君と僕の遠回り
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少し涙が落ち着いてきたところで、「翔ちゃん」と未だに焦ったようにこちらを見ている彼の名前を呼んだ。
「お、おう」
「翔ちゃん、ありがとう。私も、翔ちゃんが、大好きです」
心臓が飛び出しそうなくらい高鳴っていて、頭も真っ白で、上手く言えたかよくわからない。
でも、目の前の翔ちゃんが「え、ええええええ⁉︎ マ、マジ⁉ 本当に⁉︎ 俺⁉︎︎」と、大袈裟に驚いたことで、ちゃんと言えたんだとわかった。
「うん。私が好きな人は翔ちゃんです」
「俺、てっきり、蘭丸先輩のことが好きなのかと……」
「さっき言ったこと、全部翔ちゃんのことだよ。なんで黒崎さんのことだと思ったの?」
「言ってた特徴当てはまるし、それにこの間レンが、初音が蘭丸先輩のことかっこいいって言ってたって言ってたし……」
「それはまあ、言ったけど、恋愛的な意味は全然ないよ?」
「そっか。レンに一杯食わされたな……」
「そうだね。でも、それがあったから、翔ちゃんは私のこと女の子として意識してくれたの?」
「意識っつーか、焦った。初音が告白したり、告白されたりするかもって。それに、レンとか薫とか、色んな奴に告白すればいいのにって最近すげぇ煽られたんだよな。それで、ちょっと変にお前のこと意識しちまって。本当にごめんな、避けてて」
「いいよ。ちょっと、不安にはなったけど」
「サンキュ。……俺たち、同じ気持ちだったんだな」
心底幸せそうに、優しい笑顔で翔ちゃんが見つめてくる。
その表情が好きだけど、気恥ずかしいから直視できない。
視線を逸らしながら「そうだね」と言うと、「こら、こっちちゃんと見ろ」と両頬を掴まれて元に戻された。
「初音の顔、真っ赤だな」
「う……翔ちゃんもね」
「なあ、かっこつかなかったし、かっこ悪いのは承知の上なんだけど、改めて言っていいか?」
「え、あ、はい!」
「初音のことが好きです。俺と付き合ってください」
「……私も翔ちゃんが好きです。よろしくおねがいします」
堂々と言い切った翔ちゃんと対照的に、か細い声しか出なかった。
それでも、彼にはきちんと聞こえていたようで、「よろしく」と返ってきた。
「なんか、すげえ遠回りした気分だ」
「うん。本当だね。私、ずっと好きだったよ、翔ちゃんのこと」
「いつぐらいから?」
「中学生くらい、かな? 多分、その頃はもう男の子として翔ちゃんのこと意識してた気がする」
「あー、本当に遠回りだな、俺たち」
「え、じゃあ、もしかして……?」
「おう。俺も多分それくらいのときから好きだ。ちゃんと自覚したのは早乙女学園入ってからだけど」
そう言って翔ちゃんは苦笑しながら、ずっと私の頬を覆っていた手を離した。
見つめ合いすぎて心臓が破裂するかと思った!
幸せすぎて死にそう!
「なあ、抱きしめていいか?」
「え、え、ちょ、待って。五秒待って!」
心の準備が出来なくてそう言うと、「また今度にするか?」と翔ちゃんは優しく笑う。
「ま、待って! 今がいい!」と思い切って伝えると、翔ちゃんにふわりと抱きしめられた。
心臓の音、聞こえてないよね?
