君と僕の遠回り
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「それで、話ってなんだい?」
「察しついてるよね? そのニヤニヤした顔は察しついてるよね?」
「もしかして、愛の告白でもしてくれるのかな?」
「……うーん、人選ミスったかな?」
「ははは、冗談だよ。だから拗ねないで、ウッチー。……おチビちゃんのことだろ?」
声のトーンを落として確認するように訊いてきたレンさんに、コクリと頷く。
わかってるならからかわないで欲しい。
翔ちゃんがおかしいと思い始めて、三週間くらい経った。
最近は、出演する映画の公開が近づいて忙しいようで、翔ちゃんとはあまり会えていない。
せいぜい、事務所内ですれ違って二言三言交わす程度だ。
マンションのエレベーターで会うことも少ない。
そのほんの少しの間でも、なんとなく避けられているというか、距離を置かれている気がする。
これは、なにかしたかと問うべきなのかと悶々と考えているときに、レンさんにたまたま会った。
恋愛関係だし彼の意見を聞きたいと思い、事務所近くのカフェに連れてきたわけである。
「最近、避けられてる気がするんです」
「いつも通り話してるようにみえるけど?」
「それはそうなんだけど、いつもより距離が遠いし、全然触ってこないの」
「確かに、二人はよくスキンシップとってるよね。主に彼の方から頭撫でたり、デコピンしてたり」
「そう。それがないんだよね。だから、私何かしたかなとは思うんだけど、ほら、そういうことはちゃんと言ってくれる人でしょ?」
「そうだね」
「でも、何も言わないんだよね。よくある好きになると〜ってやつかなとも一瞬考えはしたけど都合よく考えすぎだし……。ね、レンさん、理由を訊くべきだと思います?」
そう尋ねると、レンさんは少し考えを巡らせるように視線を彷徨わせる。
そして、「いっそ、告白しちゃえば?」と笑顔でサラリと爆弾を落とした。
「む、無理です! これ以上関係壊れそうなこと出来ない! サラッとすごいこと言わないで!」
「だって、好きなんだろ?」
「好きだけどさ‼ 言えるわけないじゃん‼」
「ウッチー、声大きいよ」
そう指摘されて、ヒートアップしていたことに気づく。
周りの視線が痛い……!
羞恥を感じながら、「ごめんなさい……」と声のトーンを落とした。
「まあ、キミたちの関係がその程度で壊れるとは思わないけどね」
「そう、かもしれないし、そうじゃないかもしれないもん……。ね、レンさん、他になにかいい案ない?」
「うーん、オレとデートする?」
「は?」
突然の言葉に思わず、すごくドスの効いた声が出てしまった。
それでも笑って、「嫌そうだね」なんて言えるレンさんってすごい。
「だ、だって、突拍子もないこと言うから」
「ごめんごめん。ウッチーとしては彼が避ける理由ががなんなのか、もしかしたらウッチーのことが好きなのか、が気になるわけだろ?」
「まあ……そうですね」
「だったら、嫉妬してくるか試せばいい。もし彼がウッチーのことを好きなら、いい雰囲気になってるのを見せつけられたら焦るんじゃないかな?」
「なんか、それはそれで、嫉妬されなかった時辛い気がする……」
「そうだね。ま、こんな提案しておいてなんだけど、回りくどいことはしない方が、一番いい気がするよ、キミたちは」
「そうかな?」
「そうだよ」
「そっか……。ありがと、レンさん。どうするかは決めかねてるけど、ちょっとは気持ちが整理出来たかも」
「お役に立てたようでよかったよ」
そう言って微笑むレンさんに微笑み返しながら、全く手を付けていなかったコーヒーを飲む。
すっかり冷めたコーヒーは、やけに苦く感じた。
「察しついてるよね? そのニヤニヤした顔は察しついてるよね?」
「もしかして、愛の告白でもしてくれるのかな?」
「……うーん、人選ミスったかな?」
「ははは、冗談だよ。だから拗ねないで、ウッチー。……おチビちゃんのことだろ?」
声のトーンを落として確認するように訊いてきたレンさんに、コクリと頷く。
わかってるならからかわないで欲しい。
翔ちゃんがおかしいと思い始めて、三週間くらい経った。
最近は、出演する映画の公開が近づいて忙しいようで、翔ちゃんとはあまり会えていない。
せいぜい、事務所内ですれ違って二言三言交わす程度だ。
マンションのエレベーターで会うことも少ない。
そのほんの少しの間でも、なんとなく避けられているというか、距離を置かれている気がする。
これは、なにかしたかと問うべきなのかと悶々と考えているときに、レンさんにたまたま会った。
恋愛関係だし彼の意見を聞きたいと思い、事務所近くのカフェに連れてきたわけである。
「最近、避けられてる気がするんです」
「いつも通り話してるようにみえるけど?」
「それはそうなんだけど、いつもより距離が遠いし、全然触ってこないの」
「確かに、二人はよくスキンシップとってるよね。主に彼の方から頭撫でたり、デコピンしてたり」
「そう。それがないんだよね。だから、私何かしたかなとは思うんだけど、ほら、そういうことはちゃんと言ってくれる人でしょ?」
「そうだね」
「でも、何も言わないんだよね。よくある好きになると〜ってやつかなとも一瞬考えはしたけど都合よく考えすぎだし……。ね、レンさん、理由を訊くべきだと思います?」
そう尋ねると、レンさんは少し考えを巡らせるように視線を彷徨わせる。
そして、「いっそ、告白しちゃえば?」と笑顔でサラリと爆弾を落とした。
「む、無理です! これ以上関係壊れそうなこと出来ない! サラッとすごいこと言わないで!」
「だって、好きなんだろ?」
「好きだけどさ‼ 言えるわけないじゃん‼」
「ウッチー、声大きいよ」
そう指摘されて、ヒートアップしていたことに気づく。
周りの視線が痛い……!
羞恥を感じながら、「ごめんなさい……」と声のトーンを落とした。
「まあ、キミたちの関係がその程度で壊れるとは思わないけどね」
「そう、かもしれないし、そうじゃないかもしれないもん……。ね、レンさん、他になにかいい案ない?」
「うーん、オレとデートする?」
「は?」
突然の言葉に思わず、すごくドスの効いた声が出てしまった。
それでも笑って、「嫌そうだね」なんて言えるレンさんってすごい。
「だ、だって、突拍子もないこと言うから」
「ごめんごめん。ウッチーとしては彼が避ける理由ががなんなのか、もしかしたらウッチーのことが好きなのか、が気になるわけだろ?」
「まあ……そうですね」
「だったら、嫉妬してくるか試せばいい。もし彼がウッチーのことを好きなら、いい雰囲気になってるのを見せつけられたら焦るんじゃないかな?」
「なんか、それはそれで、嫉妬されなかった時辛い気がする……」
「そうだね。ま、こんな提案しておいてなんだけど、回りくどいことはしない方が、一番いい気がするよ、キミたちは」
「そうかな?」
「そうだよ」
「そっか……。ありがと、レンさん。どうするかは決めかねてるけど、ちょっとは気持ちが整理出来たかも」
「お役に立てたようでよかったよ」
そう言って微笑むレンさんに微笑み返しながら、全く手を付けていなかったコーヒーを飲む。
すっかり冷めたコーヒーは、やけに苦く感じた。