アランくんの彼女はロシア人
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「赤木さんは…ガルーラのラインを知ってませんか?」
「はい!私はガルーラのラインを知りません」
すれ違い様に英語の直訳文のような質問された赤木はハキハキと答えた。
「なんで「はい!」って元気よく言ったん」
「俺が知ってたらやばない?なんで?」
アランは黙ってウンウンと頷く。
男子バレー部全員がガルーラと違うクラスだから知らないのは当然としてこれは相談を兼ねての自白に近い。
「ガルーラの連絡先知りたいねん」
「だからなんで?」
いつもは饒舌のアランが何かを言いあぐねている。赤木はピンと来た。
「…」
「!?アラン…お前、まさか…」
「昨日ちょっと話せたんやけど、ほんまにめっちゃええこでさぁ…」
アランに春が来た。
しかも相手は何かと目を引くアランにも引けを取らずに学年内でも目立つ存在だ。
赤木が知ってることと言えばガルーラはスラブ系特有の濃ゆい顔立ちをしていて身長が自分よりも高いということだけだ。
「まじか。あのガルーラか」
「皆には黙っとってな」
「おお、進展あったら教えてな」
ひそかに応援してやろう。
アランはあからさまにホッとした顔をしてありがとうと礼を言った。
***
「インスタにDM送った」
次の日、部室でロッカーに荷物を入れていたアランが小声で報告してきた。赤木は驚愕した。
「早ない?ブロックされた?」
「なんでやねん。向こうも俺のこと気になってた言うて今度の日曜日遊びに行こうって」
「すごいやん!脈アリちゃう?」
「でも普通に部活あるし。断ってもうた…」
「何しとんアラン!!」
赤木は思わず青いベンチに片足を乗せてアランを罵倒した。
「俺はなんてことを…」
こんなにも女々しいがアランは恋愛下手ではない。
初彼女は中学の同級生だ。
進路先の高校が違ったから結局別れたが。
今回は知らないクラスの女子に一目惚れして好きになった。ゆえに尻こそばゆい状態だった。そんなアランを察したのか赤木はやけに協力的だった。
「アランどうしたんな」
「大耳!1組のガルーラの連絡先を大至急!」
「直接本人に聞いたらええやん。なんなら信介あたりが知ってるんちゃう」
意気消沈してるアランの代わりに話が進んでいく。慌てて顔を上げた。
「なんで北?」
「ガルーラってあだ名考えたのたしか信介やで」
「あいつ名付け親か!」
「ガルーラ本名ちゃうんかい!」
新事実にツッコミを入れた。
「アランくん元気やなー」
「何の話ー」
「今度出るブラックとホワイトどっち買おうか思って」
入ってきた一年の双子とポケモン談義をしながら「ガルーラ」を新作ゲームのパーティに加えようと固く誓った。