センチメートル
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私は、身長が高い。
友達からは羨ましがられるけど、学生の時にお試しで付き合った人からはあまりよく思われていなかった。
直接嫌とは言われなかったけど、私がヒールの高いものや厚底の靴を履いて待ち合わせ場所に行くと苦笑いしながら「厚底好きなんだ」なんて言われた。きっと、私が厚底を履くと彼の方が身長が低くなるから嫌っだたんだろうと思う。
まあ、私自身は高身長なのは嫌いではないのだ。今付き合っている、大好きな最愛の彼氏のおかげである。
初めてのデートでぺたんこの靴を履いていったら、「気遣わないで、好きな靴履けよ」と言ってくれたし、何よりそれを真に受けて高めのヒールを履いて行ったらべた褒めしてくれたのだ。
「──で、靴はあれな、この前履いてたハイヒール! どうだ?」
「うん、すごい好きな感じ! ありがとう、翔ちゃん」
「おう! 本当、初音って身長高くてスタイル良いからコーデのしがいある」
「へへ、もう、ありがとう」
照れ笑いを浮かべると、翔ちゃんも嬉しそうに笑った。「じゃ、これで買ってくるな」なんて当然のように言う彼を慌てて止めて、彼がコーデしてくれた服たちの会計に向かった。
久しぶりのデートは、翔ちゃんの希望でショッピングデートだ。私の全身コーデをしたいと言うので、彼に全部お任せした。
私自身お洋服は好きだけど、翔ちゃんのセンスには敵わない。今日だって、彼は変装はしてるけどめちゃくちゃにお洒落で、私が2時間かけて決めた今日のデートコーデよりも洗練されて見えて流石である。
服のお会計を終えて、エスカレーターに乗って上の階へ。二段上に立っている翔ちゃんは、身体を半分こちらに向けて私を見ている。どことなく嬉しそうなのは、段差によって彼の方が目線が上だからだろう。こういうとこ可愛いんだよね。
「な、シロノワール食わねえ?」
「あ、食べたい。期間限定のやつ気になってたんだよね」
「俺も。じゃ、コメダで決定だな」
「うん」
先導するように半歩先を歩く彼について行く。小さいけど大きな背中は、猫背になることなく堂々としている。背が高くて猫背だった私に、「せっかく背高いんだし、胸張って歩いたらもっとかっこいいぜ」と彼が言ってくれたことを思い出してつい頬が緩む。と同時に、少し丸まってしまっていた背筋を伸ばした。
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