「遠回りした分、いっぱい幸せにしてやる」
「うん。すでに幸せすぎなくらい幸せ」
「心臓バクバクしてるもんな?」
「言わないでよ!」
「まあ、俺もバクバクしてるから一緒だな」
「自分の心臓うるさすぎて全然わかんない」
でも、翔ちゃんもドキドキしてるんだと思うとなんだか愛しくて、ふふっと小さく笑った。
「笑うなよ」
「一緒で嬉しいの」
「そっか。そうだ。24日の夜、予定あるか?」
「ないよ」と言うと、「じゃあ、デートしよう」と誘われる。
断る理由はどこにもないので、「うん!」と答えて彼の背中に腕を回した。
「お、おう」
「翔ちゃん、ありがとう。私も、翔ちゃんが、大好きです」
心臓が飛び出しそうなくらい高鳴っていて、頭も真っ白で、上手く言えたかよくわからない。
でも、目の前の翔ちゃんが「え、ええええええ⁉︎ マ、マジ⁉ 本当に⁉︎ 俺⁉︎︎」と、大袈裟に驚いたことで、ちゃんと言えたんだとわかった。
「うん。私が好きな人は翔ちゃんです」
「俺、てっきり、蘭丸先輩のことが好きなのかと……」
「さっき言ったこと、全部翔ちゃんのことだよ。なんで黒崎さんのことだと思ったの?」
「言ってた特徴当てはまるし、それにこの間レンが、初音が蘭丸先輩のことかっこいいって言ってたって言ってたし……」
「それはまあ、言ったけど、恋愛的な意味は全然ないよ?」
「そっか。レンに一杯食わされたな……」
「そうだね。でも、それがあったから、翔ちゃんは私のこと女の子として意識してくれたの?」
「意識っつーか、焦った。初音が告白したり、告白されたりするかもって。それに、レンとか薫とか、色んな奴に告白すればいいのにって最近すげぇ煽られたんだよな。それで、ちょっと変にお前のこと意識しちまって。本当にごめんな、避けてて」
「いいよ。ちょっと、不安にはなったけど」
「サンキュ。……俺たち、同じ気持ちだったんだな」
心底幸せそうに、優しい笑顔で翔ちゃんが見つめてくる。
その表情が好きだけど、気恥ずかしいから直視できない。
視線を逸らしながら「そうだね」と言うと、「こら、こっちちゃんと見ろ」と両頬を掴まれて元に戻された。
「初音の顔、真っ赤だな」
「う……翔ちゃんもね」
「なあ、かっこつかなかったし、かっこ悪いのは承知の上なんだけど、改めて言っていいか?」
「え、あ、はい!」
「初音のことが好きです。俺と付き合ってください」
「……私も翔ちゃんが好きです。よろしくおねがいします」
堂々と言い切った翔ちゃんと対照的に、か細い声しか出なかった。
それでも、彼にはきちんと聞こえていたようで、「よろしく」と返ってきた。
「なんか、すげえ遠回りした気分だ」
「うん。本当だね。私、ずっと好きだったよ、翔ちゃんのこと」
「いつぐらいから?」
「中学生くらい、かな? 多分、その頃はもう男の子として翔ちゃんのこと意識してた気がする」
「あー、本当に遠回りだな、俺たち」
「え、じゃあ、もしかして……?」
「おう。俺も多分それくらいのときから好きだ。ちゃんと自覚したのは早乙女学園入ってからだけど」
そう言って翔ちゃんは苦笑しながら、ずっと私の頬を覆っていた手を離した。
見つめ合いすぎて心臓が破裂するかと思った!
幸せすぎて死にそう!
「なあ、抱きしめていいか?」
「え、え、ちょ、待って。五秒待って!」
心の準備が出来なくてそう言うと、「また今度にするか?」と翔ちゃんは優しく笑う。
「ま、待って! 今がいい!」と思い切って伝えると、翔ちゃんにふわりと抱きしめられた。
心臓の音、聞こえてないよね?
「遠回りした分、いっぱい幸せにしてやる」
「うん。すでに幸せすぎなくらい幸せ」
「心臓バクバクしてるもんな?」
「言わないでよ!」
「まあ、俺もバクバクしてるから一緒だな」
「自分の心臓うるさすぎて全然わかんない」
でも、翔ちゃんもドキドキしてるんだと思うとなんだか愛しくて、ふふっと小さく笑った。
「笑うなよ」
「一緒で嬉しいの」
「そっか。そうだ。24日の夜、予定あるか?」
「ないよ」と言うと、「じゃあ、デートしよう」と誘われる。
断る理由はどこにもないので、「うん!」と答えて彼の背中に腕を回した。
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