたところで彼ら(マフィア)は更生なんかするわけがない。
そもそも、僕はボンゴレのために動くのではなく「マフィアをこの世から殲滅する」という目的があり、
今回、この「任務」も都合がいいから聞き入れたというのに。
「殺すかそうしないか、それは僕が決めることですよ。」
そう言い捨てて僕は任務に向かったのだった。
ーーーー
その後、主犯1人を捉えマルヴァジョ(マフィア)は壊滅したのだった。マルヴァジョファミリーは小規模ではあったが100人くらいは居ただろうか。壊滅に追いやったのは気分がいいが、彼らのような下衆な人間達を見るだけで不愉快極まりなかった。まあ、自分自身もあまり良い人間ではないのだが。
沢田綱吉への報告は後回しにした。あの男のことだ。どうせ「そこまでしなくても」とかいろいろ言うに違いない。
こっちは数時間拘束されていたせいか、はたまたマフィアの相手をしたせいか、どっと疲れてしまったため自室へ戻った。
自室に戻ると、ソファに1人腰掛けている人物が目に入った。
ーーー黄泉だ。
彼女はソファの中央に姿勢良く座り込んでいた。一冊の本に釘付けになっているらしく、僕が来たことにも気づいていない様だ。見れば何をしているのかなんて一目瞭然であったが、あえて僕は彼女に「何をしているのですか」と無意味に問いかけた。やはり予想通りの返答しか返ってこず「本を読んでるんだよ。」と一言、僕の方を見ることもなく彼女は答えた。
「それは分かっています。」
そう答えると、やっと彼女の視線は活字から僕に向けられたが、怪訝そうにこちらを見つめてきた。
「やっとこっちを見ましたね」
「どうしたの」
「さあ、どうしてでしょうね」
「なにそれ。疲れているんでしょう。もう寝るの?それとも食事にする?」
「さあ、どうしましょうか」
「?」
詰まるところ大した要件はない。確かに苛立ちと疲れはあるが、ただ彼女に構って欲しかった。声が聞きたかった。だなんてこの僕が素直に言うわけもない。
彼女は、曖昧な返答をした僕を少し見つめた。特に要件がないと悟ったのか、ソファの中央から少し身体をずらすとそこを指でトントンと突き、僕に座るよう促した。
「じゃあ、ここに来て。これ今流行っているの。むくも一緒にしよう」
ーー心理テストだよと僕にその背表紙を向けたのだった。
彼女の隣に腰掛け、腰元に手を回すとそれに応えるように彼女も僕の肩に頭を預けてきた。密着した身体から彼女の香りが僕の中を満たしていくような気がした。
彼女と一緒に本の中を覗くと、いくつもの問題があった。
「あくまでこれは尺度であって、必ずそうとは限らないけど。時には分析される側でもいいんじゃない?楽しそうでしょう」
と楽しそうに彼女は言ったが、断然僕は傍観する側だ。戦闘に置いても、敵が術中にハマり手の中で動く様を見るのが好きだ。人間の行動パターンや思考を読み取るというのは得意ではあるが。数時間前までも実際にそうであったわけで。
「いいでしょう。面白そうです」
「じゃあこれからいくよ」
ーーー
「ふふふ。案外当たっているのかもね。
「クフフ、貴方が言うのならそうかもしれませんね」
「ふふふ。じゃあ次で最後にしようか。えっと。じゃあこれで。」
あれから数問し終わったあと、最後に彼女が指差した心理テストの内容はこうだった。
街中で果物屋さんを発見。新鮮で美味しそうな果物がたくさんある中であなたがまず目に入ったのは次のうちどれ?
1.ぶどう 2.いちご 3.めろん 4もも
もう何度この手の問題を見てきただろうか。そう考えているうちに彼女は答えた。
「私はいちごかしら」
「、、、そうですね。僕もいちごです」
お互いの意見が出揃ったあと、彼女は次のページをめくり答えを見た。
あなたが「いつも異性を魅了しているテクニック」が分かります。いちごはキスを連想させます。そんなあなたは、キスのテクニシャン。フレンチキスからディープキスまで相手に合わせたキステクニックを持っています。
キスをしたらもうメロメロになってしまい、あなたを忘れられなくなるでしょう。貴方が女性ならば男性は皆、我慢ができなくなるでしょう!!
と、記されていた。
なんとも馬鹿馬鹿しいが、気まずそうに顔を赤め黙り込んでしまった彼女をみて、もっと困らせたいだなんて考える僕もどうかしているのかもしれない。
「黄泉、」
そう呼ぶと彼女はおずおずと顔を上げた。
「、、、なに」
もともと至近距離にあったその顔に口づけるのは造作もなかった。
ボトッと彼女の手から落ちた本など気に求めず、夢中でその唇を味わった。
ーーーキスをしたらもうメロメロになってしまい、あなたを忘れられなくなるでしょう。
本当にそうであってくれると良いのですがね。なんて、いつのまにか苛立ちもすっかり消えてしまって、五感全てが貴方に癒されていた。
『五感』
補足:壊滅はしましたが殺しはしてません。また捕まっちゃうので
https://uratte.jp/posts/shinri-test-h-technic
参考に、心理テストお借りしました。
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