アランくんの彼女はロシア人
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放課後の自習室だが普段と比べてあきらか混雑していた。大耳は赤木の隣に座りながら「何してるん」と声をかけた。
「今日塾で十時まで勉強だから寝る」
「寝るのなら即刻立ち去れい」
「誰キャラ」
「ドラクエで言ってた気する」
「横山三国志ちゃうの」
後ろの席から顔をのぞかせた北がノートを開いたまましゃべる赤木とアランを見るなり「しゃべらんとやろうや。テスト勉強の意味ないで」ともっともらしいことを言った。
「さ、やろうか」と大耳がすかさず同意する。テスト期間中まっすぐうちに帰ろうとする北を呼び止めてバレー部員有志による勉強会に誘った甲斐があった。
「発破かけてもらうために連れてきたな」
「そやで。塾で試験範囲やってくれるかわからんから今やるんやろ」
「行く意味ある?」
「それ言うな」
「この中で塾行ってないやつおる?」
「おらんな。北も行っとるやろ」
「せやんな」
北はそれ以上何も言わずに英単語の反復を開始する。赤木もそれに倣ってしばらく黙々と数学の公式を解いていたが、端末を時折見るアランが目に入った。ロック画面がポケモンのガルーラなのはご愛嬌ということで。
「アラン、この後ガルーラと帰るん」
「まあな」
「これだから彼女持ちは…」
ガルーラと付き合い始めて半年が経過したが、今のところ順調らしい。なんなら同学年で男女カップルの最長記録を更新していた。
「文化祭の準備で今すれ違いまくってるけどな」
「仕事と俺どっちが大事とか聞いてみたら?」
「仕事やろな」
「悲しいこと言うやん」
なぜか胸に手当てて満ち足りた顔してるアラン。
「なんか腹立つ」と赤木は言い、周囲の人間は黙ってアランを小突き回した。
「きっと仕事してる私見てる尾白くん好きとか言うな」
「意味わかるようで全くわからん」
「哲学か?」
「二律背反やよな」
「あーなるほどな」
「全くわからん」
なんだかよくわからない主張を良い感じに受け止めた北と大耳は勝手に納得してウンウンと頷いた。