アランくんの彼女はロシア人
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「尾白さんだ」
「アランくーん」
「お前ら仲良いなー」
なんとなく中庭に集合して昼飯を食べていた男子バレー部の一年生組は近くの自販機でコーラを買っていたアランにしつこく絡んで残り時間を一緒に駄弁っていた。
「トイレ行くわ」とアランが席を外した時、暇を持て余した銀島がふと思い立つ。
「今から英語使わんでしゃべるゲームしようや」
宮兄弟が同時に首を傾げた。「そこ重なる?」と思ったが銀島は口に出さなかった。いちいち気にしてたらキリがないと最近になってようやく気づいたからだ。
「アランくんとか言うたらあかんねんな?」
「横文字言うかカタカナ禁止やな」
「角名ダンマリ無しな。十秒ごとになんか言わんと罰ゲ、あれな」
「やだよ。あと今言いかけたでしょ」
「今からな」
「ねえ、だから」
「ハイ!今から!」
「なんなの」
「ごまかし方ザツすぎる」
「…」
「みんなダンマリじゃん」
「尾白くんいますかー」
中庭の女子禁制の場にそぐわない明るい声に一同びくっと肩が揺れた。
「うわガルーラさんや」
思わず反射的に口に出してしまった。
「ハイ終了ー終了ー」
「まだ始まって秒も経ってないで」
二週間前アランの彼女になった「話題の人」登場に銀島は戸惑いながら言い返そうとする。
「ガルーラさんは英語やなくてロシア語だからセーフ…あ!」
「めっちゃ重ねてくるやん」
侑が人のことを指差しながら大口で笑い飛ばす。
「侑ツボが浅すぎるねんて」とこぼせば「わかる」と治が即座に同意する。
「聞いてる?ここにいるって聞いたんやけど」
「あ、少し前にトイレ行きました」
「じゃあ待とうかな」
「はい」
角名は後輩らしく姿勢を正して答えた。
「はいってなんやねん」
「侑うるさい」
「尾白くん!会えたー」
「珍しいなー」
トイレからちょうど帰ってきたようだ。
二人並べば同じぐらいの身長だとよくわかる。
女子にしては規格外に高い。
「これ渡しにきてん。明日昼休みにまた実行委員あるから忘れないで」
「わかったありがとな」
「またね」
スカートひるがえしてあっという間にいなくなった。国際ビッグカップルが話してるのをちゃんと見たのは初めてだ。
「ガルーラさんって仕切りたがりの委員長タイプやんな。アランくん尻にしかれたい派?」
「…なんでやねん」
「声ちっさ」