4話 水槽を泳ぐ舞台人形
銃声が夜の街で吼える。
漆黒のコートに身を包んだハンターは、獣の臭いを撒き散らしながら荒れ狂うケイオスを追っていた。獣は、異界の言葉でハンターを罵りながら暗い路地へ身を翻しその暗渠からはぞろぞろと武装した人間がハンターに襲いかかるべく走り出す。
「ブラッド殿、奥へ」
漆黒の背後から小さな面を被った少年が飛び出して刀を振るうと切り開かれた道へ向かい漆黒、否ブラッド・ストームは身を低くして滑り込んだ。
「なめやがって!ガキが一人で何ができる!」
「……………、それがしが、貴様らを、倒す」
白刃が月に煌めいて、悲鳴が空へ登っていった。
「くそ、マルは大丈夫か……?」
ブラッドはポケットに入れていた端末を開き、おそらくは聞こえていないふりをしているであろうローシへ話しかける。
「ブラッドだ、敵地に潜入した」
『わかっておるよ。わしのほうは終わらせたが、これは話に聞いてたよりひどい有様だな』
「マルに時間稼ぎをしてもらってる。助けてやってくれ」
『そうなの?しょうがないのう』
そういってローシが通信を打ち切ったので、ブラッドはうすら寒い病院の裏口から地下深くへ降りていく。そのうち二人も追いついては来るだろうが不安はぬぐえずにいた。
漆黒のコートに身を包んだハンターは、獣の臭いを撒き散らしながら荒れ狂うケイオスを追っていた。獣は、異界の言葉でハンターを罵りながら暗い路地へ身を翻しその暗渠からはぞろぞろと武装した人間がハンターに襲いかかるべく走り出す。
「ブラッド殿、奥へ」
漆黒の背後から小さな面を被った少年が飛び出して刀を振るうと切り開かれた道へ向かい漆黒、否ブラッド・ストームは身を低くして滑り込んだ。
「なめやがって!ガキが一人で何ができる!」
「……………、それがしが、貴様らを、倒す」
白刃が月に煌めいて、悲鳴が空へ登っていった。
「くそ、マルは大丈夫か……?」
ブラッドはポケットに入れていた端末を開き、おそらくは聞こえていないふりをしているであろうローシへ話しかける。
「ブラッドだ、敵地に潜入した」
『わかっておるよ。わしのほうは終わらせたが、これは話に聞いてたよりひどい有様だな』
「マルに時間稼ぎをしてもらってる。助けてやってくれ」
『そうなの?しょうがないのう』
そういってローシが通信を打ち切ったので、ブラッドはうすら寒い病院の裏口から地下深くへ降りていく。そのうち二人も追いついては来るだろうが不安はぬぐえずにいた。