角名倫太郎は双子である。
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四月。
稲荷崎高校に入学した名前はこれから一年間を共にするクラスメイトを眺めながらぼんやりとしていた。
入学式の為に胸元に飾られた花を指先で弄りながらそうしていると不意に名前を呼ばれて振り返る。
地元を離れこの地へやってきた名前にとって自分を知る者はいるはずもなく、であればこの声は一体誰だろうか。
「…」
振り向いた先にいた男は背が高く、入学初日だと言うのに着崩した制服姿からやんちゃそう、という印象を与える。
そんな男が口をぽかんと開いてこちらを凝視しているその姿は大変滑稽である。
「…え、」
誰、と続けようとしたその声は更に大きな声で掻き消された。
「…サムーーー!角名が女になった!!」
「は?」
お前は一体何を言っているんだ、と思いつつ勢いよく廊下に飛び出したその男を追う。
隣の教室からは目の前の男と瓜二つの顔をした男と、自分によく似た男が並んで顔を出していた。
「うっさいわツム。頭おかしなったんか?角名ならここおるで」
「オッホホ、ウケる」
男の口からその名前を聞いて、発言の意図とこいつが何者なのかは聞かずとも理解出来た。
「倫、言ってなかったの?」
「聞かれてねえもん」
「…角名、まさかお前」
瓜二つの顔の二人が自分と、そして自分とそっくりな男へ視線を交互に寄越す。
そんな様子を見て笑いながら自分とそっくりな男はその長い腕を名前の肩に回しながら口を開いた。
「かわいいでしょ、妹の名前。俺も、双子なんだよね」
「…よろしく」
俺も、というのはこの目の前にいる男達が双子であり、ツムと呼ばれたこの男は兄そっくりな自分を見てその思考を斜め上にぶっ飛ばしたのだろう。
なぜその思考回路に至ったかは不明だがそれを聞くのは面倒くさい。
春だしな、うん。
そういうこともある…いや、ねえよ。
彼女の名前は角名名前。
スポーツ推薦を受け地元愛知からはるばる兵庫県稲荷崎高校にやってきた角名倫太郎の双子の妹である。
稲荷崎高校に入学した名前はこれから一年間を共にするクラスメイトを眺めながらぼんやりとしていた。
入学式の為に胸元に飾られた花を指先で弄りながらそうしていると不意に名前を呼ばれて振り返る。
地元を離れこの地へやってきた名前にとって自分を知る者はいるはずもなく、であればこの声は一体誰だろうか。
「…」
振り向いた先にいた男は背が高く、入学初日だと言うのに着崩した制服姿からやんちゃそう、という印象を与える。
そんな男が口をぽかんと開いてこちらを凝視しているその姿は大変滑稽である。
「…え、」
誰、と続けようとしたその声は更に大きな声で掻き消された。
「…サムーーー!角名が女になった!!」
「は?」
お前は一体何を言っているんだ、と思いつつ勢いよく廊下に飛び出したその男を追う。
隣の教室からは目の前の男と瓜二つの顔をした男と、自分によく似た男が並んで顔を出していた。
「うっさいわツム。頭おかしなったんか?角名ならここおるで」
「オッホホ、ウケる」
男の口からその名前を聞いて、発言の意図とこいつが何者なのかは聞かずとも理解出来た。
「倫、言ってなかったの?」
「聞かれてねえもん」
「…角名、まさかお前」
瓜二つの顔の二人が自分と、そして自分とそっくりな男へ視線を交互に寄越す。
そんな様子を見て笑いながら自分とそっくりな男はその長い腕を名前の肩に回しながら口を開いた。
「かわいいでしょ、妹の名前。俺も、双子なんだよね」
「…よろしく」
俺も、というのはこの目の前にいる男達が双子であり、ツムと呼ばれたこの男は兄そっくりな自分を見てその思考を斜め上にぶっ飛ばしたのだろう。
なぜその思考回路に至ったかは不明だがそれを聞くのは面倒くさい。
春だしな、うん。
そういうこともある…いや、ねえよ。
彼女の名前は角名名前。
スポーツ推薦を受け地元愛知からはるばる兵庫県稲荷崎高校にやってきた角名倫太郎の双子の妹である。
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