アランくんの彼女はロシア人
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赤木は目の前の女子を見てギョッとした。
「血、出とうで」
「ちゃうねん!あの!」
「鼻血!鼻血!」
「でかい声やめて」
慌ててティッシュを渡すと女子は鼻を押さえてそのまま宙を見上げたから「上向いたらあかん」と隣にいた北が冷静にアドバイスする。
「あ、ガルーラの友達の?身長ある方なんやな。ガルーラの腰あたりしかないと思ってたわ」
「あたし167センチですけど?あたしとおんなし身長やないの?」
「俺ら二人とも174あるわ!」
「175あるから」
北は1センチ差を主張する。その差はでかいのだ。
「大差ないよ」
女子は鼻を押さえながらフッと笑った。
北は珍しくムッとした顔をした。
「175.6」
「おい刻むな」
「176」
「伸ばすな」
「ガルーラちゃん185あるねんで。ちっちゃいなあ」
「お前かて同類や」
「よう言えたな」
「あ、ガルーラちゃんや」
ギョッとした顔をしてこちらまで小走りで来た。
顔半分血塗れの友人を見れば誰だってそうなる。
「また鼻血出たん。ちゃんと押さえてる?」
「片方だけ平気」
「ガルーラ、またって?」
「昨日も出てたから」
赤木が口を開ける前にその女子はメンチを切る。
「エロイこと考えてた?とか言ったら……」
「こっわ。聞きました今の」
「この子昨日男子にからかわれたから」
「ただの生理現象やもんな」
「よく分かったね。あたし二日…」
ガルーラが手に持った教科書を丸めて友人の頭をスパーンと叩いた。
生理二日目と言う声をなんとか阻止する。
「あ、血止まったね」
「昭和テレビみたいな扱いやめや」
「痛い…」
「泣ーかせたー泣かせーたー」
「しくしく」
「口からも血出てる」
「北は冷静やなぁ」
赤木と女子の茶番を無視して指摘する。たしかに唇も荒れていたのか赤い線が入っていた。
ガルーラは小さくため息をつくと制服のポケットからリップバームを取り出して指先ですくい取る。
それから顔を上げるように指示した。
顎クイをしてちょいちょいと付けていく。
最後に余ったクリームを自分の唇に付けた。
友人の顔がどんどん真っ赤になっていく。
「…真っ赤っ赤」
「見ないでぇ。ね、ねえねえこれ浮気かな」
「アランには黙っとくわ」
「やんなーガルーラちゃんも気にしてないもんねー」
「なんやこいつ!常習犯か!俺にもくれ!」
「ええよ」
「止めるな北!」
「唾つけとき」
「唾は乾燥ひどくなるからリップにしなよ」
「正論やな」
北はもっともだと頷いた。ツッコミ不在。
ガルーラ相手だと判定が甘すぎるきらいがある。
「二度づけ厳禁」
「ハイ!」
赤木はガルーラの施しをもらう。
自分で塗るセルフ形式だけど。
結構しっとりうるおった。「縦に塗るのがコツやねん」とガルーラはアドバイスする。
「あのね、彼氏に黙っとくから毎日塗ってや」
「この女ひかえめな脅迫を…」
「自分でやりや。帰りに同じの買いに行こう」
「お揃い…ええな…」
「ほんでちょろいなぁ」
「うっさい!」