角名倫太郎は双子である。
NAME
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最初こそ双子、しかも片割れがバレー部ということもあり注目を集めていたが一週間もすれば見慣れたのか、周囲はだいぶ静かになった。
みんなとわいわい過ごすより一人で静かに過ごすことを好む名前は周囲の輪を乱さない程度の人間関係を築き程よく快適な高校生活を送っていた。
授業以外の時間は基本的にイヤホンを耳にかけ何やら音楽を聞いているらしい彼女に無理に話しかけるのは幅かられる、というのもあるだろう。
それでも話しかければイヤホンを外し会話を続ける姿勢を見せる彼女は一人でいることも多いが浮いているということも無く、クラスメイトからは好意的に捉えられていた。
「おはよう、名前ちゃん」
「治。おはよう、朝練お疲れ様」
倫太郎と同じくあまり表情豊かでは無い名前であるが、治をはじめとするバレー部員達と話す時は例外でそれなりに笑ったり、時にはムッとした表情を見せることもある。
倫太郎と共にいる時が一番表情豊かであるというのは言わないお約束だ。
「腹減ったわ、なんかちょうだい」
「毎朝人にたかるの、いい加減どうにかなんないの?」
「やって名前ちゃん、角名にはいっつもなんかしら持たせとるやん。ずるいわあいつだけ」
「兄弟なんだから当たり前じゃん」
軽口を叩きながら、鞄からエナジーバーを渡すと治は嬉しそうに食べ始めた。
ナッツをふんだんに混ぜ込んで歯ごたえもよく、腹持ちもするだろうと考えて名前が作ったものだ。
ただでさえ食べ盛りの男子高校生である、朝練後や部活の前など、ちょっとした小腹を満たせればと倫太郎に渡しているのだが食いしん坊なこの男は目敏くそれを狙ってきている。
いつも数日分まとめて作るのだがおかげで予定より早く作り足す羽目になった。
「今日も美味いなあ。角名は毎日こんな美味いもん食うて、羨ましいわ」
「…どーも」
渡さないという選択肢もあるが幸せそうに咀嚼する治の顔を見るとこちらも嬉しくなるのでつい渡してしまう。
それを聞いた倫太郎は「餌付けかよ」と笑っていた。
うん、そうかもしれない。
治の後ろで大きなしっぽが見えた気がした。
みんなとわいわい過ごすより一人で静かに過ごすことを好む名前は周囲の輪を乱さない程度の人間関係を築き程よく快適な高校生活を送っていた。
授業以外の時間は基本的にイヤホンを耳にかけ何やら音楽を聞いているらしい彼女に無理に話しかけるのは幅かられる、というのもあるだろう。
それでも話しかければイヤホンを外し会話を続ける姿勢を見せる彼女は一人でいることも多いが浮いているということも無く、クラスメイトからは好意的に捉えられていた。
「おはよう、名前ちゃん」
「治。おはよう、朝練お疲れ様」
倫太郎と同じくあまり表情豊かでは無い名前であるが、治をはじめとするバレー部員達と話す時は例外でそれなりに笑ったり、時にはムッとした表情を見せることもある。
倫太郎と共にいる時が一番表情豊かであるというのは言わないお約束だ。
「腹減ったわ、なんかちょうだい」
「毎朝人にたかるの、いい加減どうにかなんないの?」
「やって名前ちゃん、角名にはいっつもなんかしら持たせとるやん。ずるいわあいつだけ」
「兄弟なんだから当たり前じゃん」
軽口を叩きながら、鞄からエナジーバーを渡すと治は嬉しそうに食べ始めた。
ナッツをふんだんに混ぜ込んで歯ごたえもよく、腹持ちもするだろうと考えて名前が作ったものだ。
ただでさえ食べ盛りの男子高校生である、朝練後や部活の前など、ちょっとした小腹を満たせればと倫太郎に渡しているのだが食いしん坊なこの男は目敏くそれを狙ってきている。
いつも数日分まとめて作るのだがおかげで予定より早く作り足す羽目になった。
「今日も美味いなあ。角名は毎日こんな美味いもん食うて、羨ましいわ」
「…どーも」
渡さないという選択肢もあるが幸せそうに咀嚼する治の顔を見るとこちらも嬉しくなるのでつい渡してしまう。
それを聞いた倫太郎は「餌付けかよ」と笑っていた。
うん、そうかもしれない。
治の後ろで大きなしっぽが見えた気がした。