このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

3話 こどくな鬼

 とある日本人学校に、身分を偽ってカブラギマルは通っている。
病弱で、日本にいたころにケイオスに襲われた心的外傷で休みがち
……という設定でどうにか出動をごまかしながら最低限人間として生きる術を手に入れようと10年頑張ってきた結果が薄っぺらい紙きれで帰ってくる。
「丸山祐希……47点……おわった……ぼくの中間」
わなわなと震える手に握られた答案に書かれた現実に、最年少ハンターユウキ・カブラギマル15歳は真っ青な顔で机に突っ伏した。
(怒られる、絶対尊さんに殺される!ちくちくちくちく京都イズムで詰られて出動の時の失敗までひっくるめて突かれる!あんなに、あんなにブラッド殿や五嶋さんにまで宿題見てもらったのにこんな結果、こんな……!)
「丸山ー、補修はどうする?」
「イッ」
担任の声に勢いよく頭を上げ、カブラギマルは思考をぐるぐる回した。
一番安全なのは通信授業で工面することだがもしスクランブルが入れば自分の正体が学校にばれてしまう。
保健室で受ければその心配はないが、万一スクランブルを無視をすればハンターベースから何を言われるか分かったものではない。
さて。
「保健室で、受けます……」
カブラギマルは安全策をとった。
1/3ページ
スキ