a little big
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玄関のドアを開けて、「ただいまー」と小さく零す。翔ちゃんのスニーカーが既にあって、もう帰ってきてるんだと思っていると「おかえりー」と翔ちゃんがリビングから出てきた。
「早かったね」
「おう。撮影が思ってたよりスムーズにいってさ」
「そっか」
玄関に来た彼と話をしながら、私はスニーカーを脱ぐ。同じ形の色違いのスニーカーが、タタキに仲良く並んだ。
こうして並べると、翔ちゃんのスニーカーの方がほんの少しだけ大きい。その事実にキュンとして、ふふっとつい笑いが漏れた。
「どうした?」
「ううん、なんでもない」
そう言いながら、彼の方を向く。彼はチュッとおかえりのキスをしてくれて、食材の詰まったエコバッグを持ってくれた。
「ありがとう」
「おう」
「お腹空いてる?」
「空いてる!」
「じゃあ、パパッと作っちゃうね」
「サンキュ。あ、一緒に作るか?」
「うーん、嬉しいけど、明日早いんじゃなかった?」
「あー。……ごめん、頼む」
「はーい」
そう言って、手を洗う為に洗面所に入る。
「じゃ、せめてこれは片付けるぜ」と翔ちゃんはエコバッグを軽く持ち上げて、キッチンの方に向かった。「ありがと!」と、彼に聞こえるように少し声を張る。そしたら、「今から使うもんあるかー?」と声が返ってきた。
今日も翔ちゃんは出来た彼氏だ。
「まだ考え中だからとりあえず全部入れちゃってー」
「わかったー」
さて、何を作ろう。すぐに出来るもので翔ちゃんが好きなやつがいいかな。
思考を巡らせながら、手を拭いてキッチンに行く。ちょうど食材を片付け終わったらしい翔ちゃんが、エコバッグを畳んでいた。
トコトコと翔ちゃんに寄っていって、後ろから彼に抱きつく。
ああ、今日も背中がおっきいし、お腹は逞しい。
「お、甘えにきた」
「えへへ。ね、何食べたい?」
翔ちゃんのお腹に回した私の手に、翔ちゃんが手を重ねる。
ああ、大きいなぁ。
愛おしくてキュンとして、意味もなく彼に抱きついたまま少しゆらゆら揺れる。そしたら、同じように彼も揺れてくれた。
「そうだな……親子丼……?」
「なんで疑問形なの?」
「いや、さっき片付けたラインナップですぐ出来るやつ考えたらそれが出てきた」
「ふふ、そっか。流石、翔ちゃん。じゃあ、親子丼にします!」
「おう、よろしく。初音の親子丼、好きなんだよな」
半ば独り言のように翔ちゃんは言って、お腹に回した私の腕を解く。
彼はこちらを向いて私の額にキスを落とした。「じゃ、待ってる」と、私の頭を軽く撫で、翔ちゃんはキッチンを出ていった。
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